@MOVMAX
Essbaseの@MOVMAX計算関数は、n項の移動最大値(最高の数値)を入力データ・セットに適用します。@MOVMAXは、平滑化の目的でデータ・セットを変更します。
セット内の各項は、n項の移動最大値に置き換えられ、最初の項(n-1項)は、入力データのコピーです。
構文
@MOVMAX (mbrName [, n [, XrangeList]])
パラメータ
- mbrName
-
すべての有効な単一メンバー名、または単一メンバーを返す関数。
- n
-
オプション。移動最大値の計算に使用される値の数を表す正の整数値。デフォルトは3です。
- XrangeList
-
オプション。同じディメンションからのメンバー・リストを返す有効なメンバー名、メンバー名のカンマ区切りリスト、ディメンション間メンバー、またはメンバー・セット関数か範囲関数(@XRANGEを含む)。XrangeListが指定されていない場合、Essbaseは、時間としてタグ付けされたディメンションのレベル0メンバーを使用します。
ノート
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この関数は、中央に配置された最大値ではなく、末尾の最大値を計算します。例:
Trailing Maximum Centered Maximum 1 2 3 1 2 3 3 3
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移動最大値の計算中、@MOVMAXは
#MISSING
値をスキップします。たとえば、4つのうち1つの値が#MISSING
の場合、@MOVMAXは残りの3つの値の最大値を計算します。 -
Essbaseメンバー・セット関数を使用して、XrangeListパラメータのメンバー・リストを生成する場合(@SIBLINGSなど)、正しい結果を保証するために、Essbaseが生成されたメンバー・リストをソートする順序を検討します。詳細は、使用しているメンバー・セット関数のヘルプ・トピックを参照してください。
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計算スクリプトで@MOVMAXを使用する場合は、FIX文内で使用してください。FIXは必須ではありませんが、FIXを使用すると計算パフォーマンスが向上する場合があります。
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スパース・ディメンションの広い範囲で@MOVMAXを使用する場合は、計算機キャッシュのサイズを増やす必要がある場合があります。
例
次の例は、Sample Basicデータベースに基づいています。Measuresディメンションに、追加のメンバーMov Maxが含まれているとします。
"Mov Max" = @MOVMAX(Sales,3,Jan:Jun);
この例では、@MOVMAX関数は、年の最初の6か月(JanからJun)の売上データを平滑化します。@MOVMAXの結果を@TREND関数とともに使用すると、ホリデー・シーズン(10月から12月など)の最大売上データを予測できます。
この例では、次のレポートが作成されます:
Root Beer New York Actual
Sales Mov Max
===== =======
Jan 551 551
Feb 641 641
Mar 586 641
Apr 630 641
May 612 630
Jun 747 747
この例では、Essbaseは一度に3つの値を使用して移動最大値を計算します。Mov Maxの最初の2つの値(Jan、Feb)とSalesの最初の2つの値は同じです。Marの値は、Jan、Feb、およびMarの移動最大値を表します。Aprの値は、Feb、Mar、およびAprの移動最大値を表します。残りの値は、3つの値の各グループの移動最大値を表します。