1 Oracle GoldenGateパラメータ

この章には、処理を制御するOracle GoldenGateパラメータの概要と、各パラメータ(アルファベット順)の詳細な説明が含まれます。

トピック:

1.1 Extractパラメータの概要

Extractプロセスは、構成パラメータに応じて完全なデータ・レコードまたはトランザクション・データの変更をキャプチャした後、ターゲット表に適用されるかロード・ユーティリティなどの別のプロセスによって処理されるデータをターゲット・システムに送信します。

表1-1 Extractパラメータ: 一般

パラメータ 説明

ABORTDISCARDRECS

破棄されたレコードの数の後Extractが中止するよう制御します。

unresolvable-reference.html

Extractプロセスのリカバリ・モードを制御します。

SOURCEDB

ログイン情報の一部としてデータ・ソースを指定します。

TCPSOURCETIMER | NOTCPSOURCETIMER

送信元および送信先システムの時間が異なるときに、送信されるレコードを送信先システムのタイムスタンプにあわせて調整します。

UPDATERECORDFORMAT

ビフォア・イメージとアフター・イメージの格納先を1つのトレイル・レコードにするか2つのトレイル・レコードにするかを制御します。

表1-2 Extractパラメータ: 処理方法

パラメータ 説明

EXTRACT

Extractグループをオンライン・プロセスとして定義します。

GETAPPLOPS | IGNOREAPPLOPS

Replicat以外のすべてのプロセスの操作をトレイルまたはファイルに書き込むかどうかを制御します。

GETREPLICATES | IGNOREREPLICATES

レプリケートされた操作を、同じシステム上で動作しているExtractに取得させるかどうかを制御します。

SOURCEISTABLE

ソース表からレコード全体を抽出します。

unresolvable-reference.html

Teradata Access Module (TAM)を使用してExtractプロセスにトランザクション・データを提供することを示します。

表1-3 Extractパラメータ: データの選択、変換およびマッピング

パラメータ 説明

COMPRESSDELETES | NOCOMPRESSDELETES

Oracle GoldenGateが削除操作のときにトレイルにキーのみを書き込むかすべての列を書き込むかを制御します。

COMPRESSUPDATES | NOCOMPRESSUPDATES

更新操作のときに主キー列および変更された列のみを書き込みます。

EXCLUDEHIDDENCOLUMNS このパラメータでは、自動CDRを使用して作成したタイムスタンプ列を含むすべてのOracle Databaseの非表示列が無効になります。

EXCLUDETAG

トレイル・ファイルから除外するようにReplicatまたはデータ・ポンプの変更を指定します。

FETCHOPTIONS

Oracle GoldenGateのデータ・フェッチ方法を制御します。

LOGALLSUPCOLS

競合の検出および解決と、統合Replicatをサポートするために必要な列を記録します。

SEQUENCE

同期する順序を指定します。

TABLE | MAP

抽出する表を指定し、列マッピングおよび変換を制御します。

TABLEEXCLUDE

抽出プロセスからソース表を除外します。

TARGETDEFS

NonStopプラットフォーム上のターゲット・データベースのターゲット表定義を含むファイルを指定します。

TRAILCHARSETASCII

ASCIIとEBCDICの両方の表がある場合、z/OSのDB2から取得されたデータに対してASCII文字セットを指定します。

TRAILCHARSETEBCDIC

ASCIIとEBCDICの両方の表がある場合、z/OSのDB2から取得されたデータに対してEBCDIC文字セットを指定します。

表1-4 Extractパラメータ: データ・ルーティング

パラメータ 説明

EXTFILE

ローカル・システム上に、抽出されたデータを書き込む抽出ファイルを指定します。

EXTTRAIL

unresolvable-reference.html#GUID-21B88798-A04C-4754-930E-7EB55E878A42

ローカル・システム上に、抽出されたデータを書き込むトレイルを指定します。

RMTFILE

リモート・システム上に、抽出されたデータを書き込む抽出ファイルを指定します。

RMTHOST

ターゲット・システムおよびManagerポート番号を指定します。

RMTTRAIL

unresolvable-reference.html#GUID-608AD149-6840-4D99-8901-41E2C61EA0F7

リモート・システム上に、抽出されたデータを書き込むトレイルを指定します。

表1-5 Extractパラメータ: チューニング

パラメータ 説明

BR

ExtractのBounded Recovery機能を制御します。

CACHEMGR

仮想メモリー・キャッシュ・マネージャを制御します。

FLUSHSECS | FLUSHCSECS

レコード・データがトレイルに書き込まれるまでバッファに保持される時間を指定します。

LOBMEMORY

LOBを含むトランザクションのキャッシングに使用できるメモリーおよび一時ディスク領域の量を制御します。

RMTHOSTOPTIONS

パッシブExtractグループが使用するTCP/IP接続のホスト情報以外の接続属性を指定します。

TRANLOGOPTIONS

取得処理オプションを指定します。

WARNLONGTRANS

長時間に及ぶトランザクションを定義し、これらのトランザクションを確認およびレポートする間隔を制御します。

表1-6 Extractパラメータ: メンテナンス

パラメータ 説明

ROLLOVER

トレイル・ファイルをエージングする方法を指定します。

表1-7 Extractパラメータ: セキュリティ

パラメータ 説明

DECRYPTTRAIL

Extractがデータ・ポンプとして使用され、データに対して処理を実行する必要がある場合、データを復号化するために必要です。

ENCRYPTTRAIL | NOENCRYPTTRAIL

トレイルまたは抽出ファイルのデータの暗号化を制御化します。

1.2 Replicatパラメータの概要

Replicatプロセスは、Extractプロセスによって抽出されたデータを読み取り、このデータをターゲット表に適用するか、ロード・ユーティリティなどの他のアプリケーションがこのデータを使用できるように準備を整えます。

パラメータ 説明

TARGETDB

ログイン情報の一部としてデータ・ソースを指定します。

HAVEUDTWITHNCHAR

処理対象のレコードがNCHAR/NVARCHAR2属性を持つユーザー定義型である場合、データ損失を防止するためにReplicatがUTF-8で接続するようにします。

Replicatパラメータ: 処理方法。

パラメータ 説明

BEGIN

Replicat処理の開始位置を指定します。SPECIALRUNを指定するときに指定する必要があります。

BULKLOAD

Oracle SQL*Loaderユーティリティのインタフェースに直接データをロードします。

END

Replicat処理の停止位置を指定します。SPECIALRUNを使用するときに指定する必要があります。

unresolvable-reference.html

データベース・ロード・ユーティリティと互換性のある実行ファイルと制御ファイルを生成します。

REPLICAT

オンライン変更同期を行うReplicatグループを指定します。

SPECIALRUN

実行間でチェックポイントを必要としないワンタイム処理タスクで使用します。

Replicatパラメータ: データの選択、変換およびマッピング

パラメータ 説明

unresolvable-reference.html

unresolvable-reference.html#GUID-729383C7-BD7F-4B99-8F44-54EAC50215A7

データベース・オプションを指定します。これはグローバル・パラメータで、パラメータ・ファイル内のすべてのTABLEまたはMAP文に適用されます。一部のDBOPTIONSオプションは、ExtractまたはReplicatのみに適用されます。

ALLOWNOOPUPDATES | NOALLOWNOOPUPDATES

Replicatがno-op操作に対応する方法を制御します。no-op操作は、ターゲット表では無効な操作です。

APPLYNOOPUPDATES | NOAPPLYNOOPUPDATES

SET句およびWHERE句の両方ですべての列を使用して、no-op更新を適用させます。

APPLY_PARALLELISM

アプライアの数を構成します。これは変更を適用するために使用されるターゲット・データベースの接続の数を制御します。デフォルト値は4です。

ASSUMETARGETDEFS

ソース表とターゲット表が同一の列構造を持つとみなします。

INSERTALLRECORDS

レコードに対する各変更操作を、新しいレコードとしてターゲット表に挿入します。

INSERTDELETES | NOINSERTDELETES

削除を挿入に変換します。

INSERTMISSINGUPDATES | NOINSERTMISSINGUPDATES

ターゲット行が存在しない場合に、更新を挿入に変換します。

INSERTUPDATES | NOINSERTUPDATES

更新を挿入に変換します。

TABLE | MAP

1つ以上のソース表およびターゲット表の関係を指定し、列マッピングおよび変換を制御します。

MAPEXCLUDE

MAP文でワイルドカードで指定されているソース表を処理から除外します。

MAP_PARALLELISM

マッパーの数を構成します。これは証跡ファイルを読み取るために使用されるスレッドの数を制御します。最小値は1、最大値は100、デフォルトは2です。

MAX_PARALLELISM、MIN_PARALLELISM

APPLY_PARALLELISMは自動的にチューニングされます。最小値と最大値を設定して、Replicatが並列化を自動的に調整する範囲を定義できます。デフォルト値はありません。APPLY_PARALLELISMと同時に使用しないでください。

PRESERVETARGETTIMEZONE

デフォルトのReplicatセッション・タイムゾーンをオーバーライドします。

REPLACEBADNUM

数字列をマップするときに検出される無効な数字データのグローバル代替値を指定します。

SOURCECHARSET

ソース文字セットをターゲット文字セットに変換するかどうかを制御します。

SOURCETIMEZONE

Replicatがセッション・タイムゾーンとして使用するソース・データベースのタイムゾーンを指定します。

SPACESTONULL | NOSPACESTONULL

空白のみを含むターゲット列をNULLに変換するかどうかを制御します。

Replicat用TABLE

行がフィルタ基準を満たしたときにイベント・アクションの対象にする1つまたは複数の表を指定します。

TRAILCHARSET

トレイルのバージョンが古く、ソース文字セットが格納されない場合、またはトレイルに格納されている文字セットより優先させる場合、ソース・データの文字セットを指定します。

UPDATEINSERTS | NOUPDATEINSERTS

パラメータ・ファイル内でこのパラメータ以降のすべてのMAP文の挿入操作を更新操作に変換します。

UPDATEDELETES | NOUPDATEDELETES

削除を更新に変換します。

USEDEDICATEDCOORDINATIONTHREAD

Replicatが調整モードの場合に、バリア・トランザクションの専用スレッドを指定します。

Replicatパラメータ: データ・ルーティング。

パラメータ 説明

EXTFILE

レプリケートするデータを含むローカル・システム上の抽出ファイル名を定義します。ワンタイム処理で使用します。

EXTTRAIL

unresolvable-reference.html#GUID-21B88798-A04C-4754-930E-7EB55E878A42

レプリケートするデータを含むトレイルを定義します。ワンタイム処理で使用します。

Replicatパラメータ: エラー処理およびレポート。

パラメータ 説明

HANDLECOLLISIONS | NOHANDLECOLLISIONS

重複レコードおよび不明レコードのエラーを処理します。

HANDLETPKUPDATE

一時主キー更新のレプリケートに関連する制約エラーを防止します。

OVERRIDEDUPS | NOOVERRIDEDUPS

重複レコード・エラーが発生するたびに、既存のターゲット・レコードをレプリケートされた挿入レコードで上書きします。

RESTARTCOLLISIONS | NORESTARTCOLLISIONS

競合のためにOracle GoldenGateが異常終了した後に、ReplicatがHANDLECOLLISIONSロジックを適用するかどうかを制御します。

REPERROR

Replicatがデータベース・エラーに対応する方法を決定します。

REPFETCHEDCOLOPTIONS

データベースからのフェッチを必要とする操作に対するReplicatのレスポンス方法を決定します。

SHOWSYNTAX

ReplicatのSQL文をレポート・ファイルに出力します。

SQLDUPERR

重複レコードを示すデータベース・エラー番号を指定します。OVERRIDEDUPSとともに使用します。

WARNRATE

データベース・エラーをレポートする頻度を指定します。

Replicatパラメータ: チューニング。

パラメータ 説明

BATCHSQL

同様のSQL文を配列にまとめ、より高速に適用することによって、Replicat処理のスループットを向上させます。

COORDSTATINTERVAL

コーディネータ・スレッドが統計の適用スレッドにリクエストを送信する間隔。

COORDTIMER

コーディネータ・スレッドが適用スレッドの開始を待機する時間。

CHUNK_SIZE

並列Replicatで、どの程度の大きさのトランザクションを大きいトランザクションとみなすかを制御します。並列Replicatは、このサイズより大きいトランザクションを検出すると、そのトランザクションをシリアライズするためにパフォーマンスが低下します。ただし、この値を大きくすると、並列Replicatによって消費されるメモリーも増加します。

COMMIT_SERIALIZATION

FULL直列化モードのコミットを有効にし、証跡の順序でトランザクションを強制的にコミットします。

DEFERAPPLYINTERVAL

レプリケートされた操作をターゲット・データベースに適用するまでReplicatが待機する時間を指定します。

GROUPTRANSOPS

1つのReplicatトランザクションにグループ化されるレコード数を制御します。

INSERTAPPEND | NOINSERTAPPEND

INSERT操作をOracleターゲット表に適用するときに、ReplicatがAPPENDヒントを使用するかどうかを制御します。

LOOK_AHEAD_TRANSACTIONS

トランザクションをバッチ化するときに、スケジューラがどの程度先まで対象にするかを制御します。デフォルト値は10000です。

MAXDISCARDRECS

破棄ファイルにレポートする破棄レコード数を制限します。

MAXSQLSTATEMENTS

Replicatが使用できる準備済SQL文の数を制御します。

MAXTRANSOPS

大きなソース・トランザクションをターゲット・システム上で小さなトランザクションに分割します。

NUMFILES

Oracle GoldenGateが処理する表に関する情報を格納する専用メモリーの初期割当てを制御します。

SPLIT_TRANS_REC

大きなトランザクションを指定のサイズのピースに分割して、パラレルに適用するように指定します。ピース間の依存関係は保持されます。デフォルトでは無効になっています。

TRANSACTIONTIMEOUT

Replicatが、オープンしているターゲット・トランザクションのコミット、およびソース・トランザクション全体の適用準備ができるまで保持しているターゲット・トランザクション内の未完了のソース・トランザクションのロールバックを実行するまで待機する時間を指定します。