@MOVAVG

Essbaseの@MOVAVG計算関数は、n項の移動平均(平均値)を入力データ・セットに適用します。@MOVAVGは、平滑化の目的でデータ・セットを変更します。

セット内の各項は、n項の移動平均値に置き換えられ、最初の項(n-1項)は、入力データのコピーです。

構文

@MOVAVG (mbrName [, n [, XrangeList]])

パラメータ

mbrName

すべての有効な単一メンバー名、または単一メンバーを返す関数。

n

オプション。平均する値の数を表す正の整数値。デフォルトは3です。

XrangeList

オプション。同じディメンションからのメンバー・リストを返す有効なメンバー名、メンバー名のカンマ区切りリスト、ディメンション間メンバー、またはメンバー・セット関数か範囲関数(@XRANGEを含む)。XrangeListが指定されていない場合、Essbaseは、時間としてタグ付けされたディメンションのレベル0メンバーを使用します。

ノート

  • @MOVAVG関数は、中央に配置された平均ではなく、末尾の平均を計算します。例:

      Trailing Average       Centered Average 
         1   2   3              1   2   3
                 2                  2
  • 移動平均の計算中、この関数は#MISSING値をスキップし、それに応じて分母を減らします。たとえば、3つのうち1つの値が#MISSINGの場合、Essbaseは残りの2つの値を加算し、合計を2で除算します。

  • メンバー・セット関数を使用してXrangeListパラメータのメンバー・リストを生成する場合(たとえば、@SIBLINGS)、正しい結果を保証するために、Essbaseが生成されたメンバー・リストをソートする順序を検討します。詳細は、使用しているメンバー・セット関数のヘルプ・トピックを参照してください。

  • 計算スクリプトで@MOVAVGを使用する場合は、FIX文内で使用してください。FIXは必須ではありませんが、FIXを使用すると計算パフォーマンスが向上する場合があります。

  • 長さが定義されていない期間の場合、値はソース・メンバーの場合と同じです。たとえば、JanとFebの過去3か月の移動平均は存在しないため、計算できません。これが発生すると、Essbaseは、移動平均のJanとFebの値をコピーするだけです。

  • スパース・ディメンションの広い範囲で@MOVAVGを使用する場合は、計算機キャッシュのサイズを増やす必要がある場合があります。

次の例は、Sample Basicデータベースに基づいています。Measuresディメンションに、追加のメンバーMov Avgが含まれているとします。

"Mov Avg" = @MOVAVG(Sales,3,Jan:Jun);

この例では、@MOVAVGは、年の最初の6か月(JanからJun)の売上データを平滑化します。@MOVAVGの結果を@TREND関数とともに使用すると、ホリデー・シーズン(10月から12月など)の平均売上データを予測できます。

この例では、次のレポートが作成されます:

          Colas   New York   Actual              
              Sales     Mov Avg 
              =====     =======   
Jan            678        678   
Feb            645        645   
Mar            675        666   
Apr            712        677.3 
May            756        714.3 
Jun            890        786   

この例では、Essbaseは、移動平均のために一度に3つの値を平均します。Mov Avgの最初の2つの値(Jan、Feb)とSalesの最初の2つの値は同じです。Marの値は、Jan、Feb、およびMarの移動平均を表します。Aprの値は、Feb、Mar、およびAprの移動平均を表します。残りの値は、3つの値の各グループの移動平均を表します。