ソース・データベースからダウンストリーム・マイニング・データベースへのREDO転送の構成
ソース・データベースからダウンストリーム・マイニング・データベースへのREDOログ・ファイルの転送を設定し、ダウンストリーム・マイニング・データベースでこれらのREDOログ・ファイルを受け入れる準備をするには、このトピックで説明したステップを実行します。
複数のソースから1つのダウンストリーム・マイニング・データベースへのREDOの送信をサポートするためのルールを次に要約します。
- オンラインREDOログをダウンストリーム・マイニング・データベースのスタンバイREDOログに送信するよう構成できるのは、1つのソース・データベースのみです。このソース・データベースの
log_archive_dest_n
設定にTEMPLATE
句を含めることはできません。 - オンラインREDOログをダウンストリーム・マイニング・データベースのスタンバイREDOログに送信しないソース・データベースには、
log_archive_dest_n
パラメータにTEMPLATE
句を指定する必要があります。 - ダウンストリーム・マイニング・データベースに送信する各ソース・データベースは一意の
DBID
を持つ必要があります。これらのソース・データベースのv$database
ビューからDBID
列を選択し、DBIDが一意であることを確認します。 - ダウンストリーム・マイニング・データベースに対して、
FAL_SERVER
値を設定する必要があります。FAL_SERVER
には、スタンバイ・データベースのFAL
(フェッチ・アーカイブ・ログ)サーバーを指定します。値はOracle Netサービス名のリストで、スタンバイ・データベース・システムで、目的のFALサーバーをポイントするように正しく構成されていることを前提とします。リストには、ダウンストリーム・データベースにREDOを送信する可能性のある任意のデータベースのNetサービス名が含まれます。 - REDO転送を使用する場合、ネットワーク待機時間のためREDOの処理に遅延が生じる可能性があります。Extractでは、この待機時間はソース・データベースから受信したLCR間の遅延を測定し、その遅延を報告することでモニタリングされます。待機時間がしきい値を超える場合、レポート・ファイル内に警告メッセージが表示され、ラグが標準的な値まで減少すると後続の情報メッセージが表示されます。しきい値のデフォルト値は10秒です。
ノート:
ソース・データベースから送られたアーカイブ・ログは、外部アーカイブ・ログと呼ばれます。外部アーカイブ・ログの格納にダウンストリーム・マイニング・データベースのリカバリ領域を使用することはできません。そのような構成は、Extractではサポートされません。フラッシュ・リカバリ領域(FRA)に格納された外部アーカイブ・ログは、RMANジョブによって自動的に削除されることはありません。そうしたアーカイブ・ログは手動でパージする必要があります。これらの手順では、必要に応じて複数のソースからREDOを転送するための要件が考慮されています。これらのソースのそれぞれについてExtractプロセスを構成する必要があります。
REDO転送を構成する手順:
- データベース接続を構成して、ソース・データベースをマイニング・データベースに接続します。
- REDOデータの転送をサポートするよう、各ソース・データベースとダウンストリーム・マイニング・データベースで認証を構成します。REDO転送セッションは、Secure Sockets Layer(SSL)プロトコルまたはリモート・ログイン・パスワード・ファイルを使用して認証されます。ソース・データベースにリモート・ログイン・パスワード・ファイルがある場合、マイニング・データベース・システムの適切なディレクトリにコピーします。パスワード・ファイルは、すべてのソース・データベースとマイニング・データベースで同じである必要があります。
- 各ソース・データベースで、REDOデータをダウンストリーム・マイニング・データベースに転送するために
LOG_ARCHIVE_DEST_n
初期化パラメータを1つ構成します。リアルタイム・キャプチャ・モードを使用するか、アーカイブログのみキャプチャ・モードを使用するかに応じて、次の例のいずれかのようにこのパラメータの属性を設定します。- ソース・データベースがオンラインREDOログをダウンストリーム・データベースに送信する場合のダウンストリーム・マイニング・サーバーでのリアルタイム・キャプチャの例:
ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=DBMSCAP.EXAMPLE.COM ASYNC NOREGISTER VALID_FOR=(ONLINE_LOGFILES,PRIMARY_ROLE)DB_UNIQUE_NAME=dbmscap'
- ダウンストリーム・ログマイニング・サーバーでのアーカイブログのみキャプチャの例:
ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=DMBSCAP.EXAMPLE.COM ASYNC NOREGISTER VALID_FOR=(ONLINE_LOGFILES,PRIMARY_ROLE) TEMPLATE=/usr/oracle/log_for_dbms1/dbms1_arch_%t_%s_%r.log DB_UNIQUE_NAME=dbmscap'
ノート:
アーカイブ・ログのみのダウンストリーム・マイニング・データベースを使用する場合、TEMPLATE
属性の値を指定する必要があります。ソース・データベースでTEMPLATE
句を使用して、すべてのリモート・ソース・データベースのログ・ファイルが、ローカル・データベース・ログ・ファイルと分けて保管され、ログ・ファイル同士が分けて保管されるようにすることをお薦めします。 - ソース・データベースがオンラインREDOログをダウンストリーム・データベースに送信する場合のダウンストリーム・マイニング・サーバーでのリアルタイム・キャプチャの例:
- ソース・データベースで、次の例に示すように、ダウンストリーム・マイニング・データベースの宛先に相当する
LOG_ARCHIVE_DEST_n
パラメータに対応するLOG_ARCHIVE_DEST_STATE_n
初期化パラメータに値ENABLE
を設定します。ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE
- ソース・データベースとダウンストリーム・マイニング・データベースで、次の例に示すように、ソース・データベースとダウンストリーム・データベースの
DB_UNIQUE_NAME
を含むようLOG_ARCHIVE_CONFIG
初期化パラメータのDG_CONFIG
属性を設定します。ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_CONFIG='DG_CONFIG=(dbms1,dbmscap)'
親トピック: ダウンストリーム・デプロイ用のソース・データベースの準備