1.142 RMTHOST
適用対象
Extract
説明
RMTHOST
パラメータでは、次のことを行います。
-
ローカルExtractプロセスの接続先のリモート・システムを特定する
-
Managerプロセスが実行されているシステムのTCP/IPポート番号を指定する
-
TCP/IP接続の様々な属性を制御する
このパラメータでは、圧縮、データ暗号化、バッファ属性、TCP/IPストリーミング、接続タイムアウトしきい値、および接続リクエストの待機時間を制御します。Collectorパラメータの設定にも使用できます。
PASSIVE
モードで作成されているExtractには、RMTHOST
を使用しないでください。
Oracle GoldenGateは、IPv4およびIPv6プロトコルをサポートしています。インターネット・プロトコルの選択の詳細は、「USEIPV4 | USEIPV6
」を参照してください。
RMTHOST
およびRMTHOSTOPTIONS
パラメータを一緒に指定できます。動的IP割当てが適切に構成されている場合、RMTHOST
パラメータはRMTHOSTOPTIONS
に必要ではありません。RMTHOSTOPTIONS
が使用されている場合、MGRPORT
オプションは無視されます。
デフォルト
なし
構文
RMTHOST { host name | IP address} [, COMPRESS] [, COMPRESSTHRESHOLD] [, ENCRYPT {BLOWFISH KEYNAME key_name | algorithm [KEYNAME key_name]} ] {, MGRPORT port | PORT port} [, PARAMS collector_parameters] [, SOCKSPROXY {host_name | IP address} [:port] [PROXYCSALIAS credential_ store_alias [PROXYCSDOMAIN credential_store_domain]] [, STREAMING | NOSTREAMING] [, TCPBUFSIZE bytes] [, TCPFLUSHBYTES bytes] [, TIMEOUT seconds] [, DGST SHA1|SHA2]
-
{host_name | IP_address}
-
ターゲット・システムのDNSホスト名またはIPアドレス。いずれか1つを使用してホストを定義できます。IPアドレスを使用している場合、宛先システムのスタックに応じて、IPv6またはIPv4のいずれかのマップ・アドレスを使用します。
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COMPRESS
-
このオプションは、オンラインまたはバッチのExtractプロセスと、トレイルを使用するOracle GoldenGate初期ロード方式に有効です。送信レコードのブロックを圧縮して、必要な帯域幅を低減します。Oracle GoldenGateは、トレイルに書き込む前にデータを解凍します。
COMPRESS
での通常の圧縮率は少なくとも4:1で、それより高くなる場合もあります。ただし、データを圧縮するとCPUリソースを消費します。 -
COMPRESSTHRESHOLD
-
このオプションは、オンラインまたはバッチのExtractプロセスと、トレイルを使用するOracle GoldenGate初期ロード方式に有効です。圧縮を行うための最小ブロック・サイズを設定します。有効な値は、0から28000までです。デフォルトは1,000バイトです。
-
ENCRYPT
algorithm
[KEYNAME
key_name
] -
このオプションは、オンラインまたはバッチのExtractプロセスと、すべてのOracle GoldenGate初期ロード方式に有効です。ターゲット・システムにTCP/IPを介して送信されるデータ・ストリームを暗号化します。このオプションは、次の暗号化オプションをサポートしています。
-
マスター・キーとウォレット方式: 指定したアクティブなマスター・キーとアルゴリズムに基づいてセッション鍵を生成します。
BLOWFISH
アルゴリズムには無効です。z/OS上のDB2では無効です。 -
ENCKEYS方式: AES暗号化キーを生成して
ENCKEYS
ファイルの指定名の下に保管し、そのキーを使用してデータを暗号化するようにOracle GoldenGateを構成します。
-
algorithm
-
使用する暗号化アルゴリズムを指定します。
-
AES128
の場合、AES-128暗号が使用されます(キー・サイズは128ビットです)。アルゴリズムを指定しない場合、デフォルトはAES128です。 -
AES192
の場合、AES-192暗号が使用されます(キー・サイズは192ビットです)。 -
AES256
の場合、AES-256暗号が使用されます(キー・サイズは256ビットです)。 -
BLOWFISH
の場合、Blowfish暗号化が使用されます(ブロック・サイズは64ビット、キー・サイズは32から128ビットの可変長です)。以前のOracle GoldenGateのバージョンとの下位互換性を維持する場合、およびDB2 z/OS上のOracle GoldenGateインストール環境の場合は、BLOWFISH
を使用します。これらのプラットフォームでサポートされる暗号化方法はBLOWFISH
のみです。AESはこれらのプラットフォームのBLOWFISH
より安全であるため、サポートされている場合はAESを使用します。次のようにパスを設定します。
-
Linuxの場合:
LD_LIBRARY_PATH
への入力として、パスを指定します。次に例を示します。setenv LD_LIBRARY_PATH ./lib:$LD_LIBRARY_PATH
-
Solarisの場合:
SHLIB_PATH
変数への入力として、パスを指定します。 -
IBMiおよびAIXの場合:
LIBPATH
変数への入力として、パスを指定します。 -
Windowsの場合:
PATH
変数にパスを追加します。
SETENV
パラメータを使用して、プロセスのセッション変数としてライブラリを設定できます。暗号化の使用の詳細は、『Oracle GoldenGateセキュリティ・ガイド』のセキュリティ・オプションの概要に関する項を参照してください。
-
-
-
KEYNAME
key_name
-
ENCKEYS
暗号化方式を使用することを指定します。マスター・キーとウォレット方式には無効です。key_name
には、ユーザー定義の暗号化キーの論理名を指定します。Oracle GoldenGateは、このキー名を使用してENCKEYS
参照ファイルで実際のキーを検索します。ENCKEYS
方式を使用するには、次を行う必要があります。-
暗号化キーを生成します。
-
それを
ENCKEYS
参照ファイルに保管します。 -
暗号化または復号化(またはその両方)を実行するすべてのシステムに、
ENCKEYS
をコピーします。
-
-
-
MGRPORT
port
| PORT
port
-
MGRPORT
またはPORT
の指定が必要です。MGRPORT
は、Managerが稼働しているリモート・システムのポートです。PORT
は、静的Collectorプロセスのポート番号です。Managerポート(動的Collectorを使用している場合)または静的Collectorポート番号の指定が必要です。静的Collectorの詳細は、Collectorパラメータを参照してください最小値は1025、最大値は65535です。 -
SOCKSPROXY
{host_name
|IP address
}[:port]
[PROXYCSALIAS
credential_store_alias
[PROXYCSDOMAIN
credential_store_domain
]] -
SOCKSPROXY
パラメータでは、ソースExtractとターゲット・プロセス間のTCP通信のトンネルを作成するSOCKS5プロキシ・サーバーを使用して、情報をレプリケートします。接続はソース側で開始されます。プロキシ・アドレスを指定する必要があります。オプションで、ポートを指定できます(または、SOCKSプロトコルのデフォルトが使用されます)。資格証明ストアの別名が指定されている場合、Oracle GoldenGateは、その情報を使用してプロキシ・サーバーで認証します。これは、RMTHOST
パラメータのオプションです。資格証明ストアの情報がない場合は、プロキシでの認証は実行されません
-
host_name
|
IP_address
-
別名Extractに対して使用します。プロキシ・サーバーのDNSホスト名またはIPアドレスを指定します。DNSサーバーに接続できない場合は、IPアドレスを使用する必要がありますが、いずれか1つを使用してホストを定義できます。IPアドレスを使用している場合、宛先システムのスタックに応じて、IPv6またはIPv4のいずれかのマップ・アドレスを使用します。
-
port
-
(オプション)プロキシ・サーバーが接続を受け入れる際のリモート・システムのポートを指定します。ポートのデフォルト値は1080です。
-
PROXYCSALIAS
credential_store_alias
-
プロキシ・サーバーでの認証に使用されるユーザー名およびパスワードに解決する資格証明の別名を指定します。
-
PROXYCSDOMAIN
credential_store_domain
-
(オプション)別名と一緒に使用する資格証明ストアのドメインを指定します。
-
-
STREAMING | NOSTREAMING
-
このオプションは、オンラインまたはバッチのExtractプロセスと、トレイルを使用するOracle GoldenGate初期ロード方式に有効です。TCP/IPストリーミングを制御します。
-
STREAMING
-
デフォルトで、非同期インターネット・ストリーミング・プロトコルを有効化します。
STREAMING
モードでは、通常、送信者(プライマリExtractまたはデータ・ポンプ)がチェックポイントを行うか、書込み位置を決定する必要があるとき、レスポンスをリクエストするフラグがパケットに含まれていない場合は、受信者(Collector)は送信者にデータ・パケットの確認を送信しません。この方法では確認が省略されるため、ネットワークが中断した場合、送信者または受信者のプロセスは終了するため、STREAMING
を使用する場合、Managerパラメータ・ファイルでAUTORESTART
パラメータを使用して、ExtractおよびCollectorが終了した場合に再起動します。 -
NOSTREAMING
-
同期インターネット・プロトコルを有効化します。
NOSTREAMING
モードでは、送信者は、パケットを送信し、受信者が確認するまで待機してから次のパケットを送信します。この方法は、ネットワークが中断した場合、送信者または受信者のプロセスをリカバリできるため、より信頼性があります。
受信者のプロセスのホスト・システムがストリーミングを使用するように構成されていない場合、Extractは自動的に同期プロトコルに戻ります。
ストリーミングによって、特に送信のレイテンシがすでに問題になっているネットワークではレイテンシが減少するため、無効化するようリクエストしないかぎり、デフォルトの
STREAMING
を保持してください。ストリーミングは、ExtractがReplicatと直接通信する初期ロード・タスクではサポートされていません。 -
-
TCPBUFSIZE
bytes
-
このオプションは、オンラインまたはバッチのExtractプロセスと、トレイルを使用するOracle GoldenGate初期ロード方式に有効です。Extractが保持を試みるTCPソケット・バッファのサイズ(バイト)を制御します。
バッファ・サイズを増やすと、ターゲット・システムにより大きなパケットを送信できます。実際のバッファ・サイズは、TCPスタックの実装およびネットワークによって決定されます。デフォルトは30,000バイトですが、最新のネットワーク構成では、通常これより大きい値がサポートされています。有効な値は、1000から200000000(2億)バイトです。ネットワーク管理者とともに最適な値を決定してください。バッファ・サイズのチューニングの詳細と、ネットワークを介したデータ送信の向上に関するその他の推奨事項は、『Oracle GoldenGateの管理』も参照してください。
テストでは、初期ロードに
TCPBUFSIZE
を使用すると、使用しないで実行した場合よりも3倍速いスループットが生成されることが示されています。ターゲット・システムがNonStopの場合は、このパラメータを使用しないでください。 -
TCPFLUSHBYTES
bytes
-
このオプションは、オンラインまたはバッチのExtractプロセスと、トレイルを使用するOracle GoldenGate初期ロード方式に有効です。ネットワークを介して送信されるデータを収集するバッファのサイズ(バイト)を制御します。
この値または
FLUSHSECS
パラメータの値に到達したときに、データがターゲットにフラッシュされます。デフォルトは30,000バイトです。有効な値は1000から200000000(2億)バイトですが、少なくともTCPBUFSIZE
の値を設定する必要があります。初期ロードExtractでは、このパラメータを使用しないでください。これは、オンラインExtractグループにのみ有効です。ターゲット・システムがNonStopの場合は、このパラメータを使用しないでください。
-
TIMEOUT
seconds
-
このオプションは、オンラインまたはバッチのExtractプロセスと、トレイルを使用するOracle GoldenGate初期ロード方式に有効です。CollectorがExtractからの接続を待機する時間、および接続を終了する前にCollectorがExtractからのハートビート・シグナルを待機する時間を指定します。有効な値は1秒から1800秒(30分)までです。デフォルト値は300秒(5分)です。本番環境では、タイムアウト設定を非常に低くすることをお薦めしません。エラー・ログに、TCP/IPエラー10054 (既存の接続がリモート・ホストによって強制的にクローズされる)が発生したことを示す警告が記録されている場合、
TIMEOUT
の値を増やす必要がある可能性があります。このエラーは、通常、TIMEOUT
の値を超えたときにCollector自体が終了した場合に発生します。このパラメータは、静的なCollectorには影響しません。 -
DGST
SHA1
|SHA2
- これは、AES暗号化方法を指定する新しいExtractオプションです。このオプションが有効になるのは、Oracleウォレットを使用し、RMTHOSTパラメータと一緒に
PORT
オプションとENCRYPT AES
オプションを使用する場合のみです。有効な値はSHA1
またはSHA2
です。デフォルトのSHA1
は、以前のリリースのServer Collectorで使用できます。SHA2
はServer Collector 12.3のみで使用できます。ExtractとServer Collectorの両方で同じ暗号化方法を指定する必要があります。そうしないと、接続で障害が発生します。このオプションの使用例を次に示します。$ server -p 9050 -encrypt AES128 -dgst SHA2
例
- 例1
-
パラメータ・ファイルで複数のリモート・システムを特定するには、次に示す例のように、各システムに対して1つの
RMTHOST
文を指定し、関連するトレイルおよび表マップの指定を続けます。EXTRACT sales USERIDALIAS tiger1 RMTHOST ny, MGRPORT 7888, ENCRYPT AES192 KEYNAME mykey RMTTRAIL /ggs/dirdat/aa TABLE ora.orders; RMTHOST la, MGRPORT 7888, ENCRYPT AES192 KEYNAME mykey2 RMTTRAIL /ggs/dirdat/bb TABLE ora.orders;
- 例1
RMTHOST 20.20.20.17, MGRPORT 7809, ENCRYPT BLOWFISH, KEYNAME newyork
- 例2
RMTHOST 20.20.20.17, MGRPORT 7809, ENCRYPT AES192
- 例3
RMTHOST newyork, MGRPORT 7809, COMPRESS, COMPRESSTHRESHOLD 750, NOSTREAMING
- 例4
RMTHOST newyork, MGRPORT 7809, TCPBUFSIZE 100000, TCPFLUSHBYTES 300000
- 例5
RMTHOST newyork, MGRPORT 18819, CPU 1, PRI 140, HOMETERM $ZTN0.#PTJ52A1, PROCESSNAME $xyz1
- 例6
RMTHOST lc01abc, MGRPORT 7809, SOCKSPROXY 192.111.82.180:3128 PROXYCSALIAS proxyAlias PROXYCSDOMAIN support
親トピック: Oracle GoldenGateパラメータ