カスタム計算および割当てのためのオフセット処理
Essbase集約ストレージ(ASO)キューブのカスタム割当てを設計する場合は、複式簿記の原則を理解しておくと、オプションの割当て基準の1つとしてオフセットの目的を把握するのに役立ちます。
一般会計の簿記では、オフセット・エントリは、等しい値の取引から元帳の反対側で相殺するための方法となります。このドキュメントでは、オフセット・エントリはオフセットと呼ばれます。
オフセットの指定はオプションです。オフセットは、貸方の合計と借方の合計が等しくない場合に必要になる可能性があります。貸方と借方の合計が等しくない場合、元帳は貸借不一致になります。このようなケースで、オフセットが元帳の貸借一致に使用されます。
たとえば、Januaryの貸方$100に対して元帳の借方側に$100のオフセットを追加して、予定されているその金額の支出に備えて元帳を貸借一致させることが必要になることがあります。
オフセットはタプルの形式で指定する場所となり、ここに、Essbaseによって、カスタム計算スクリプトの結果をオフセットした値が書き込まれます。
次の例では、POVがProd1、Prod2、AcctA、AcctB、Janであると仮定します。
次のカスタム計算スクリプトの合計は13になります。
mbr1 := 7;
mbr2 := -4;
mbr3 := 0;
mbr4 := 10;
したがって、オフセットが必要な場合、オフセットも13である必要があります。オフセットがOffset_Memberというメンバーに書き込まれると仮定します。
Debit Credit
mbr1 7
mbr2 4
mbr3 0
mbr4 10
mbr_offset 13
Total 17 17
オフセットが使用されるときは、貸方と借方の処理は逆になります。オフセットが貸方と借方の処理で使用される場合は、次の一連の計算が発生します。
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指定されたPOVについて、計算スクリプトで記述された結果の合計(このケースでは13)を取得します。
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合計が正数の場合は、ターゲット・キューブ内の貸方メンバーにそれを書き込みます。
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合計が負数の場合は、それを正数に変更し、ターゲット・キューブ内の借方メンバーに書き込みます。