- Cloud Controlデータベース・ライフサイクル・マネージメント管理者ガイド
- 付録
- EM CLIコマンドを使用するワークフローの例
- Oracle WebLogic Serverのプロビジョニング
- ミドルウェア・デプロイメント・プロシージャのスケール・アップまたはスケール・アウト
ミドルウェア・デプロイメント・プロシージャのスケール・アップまたはスケール・アウト
既存のマシン上のクラスタにさらにサーバー・インスタンスを追加したり、新規サーバー・インスタンスをホストするためのマシンをクラスタに追加したりして、クラスタの能力を強化するプロセスは、スケール・アップと呼ばれます。管理対象サーバーのスケール・アップおよびスケール・アウトは、Enterprise Manager 13cのEM CLIコマンドを使用してコマンドラインから実行できます。
このユースケースでは、SCALEUP
プロシージャのインスタンスGUIDを取得してから、それを使用して、プロシージャのそのインスタンスの入力プロパティ・ファイルを取得します。プロパティ・ファイルに必要な更新(ユーザーフレンドリ値の追加など)を行ってから、更新済プロパティ・ファイルを入力としてプロシージャを発行します。
ステップごとのステップを次に示します。
- デプロイメント・プロシージャのGUIDを取得するには、次のコマンドを実行します。
./emcli get_procedures | grep SCALEUP_ The output appears in the following format: <proc_guid>, <procedure_type>, <Procedure_name>, <Dsplay name>, <version>, <Parent procedure name> For example: ./emcli get_procedure | grep SCALEUP B35E10B1F154B4EEE040578CD78179DC, FMW Provisioning, SCALEUP DP, Scale up/Scale out Middleware, 2.0, ORACLE
- 前のステップで取得されたインスタンスGUIDを使用して、プロシージャのインスタンスの入力プロパティを取得します。
./emcli get_instance_data -instance=<instance_guid> -exec=<execution_guid> For example: emcli get_instance_data -instance=B35E10B1F140B4EEE040578CD78179DC > instanceData.properties A properties file with the name instanceData.properties is created.
ノート:
このステップが有効なのは、プロシージャのインスタンスが使用可能な場合のみです。つまり、これまでに少なくとも1回はプロシージャが発行されていることが必要です。プロシージャを1回も発行していない場合は、次のようなエラー・メッセージが表示されます。
GUID=<guid>のインスタンスがリポジトリにありません。値が正しいことを確認してから再試行してください。
- エディタを使用して、生成されたプロパティ・ファイル
instanceData.properties
を開き、プロパティ・ファイルの既存の値を更新します。たとえば、こちらは更新された値を使用したサンプル・プロパティ・ファイルです。これらのパラメータの詳細は、表A-2を参照してください。
COHERENCE_ENABLED=false DOMAIN_TARGET_NAME=/Farm03_base_domain/base_domain ONLINE_MODE=true DOMAIN_TYPE=General TEMPLATE=template.jar TEMPLATE_NAME=mytemplate APPS_ARCHIVE=apps.zip ADMIN_HOST_NAME=example.com ADMIN_LISTEN_ADDRESS=10.240.34.37 ADMIN_LISTEN_PORT=7002 ADMIN_PROTOCOL=t3 ADMIN_WLS_USERNAME=weblogic ADMIN_WLS_PASSWORD=<password> ADMIN_WORK_DIR_LOC=/tmp/scaleUpSrc FARM_PREFIX=Farm03 OMS_WORK_DIR_LOC=/tmp ARCHIVE_FILE_NAME=archive.jar CLONING_JAR_NAME=cloningclient.jar SESSION_TS_LOC=/20151013122409043 REF_PREREQ_ZIP=prereq.zip REF_SIZE_FILE=sizeprereq IS_CLONE=false IS_PLAIN=true NOT_WINDOWS=true USE_OWNER_CREDENTIALS=true APPS_LIST_FILE_NAME=files.list PREREQ_ONLY_DP=false COMPUTE_SKIP_CLONE=true USE_EXISTING_HOME=false IS_OHS_EXIST=false IS_CUSTOM_LOCAL_DOMAIN=false IS_SERVER_MIGRATION=false WLS_VERSION=10.3.6.0 IS_EXEC_PREREQ=false CONFIGURE_JOC=false ADMIN_HOST.0.name=example.com ADMIN_HOST.0.type=host ADMIN_HOST.0.normalHostCreds=NAME:<password>:user1 ADMIN_HOST.0.SERVER_ADDRESS=example.com ADMIN_HOST.0.IS_SERVER_MIGRATABLE=false ADMIN_HOST.0.ORACLE_HOME=n/a ADMIN_HOST.0.SERVER_PORT=19030 ADMIN_HOST.0.DOMAIN_HOME_ADMIN_HOST=/scratch/oracle_wls/mwBase/domains/base_domain ADMIN_HOST.0.MIDDLEWARE_HOME=/scratch/oracle_wls/mwBase/middleware ADMIN_HOST.0.TLOG_DIR=/scratch/oracle_wls/mwBase/domains/base_domain/servers/Managed_Server1/tlogs ADMIN_HOST.0.CLUSTER_NAME_ADMIN_HOST=Cluster_1 ADMIN_HOST.0.JDK_LOC=/ade_autofs/gd29_3rdparty/nfsdo_generic/JDK7/MAIN/LINUX.X64/150608.1.7.0.85.0B015/jdk7/jre ADMIN_HOST.0.SSL_PORT=0 ADMIN_HOST.0.EX_PATTERN=*.mem ADMIN_HOST.0.MS_OVERRIDE_PORT=0 ADMIN_HOST.0.CLONE_MODE=true ADMIN_HOST.0.WORK_DIR_LOC_ADMIN_HOST=/tmp/scaleUpSrc ADMIN_HOST.0.MACHINE_NAME_ADMIN_HOST=Machine_1 ADMIN_HOST.0.WLS_HOME_ADMIN_HOST=/scratch/oracle_wls/mwBase/middleware/wlserver_10.3 ADMIN_HOST.0.SOURCE_SERVER_NAME=Managed_Server_1 ADMIN_HOST.0.SERVER_NAME_ADMIN_HOST=Managed_Server1 DEST_MANAGED_SERVERS.0.name=example.com DEST_MANAGED_SERVERS.0.type=host DEST_MANAGED_SERVERS.0.normalHostCreds=NAME:<password>:user1 DEST_MANAGED_SERVERS.0.START_SERVER_REQUIRED=true DEST_MANAGED_SERVERS.0.JOC_PORT=9988 DEST_MANAGED_SERVERS.0.WLS_HOME_DEST_MANAGED_SERVERS=/scratch/oracle_wls/mwBase/middleware/wlserver_10.3 DEST_MANAGED_SERVERS.0.MACHINE_NAME=Machine_1 DEST_MANAGED_SERVERS.0.SERVER_NAME_DEST_MANAGED_SERVERS=Managed_Server1 DEST_MANAGED_SERVERS.0.JRE_LOC=/usr/local/packages/jdk7 DEST_MANAGED_SERVERS.0.START_NM=false DEST_MANAGED_SERVERS.0.START_MS_USE_NM=true DEST_MANAGED_SERVERS.0.NM_LISTEN_ADDRESS=example.com DEST_MANAGED_SERVERS.0.CLUSTER_NAME_DEST_MANAGED_SERVERS=Cluster_1 DEST_MANAGED_SERVERS.0.DOMAIN_HOME_DEST_MANAGED_SERVERS=/scratch/oracle_wls/mwBase/domains/base_domain DEST_MANAGED_SERVERS.0.NM_LISTEN_PORT=5558 DEST_MANAGED_SERVERS.0.FMW_HOME_DEST_MANAGED_SERVERS=/scratch/oracle_wls/mwBase/middleware DEST_MANAGED_SERVERS.0.WORK_DIR_LOC_DEST_MANAGED_SERVERS=/tmp/scaleUpDest DEST_MANAGED_SERVERS.0.MS_PORT_DETAILS=19030:Listen Port DEST_MANAGED_SERVERS.0.DEST_MANAGED_SERVER_LISTEN_ADDRESS=example.com
表A-2に、前述の例で使用されているパラメータを示します。
表A-2 WebLogic Serverのスケール・アップまたはスケール・アウトのためのプロパティ・ファイルで使用されるパラメータの説明
パラメータ 説明 COHERENCE_ENABLED
Trueに設定すると、デプロイメント・プロシージャでコヒーレンスが構成されます。Falseに設定すると、デプロイメント・プロシージャでコヒーレンスは構成されません。
DOMAIN_TARGET_NAME
ドメイン・ターゲットの名前。
ONLINE_MODE
Trueに設定すると、他のサーバーおよびアプリケーションが稼働しているときに、スケール・アップ操作が実行されます。Falseに設定すると、他のサーバーおよびアプリケーションが稼働していないときに、スケール・アップ操作が実行されます。
DOMAIN_TYPE
ドメイン・タイプ。wlsの場合、値はGeneralです。SOAの場合、値はsoaです。
TEMPLATE
サーバー・テンプレートjarファイル名。たとえば、template.jar。
TEMPLATE_NAME
サーバー・テンプレート名。たとえば、mytemplate。
APPS_ARCHIVE
アプリケーションのアーカイブ・ファイル名。たとえば、apps.zip。
ADMIN_HOST_NAME
管理サーバーが実行されているホストの名前。
ADMIN_LISTEN_ADDRESS
管理サーバーのリスニング・アドレス(管理サーバーが実行されているホスト名/IPアドレス)。
ADMIN_LISTEN_PORT
管理サーバーのリスニング・ポート
ADMIN_PROTOCOL
管理サーバーによって使用されるプロトコルのタイプ。
ADMIN_WLS_USERNAME
Weblogicドメインに接続するためのユーザー名。
ADMIN_WLS_PASSWORD
Weblogicドメインに接続するためのパスワード。
ADMIN_WORK_DIR_LOC
管理サーバーの作業ディレクトリへの絶対パス。
FARM_PREFIX
サーバーを追加するドメインのファーム接頭辞。
OMS_WORK_DIR_LOC
OMSの作業ディレクトリへの絶対パス。
ARCHIVE_FILE_NAME
アーカイブ・ファイルの名前。たとえば、archive.jar。
CLONING_JAR_NAME
クローニング・クライアントjar名。たとえば、cloningclient.jar。
SESSION_TS_LOC
セッションのタイムスタンプ。たとえば、/20151013122409043。
REF_PREREQ_ZIP
前提条件zipファイル名。たとえば、prereq.zip。
REF_SIZE_FILE
参照の前提条件サイズ・ファイル。たとえば、sizeprereq。
IS_CLONE
デフォルトでFalseに設定されています。
IS_PLAIN
ドメインがプレーンwlsの場合、Trueに設定します。
NOT_WINDOWS
ドメインがWindowsボックス上に存在する場合は、Falseに設定します。ドメインがWindowsボックス上に存在しない場合は、Trueに設定します。
USE_OWNER_CREDENTIALS
同じ所有者の資格証明を設定するには、Trueに設定します。
APPS_LIST_FILE_NAME
値をfiles.listに設定します。files.listには、サーバー上で実行されているすべてのアプリケーションのリストが含まれます。
PREREQ_ONLY_DP
前提条件モード。trueに設定した場合、デプロイメント・プロシージャは
前提条件チェックのみを実行し、それらのチェックを確認できるように一時停止します。
COMPUTE_SKIP_CLONE
デフォルトでは、Trueに設定されているため、クローニングをスキップします。クローニングをスキップしない場合は、falseに設定します。
USE_EXISTING_HOME
ミドルウェア・ホームがすでに存在している同じホスト上にサーバーを作成する場合は、Trueに設定します。そうでない場合は、Falseに設定し、mwhを作成します。
IS_OHS_EXIST
ドメインがOHSのフロントエンドである場合は、Trueに設定します。そうでない場合は、Falseに設定します。
IS_CUSTOM_LOCAL_DOMAIN
カスタム・ローカル・ドメインが存在する場合は、Trueに設定します。デフォルト値はFalseです。
IS_SERVER_MIGRATION
サーバーが移行可能な場合は、Trueに設定します。サーバーが移行可能でない場合は、Falseに設定します。
WLS_VERSION
Oracle WebLogic Serverのバージョン。
IS_EXEC_PREREQ
OUI (製品固有)の前提条件を宛先サーバーのホスト上で実行する必要がある場合は、Trueに設定します。そうでない場合は、Falseに設定します。
CONFIGURE_JOC
スケール・アップするサーバー上でJavaオブジェクト・キャッシュを構成する必要がある場合は、Trueに設定します。そうでない場合は、Falseに設定します。
ADMIN_HOST.0.name
管理サーバーのホスト名
ADMIN_HOST.0.type
管理サーバーのホストのタイプ。
ADMIN_HOST.0.normalHostCreds
管理サーバー・ホストのログイン資格証明。
ADMIN_HOST.0.SERVER_ADDRESS
管理サーバーのホスト・アドレス。
ADMIN_HOST.0.IS_SERVER_MIGRATABLE
管理サーバーのホストが移行可能な場合は、Trueに設定します。管理サーバーのホストが移行可能でない場合は、Falseに設定します。
ADMIN_HOST.0.ORACLE_HOME
管理サーバーのOracleホームの場所。
ADMIN_HOST.0.SERVER_PORT
管理サーバーのリスニング・ポート。
ADMIN_HOST.0.DOMAIN_HOME_ADMIN_HOST
管理サーバー・ホストに存在するドメイン・ホームの場所。
ADMIN_HOST.0.MIDDLEWARE_HOME
管理サーバー・ホストに存在するミドルウェア・ホームの場所。
ADMIN_HOST.0.TLOG_DIR
管理サーバー・ホストに存在するTLOGディレクトリの場所。
ADMIN_HOST.0.CLUSTER_NAME_ADMIN_HOST
管理サーバー・ホストに存在するクラスタ名。
ADMIN_HOST.0.JDK_LOC
管理サーバー・ホスト上のJDKホームへの絶対パス。
ADMIN_HOST.0.SSL_PORT
管理サーバー上にSSLが構成されている場合は、SSLリスニング・ポート。
ADMIN_HOST.0.EX_PATTERN
値は、'*.memです。
ADMIN_HOST.0.MS_OVERRIDE_PORT
管理サーバー上にSSLが構成されている場合は、管理対象サーバーのオーバーライド・ポート。
ADMIN_HOST.0.CLONE_MODE
スケール・アップするサーバーが別のサーバーからクローンされている場合は、Trueに設定します。そうでない場合は、Falseに設定します。
ADMIN_HOST.0.WORK_DIR_LOC_ADMIN_HOST
管理サーバー・ホストの作業ディレクトリの場所。
ADMIN_HOST.0.MACHINE_NAME_ADMIN_HOST
管理サーバー・ホストに存在するマシン名。
ADMIN_HOST.0.WLS_HOME_ADMIN_HOST
管理サーバー・ホストのWeblogicホーム。
ADMIN_HOST.0.SOURCE_SERVER_NAME
Trueに設定し、ソース・サーバー名を指定します。
ADMIN_HOST.0.SERVER_NAME_ADMIN_HOST
スケール・アップするサーバーのサーバー名。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.name
宛先管理対象サーバーのホスト名。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.type
宛先管理対象サーバーのタイプ。
値はhostです。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.normalHostCreds
宛先管理対象サーバー・ホストのログイン資格証明。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.START_SERVER_REQUIRED
ドメインへの追加後にサーバーを起動する必要がある場合は、Trueに設定します。そうでない場合は、Falseに設定します。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.JOC_PORT
宛先管理対象サーバー用に構成する必要がある場合は、Javaオブジェクト・キャッシュのポート番号を9988に設定します。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.WLS_HOME_DEST_MANAGED_SERVERS
宛先管理対象サーバーのWebLogicホーム。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.MACHINE_NAME
宛先管理対象サーバーのマシン名。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.SERVER_NAME_DEST_MANAGED_SERVERS
宛先管理対象サーバーの名前。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.JRE_LOC
宛先ホスト上のJDKホームの絶対パス。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.START_NM
宛先管理対象サーバーを実行状態の既存マシンに関連付ける場合は、START_NMをFalseに設定します。宛先管理対象サーバーを新しいマシンに関連付ける場合は、Trueに設定し、マシンを起動します。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.START_MS_USE_NM
宛先管理対象サーバーをマシンに関連付ける場合は、Trueに設定します。そうでない場合は、Falseに設定します。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.NM_LISTEN_ADDRESS
宛先管理対象サーバーに関連付けられているマシンのノード・マネージャのリスニング・アドレス。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.CLUSTER_NAME_DEST_MANAGED_SERVERS
宛先管理対象サーバーがクラスタに含まれている場合は、クラスタ名を指定します。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.DOMAIN_HOME_DEST_MANAGED_SERVERS
ドメイン・ホームの場所。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.NM_LISTEN_PORT
宛先管理対象サーバーがマシンに関連付けられている場合は、ノード・マネージャのリスニング・ポートを指定します。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.FMW_HOME_DEST_MANAGED_SERVERS
宛先管理対象サーバーのミドルウェア・ホーム。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.WORK_DIR_LOC_DEST_MANAGED_SERVERS
宛先管理対象サーバー・ホストの作業ディレクトリの場所。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.MS_PORT_DETAILS
宛先管理対象サーバーのリスニング・ポート。
DEST_MANAGED_SERVERS.0.DEST_MANAGED_SERVER_LISTEN_ADDRESS
宛先管理対象サーバーのリスニング・アドレス。
- 生成されたプロパティ・ファイルを入力としてプロシージャを発行します。
./emcli submit_procedure -input_file=data:<input_properties_file> -procedure=<proc_guid> -instance_name=<optional_DP_Instance_Name> ./emcli submit_procedure -input_file=data:
instanceData.properties
-procedure=B35E10B1F140B4EEE040578CD78179DC