2 データベースの統合

次の項では、ホストおよびデータベースの統合に共通のトピックについて説明します。

Enterprise Manager統合での統合シナリオの分析方法

統合シナリオを分析するために、Enterprise Manager統合では定義済のプロセスに従います。

ホスト統合の場合、Enterprise Manager統合では各統合ソースの時間ごとおよび全体的なリソース要件を見積ります。Enterprise Managerで収集されたメトリック・データを使用して、(指定した収集日数内の)時間ごとおよびすべての時間の要件を計算し、選択されたリソース割当てスタイル(「積極的」、「中」または「保守的」)に応じて、平均、80パーセンタイルまたは最大値を選択します。

データベース統合の場合、Enterprise Manager統合では「きわめて保守的」リソース割当てスタイルを使用し、期間全体にわたってリソースの最大値を選択します。

スケール係数が指定されている場合、Enterprise Manager統合では値を調整します。この場合もリソース割当てスタイルに応じて、SGAに使用されるメモリー割合を50%、40%または30%削減することで、D2Dシナリオのメモリー要件をさらに調整します。ソースに対して表示されるリソース要件は、リソース割当てスタイルと調整によって決定される全体的な要件です。

統合シナリオに既存の宛先が含まれている場合、Enterprise Manager統合では同様の計算を実行して、各宛先の時間ごとおよび全体的な使用率の値を決定します。これらの値をスケーリングまたは調整せず、リソース割当てスタイルに応じて、平均、80パーセンタイルまたは最大値を使用して計算します。

新規または既存の宛先へのホスト統合の場合、Enterprise Manager統合では各ソースの時間当たりの要件を宛先の時間当たりの使用可能容量と照合します。(既存の宛先は、既存の時間当たりのワークロードが移入されたこのプロセスを開始します。新しい宛先は空の状態で開始します。)宛先がすべてのリソースに対する時間当りの要件すべてに対応できる場合は、統合が正常に行われます。

データベース統合の場合、Enterprise Manager統合ではどのデータベースを各宛先にマップするかを決定するために、ソース・データベースごとに単一のワークロード値を合算します。

要件を統合できない場合、Enterprise Manager統合では、容量が十分な宛先が検出されるまで次の宛先を試行します。統合が既存の宛先に対するもので、十分な容量が残っていない場合、ソースは統合から除外されます。新しい宛先への統合の場合は、ソースに対応するために別の宛先が作成されます。

  • ワークロードが複数のインスタンス間で共有されるRACデータベースの宛先があるD2Dシナリオの場合、プロセスは異なります。各ソース・データベースのワークロードは、RACデータベースのすべてのインスタンスに統合され、すべてのインスタンスで合計ワークロードのバランスがとられます。これは、Exadataまたはクラスタ宛先のあるD2Sシナリオについても同様です。

  • コンテナ・データベース(CDB)が宛先のD2Dシナリオの場合、各ソース・データベースは、CDB内の別のプラガブル・データベース(PDB)に統合されます。ユーザー指定の制約のため競合状態にあるソース・データベースは、別のCDBに統合されます。

  • デフォルトでは、Enterprise Manager統合ではできるだけ最少の宛先にソースを統合します。ただし、複数の既存の宛先があるシナリオでは、ワークロードをすべての宛先に分散させることを選択できます。

シナリオの「マッピング」ページには、統合の結果が表示されます。このページの内容は、統合に対して選択したプロジェクト・タイプとリソースによって異なりますが、一般には次の内容が表示されます。

  • 予測される宛先、および各宛先に統合されたソース。

  • 各リソースについて、宛先の容量と、既存のワークロードに統合されたソースによって消費されるリソースの割合および量(存在する場合)。Enterprise Manager統合では、宛先のリソースの時間当たりの最大使用率を検出することで、この量を見積もります。ソース行は、そのソースによって使用される宛先のリソースの割合を示します。

データ収集の管理

ホストまたはデータベースのプロジェクトのステータスを表示してデータ収集を管理します。

  1. 各統合ホームページで、「アクション」メニューから「データ収集の表示」を選択します。
  2. ビューには、次のタスクを実行できるプロジェクト内のソースがリストされます。
    • プロジェクトによる最新の収集ステータスを表示します。

    • ソースを選択して、その収集の履歴を表示し、収集の潜在的な問題をトラブルシューティングします。

    • 「データ収集ジョブ」の下のリンクをクリックして、表示できるジョブ・アクティビティ・ページに移動し、最新のデータ収集ジョブを管理します。

    • 最新のレートを使用してCSVファイルをダウンロードする手順に従って、最新のCPUパフォーマンス・メトリック値を更新します。ファイルをダウンロードしたら、「参照」をクリックしてローカル・ファイル・システムのファイルを検索し、「ロード」をクリックしてEnterprise Manager統合のレートを更新します。

統合レポートの表示

次の項で説明するように、統合プロジェクトおよびシナリオの詳細を、様々な書式で取得できるレポート形式で再利用し、より多くのユーザーに配布できます。

統合プロジェクト・レポートの表示

プロジェクト・レポートを表示するには、ホストまたはデータベースのプロジェクトをそれぞれの統合ホーム・ページで選択し、表の上にある「レポート」ボタンをクリックします。「レポート」ページでは、ホームページのプロジェクト詳細に表示されているタブ情報を表示するスタック済でスクロール可能な表としてプロジェクト詳細を再度表示します。

「レポートの公開」をクリックし、レポート・コンテンツを取得します。このアクションはBI Publisherと結合し、次のことができます。

  • 様々な形式(Excel、PowerPoint、HTML、PDF)によるレポートの保存。

  • 定義済のスケジュールに基づく、生成されたレポートの電子メール・リスト(Enterprise Managerへのアクセス権がないユーザーなど)への配信。

「OK」をクリックして統合ホーム・ページに戻ります。

統合シナリオ・レポートの表示

プロジェクトのシナリオのレポートを表示するには、統合ホームページのプロジェクト内のホストまたはシナリオを選択し、表の上にある「レポート」ボタンをクリックします。「レポート」ページでは、ホームページのシナリオ詳細に表示されているタブ情報を表示するスタック済でスクロール可能な表としてシナリオ詳細を再度表示します。

「レポートの公開」をクリックし、レポート・コンテンツを取得します。このアクションはBI Publisherと結合し、次のことができます。

  • 様々な形式(Excel、PowerPoint、HTML、PDF)によるレポートの保存。

  • 定義済のスケジュールに基づく、生成されたレポートの電子メール・リスト(Enterprise Managerへのアクセス権がないユーザーなど)への配信。

「OK」をクリックして統合ホーム・ページに戻ります。

Oracle Compute Cloud形状について

形状では、1つのインスタンスに使用可能なOracle Compute Unit (OCPU)の数およびRAM容量を定義します。OCPUは、現在ハイパー・スレッドが使用可能な3.0 GHz 2012 Intel Xeonプロセッサ相当のCPU性能を提供します。各OCPUは、vCPUと呼ばれる、2つのハードウェア実行スレッドに対応します。

広範な形状は、ビジネス要件に最適な、インスタンスの処理能力とメモリーの組合せを選択する際に役立ちます。インスタンスの形状を選択する際に、インスタンスにデプロイするアプリケーションの特性、アプリケーションの使用が予想されるユーザー数、および将来予想される負荷のスケールの程度について検討します。OSで使用されるCPUおよびメモリー・リソースも忘れずに考慮してください。

リソース要件を満たす形状を決定するために、形状を試して典型的なワークロードでテストできます。

詳細は、Oracle Cloud Infrastructureを参照してください。