9.7.7 対話モード・レポートへのリンクの設定
開発者は、構文をURLのRequest
値およびItemNames
セクションで使用して、対話モード・レポートにリンクします。
対話モード・レポートのデータは、宣言的なフィルタで決まります。開発者は、エンド・ユーザーに対する対話モード・レポート設定を変更することによって、レポート・パラメータを設定できます。ただし、これらの設定は、エンド・ユーザーが作業中のレポートのみに影響し、保存済のレポート設定には影響しません。開発者は、この項に記載されている構文を使用して、対話モード・レポートにリンクすることができます。
ノート:
追加の対話モード・レポート・リージョンを追加する場合、古い単一の対話モード・レポートのリンク構文を必ず変更してください。変更しなければ、リンクでエラーが発生します。複数の対話モード・レポート・リージョン、RequestまたはName構文があるページへのリンクは、リージョンの静的IDで完全修飾する必要があります。アプリケーションの外部(電子メールなど)から対話モード・レポートへのリンクを開くには、アプリケーションの「セッション管理」、「ディープ・リンク」属性を有効にする必要がある場合があります。セッション管理を参照してください。
- 対話モード・レポートのRequest構文
- 対話モード・レポートのName構文およびValue構文
- 対話モード・レポートのClearCache構文
- 対話モード・レポートにリンクする際の制限
- 有効な対話モード・レポートのリンクの例
- 無効な対話モード・レポートのリンクの例
- 共有対話モード・レポートへのリンクの設定
親トピック: 対話モード・レポートの管理
9.7.7.1 対話モード・レポートのRequest構文
特定の保存済レポートにリンクするには、次のRequest
構文を使用します。
IR[region static ID]_<report_alias>
次に例を示します。
IR[EMP]_dept20
ノート:
URLでのRequest
の使用はオプションです。複数の保存済レポートにリンクするには、各Requestをカンマで区切ります。
親トピック: 対話モード・レポートへのリンクの設定
9.7.7.2 対話モード・レポートのName構文およびValue構文
フィルタを作成するには、次のitemNames
構文およびitemValues
構文を使用します。
IR[region static ID]<operator>_<target column alias>
次に例を示します。
IR[EMP]C_ENAME:KING
ノート:
ページ上の対話モード・レポート・リージョンが1つのみの場合、itemName
はリージョンの静的IDで完全修飾する必要はありません。演算子が定義されていない場合、等号演算子によるフィルタが追加されます。
リンク内の対話モード・レポートにフィルタを作成するには、前述のitemNames
構文を使用して、URLのItem Namesセクションの対応する場所にフィルタ値を追加します。
対話モード・レポートにフィルタを含む行テキストを作成するには、Item Name構文でターゲット列の別名としてROWFILTER
を使用し、URLのitemValues
にフィルタ値を追加します。リンクは、タイプがSTRING
またはNUMBER
のレポートに表示されるすべての列を検索するRow Text Containsフィルタを追加します。
次に例を示します。
IR[EMP]_ROWFILTER:SALES
有効な演算子は、次のとおりです。
-
C
= 含む -
EQ
= 等しい(これがデフォルトです) -
GTE
= 以上 -
GT
= 次より大きい -
LIKE
= SQLのLike演算子 -
LT
= 次より小さい -
LTE:
より小さいか、等しい -
N
= NULL -
NC
= 含まない -
NEQ
= 等しくない -
NLIKE
= 類似ではない -
NN
= NULLではない -
NIN
= 次に含まれない(バックスラッシュ(\)を前後に使用してカンマ区切り値をエスケープしてください) -
IN
= 次に含まれる(バックスラッシュ(\)を前後に使用してカンマ区切り値をエスケープしてください) -
ROWFILTER
= 次を含む行テキスト(これは、タイプがSTRINGまたはNUMBERのレポートに表示されるすべての列を検索します)
親トピック: 対話モード・レポートへのリンクの設定
9.7.7.3 対話モード・レポートのClearCache構文
ヒント:
保存済レポートの別名を指定しないでRequest
でClearCache
を使用すると、プライマリ・デフォルト・レポートがクリアされます。複数の対話モード・レポートがあるページで、特定の対話モード・レポート・リージョンをクリアするには、保存済レポートの別名とともにリージョンの静的IDをRequest
で指定します。
URLのClearCache
セクションで次の構文を使用して、対話モード・レポートのリセット、クリアまたはページ区切りのリセットを行います。
-
RR
- 対話モード・レポートおよびページ区切りをリセットします。これは、エンド・ユーザーがターゲット・ページで対話モード・レポートの「アクション」メニューから「リセット」オプションを選択した場合に相当します。レポートは、開発者が指定したか、またはユーザーが保存したデフォルトのレポート設定に戻ります。 -
CR
- 対話モード・レポートをクリアし、ページ区切りをリセットします。これにより、コントロール・ブレーク、集計、フラッシュバック、チャート、表示する行数、フィルタ、ハイライト、計算、グループ化、ピボットなどすべてのセッション・レポート設定がクリアされます。 -
RP
- 対話モード・レポートのページ区切りをリセットします。
親トピック: 対話モード・レポートへのリンクの設定
9.7.7.4 対話モード・レポートにリンクする際の制限
対話モード・レポートにリンクする場合は、次の制限に注意してください。
-
Request
値がURLで定義されていない場合、すべてのプライマリ・デフォルト・レポート設定が変更されます。 -
Request
が定義されておらず、かつ、itemNames
セクションに、リージョンの静的IDで完全修飾されたフィルタ列名が含まれていない場合、ターゲット・ページに複数の対話モード・レポート・リージョンが存在すると、エラーが発生します。 -
Request
値が定義されておらず、かつ、itemNames
セクションに、リージョンの静的IDで完全修飾されたフィルタ列名が含まれていない場合、ターゲット・ページ内の対話モード・レポート・リージョンが1つのみであれば、プライマリ・デフォルト・レポートにフィルタが作成されます。
親トピック: 対話モード・レポートへのリンクの設定
9.7.7.5 有効な対話モード・レポートのリンクの例
この項では、有効なリンクの例について説明します。
有効なリンクの例1
この例には、Request
値のないリンクが含まれていますが、URLのitemNames
セクションに、リージョンの静的IDで修飾されたフィルタ列が含まれています。この例では、参照されるリージョンのItem Nameのプライマリ・デフォルト・レポートにフィルタを作成しています。
f?p=&APP_ID.:2:&SESSION.::::IR[EMP]_ENAME:KING
有効なリンクの例2
以前のリリースとの下位互換性をサポートするために、この例では古い構文を使用しています。これは対話モード・レポート・リージョンが1つのページで機能します。
?p=&APP_ID.:1:&SESSION.:IR_REPORT_12345::RIR,CIR::RIR,CIR:IR_ENAME:KING
有効なリンクの例3
この例では、リンクにRequest
値はありません。clear cacheセクションにはRIR
、CIR
またはRP
があり、すべての対話モード・レポート・リージョンのプライマリ・デフォルト・レポートのリセット、クリアまたはページ区切りのリセットを行います。
f?p=&APP_ID.:1:&SESSION.:::RIR:
親トピック: 対話モード・レポートへのリンクの設定
9.7.7.6 無効な対話モード・レポートのリンクの例
この項では、無効なリンクの例について説明します。
無効なリンクの例1
このリンクには、Request
値がなく、かつ、URLのItem Nameセクションに、リージョンの静的IDで完全修飾されたフィルタ列が含まれていません。この例では、ターゲット・ページに複数の対話モード・レポート・リージョンが存在すると、エラーが発生します。
f?p=&APP_ID.:2:&SESSION.::::ENAME:KING
無効なリンクの例2
この例には、2つのRequest値がカンマで区切られたリンクがあり、かつ、URLのItem Nameセクションに、リージョンの静的IDで完全修飾されたフィルタ列が含まれていません。この例では、フィルタを作成する必要がある場所が明確でないため、エラーが発生します。
f?p=&APP_ID.:2:&SESSION.:IR[test]_employee,IR[test2]_dept10:::ENAME:KING
無効なリンクの例3
この例では、対話モード・レポート・リージョンが複数あるページで、古いRequest値の構文を使用しています。この例ではエラーが発生します。古い構文は、対話モード・レポート・リージョンが1つの場合にのみ機能します。
f?p=&APP_ID.:2:&SESSION.:IR_REPORT_myrpt:::ENAME:KING
親トピック: 対話モード・レポートへのリンクの設定
9.7.7.7 共有対話モード・レポートへのリンクの設定
URLのRequest
値でIR[region static ID]_<report_alias>
を使用して、保存済のプライマリ・デフォルト、代替デフォルトおよびパブリック・レポートにリンクを設定できます。
関連項目:
-
『Oracle Application Express管理ガイド』の保存された対話モード・レポートの管理に関する項
親トピック: 対話モード・レポートへのリンクの設定
9.7.7.7.1 対話モード・レポートの保存済レポートの別名の編集
保存済レポートの別名を編集して、保存済レポートへのわかりやすいURLリンクを作成します。
保存済レポートの別名を編集するには:
親トピック: 共有対話モード・レポートへのリンクの設定
9.7.7.7.2 プライマリ・レポートへのリンクの例
次の例では、プライマリ・レポート(report_alias=PRIMARY
)にリンクする方法を示します。
この例では、プライマリ・レポートへのリンクを設定しています。
f?p=100:1:&APP_SESSION.:IR_PRIMARY
この例では、プライマリ・レポートへのリンクを設定し、レポート設定のリセットおよびクリアを行っています。
f?p=100:1:&APP_SESSION.:IR_PRIMARY::RIR,CIR:
この例では、プライマリ・レポートへのリンクを設定し、レポート設定のリセットおよびクリアを行っています。さらに、プライマリ・レポートでENAME = 'KING'
フィルタを作成しています。
f?p=100:1:&APP_SESSION.:IR_PRIMARY::RIR,CIR:IR_ENAME:KING
親トピック: 共有対話モード・レポートへのリンクの設定
9.7.7.7.3 保存済のレポートへのリンクの例
次の各例では、保存済のレポート(report_alias=REPORT1
)へのリンクを設定する方法を示します。
この例では、保存済のレポートへのリンクを設定しています。
f?p=100:1:&SESSION.:IR_REPORT1
この例では、保存済レポートREPORT1
にリンクし、設定をリセットおよびクリアしています。
f?p=100:1:&SESSION.:IR_REPORT1::RIR,CIR:
この例では、保存済レポートREPORT1
にリンクし、設定をリセットおよびクリアしています。さらに、保存済レポートREPORT1でENAME = 'KING'
フィルタを作成しています。
f?p=100:1:&SESSION.:IR_REPORT1::RIR,CIR:IR_ENAME:KING
親トピック: 共有対話モード・レポートへのリンクの設定