2 Oracle Essbaseの上位タスク

Essbaseの最も一般的な管理タスクを確認します。サンプル・アプリケーション・ワークブックをダウンロードし、それらを使用してキューブの構築、ユーザーのプロビジョニング、およびデータ分析のためのSmart Viewへの接続を行います。メンバーを追加することでキューブ・アウトラインを編集します。計算を実行し、データをエクスポートし、キューブ・デザイナを探索します。

これらのタスクの操作を開始する前に、Essbaseにログインできることと、Smart Viewおよびキューブ・デザイナがクライアント・コンピュータにインストールされていることを確認してください。キューブ・デザイナの設定を参照してください。

サンプル(動的)アプリケーション・ワークブックのダウンロードとその構造の探索

ブロック・ストレージ・サンプル(動的)・アプリケーション・ワークブックでは、キューブ内のすべての非リーフ・レベル・メンバーは動的に計算されます。動的に計算された値はキューブに保管されず、値は各ユーザーが取得するたびに再計算されてレンダリングされます。

ここで、Essbase内のファイル・カタログからアプリケーション・ワークブックをダウンロードし、それをローカル・ドライブに保存し、その構造を調べます。

サンプル(動的)アプリケーション・ワークブックのダウンロード

ブロック・ストレージ・サンプル(動的)・アプリケーション・ワークブックをダウンロードするには:

  1. アプリケーション・ページで、「ファイル」をクリックしてから、「ギャラリ」 > 「アプリケーション」 > デモ・サンプル > 「ブロック・ストレージ」の順にクリックします。

  2. 「ブロック・ストレージ」タブで、Sample_Dynamic_Basic.xlsxの横にある「アクション」メニューをクリックします。

  3. アプリケーション・ワークブック・ファイル、Sample_Dynamic_Basic.xlsxをローカル・ドライブに保存します。

サンプル(動的)アプリケーション・ワークブックの構造の確認

アプリケーション・ワークブックには、キューブのメタデータを定義する多数のワークシートが含まれています。これには、キューブのすべてのディメンションに名前を付け、それらに関するその他の情報を定義するEssbase.Cubeワークシート、各ディメンション用の個別のワークシート、およびデータ・ワークシートが含まれます。

  1. Microsoft Excelで、Sample_Basic_Dynamic.xlsxを開きます。

  2. Essbase.Cubeワークシートには、アプリケーション名(Sample_Dynamic)、キューブ名(Basic)、10個のディメンションの名前、およびディメンションに関するその他の情報が定義されています。
    ブロック・ストレージ・サンプル(動的)・アプリケーション・ワークブックのEssabase.Cubeワークシートのイメージ。

  3. 各ディメンションには、構築方法、増分モードなどの情報でディメンションの詳細が定義されている別のワークシート(Dim.dimname)があります。このサンプル・アプリケーション・ワークブックの各ディメンションの構築方法は「親-子」であるため、メンバーはPARENT列とCHILD列で定義します。

    Dim.Yearワークシートでは、各月は四半期にロールアップされ、各四半期は年にロールアップされます。たとえば、子メンバーJan、Feb、Marは親メンバーQtr1にロールアップされます。子メンバーQtr1は親メンバーYearにロールアップされます。
    ブロック・ストレージ・サンプル(動的)・アプリケーション・ワークブックのDim.Yearワークシートのイメージ。

    Dim.ProductワークシートとDim.Marketワークシートは同様の構造になっています。Dim.Productでは、SKUが製品ファミリにロールアップされ、製品ファミリはProductにロールアップされます。たとえば、子メンバー100-10、100-20および100-30 (SKU)は親メンバー100 (製品ファミリ)にロールアップされます。子メンバー100は親メンバーProductにロールアップされます。
    ブロック・ストレージ・サンプル(動的)・アプリケーション・ワークブックのDim.Productワークシートのイメージ。

  4. このサンプル・アプリケーション・ワークブックにはデータが含まれています。最後のワークシート、Data.Basicにスクロールして、列およびデータの構造を確認します。
    ブロック・ストレージ・サンプル(動的)・アプリケーション・ワークブックのData.Basicワークシートのイメージ。

このトピックでは、アプリケーション・ワークブックをダウンロードしてその構造を調べる方法を確認しました。次に、ファイル・カタログの「ギャラリ」セクションを使用してその他のテンプレートにアクセスする方法について学習します。

Essbase Webインタフェースでのアプリケーションの作成、およびキューブのアクセスおよび問合せのためのユーザーのプロビジョニング

「サンプル(動的)アプリケーション・ワークブックのダウンロードとその構造の探索」では、Sample_Basic_Dynamic.xlsxを使用して、アプリケーション・ワークブックの構造について学習しました。

次は、このワークブックを使用して、Essbase Webインタフェースでのアプリケーションの作成、およびキューブのアクセスおよび問合せのためのユーザーのプロビジョニングの方法を学習します。

Essbase Webインタフェースでのアプリケーションの作成

  1. Essbase Webインタフェースにある「アプリケーション」ページで、「インポート」をクリックします。
  2. 「インポート」ダイアログ・ボックスで、「ファイル・ブラウザ」をクリックします(ワークブックがローカル・ファイル・システムにダウンロードされているため)。「サンプル(動的)アプリケーション・ワークブックのダウンロードとその構造の探索」で保存したブロック・ストレージ・サンプル(動的)アプリケーション・ワークブックSample_Basic_Dynamic.xlsxを開きます。
  3. 「構築オプション」で、「データベースの作成」を選択してから、データをロードするためのチェック・ボックスを選択します。キューブ内の階層構造のメジャーおよび集計は問合せ時にすべて動的に計算されるため、「スクリプトの実行」,を選択する必要はありません。

    ノート:

    クラシックWebインタフェースで、「詳細オプション」「構築オプション」の順に展開し、データベースを作成してデータをロードすることを選択します。
  4. 「OK」をクリックします。少しすると、Sample_DynamicアプリケーションおよびBasicキューブが作成されます。
  5. アウトラインを開きます:
    Redwoodインタフェースで、次を実行します
    1. 「アプリケーション」ページで、Sample_Dynamicアプリケーションを開き、キューブBasicを開きます。
    2. 「アウトラインの起動」をクリックします。アウトラインは、アプリケーション・ワークブックで定義されているBasicキューブのディメンションを表現したものです。アプリケーション・ウィンドウの別のタブでアウトラインが開き、アウトラインと他のWebインタフェース・アクションの間を移動できます。
    クラシックWebインタフェースで、次を実行します
    1. アプリケーション・ページで、Sample_Dynamicアプリケーションを展開し、Basicキューブを選択します
    2. キューブの「アクション」リストで、「アウトライン」を選択します。アウトラインは、アプリケーション・ワークブックで定義されているBasicキューブのディメンションを表現したものです。アウトラインは別のブラウザ・タブで開き、アウトラインと他のWebインタフェース・アクションの間を移動できます。
  6. キューブ・ディメンションを表示してから、そのディメンションの子にドリルダウンします。
    1. 「Year」ディメンションを展開し、四半期を表示します。
    2. 個々の四半期を展開し、月を表示します。

アプリケーション・ワークブックのすべての情報が新しいキューブ内で表現されました。

キューブへのアクセスと問合せのためのユーザーのプロビジョニング

  1. パワー・ユーザーとしてログインします。これにより、作成したアプリケーションに対して他のユーザーをプロビジョニングできるようになります。
  2. 「権限」に移動します。
    Redwoodインタフェースで、次を実行します:
    1. 「アプリケーション」ページで、Sample_Dynamicアプリケーションを選択します。
    2. 「カスタマイズ」をクリックします。
    3. 「権限」をクリックし、「追加」をクリックします。

      ノート:

      このダイアログで「追加」をクリックすると、新規ユーザーを追加できません。かわりに、アイデンティティ・プロバイダを使用してすでにプロビジョニングされているユーザーを追加できます。このトピックでは、ユーザーがプロビジョニングされていることを前提としています。Essbaseユーザーをプロビジョニングするには、いくつかの方法があります。独立したデプロイメントの場合はEssbaseユーザー・ロールおよびアプリケーション権限の管理を、スタック・デプロイメントの場合はユーザーおよびロールの管理を参照してください。
    4. 各ユーザーの横にある「追加」アイコンのイメージ。をクリックして、アクセス権を割り当てます。
    5. 「閉じる」Redwoodの「閉じる」アイコンのイメージ。をクリックして、右側のパネルでユーザーのリストを閉じます。
    クラシックWebインタフェースで、次を実行します:
    1. Essbase Webインタフェースのブラウザ・タブに戻り、「アプリケーション」に移動します。
    2. ユーザーをプロビジョニングするアプリケーションを選択します。この例では、「Sample_Dynamic」を選択しますアプリケーションではなくキューブを選択した場合、ユーザーのロールをプロビジョニングできません。
    3. 「アクション」メニューを使用してアプリケーション・インスペクタを開きます。
    4. アプリケーション・インスペクタ内で「権限」タブを選択します。
    5. 「追加」アイコンのイメージ。をクリックしてシステム上のユーザーをリストし、各ユーザーの横にある「追加」アイコンのイメージ。をクリックしてアクセス権を割り当てます。
  3. 各ユーザーの横のオプション・コントロールを使用してアクセス権を割り当てます。追加した各ユーザーに対して「データベース・マネージャ」を選択します。「データベース・マネージャ」はキューブに対するフル・コントロール権限がありますが、アプリケーションに対する権限はありません。

Smart Viewでのアプリケーションの分析では、Smart Viewに移動して、プロビジョニングしたユーザーとしてログインし、キューブに対する問合せを実行します。

Smart Viewでのアプリケーションの分析

Essbase Webインタフェースでのアプリケーションの作成、およびキューブのアクセスおよび問合せのためのユーザーのプロビジョニングでは、アプリケーション、データが含まれているキューブ、およびプロビジョニングされたユーザーを作成しました。

ここでは、Smart Viewからキューブに接続して、データのズームとピボットによるアド・ホック分析を実行する方法を説明します。

このタスクは、Smart Viewがインストールされていることを前提としています。Smart Viewインストーラのダウンロードと実行を参照してください。

Smart Viewからのキューブへの接続

  1. Microsoft Excelを開きます。

    Smart Viewがインストールされていると、「Smart View」リボンがExcelに表示されます。

  2. 「Smart View」リボンで、「パネル」をクリックします。
  3. 「Smart Viewホーム」ダイアログ・ボックスで、「ホーム」ボタンの横にある矢印をクリックし、「プライベート接続」を選択します。
  4. Essbaseへの接続に使用したものと同じURLを使用してプライベート接続を作成し、そのURLの末尾に/essbase/smartviewを追加します。たとえば、https://192.0.2.1:443/essbase/smartviewのようになります。
  5. 作成したユーザーとしてログインします。
  6. EssbaseClusterを展開します。
    Smart Viewプライベート接続のイメージ。

  7. Basicキューブを強調表示して、「接続」をクリックします。

アド・ホック分析の実行

Smart Viewの「オプション」ダイアログの「メンバー・オプション」タブで、階層の祖先の位置を最上位または最下位に指定できます。SSANCESTORONTOPは、Essbase Webインタフェースのアプリケーション構成で、管理者が最初に有効にする必要があります。ズーム・イン操作を実行すると、グリッドの形状が変わります。ここでは、デフォルトの最下位の位置を単純に使用します。

  1. 「EssbaseCluster」ツリーの「Sample_Dynamic」Basicキューブを選択し、「アド・ホック分析」をクリックします。
  2. 生成されたグリッドには、この動的キューブの5つのディメンションすべてを1つに集計したデータ値が表示されます。
    Basicキューブのグリッドのイメージ。
  3. メンバーのScenarioに移動し、特定のシナリオ・タイプのActualのデータに絞り込みます。
    1. Scenarioを含むセルをクリックします。
    2. 「Essbase」リボンで「メンバー選択」をクリックします。
    3. 「メンバー選択」ダイアログ・ボックスで、Actualメンバーの横にあるボックスを選択します。
      Actualメンバーが選択されているところのイメージ。
    4. 「追加」 「追加」のイメージ。 をクリックして、Actualを右ペインに移動します。
    5. Scenarioがすでに右ペインに含まれている場合は、それを強調表示し、左矢印を使用して削除し、「OK」をクリックします。

    「Essbase」リボンで、「リフレッシュ」をクリックします。グリッドは次のようになります。


    ScenarioがActualに置き換わったBasicキューブのグリッドのイメージ。

  4. Measureに移動し、Salesメンバーに絞り込んで売上データを参照します。
    1. Measureを含むセルを強調表示します。
    2. 「Essbase」リボンで「ズーム・イン」をクリックします。
    3. Profitを含むセルを強調表示して「ズーム・イン」をクリックします。
    4. Marginを含むセルを強調表示して「ズーム・イン」をクリックします。
    5. Salesを含むセルを強調表示して「選択項目のみ保持」をクリックします。

    グリッドは次のようになります。
    MeasureがSalesに置き換わったBasicキューブのグリッドのイメージ。

  5. Yearを含むセルをダブルクリックして、Yearにズーム・インします。

    グリッドは次のようになります。
    YearディメンションのメンバーQtr1、Qtr2、Qtr3、Qtr4を示すBasicキューブのグリッドのイメージ。

  6. Productを含むセルをダブルクリックして、Productにズーム・インします。

    グリッドは次のようになります。
    Productディメンションのメンバー(Colas、Root Beerなど)を示すBasicキューブのグリッドのイメージ。

  7. 製品当たりの期間が表示されるようにデータの表示を拡張します。ColasのQtr1を強調表示し、右クリックしたままB3からC3にドラッグしてピボットします。

    グリッドは次のようになります。
    ピボッドしたグリッドのイメージ。

  8. 地域別に各製品を確認します。B1のMarketをダブルクリックします。

    グリッドは次のようになります。
    Basicキューブのグリッドのイメージ。

  9. 地域にドリルダウンして、州別の製品の売上を表示します。A4のEastをダブルクリックします。

    すべての製品がすべての州で販売されているわけではないため、一部のセルにはデータ値のかわりに#Missingラベルが表示されます。

このタスクでは、簡単にデータ・グリッドをナビゲートし、グリッド自体をクリックしてズーム・インおよびピボットしました。「Essbase」リボンのツールを使用して同じアクションを実行することもできます。Smart Viewの使用に関する詳細は、「Smart View」タブをクリックし、「ヘルプ」をクリックします。

Essbaseアウトラインの変更では、Webインタフェースに戻り、アウトラインを変更します。

Essbaseアウトラインの変更

Smart Viewでのアプリケーションの分析では、Smart Viewでアプリケーションを分析しました。

Essbaseアウトラインの変更のこの例では、新しい予測メンバーを作成し、それをデータとともにシードして、計算スクリプトを実行します。

新規メンバーの作成

新規メンバーの作成から開始します。

  1. Essbase Webインタフェースの「アプリケーション」ページから、Sample_Dynamicアプリケーションを開き、Basicデータベース(キューブ)を開きます。
  2. 「アウトラインの起動」をクリックします。
  3. アウトラインがロックされている場合は、「アウトラインのロック解除」Redwoodの「アウトラインのロック解除」アイコンのイメージ。をクリックします。
  4. 「アウトラインの編集」Redwood UIアウトライン・エディタにある「アウトラインの編集」アイコンのイメージ。をクリックします。
  5. 「Scenario」ディメンションを展開します。
  6. 「予算」メンバーを選択します。
  7. アウトライン・ツールバーの「メンバーの追加」アイコンアウトライン・ツールバーの「メンバーの追加」アイコンのイメージ。で、「下に兄弟メンバーを追加」を選択します。
  8. メンバー名Forecastを入力し、「追加」を押してメンバーの追加スライダを閉じます。
  9. 新しいForecastメンバーを選択し、リストからチルダ(~)集計演算子を選択します。
  10. 「確認」「確認」アイコンのイメージ。をクリックします。
  11. 「アウトラインの保存」Redwoodの「アウトラインの保存」アイコンのイメージ。をクリックします。
  12. 「データベース・オプションの再構築」を選択し、「保存」をクリックします。
  1. Essbase Webインタフェース「アプリケーション」ページで、Sample_DynamicアプリケーションのBasicキューブを選択します。

  2. 「アクション」メニューをクリックして、「アウトライン」を選択します。

  3. 「編集」をクリックします。

  4. 「シナリオ」の横にある矢印をクリックして、Scenarioディメンションを開きます。

  5. メンバーを挿入します。

    1. 「編集」をクリックして、アウトラインを編集モードにします。

    2. 「Scenario」ディメンションを展開します。

    3. 「予算」メンバーを選択します。

    4. アウトライン・ツールバーの「アクション」で、「選択したメンバーの下に兄弟を追加します」を選択します。

  6. メンバー名、Forecastを入力し、[Tab]を押します。

  7. リストからチルダ(~)集計演算子を選択します。

    Forecastメンバーは、そのディメンション内の他のメンバーと集計されません。

  8. データ・ストレージ・タイプを「データの保管」のままにして、ユーザーが予測データを入力できるようにしておきます。

  9. 「保存」をクリックします。

Forecastメンバーへのデータのシード

Forecastメンバーにデータをシードするため、計算スクリプトを作成して予測データを計算します。

  1. Essbase Webインタフェースの「アプリケーション」ページで、Sample_Dynamicアプリケーションを開き、Basicデータベース(キューブ)を開きます。
  2. 「スクリプト」をクリックし、「計算スクリプト」をクリックして「作成」をクリックします。
  3. 「スクリプト名」フィールドにsalesfcstと入力します。
  4. 「スクリプトの内容」ボックスに単純な式を入力します。

    Forecast(Sales=Sales->Actual*1.03;)

    売上の予測は売上実績に1.03を乗算したものです。これにより、SalesのForecastメンバーに売上実績より3%高い値がシードされます。

  5. スクリプトを検証します。
  6. 「保存して閉じる」をクリックします。
  1. Essbase Webインタフェース「アプリケーション」ページで、Sample_DynamicアプリケーションのBasicキューブを選択し、「アクション」メニューをクリックして「検査」を選択します。

  2. 「基本」ダイアログ・ボックスで「スクリプト」タブを選択し、「計算スクリプト」が選択されている状態で 「追加」アイコンのイメージ。 をクリックし、計算スクリプトを追加します。

  3. 「スクリプト名」フィールドにsalesfcstと入力します。

  4. 「スクリプトの内容」ボックスに単純な式を入力します。

    Forecast(Sales=Sales->Actual*1.03;)

    売上の予測は売上実績に1.03を乗算したものです。これにより、SalesのForecastメンバーに売上実績より3%高い値がシードされます。

  5. 「保存して閉じる」をクリックします。

  6. すべてのタブが閉じるまで「閉じる」をクリックし、データベース・インスペクタを閉じます。

スクリプトの実行

計算スクリプトはジョブとして実行されます。

  1. Essbase Webインタフェースの「アプリケーション」ページで、「ジョブ」をクリックします。
  2. 「新規ジョブ」ドロップダウン・メニューから、「計算の実行」を選択します。

  3. 「計算の実行」ダイアログ・ボックスの「アプリケーション」フィールドで、Sample_Dynamicアプリケーションを選択します。

    Basicキューブに「データベース」フィールドが自動的に移入されることに注意してください。

  4. 「スクリプト」メニューで、作成したsalesfcst計算スクリプトを選択します。

  5. 「送信」をクリックします。

  6. 「リフレッシュ」をクリックして、ジョブが完了したことを確認します。

Smart Viewでの予測データの分析では、この新規予測データをExcelで分析します。ただし、最初にジョブの管理について詳細を確認します。

Smart Viewでの予測データの分析

Smart Viewでのアプリケーションの分析では、Smart Viewでデータを分析する方法を学習しました。Essbaseアウトラインの変更では、アウトラインにForecastメンバーを追加し、そこにデータをシードしました。

Smart Viewでの予測データの分析のこの例では、キューブへの再接続、データの分析、Excelのグリッドの作成、アド・ホック分析を行います。次に、計算が正しいことをテストし、グリッドを更新して、月次予測値を送信します。

ここでは、Smart View内のキューブに再接続して、さらなるデータ分析を行います。

  1. Excelを開き、セルにメンバーの名前(A3=Market、B3=Product、C1=Year、C2=Actual、D1=Sales、D2=Forecast)を入力し、次のようなワークシートを作成します。
    開始ワークシートのイメージ(A3=Market、B3=Product、C1=Year、C2=Actual、D1=Sales、D2=Forecast)
  2. 「Smart View」リボンで、Sample_DynamicアプリケーションのBasicキューブに再接続します。
    Smart Viewプライベート接続のURLのイメージ。

    「プライベート接続」のリストには以前の接続URLが表示されます。

  3. ログインするように求められたら、プロビジョニングされたユーザーとして接続します。
  4. セルにデータ値を移入するには、「アド・ホック分析」をクリックします。

    表示されたグリッドに計算の結果が表示されます。ActualおよびForecastの年次売上げデータがリフレッシュされます。Forecastの値はActualより3%高くなっています。
    グリッドのイメージ(Actual=400511、Forecast=412526.3)

  5. 計算が正しいことをテストするため、セルE3に=D3/C3というExcel式(予測データを実績データで除算する)を作成し、D3がC3よりも3%高いことを確認します。
    グリッドのイメージ(Actual=400511、Forecast=412526.3、E3の式=D3/C3)

    テスト結果で3%の増加を確認できます。Actualが400511、Forecastが412526.3で、E3が1.0になるはずです。


    グリッドのイメージ(Actual=400511、Forecast=412526.3、E3 1.03)
  6. ProductとMarketにズーム・インします。すべての製品および市場について、予測データが存在し、実績より3%高いことが確認できます。
    予測データを含むグリッドのイメージ。
  7. 次に、予測に関するデータ分析で使用するワークシートを構築し、いくつかの変更を行います。
    1. 予測が含まれているセルをクリックし、「選択項目のみ保持」をクリックします。
    2. EastとColasを含むセルA3とB3を選択してから、「選択項目のみ保持」をクリックします。

      グリッドは次のようになります。


      予測データを含むグリッドのイメージ。
    3. セルA3とB3を選択したまま、「ズーム・イン」をクリックし、詳細な製品SKUに関する州ごとの情報を表示します。

      グリッドは次のようになります。


      予測データを含むグリッドのイメージ。
    4. Yearディメンションを列にピボットします。Yearメンバーを強調表示し、「Essbase」リボンの「ズーム・イン」の横にある矢印を選択します。最下位にズームを選択して、月の最下位レベルを表示します。

      グリッドは次のようになります。


      予測データを含むグリッドのイメージ。
    5. 月ごとの値をいくつか入力してDiet Colaの予測を作成します。たとえば、範囲C5:H5内の各セルに500と入力します。
      予測データを含むグリッドのイメージ。
    6. 「データの送信」をクリックすると、セルO5の年全体の予測が3000に変更されます。これは毎月の値500の6か月分の合計です。

このタスクでは、正しいプロビジョニングを行っていれば、Smart Viewで簡単にキューブを分析および編集できることを確認しました。

キューブ・デザイナでのアプリケーションとキューブの作成では、キューブ・デザイナについて学習します。

キューブ・デザイナでのアプリケーションとキューブの作成

Smart Viewでの予測データの分析では、Excelでデータを分析しました。Excelで作業しているユーザーは、キューブ・デザイナを使用してアプリケーションを設計し、デプロイできます。

キューブ・デザイナでアプリケーション・ワークブックを開きます。キューブをデプロイ、ロードおよび計算します。Essbase Webインタフェースでキューブを表示します。

キューブ・デザイナでアプリケーション・ワークブックを開く

パワー・ユーザーとしてログインし、ギャラリからSample_Basic.xlsxアプリケーション・ワークブックをダウンロードします。

  1. Excelのキューブ・デザイナ・リボンで、「カタログ」 キューブ・デザイナ・リボンの「カタログ」アイコンのイメージ。 をクリックします。

    ログインを求められたら、パワー・ユーザーとしてログインします。

  2. 「ギャラリ」をクリックして、「アプリケーション」 > デモ・サンプル > 「ブロック・ストレージ」に移動し、「Sample_Basic.xlsx」をクリックします。

Sample Basicアプリケーション・ワークブックは、動的に計算されたメンバーがProductディメンションとMarketディメンションにないという点で、Sample Basic Dynamicアプリケーション・ワークブックと異なります。

たとえば、Sample_Basic.xlsxでDim.Marketワークシートに移動します。「ストレージ」列を参照します。X文字はありません。これは、メンバーが格納されること示しています。「ストレージ」列のX文字は、動的に計算されたメンバーを示しています。

したがって、ディメンションを作成してデータをロードした後に、キューブを計算する必要もあります。

キューブの作成、ロードおよび計算は、すべてキューブの構築ダイアログ・ボックスで1つのステップで行うことができます。

キューブの作成、ロードおよび計算

キューブ・デザイナを使用して、Sample_Basic.xlsxワークブックからキューブを作成、ロードおよび計算します。

  1. キューブ・デザイナ・リボンで、Sample Basicアプリケーション・ワークブック(Sample_Basic.xlsx)を開いたまま、「キューブの構築」 キューブ・デザイナ・リボンの「キューブの構築」アイコンのイメージ。 をクリックします。

  2. 「構築オプション」メニューで、「キューブの作成」を選択します。

  3. 「実行」をクリックします。

    同じ名前のアプリケーションがすでに存在する場合は、アプリケーションおよびキューブを上書きすることを確認するプロンプトが表示されます。「はい」をクリックして元のアプリケーションを削除し、この新しいアプリケーションを作成します。

  4. 「はい」クリックして、選択を確定します。

    ジョブが進行中の間は、「ジョブの表示」アイコンに砂時計が表示されます。ジョブはバックグラウンドで実行され、ジョブが完了するとキューブ・デザイナから通知が送信され、「成功」と表示されます。

  5. 「はい」をクリックしてジョブ・ビューアを起動し、ジョブのステータスを表示します。

Webインタフェースでのアプリケーションの表示

Essbase Webインタフェースで新規アプリケーションを表示して調べ、レベル・ゼロと上位レベルのブロックが存在することをチェックして、キューブが完全に計算されていることを確認します。

Redwoodインタフェースで、次を実行します:

  1. Essbase Webインタフェースにログインします。
  2. Sampleアプリケーションを開き、Basicキューブを開きます。
  3. 「アウトラインの起動」をクリックします。

    アウトラインを表示して、必要なディメンションが存在することを確認します。

  4. Basicキューブ・タブに戻ります。
    WebインタフェースのBasicキューブ・タブが選択されたタブを示すイメージ。

  5. 「一般」ページの「統計」の下に、レベル0と上位レベル・ブロックが存在し、キューブが完全に計算されていることを確認します。

クラシックWebインタフェースで、次を実行します:

  1. Essbase Webインタフェースにログインします。

  2. アプリケーション・ページでSampleアプリケーションを展開し、Basicキューブを選択します。

  3. Basicキューブの右にある「アクション」メニューをクリックして、「アウトライン」を選択します。

    アウトラインを表示して、必要なディメンションが存在することを確認します。

  4. アプリケーション・ページに戻ってSampleアプリケーションを展開し、Basicキューブを選択します。

  5. Basicキューブの右にある「アクション」メニューをクリックして、「検査」を選択します。

  6. インスペクタで、「統計」を選択します。

  7. 「一般」タブの「ストレージ」列で、キューブが完全に計算されていることを示すレベル0と上位レベルのブロックが存在することを確認します。

キューブ・デザイナでのデータの分析および増分更新の実行では、Excelから、このキューブ内のデータを分析し、増分更新を実行します。

キューブ・デザイナでのデータの分析および増分更新の実行

キューブ・デザイナでのアプリケーションとキューブの作成では、キューブの構築を実行し、データをロードし、ワークブックで定義されている計算スクリプトを実行しました。

キューブ・デザイナの問合せワークシートからデータを分析します。キューブにメンバーを追加します。

Sample Basicキューブ内のデータの分析

キューブの構築が正常に終了したことを検証し、データの分析方法を確認します。

  1. Excelのキューブ・デザイナ・リボンで、「分析」 キューブ・デザイナ・リボンの「データの分析」アイコンのイメージ。をクリックします。

  2. 「分析」メニューで、「問合せシートに接続」を選択します。

    ログインを求められた場合は、Essbaseのユーザー名とパスワードを入力します。

  3. SampleアプリケーションのBasicキューブに接続されます。

  4. これで、データを分析できるようになりました。

    1. Essbaseリボンを使用してCream Sodaにズーム・インし、Cream Sodaファミリに含まれている下位レベルの商品をすべて表示します。

    2. New Yorkでズーム・アウトしてEast regionをすべて表示し、再度ズーム・アウトして「Market」をすべて表示します。

Sample Basicキューブでの増分更新の実行

商品ディメンションに階層を追加し、その結果をSmart Viewで確認します。

  1. Dim.Productワークシートに移動し、その他のいくつかの商品がある商品ディメンションを更新します。

  2. 400商品ファミリに続いて、新規メンバーをワークブックに挿入します。

    1. 子が500の新しい親の「Product」を作成し、デフォルトの別名「Cane Soda」を指定します。

    2. 親が500の、500-10、500-20および500-30という3つの新規SKUを作成します。

    3. 新規SKUに別名を指定します。それらをCane Cola、Cane Diet ColaおよびCane Root Beerと呼びます。


      商品グループCane Soda (500)が追加されたSmart Viewグリッドのイメージ。

  3. 更新したワークブックを保存します。

  4. キューブ・デザイナ・リボンを使用して、「キューブの構築」 キューブ・デザイナ・リボンの「キューブの構築」アイコンのイメージ。をクリックします。

    このアプリケーションはすでにサーバーに存在し、ユーザーがそのアプリケーションの所有者(作成者)であるため、構築オプションは「キューブの更新 - すべてのデータの保持」にデフォルト設定されます。

  5. 「実行」をクリックします。

  6. ジョブの完了通知が表示されたら、「はい」をクリックしてジョブ・ビューアを起動します。

  7. 「成功」が表示されていることを確認してください。ジョブで「エラー」が返される場合は、ジョブをダブルクリックして詳細を確認できます。

  8. ジョブ・ビューアを閉じます。

  9. Dim.Productシートがアクティブな状態で、キューブ・デザイナ・リボンにある「階層ビューア」をクリックします。
  10. 「ディメンション階層」ダイアログ・ボックスで、Cane Soda商品グループが作成されたことを確認します。cane soda階層を示すキューブ・デザイナの階層ビューアのイメージ。
  11. 問合せワークシート(Query.Sample)に移動します。

  12. Dark Creamを強調表示し、「Essbase」リボンを使用してズーム・アウトすることによって、Productディメンションの上部に移動します。次に、「Cream Soda」でズーム・アウトします。

  13. 再度「Product」を選択し、「ズーム・イン」をクリックします。

  14. 「Cane Soda」を選択し、「選択項目のみ保持」をクリックします。

  15. 「Cane Soda」、「ズーム・イン」の順に選択して、子メンバーを表示します。

「Product」ディメンションにメンバーを追加しても、それらのメンバーにデータは移入されません。データを送信するには、Smart Viewを使用するか、データ・ロードを実行します。

キューブの構築に必要な要素をすでに把握しているか、サンプルがある場合は、アプリケーション・ワークブックがEssbaseキューブを設計するのに便利なツールです。

キューブへの表形式データの変換では、Essbase固有の構造を持たない列型のExcelワークシートを使用してアプリケーションを作成します。

キューブへの表形式データの変換

ERP表やデータ・ウェアハウスなどの外部ソース・システムからのデータは、アプリケーション・ワークブックとして書式設定されていません。依然として、キューブ・デザイナを使用してそこからキューブを構築できます。

  1. Excelのキューブ・デザイナ・リボンを選択し、「カタログ」 キューブ・デザイナ・リボンの「カタログ」アイコンのイメージ。をクリックします。
  2. 「ギャラリ」にある「Essbaseファイル」ダイアログ・ボックスで、Technical > Table Formatフォルダに移動してSample_Table.xlsxをダブルクリックします。

    Sample_Table.xlsxファイルには「Sales」というワークシートが含まれています。このワークシートは組織で一般的に使用される簡易な売上レポートを表しています。列見出しを見ると、メジャー(UnitsやDiscountsなど)、時間表現(Time.MonthやTime.Quarterなど)、地域(Regions.RegionやRegions.Areasなど)および製品(Product.BrandやProduct.LOBなど)があることがわかります。

    このレポートから、イントロスペクションを使用してアプリケーションとキューブを作成できます。イントロスペクションはEssbaseメタデータ要素の物理データ・ソース(この場合、Sample_Table.xlsxファイル)を検査する方法です。

  3. キューブ・デザイナ・リボンで、「データの変換」をクリックします。
  4. 「データの変換」ダイアログ・ボックスで、アプリケーション(Sample_Table)およびキューブ(Sales)のデフォルトの名前を受け入れることも、変更することもできます。
  5. キューブ・デザイナは表形式データを検査し、関係を導き出して正しいディメンショナリティを判断します。
  6. 「実行」をクリックし、キューブを作成するよう求められたら、「はい」をクリックします。
  7. ジョブが完了すると、「ジョブ・ビューア」ダイアログ・ボックスが表示されます。
    ステータスが「成功」になるまで、「はい」をクリックします。
  8. ジョブ・ビューアを閉じます
  9. Essbase Webインタフェースにログインします。
  10. キューブ統計を表示します:
    Redwoodインタフェースで、次を実行します:
    1. 「アプリケーション」ページで、Sample_Tableアプリケーションを開き、Salesデータベース(キューブ)を開きます。
    2. 「一般」ページで、「統計」をクリックします。
    3. 「ストレージ」列で、「既存のレベル0ブロック」の4,928という数字は、データがキューブにロードされたことを示します。
    クラシックWebインタフェースで、次を実行します:
    1. アプリケーション・ページでSample_Tableアプリケーションを展開し、Salesキューブを選択します。
    2. Salesキューブの右にある「アクション」メニューをクリックして、「検査」を選択します。
    3. 「統計」を選択します。「一般」タブの「ストレージ」にある「既存のレベル0ブロック」の番号4928は、データがキューブにロードされたことを示します。
  11. アウトラインを起動し、ディメンションを表示します:
    • Redwoodインタフェース「一般」ページで、「詳細」「アウトラインの起動」の順に選択します。
    • クラシックWebインタフェースで、データベース・インスペクタ上部にある「一般」タブを使用してアウトラインを起動します。
    アウトライン・エディタで、SalesキューブにMeasures、Time、Years、Geo、ChannelおよびProductの各ディメンションがあることを確認できます。
  12. 「メジャー」を展開します。
    Units、Discounts、Fixed Costs、Variable CostsおよびRevenueがフラット階層になっていることがわかります。

メタデータおよびデータのエクスポートと変更では、これらのメジャーの階層を作成し、割引の収益正味と、総コスト(固定および変動)を参照できるようにします。

メタデータおよびデータのエクスポートと変更

キューブへの表形式データの変換では、表形式データからアプリケーションおよびキューブを作成しました。

データを含むキューブをEssbase WebインタフェースからExcelにエクスポートしてから、エクスポートしたアプリケーション・ワークブックを開いてフォーマットを調べます。
  1. Excelにエクスポートします。
    Redwoodインタフェースで、次を実行します:
    1. Essbase Webインタフェース「アプリケーション」ページでSample_Tableアプリケーションを開き、Salesデータベース(キューブ)を開きます。
    2. 「アクション」メニューから、「Excelにエクスポート」を選択します。
    クラシックWebインタフェースで、次を実行します:
    1. Essbase Webインタフェース「アプリケーション」ページでSample_Tableアプリケーションを展開し、Salesキューブを選択します。
    2. 「アクション」メニューから、「Excelにエクスポート」を選択します。
  2. 「Excelにエクスポート」ダイアログ・ボックスで、親子の「構築方法のエクスポート」を選択します。
  3. 「データのエクスポート」を選択して、「OK」をクリックします。
    • データ・サイズが400 MB未満の場合、メタデータおよびデータはアプリケーション・ワークブックと呼ばれるExcelファイルにエクスポートされます。アプリケーション・ワークブックSales.xlsxをダウンロード領域に保存します。アプリケーション・ワークブックに、エクスポートしたキューブが定義されます。
    • データ・サイズが400 MBを超えている場合、データは圧縮ファイルで保存されており、エクスポートされたExcelファイルには含まれません。データおよびアプリケーション・ワークブックが格納されたZIPファイルは、ファイル・ページからダウンロードできます。
  4. Sales.xlsxを開きます。
  5. Data.Salesワークシートにスクロールし、これを表示します。これは、キューブのデータ・ワークシートです。
    各ディメンションのワークシートを確認します。ディメンション・ワークシートはDimで始まり、「メジャー」ディメンションのワークシートが含まれています。
  6. エクスポートされたアプリケーション・ワークブックを使用して、さらに増分更新を実行できます。たとえば、階層の追加や削除、メジャーへの式の追加、別名の変更、および計算の作成など、他にも多くのタスクを実行できます。
この章の一連のタスクは、アプリケーション・ワークブックまたは表形式データからキューブを設計およびデプロイする方法を示すことを意図しています。キューブをアプリケーション・ワークブックにエクスポートして、変更および再構築することによって、キューブの設計を徐々に改善できます。