8.9 レポート・リージョンの出力

いくつかの異なる形式にエクスポートすることによって、出力するレポート・リージョンを構成します。

ヒント:

Oracle Application ExpressをOracle Database 11gリリース1 (11.1)以上で実行している場合は、レポート出力を使用するためにネットワーク・サービスを有効にする必要があります(外部プリント・サーバーを構成している場合)。Oracle Database 11g以上のネットワーク・サービスの有効化を参照してください。

8.9.1 レポート出力について

リージョン・レポート出力を利用すると、アプリケーション・ユーザーは、印刷の方向、ページ・サイズ、列ヘッダーおよびページのヘッダーとフッターが事前定義されたレポートを表示および出力できます。クラシック・レポート、対話モード・レポートおよび対話グリッドでも、PDF、Microsoft Excel、HTMLおよびカンマ区切り値(CSV)へのエクスポートが可能です。その他のエクスポート形式では、外部プリント・サーバーを使用する必要があります。

Oracle Application Expressでは、3つのレポート出力構成オプションが提供されています。

  • なし(ネイティブ): 外部プリント・サーバーを使用しない場合は、このオプションを選択します。このオプションを使用すると、CSV、HTML、PDFおよびXLSXを含む基本的な出力機能を使用できます。

  • Oracle BI Publisher: Oracle BI Publisher(Oracle XML Publisherとも呼ばれる)の使用許諾が必要です。このオプションによって、レポートの問合せ結果を取得し、Oracle BI Publisherを使用して、XMLからRTF形式に変換できるようになります。Application Express内でのレポート出力用に、独自にカスタマイズしたRTFまたはXSL-FOのテンプレートをアップロードする場合、このオプションを選択してください。

    Oracle BI Publisherでは、Adobe Portable Document Format(PDF)、Microsoft Wordリッチ・テキスト形式(RTF)、Microsoft Excel形式(XLS)またはExtensible Markup Language(XML)がサポートされます。他のサード・パーティ・レンダリング・エンジンの使用を選択すると、他の出力形式も構成されます。

    ヒント:

    Oracle BI Publisherのインストールおよび構成についてさらに学習するには、「レポート出力の構成オプションについて」を参照してください。

  • 外部(Apache FOP): 外部J2EEサーバーでApache FOPを使用している場合に、このオプションを選択します。このオプションによって、Application Expressで提供されるデフォルトのテンプレートおよびカスタマイズしたXSL-FOテンプレートを使用して、レポート問合せの作成およびレポート・リージョンの出力を含む基本的な出力機能が使用できるようになります。

  • Oracle REST Data Services: Oracle REST Data Services (旧名称はApplication Expressリスナー)リリース2.0以上を使用している場合は、このオプションを選択します。このオプションによって、Application Expressで提供されるデフォルトのテンプレートおよびカスタマイズしたXSL-FOテンプレートを使用して、レポート問合せの作成およびレポート・リージョンの出力を含む基本的な出力機能が使用できるようになります。

    ノート:

    「Oracle REST Data Services」オプションでは、外部出力サーバーが必要なく、かわりに、レポート・データおよびスタイルシートがリスナーにダウンロードされ、リスナーによってPDF形式にレンダリングされてから、クライアントに送信されます。この設定のPDFドキュメントはデータベースに戻されないため、Oracle REST Data Servicesベースの構成を使用する場合、出力APIはサポートされません。

    ノート:

    PDFレポートを生成する機能は、Oracle REST Data Services (ORDS)リリース19.4で削除されました。

ノート:

Oracle Application Expressインスタンス管理者は、インスタンスのレポート出力構成を変更できます。Oracle Application Express管理ガイドインスタンスのレポート出力の構成を参照してください

8.9.2 PDFへのレポート出力について

Oracle Application Expressでは、PDFへの基本レポートの出力がネイティブでサポートされています。レポート・サーバーは、レポートの完全な制御および拡張レイアウトが必要な場合に使用します。

8.9.3 アプリケーション・レベルでのレポート出力の構成

アプリケーションのプリント・サーバー・タイプを構成するには、「アプリケーション定義」ページで「プリント・サーバー・タイプ」属性を編集します。アプリケーション・レベルのプリント・サーバー・タイプは、インスタンス管理の同様の設定をオーバーライドします。

アプリケーション・レベルでレポート出力を構成するには:

  1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
  2. アプリケーションを選択します。
    アプリケーションのホームページが表示されます。
  3. アプリケーションのホームページから、定義ページに、次の2通りの方法でアクセスできます。
    • 「アプリケーション・プロパティの編集」ボタンをクリックします。
    • 「共有コンポーネント」からの場合:
      • 「共有コンポーネント」をクリックします。

      • 「アプリケーション・ロジック」で、「アプリケーション定義属性」をクリックします。

    定義ページが表示されます。

  4. レポート出力:
    1. プリント・サーバー・タイプ - 「プリント・サーバー・タイプ」では、アプリケーションのプリント・サーバーを制御します。この設定は、「管理サービス」の同様の設定を上書きします。オプションは次のとおりです
      • ネイティブ出力: ネイティブ出力を使用します。外部プリント・サーバーは必要ありません。

      • リモート・プリント・サーバー: ワークスペース・ユーティリティで構成されているプリント・サーバー・タイプのリモート・サーバーを選択します。

      • インスタンス設定の使用: インスタンス管理で定義されているレポート出力設定を使用します。

    2. 「変更の適用」をクリックします。
  5. リモート・プリント・サーバーを追加するには:
    1. 「リモート・プリント・サーバーの追加」ボタンをクリックします。
      「リモート・プリント・サーバーの追加」ウィザードが表示されます。
    2. プリント・サーバー・タイプ - プリント・サーバーのタイプを選択します。オプションは次のとおりです。
      • Oracle Analytics Publisher - このオプションは、有償版のOracle Analytics Publisherを使用している場合に選択します。このオプションによって、レポートの問合せ結果を取得し、Oracle Analytics Publisherを使用して、XMLからRTF形式に変換できるようになります。Application Express内でレポート出力用に独自のカスタムRTFまたはXSL-FOテンプレートをアップロードする場合は、このオプションを選択します。

      • APEX Office Print - APEX Office Printを使用している場合は、このオプションを選択します。

      この後に表示される内容は、「プリント・サーバー・タイプ」の選択に応じて異なります。

  6. 「プリント・サーバー・タイプ」が「Oracle Analytics Publisher」の場合は、次の項目を構成します。
    1. リモート・プリンタ・サーバーの追加:
      • プリント・サーバー・タイプ - 「Oracle Analytics Publisher」を選択します。

      • 名前 - ここにはリモート・サーバー・オブジェクトの名前を入力します。リモート・サーバー名は、ワークスペース内で一意である必要があります。

      • 静的識別子 - 静的IDを使用して、APIコールでリモート・サーバーを参照します。

      • エンドポイントURL - 外部プリント・サーバーのエンドポイントURLを入力します。

      • 「次」をクリックします。

    2. リモート・プリント・サーバー資格証明の追加:
      • 認証が必要です - リモート・プリント・サーバーに認証を使用するかどうかを決定します。詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

      • 名前 - Web資格証明のわかりやすい名前を入力します。この名前はワークスペース内で一意である必要があります。

      • 静的識別子 - 静的IDを使用して、APIコールでWeb資格証明を参照します。

      • ユーザー名 - 基本認証のユーザー名を入力します。Application Expressでは、この情報は暗号化されて格納されません。

      • パスワード - 基本認証のパスワードを入力します。Application Expressでは、この情報を暗号化して保存するため、クリア・テキストで回収できなくなります。

      • 「変更の適用」をクリックします。

  7. 「プリント・サーバー・タイプ」が「APEX Office Print」の場合は、次の項目を構成します。
    1. リモート・プリント・サーバーの追加:
      • プリント・サーバー・タイプ - 「APEX Office Print」を選択します。

      • 名前 - ここにはリモート・サーバー・オブジェクトの名前を入力します。リモート・サーバー名は、ワークスペース内で一意である必要があります。

      • 静的識別子 - 静的IDを使用して、APIコールでリモート・サーバーを参照します。

      • エンドポイントURL - 外部プリント・サーバーのエンドポイントURLを入力します。

      • HTTPSホスト名: HTTPSリクエストに対してリモート・サーバーの証明書の共通名(CN)と照合するホスト名。これは、*.example.comのようなドメイン名でもある場合があります。NULLである場合、特定のURL内のホスト名が使用されます。

      • 「次」をクリックします。

    2. リモート・プリント・サーバー資格証明の追加:
      • 認証が必要です - リモート・プリント・サーバーに認証を使用するかどうかを決定します。詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

      • 名前 - Web資格証明のわかりやすい名前を入力します。この名前はワークスペース内で一意である必要があります。

      • 静的識別子 - 静的IDを使用して、APIコールでWeb資格証明を参照します。

      • APIキー - 認証のためのAPIキーを入力します。Application Expressでは、この情報を暗号化して保存するため、クリア・テキストで回収できなくなります。

      • 「変更の適用」をクリックします。

8.9.4 クラシック・レポートの出力メソッドについて

クラシック・レポートのリージョンは、次の2つの方法で出力できます。

レポート・リージョンおよびレポート問合せは、次の形式でダウンロードできます。

  • PDF: Adobe Portable Document Format。

  • RTF: Microsoft Word Rich Text Format。

  • Excel: Microsoft Excel形式。BI Publisherがプリント・サーバーとして構成され、カスタム・レポート・レイアウトが指定されている場合、コンテンツはHTMLベースであるため、エクスポートは本当の.xlsファイルではありません。

  • HTML

  • XML: Extensible Markup Language。

レポート・リージョンまたはレポート問合せを書式設定するには、レポート・レイアウトと関連付けます。

ヒント:

また、アイテムによって出力結果を指定させることもできます(このようなアイテムは実行時に出力形式を決定します)。形式値を保持するアイテムを選択します。有効な値は、「PDF」、「RTF」(ドキュメントをMicrosoft Wordで開く)、「XLS」(ドキュメントをMicrosoft Excelで開く)および「HTML」(ドキュメントをHTMLファイルとしてダウンロードする)です。

8.9.5 クラシック・レポート出力属性の構成

レポート・リージョンを出力する方法の1つは、出力属性を構成する方法です。構成した属性は、現行のリージョンのみに適用され、リージョンのコンテキスト以外では使用できません。

出力用にクラシック・レポート・リージョンを構成するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レンダリング」タブで、レポートを含むリージョンを選択します。
  3. 「出力」属性を有効にします。
    1. プロパティ・エディタで、「属性」タブを選択します。
    2. 「出力」で、「有効」「オン」に設定します。
  4. 出力属性を構成します。
    1. プロパティ・エディタで、「出力」タブを選択します。
    2. 適切な出力属性を編集します。

      ヒント:

      属性のヘルプを表示するには、プロパティ・エディタで属性を選択し、中央ペインで「ヘルプ」タブをクリックします。

  5. 変更を保存するには、「保存」をクリックします。ページを保存して実行するには、「ページの保存と実行」をクリックします。

8.9.6 出力用の対話モード・レポート・リージョンの構成

様々な形式で出力するようにレポート・リージョンを構成できます。
対話モード・レポートの出力属性は、クラシック・レポートの場合とは異なり、デフォルトのXSL-FOレイアウトのみを使用でき、レポート属性の「ダウンロード」から開始します。構成した属性は、現行のリージョンのみに適用され、リージョンのコンテキスト以外では使用できません。

出力用に対話モード・レポート・リージョンを構成するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レンダリング」タブで、レポートを含むリージョンを選択します。
  3. 「出力」属性を有効にします。
    1. プロパティ・エディタで、「属性」タブを選択します。
    2. 「出力」を見つけます。
    3. 「有効」「オン」を設定します。
  4. 出力属性を構成します。
    1. プロパティ・エディタで、「出力」タブを選択します。
    2. 適切な出力属性を編集します。

      ヒント:

      属性のヘルプを表示するには、プロパティ・エディタで属性を選択し、中央ペインで「ヘルプ」タブをクリックします。

  5. 変更を保存するには、「保存」をクリックします。ページを保存して実行するには、「ページの保存と実行」をクリックします。

8.9.7 レポート問合せについて

レポート・リージョンは、レポート問合せを共有コンポーネントとして定義することによって出力できます。レポート問合せは、抽出されるデータを識別します。リージョンに含まれるSQL文とは異なり、レポート問合せには、問合せを保存すると有効化されるSQL文が含まれます。レポート問合せは、SQL文を戻すファンクションではなく、SQL文である必要があります。

8.9.8 レポート・レイアウトについて

クラシック・レポート・リージョンまたはレポート問合せのどちらかをフォーマットするには、レポート・レイアウトと関連付けます。レポート・レイアウトを使用すると、印刷用形式でデータをレンダリングできます。レポート・レイアウトを選択しない場合は、デフォルトのXSL-FOレイアウトが使用されます。対話モード・レポートのリージョンのレンダリングでは、常にデフォルトのXSL-FOレイアウトが使用されます。