5 イベント、アラートおよびインシデントの管理
5.1 イベント
イベントは、潜在的な問題を示す重要な出来事です。メトリックしきい値に達すると、メトリック・アラートが発生します。メトリック・アラートは、イベントの1タイプです。アラートはまた、各種ターゲット可用性状態に対して生成される可能性があります。
イベント・タイプ
通常、Enterprise Monitoringで使用される主要なイベント・タイプは次のとおりです。- メトリック・アラート: 特定のターゲットのメトリックまたはターゲットとオブジェクトの組合せのメトリックに対してアラートが発生したときに、指定のしきい値を超えるラグなどのメトリック・アラート・イベントが生成されます。
- ターゲット可用性: ターゲット可用性イベントは、ターゲットの可用性ステータスを表します。たとえば、「稼働中」、「停止中」、「エージェント使用不可」、「ブラックアウト」などです。Oracle GoldenGateで使用可能なすべてのターゲットの詳細は、サポートされているターゲット・タイプを参照してください。
5.2 メトリック・データとアラート
メトリック・データとは、頻繁に変更されるデータの集合のことです。メトリック・データに対してアラートを作成できます。Oracle GoldenGateには、ターゲット・タイプごとに事前定義済のメトリック・タイプとデフォルトの収集時間が用意されています。
- チェックポイントの位置
- 名前
- ステータス
- 開始時間
- ファイルの終わり
- ラグ(秒)
- 挿入の合計
- 挿入差分
- 削除の合計
- 削除差分
- 切捨ての合計
- 切捨て差分
- 操作の合計
- 操作差分
- 秒当たりの操作差分
- 実行済DDLの合計
- 実行済DDL差分
- 破棄の合計
- 破棄差分
- 無視の合計
- 無視差分
- 最後のOGGチェックポイントのタイムスタンプ
- 最後の処理のタイムスタンプ
- 行フェッチ試行差分
- 行フェッチ失敗差分
- 行フェッチ失敗合計
メトリック・データの詳細は、ExtractおよびReplicatを参照してください。収集されたメトリック・データは管理リポジトリに保存され、各ターゲットの事前定義済のしきい値と比較されます。しきい値に達すると、アラートが生成されます。インシデントは、ターゲットの各ホームページに表示されます。
5.3インシデントとアラート
インシデントとは、管理者の注意を必要とする問題を識別する、単一のイベントまたは密接に関連付けられたイベントのセットが含まれる1つの単位です。インシデントは1つのイベントに対応する場合もありますが、より一般的には、関連するイベントのグループに対応します。
Oracle Enterprise Managerにはインシデントに対処するための様々なオプションが用意されています。管理者はアラートのトリガー時に自動的に通知を受信でき、またアラート状態を自動的に解決する修正処理を設定できます。
メトリック・アラートを設定し、様々なターゲット可用性状態についてアラートを生成することもできます。このトピックの内容は次のとおりです。5.3.1 ExtractおよびReplicatのメトリック・アラートおよびインシデントの設定
メトリック・ステータス値のアラートを設定する場合、ExtractおよびReplicatのステータス値は次のとおりです。
- 登録済 - 2
- 起動中 - 3
- 実行中 - 7
- 停止 - 8
- 強制停止 - 9
- 停止中 - 10
- 強制停止中 - 11
- 異常終了 - 12
- 強制終了 - 13
- 応答なし - 16
ターゲットのステータスをモニターするために、ターゲット可用性に対するアラートの設定をお薦めします。
5.3.2 Oracle GoldenGateターゲット可用性に対するインシデントおよびアラートの設定
Oracle GoldenGateターゲットに問題がある場合に通知を受け取るには、これらのターゲットのターゲット可用性に対してアラートを設定する必要があります。
- ホーム・ページで、「設定」をクリックして「インシデント」を選択し、「インシデント・ルール」をクリックして「インシデント・ルール - すべてのエンタープライズ・ルール」・ページを表示します。
- 「ルール・セットの作成」...をクリックします。
- 「名前」に、たとえばターゲット可用性のためのインシデント管理ルール・セットと入力し、「保存」をクリックします。
- 「ターゲット」領域で、「すべてのターゲットのタイプ」を選択し、隣接するドロップダウンからターゲット・タイプを選択します。
- 「ルール」領域で、「作成」をクリックして、「作成するルールのタイプを選択」ダイアログ・ボックスを表示します。
- 「受信イベントおよびイベントの更新」を選択し、「続行」をクリックして「新規ルールの作成: イベントの選択」ページを表示します。
- 「タイプ」ドロップダウン・リストから「ターゲット可用性」を選択し、「次へ」をクリックして「新規ルールの作成: アクションの追加」ページを表示します。
- 「追加」をクリックして「条件付きアクションの追加」ページを表示し、「常にアクションを実行」を選択します。
- 「通知の送信」で、「基本通知」を展開し、「電子メールの宛先」および「電子メールCc」に電子メールIDを入力して、通知の受信者を割り当てます。これらの電子メールIDは、Enterprise Managerのユーザーに属していてもかまいません。
- 「続行」をクリックして、「新規ルールの作成: イベントの選択」ページに「アクション・サマリー」を表示します。
- 「次へ」をクリックして、「新規ルールの作成: 名前と説明の指定」ページを表示すると、このページにルール166などの新しいルールが表示されます。ルール名を指定するか、「次へ」をクリックして事前指定済の名前を受け入れると、「新規ルールの作成: 確認」」ページを表示できます。
- 「続行」をクリックし、「保存」をクリックして新しいルールを保存します。
この例では、ルール166が正常に作成され、現在のルール・セットに追加されています。ターゲット可用性のためのインシデント管理ルール・セットは、選択したターゲットのターゲット可用性に設定されているインシデント・ルール・セットであり、アラートをトリガーし、これらのターゲットの問題またはイベントの場合に指定した受信者に電子メールを送信します。
5.4 ホーム・ページのアラート
Oracle GoldenGateホーム・ページには、生成されたすべてのインシデントが表示されます。メトリックしきい値に達すると、アラートが生成されます。最新のアラートがリストの先頭に表示されます。
- OGGホーム・ページで、「インシデント」の数字(クリティカルまたは警告)をクリックして「インシデント・マネージャ」を表示します。
- アラート・メッセージをクリックすると、アラートで選択したメトリックの詳細がすべて表示されます。