1.67 FETCHUSERID
適用対象
Oracleの統合プライマリExtract。データ・ポンプExtractは無効です
説明
FETCHUSERID
パラメータでは、データベースにログインするときに使用するOracle GoldenGateプロセスの認証タイプの指定、およびパスワード暗号化情報の指定を行います。このパラメータは、Oracle GoldenGate資格証明ストアが使用されていない場合にFETCHUSERIDALIAS
のかわりに使用できます。
FETCHUSERIDALIASと比較したFETCHUSERID
FETCHUSERID
では、パラメータ・ファイルにクリアテキスト・パスワードを指定するか、ENCRYPT PASSWORD
コマンドで暗号化し、オプションで暗号化キーをENCKEYS
ファイルに格納する必要があります。FETCHUSERID
では、Oracle GoldenGateでサポートされる幅広いデータベースがサポートされます。
FETCHUSERIDALIAS
では、ユーザーIDとパスワードではなく別名をパラメータ・ファイルで指定できます。ユーザーIDと暗号化されたパスワードが資格証明ストアに格納されます。FETCHUSERIDALIAS
は、Linux、UNIXおよびWindowsプラットフォームで稼働するデータベースをサポートします。
FETCHUSERIDの要件
FETCHUSERID
は常に必要なわけではなく、PASSWORD
はFETCHUSERID
が必要なときに常に必要なわけではありません。データベース認証の構成方法に応じては、FETCHUSERID
の使用のみで十分な場合、SOURCEDB
またはTARGETDB
パラメータのみでも十分な場合があります。
詳細は、SOURCEDBおよびTARGETDBを参照してください。
FETCHUSERID
は、Oracleデータベースに接続するOracle GoldenGateプロセスで使用します。この接続の目的は、フェッチ操作をActive Data Guardのスタンバイ・データベースにオフロードして、接続していなかったらソース・データベースにかかるはずのオーバーヘッドを削減することです。
-
オペレーティング・システムのログインを使用するには、
FETCHUSERID
を/
引数とともに使用します。 -
データベース・ユーザー名およびパスワードを使用するには、
FETCHUSERID
をPASSWORD
とともに使用します。 -
オプションで、ログインするユーザーを
sysdba
として指定できます。 -
LOGRETENTION
を使用するようにExtractが構成されている場合は、FETCHUSERID
ユーザーに特別なデータベース権限が必要になります。これらの権限は、Oracle GoldenGateのインストール時に付与されている可能性があります。LOGRETENTION
の詳細は、『Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateの使用』のクラシック・キャプチャのデータ可用性の確保に関する項を参照してください。 -
統合キャプチャ用に構成されているExtractグループに対して
FETCHUSERID
を使用する場合、ユーザーにはdbms_goldengate_auth.grant_admin_privilege
で付与される権限が必要です。 -
Oracleコンテナ・データベースからのキャプチャをサポートするには、
FETCHUSERID
で指定されたユーザーがルート・コンテナにログインする必要があり、共通ユーザーである必要があります。このユーザーに接続文字列を提供する必要があり、接続文字列にはC##GGADMIN@FINANCE
など、共通ユーザーに必要なC##
接頭辞が含まれている必要があります。詳細は、『Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateの使用』のOracle GoldenGateへの資格証明の割当てに関する項を参照してください。 -
FETCHUSERI
またはFETCHUSERIDALIAS
で指定された接続は、ソース・データベースのActive Data Guardスタンバイ・データベースを対象としている必要があります。 -
FETCHUSERID
はパラメータ・ファイルの任意の場所に指定できます。TABLE
文またはMAP
文の前に指定する必要があります。
デフォルト
なし
構文
FETCHUSERID {/ | user}[, PASSWORD password] [algorithm ENCRYPTKEY {key_name | DEFAULT}] [SYSDBA]
-
/
-
データベース・ユーザー・ログインではなく、Oracle用のオペレーティングシステム・ログインを使用するようにOracle GoldenGateに指示します。この引数は、データベースによってオペレーティングシステム・レベルでの認証が許可されている場合にのみ使用します。データベースレベルの認証をバイパスすることにより、アプリケーションのパスワードが頻繁に変更される場合に、Oracle GoldenGateパラメータ・ファイルを更新する必要がなくなります。このオプションを使用するには、次のように、Oracle
OS_AUTHENT_PREFIX
初期化パラメータの値との関連で、正しいユーザー名がデータベースに存在している必要があります。-
OS_AUTHENT_PREFIX
で指定されている値は、ユーザーのオペレーティング・システム・アカウント名の先頭に追加され、データベース名と比較されます。この2つの名前は一致する必要があります。 -
OS_AUTHENT_PREFIX
が' '
(NULL文字列)に設定されている場合は、ユーザー名をIDENTIFIED EXTERNALLY
として作成する必要があります。たとえば、OSユーザー名がogg
の場合は、次のようにしてデータベース・ユーザーを作成します。CREATE USER ogg IDENTIFIED EXTERNALLY;
-
OS_AUTHENT_PREFIX
がOPS$
または別の文字列に設定されている場合は、ユーザー名は次のフォーマットで作成する必要があります。OS_AUTHENT_PREFIX_value OS_user_name
たとえば、OSユーザー名が
ogg
の場合は、次のようにしてデータベース・ユーザーを作成します。CREATE USER ops$ogg IDENTIFIED BY
oggpassword
;
-
-
user
-
データベース構成に応じて、データベース・ユーザーまたはスキーマの名前を指定します。SQL*Net接続文字列を使用できます。
-
password
-
データベース・ユーザーのパスワードを指定するためにデータベース認証が必要な場合に使用します。パスワードが
ENCRYPT PASSWORD
コマンドによって暗号化されている場合は、暗号化されたパスワードを指定します。それ以外の場合は、クリアテキストのパスワードを使用します。パスワードに大/小文字の区別がある場合は、そのように入力してください。ユーザーIDまたはパスワードのいずれかが変更されると、必要に応じて、パスワードの再暗号化など、Oracle GoldenGateパラメータ・ファイルの変更を行う必要があります。
-
algorithm
-
ENCRYPT PASSWORD
でパスワードの暗号化に使用した暗号化アルゴリズムを指定します。アルゴリズムは次のいずれかになります。
AES128
AES192
AES256
BLOWFISH
-
ENCRYPTKEY {
key_name
| DEFAULT}
-
ENCRYPT PASSWORD
で指定した暗号化キーを指定します。-
ENCRYPTKEY
key_name
は、ENCKEYS
参照ファイル内のユーザー作成の暗号化キーの論理名を指定します。ENCRYPT PASSWORD
がKEYNAME key_name
オプションとともに使用された場合に使用します。 -
ENCRYPTKEY DEFAULT
を指定すると、Oracle GoldenGateでランダムなキーが使用されます。ENCRYPT PASSWORD
がKEYNAME DEFAULT
オプションとともに使用された場合に使用します。
-
-
SYSDBA
-
ユーザーが
sysdba
としてログインするように指定します。
例
fetchuserid gg_user@adg_inst password pwd
親トピック: Oracle GoldenGateパラメータ