CALCULATE COLUMN

Essbaseレポート・ライターのCALCULATE COLUMNコマンドは、新しいレポート列の作成、オンザフライ計算の実行、新しく作成された列への計算結果の表示を行います。

新しく計算された各列は、既存の列の右側に作成順に追加されて、次に利用可能な列番号が付与されます。

列の番号付けや順序付けの情報については、ORDERを参照してください。

構文

{ CALCULATE COLUMN "newColumn" = expression }

パラメータ

"newColumn"

引用符で囲んだ新しい列名。

expression

列の計算式。

演算子または等式が指定されていない場合、デフォルトは+ (加算)です。

列の計算では、次の算術演算子がサポートされます。

+ 加算演算子。

- 減算演算子。

* 乗算演算子。

%X%Y XをYの割合として評価します。

/ 除算演算子。

:X:Y XからY (XとYを含む)のデータ値の加算を実行します。複数の演算子と使用する場合は最初の演算子にする必要があります。

ノート

  • レポート内で1回につき50より少ない列の計算を定義できます。

  • 式の中のすべての引数は、列の元の順序または定数で判別される、有効なデータ列の数字である必要があります。浮動小数点の定数は、式に直接入力できます(0.05など)。整数値は、最終桁の後の小数点で指定されます(例: 10.)。これにより、整定数が列参照から区別されます。たとえば、次のコマンドでは、列1から12までが加算され、合計が12で除算されます。

    {CALCULATE COLUMN "New_Col" = 1+3 / 6+8 % 15 * 100.-"Tot_Row" 3+12} 
  • 式ではすべての演算子の前後に単一のスペースを付けます。

  • ネストされた(カッコ付きの)式はサポートされません。

  • 式は、演算子の優先度に関係なく、常に左から右に評価されます。たとえば、式1 + 4 + 5 / 100.0では、列1、4および5が加算され、その合計が100で除算されます。列1と4を加算して、列5を100で除算した商を加算するには、次の式を使用します: 5 / 100.0 + 1 + 4

  • 列を読みやすい方法で配置するには、ORDERコマンドを使用できます。

  • 複数の列に同じ名前を使用すると、EssbaseではCALCULATE COLUMNコマンドで指定した最後の列のみが作成されます。2つ目の名前の前に1つのスペースを使用して(3つ目の前には2つのスペースなど)、一意の列名を作成します。

  • SUM RANGE演算子(:)は、式で最初の演算子としてのみ使用できます。たとえば、= 1 : 3または= 1 : 3 + 7 * 9は有効な式ですが、=7* 9 : 12は、SUM RANGE演算子が最初の演算子ではないため無効になります。SUM RANGE演算子(:)は、計算済行と一緒に引数の1つとして使用できません。たとえば、= 1 : "Total_Sales" 3は無効です。

  • 列の計算内の計算済行への参照には、計算で値を使用する単一列を指定するための列の制限を含める必要があります。

  • 列の計算では、まだ宣言されていない計算済行の名前を参照できません。{ CALCULATE ROW "calcrowname" OFF }を、それを参照しているCALCULATE COLUMNの前で使用すると、行計算演算の実際の定義が、レポート内の後までできない場合でも計算済行の名前を宣言できます。

  • 列の計算が、繰返しグループ内でネストされているメンバーに添付されると、この計算は繰り返し再定義されます。これは許可されますが、非常に非効率的です。可能な場合は、メンバーが繰り返されるレポートの領域の前に、列計算を定義します。同じ名前がレポートで後から新しい別の定義で発生する場合、以前の定義は失われます。

例1 (CALCULATE COLUMN)

次の例は、Sample Basicに基づいています。

<PAGE (Measures, Market)
Sales
<SYM
     <COLUMN (Scenario, Year)
     Actual Budget
     Jan Feb
{WIDTH 8 0}
{WIDTH 7}
{WIDTH 11 5 6}
{CALCULATE COLUMN "Actual YTD" = 1 + 2}
{CALCULATE COLUMN "Budget YTD" = 3 + 4}
{ORDER 0 1 2 5 3 4 6}
<ROW (Market)
<CHILD "400"
     !

この例では、次のレポートが作成されます:

                                  Sales Actual 

             Jan          Feb      Jan                Feb               
        400-10 400-20     400-20 400-30 400-10     400-30 Actual Budget 
        ====== ====== ========== ====== ====== ========== ====== ====== 

Market   2,839  2,562      2,596  1,233  2,879      1,261  5,401  4,112 

                                  Sales Budget 

             Jan          Feb      Jan                Feb               
        400-10 400-20     400-20 400-30 400-10     400-30 Actual Budget 
        ====== ====== ========== ====== ====== ========== ====== ====== 

Market   2,320  2,040      2,050    990  2,350      1,030  4,360  3,340 

例2 (CALCULATE COLUMN)

次のサンプルでは、追加の列計算を示します。

最初の3列の合計と等しい1st Qtrという名前の新しい列を計算するには、次のようにします。

{CALCULATE COLUMN "1st Qtr" = 1 : 3}

Total Salesという計算済行の列12の値の割合として取得された列12と等しい、新しい列を計算するには、次のようにします。

{CALCULATE COLUMN "% of Total" = 12 % "Total Sales" 12}

定数35を乗算した列1に等しい新しい列を計算するには、次のようにします。

{CALCULATE COLUMN "Extended_Price" = 1 * 35.}

次の例では、新しい列を計算するために、列1から列3を加算し、結果を列6で除算し、列8を加算し、その結果を列15の割合として取得し、その結果に定数100を乗算し、計算済行Tot_Rowの3番目の列の値を減算し、その結果を列12に追加します。

{CALCULATE COLUMN "New_Col" = 1+3 / 6+8 % 15 * 100.-"Tot_Row" 3+12}