3.1 JAWSを使用したフォーム・ページへのアクセス

Oracle Application Expressのページの多くは、アプリケーションのメタデータを保持するために設計されたフォーム・ページです。このセクションでは、これらのページの構造について理解し、JAWSなどのスクリーン・リーダーを使用して対話する方法について説明します。

3.1.1 ページの構造について

多くのフォーム・ページは、論理的に異なるリージョンに分けられます。たとえば、「ページ・アイテムの編集」ページには、ページ・アイテムに関する情報を保持するためのフォーム・フィールドを含む次のリージョンがあります。

  • 名前

  • 表示

  • ラベル

  • 設定

  • LOV(アイテム・タイプに応じたもの)

  • 要素

  • ソース

  • デフォルト

  • クイック選択(アイテム・タイプに応じたもの)

  • 条件

  • 読取り専用

  • セキュリティ

  • 構成

  • ヘルプ・テキスト

  • コメント

Oracle Application Expressでは、その開発インタフェース全体を通じてヘッダー(Hn)・タグを使用し、ページ構造を定義します。たとえば、ページ・アイテムの編集ページには、カレント・アイテム名に関するテキストを含むH1ヘッダーが1つと、前述のリストのすべてのアイテム属性グループを含む、その他すべての個別のページ・セクション用のH2ヘッダーが含まれます。このようなページのナビゲートには、標準のスクリーン・リーダー・ヘッダー・ナビゲーションを使用してください。

3.1.2 ヘルプ・テキストへのアクセス

Oracle Application Express開発環境内の大部分のアイテムには、フィールドレベル・ヘルプが定義されています。フィールドレベル・ヘルプを実行するには、ヘルプが必要なアイテムにフォーカスを置いて、キーボード・ショートカット[Alt]+[F1]を押します。このキーボード・ショートカットを押すと、ヘルプ・テキストを含むポップアップ・ウィンドウが表示されます。

3.1.3 検証エラーの処理

Oracle Application Expressには、JAWSユーザーがフォーム・ページの検証エラーを処理する際に役立つ機能が多数組み込まれています。

3.1.3.1 「エラーが発生しました」の理解について

スクリーン・リーダー・モードの使用時にフォーム・ページで検証が失敗すると、ページ・タイトルの前に次の接頭辞が付けられます。

x errors have occurred - [page title]

ページがロードされると、JAWSによりページ・タイトルが通知されます。つまり、JAWSのユーザーには、検証が失敗したことがすぐに伝わります。

3.1.3.2 エラーの確認

エラー・メッセージが表示されているページのセクションにナビゲートするには、n個のエラーが発生しましたというテキストを含むH2(ヘッダー・レベル2)タグを見つけます'('n'はエラーの数)。このヘッダーのすぐ後に、ページで発生したすべてのエラーを含む順序付けされていないリストが表示されます。

3.1.3.3 エラーを修正するために関連フィールドにナビゲート

特定のページ・アイテムに関連する検証では、Oracle Application Expressは実際のエラー・メッセージを「通知」セクションのリンクとして表示します。リンクをアクティブ化すると、関連するアイテムにフォーカスが移動します。これにより、すべてのユーザーが、エラーに関連するページにすぐに移動できるようになります。

3.1.3.4 WAI-ARIAサポートについて

Oracle Application Expressには、アイテム・エラーの効果的な処理においてスクリーン・リーダーのユーザビリティを助けるために、いくつかのWeb Accessibility Initiative - Accessible Rich Internet Applications(WAI-ARIA)マークアップが含められています。この拡張により、WAI-ARIAをサポートするスクリーン・リーダーとブラウザの組合せに対するスクリーン・リーダーのユーザーの操作性が向上します。

特定のページ・アイテムに関連するエラーが発生すると、そのページ・アイテムに次の追加の属性が付けられます。

  • aria-invalid="true"

    これは、スクリーン・リーダーのユーザーがそのページ・アイテムにフォーカスすると、スクリーン・リーダーにより無効なエントリであることが通知されることを意味します。

  • aria-describedby="[page_item_name]_error"

    この属性値はそのアイテムに関連するエラー・メッセージに対応付けられているため、スクリーン・リーダーのユーザーがそのページ・アイテムにフォーカスすると、スクリーン・リーダーにより実際のエラーが通知されます。

この拡張が行われる前は、エラーのあるページ・アイテムにスクリーン・リーダーのユーザーがナビゲートすると、スクリーン・リーダーにより「ジョブ、編集、テキストのタイプ」と通知されることがありました。現在は、スクリーン・リーダーにより「ジョブの編集、無効なエントリ、ジョブに値が必要です、テキストのタイプ」と通知されます。