ミドルウェア・アプリケーションのトラブルシューティングの概要
この章では、ユーザーが見逃している可能性があるEnterprise Managerの機能を紹介するとともに、Oracle Supportの経験豊かなスタッフが習得した方法を伝えます。
このガイドで使用する方法は次のようにまとめることができます。
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環境を準備します。「アプリケーションをトラブルシューティングするための環境の準備」および「アプリケーションのトラブルシューティングに役立つ環境の構成」の説明に従って、システムを理解して、システムをモニターする準備を行います。
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1つのミドルウェア層に問題を切り分けたら、Enterprise Managerを使用してさらに問題を切り分けて解決します。
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必要な場合には、「Enterprise Managerを使用した問題の解決」の説明に従って問題を解決します。
ノート:
トラブルシューティングでは解決すべき問題があることが必要であるため、場合によっては人為的にシステムに負荷をかけて、Enterprise Managerにモニタリング結果を生成する必要があります。これは特にJavaの負荷に該当します。ただし、このような負荷の生成に必要な方法はこのガイドでは扱いません。
たとえば、環境に様々なサーバーの情報を使用するWebアプリケーションが構成されているとします。
通常は、Webアプリケーションの特定の機能に関するトラブルが発生してユーザーが問題を提示します。該当するミドルウェア層と問題の解決方法が明白なケースもたまにはあります。ただし、最新のアプリケーションは複雑であり担当者も専門化しているため、モニタリング・ソフトウェアを使用してシステムを分析するほうが有効です。こうすることで問題の根本原因を検出して正しい修正を適用できます。たとえば、本番環境をモニタリングすることによって、個別のミドルウェア層の分析ではわからない、またはテスト環境では再現できない、その環境に固有の問題が明らかになる場合があります。
この図はシステムを簡略に表したもので、Oracle Coherenceは含まれていません。Coherenceおよび管理対象Coherence (WebLogicドメインで実行するCoherence)には新機能Coherence Heat Mapが含まれます。これはCoherence Log Viewer/Searchと連動して、ミドルウェアの問題を切り分ける際に役立ちます。
また、パフォーマンスの問題はEnterprise Managerの管理外のアイテムに関連する場合もあります。したがって、パフォーマンスの問題の解決を試みる前に、アプリケーションの実行に関係するタイミングを理解することが重要です。