10 Autonomous DatabaseでのOracle GoldenGateの使用

Oracle GoldenGateを使用して、Oracle Autonomous Databaseにデータをレプリケートできます。

内容は次のとおりです。

Autonomous Databaseを使用したデータのキャプチャとレプリケートについて

Oracle Autonomous Databaseから変更をキャプチャし、Oracle GoldenGateでサポートされるターゲット・データベースまたはプラットフォーム(他のOracle Autonomous Databaseインスタンスを含む)にレプリケートできます。

詳細は、Autonomous Databaseクイックスタート・ワークショップを参照してください。

ユースケース: Autonomous DatabaseにOracle GoldenGateを使用する場合

Oracle Autonomous DatabaseでのOracle GoldenGateの使用は、次のシナリオをサポートするように構成できます:
  • スケーラブルなアクティブ/アクティブ型アーキテクチャ: ワークロードをスケール・アウトするために複数のデータベースにわたる変更を同期して、複数のデータ・センターまたはリージョン間でのリジリエンスとほぼ瞬時のフェイルオーバーを提供します。

  • リアルタイム・データ・ウェアハウス: Oracle Autonomous Databaseシステム間で変更されたデータの連続的でリアルタイムのキャプチャおよび配信を提供します。

  • ビッグ・データ統合: Oracle GoldenGate for Big Dataを使用すると、Oracle Autonomous Databaseからデータをレプリケートして、Big Dataのターゲットでサポートされるすべてのプラットフォームに対するリアルタイム・ストリーミング統合を実現できます。

  • リアルタイム・ストリーミング分析: Oracle GoldenGateはOracle Stream Analyticsとシームレスに統合されています。ユーザーはイベント・ストリームに対して問合せを実行することでリアルタイムで目的のイベントを識別できます。ストリーム分析に基づいたリアルタイム監視、ストリーミング・データの変換またはアラートの生成を実現するカスタム操作ダッシュボードを作成できます。

  • ハイブリッド・レプリケーション: Oracle GoldenGateは、Oracle Autonomous Databaseインスタンスからオンプレミスまたは別のクラウド・データベースやプラットフォームにデータをレプリケートします。

次の機能は、Always Free Autonomous Databaseでは使用できません:

  • サプリメンタル・ロギング

  • Oracle GoldenGate Extract

詳細は、Always Free Autonomous Databaseを参照してください。

Autonomous DatabasesでOracle GoldenGateを使用する場合のサポートの詳細

Oracle Autonomous Databaseにデータをレプリケートする前に、サポートされているデータ型と制限を確認してください。

Autonomous Databaseに対するOracle GoldenGate Replicatの制限事項

Oracle Autonomous Databaseとの間でレプリケートするときのOracle GoldenGateの制限事項は次のとおりです。
サポートされているReplicat
Oracle Autonomous DatabaseでOracle GoldenGateを使用する場合、様々なモードで次のReplicatの組合せがサポートされています:
  • Oracle Autonomous Databaseでは、統合モードのパラレルReplicatがサポートされています。

  • Oracle Autonomous Databaseでは、統合モードのクラシックReplicatおよび調整Replicatはサポートされていません。

  • Oracle Autonomous Databaseでは、非統合モードのクラシックReplicat、調整ReplicatおよびパラレルReplicatがサポートされています。

DDLおよびDMLレプリケーションに対するデータ型の制限事項

「サポートされていないOracleデータ型」の項を参照してください。

Autonomous Database on Dedicated Exadata Infrastructureドキュメント特定のデータ型の使用に関する制限事項およびOracle Autonomous Database Serverlessの使用ガイドのデータ型も参照してください。

DDLレプリケーションは、Autonomous Databaseの制限に応じてサポートされます。

アーカイブ・ログ保持のサポートの詳細

2種類のAutonomous Database、つまりOracle Autonomous Database ServerlessOracle Autonomous Database on Dedicated Exadata Infrastructureのログ保持動作は異なります。

  • Oracle Autonomous Database Serverless: アーカイブ・ログ・ファイルは、最大48時間高速リカバリ領域(FRA)に保持されます。その後、ファイルはパージされ、アーカイブ・ログ・ファイルはNFSマウント・ストレージに移動されます。このストレージには、LogMinerからアクセスできます。3つのコピーが作成されます。LogMinerは、すべてのコピーにアクセスできる必要があります。これはOracle GoldenGate Extractに対して透過的です。7日が経過すると、NFSにマウントされたコピーは完全に削除されます。必要なアーカイブ・ログ・ファイルが7日より古い場合、Extractはarchived log unavailableエラーで異常終了します。

  • Oracle Autonomous Database on Dedicated Exadata Infrastructure: Oracle Autonomous Data GuardまたはOracle GoldenGateが有効な場合、アーカイブ・ログ・ファイルは最大7日間高速リカバリ領域(FRA)に保持されます。その後、ファイルはパージされます。7日より前のアーカイブ・ログ・ファイルにアクセスするために、LogMinerで使用できるNFSマウント場所がありません。必要なアーカイブ・ログ・ファイルが7日より古い場合、Extractはarchived log unavailableエラーで異常終了します。

    ノート:

    データベース・インスタンスが15分を超えてクローズされた場合、保持時間は3日に設定し戻されます。これは、データベース・インスタンスがクローズされているかどうかに関係なく、アーカイブ・ログ・ファイルの保持が確認されるのは3日間のみであることを示します。ファイルは、データベース・インスタンスがクローズされていない場合のみ7日間保持されます。

Autonomous DatabaseからキャプチャするExtractの構成

Oracle Autonomous Databaseは、Oracle GoldenGateと緊密に統合されています。Autonomous DatabaseインスタンスにExtractを設定する場合、従来のOracle Databaseと比較して、多くの違いがあります。

Oracle Autonomous Databaseセキュリティは、Extractが接続先の特定のテナントからのみ変更を取得できるようにすることで強化されています。ただし、ダウンストリームExtractはサポートされていません。

始める前に

Oracle GoldenGateを使用してAutonomous Databaseからデータをキャプチャするプロセスを開始する前に、次の作業が必要です。
  1. Autonomous Databaseで、事前作成されたOracle GoldenGateデータベース・ユーザーggadminをロック解除します。

  2. データベース・インスタンスに接続するためのAutonomous Databaseクライアント資格証明を取得します。

内容は次のとおりです。

Oracle GoldenGate資格証明の確立

Autonomous Databaseからキャプチャする場合は、GGADMINアカウントのみが使用されます。GGADMINアカウントは、Autonomous Databaseのプロビジョニング時にデータベース内に作成されます。このアカウントはロックされています。Oracle GoldenGateに使用するために、そのロックを解除する必要があります。このアカウントは、Autonomous DatabaseのExtractとReplicatの両方に使用されるものとアカウントと同じです。

ALTER USERコマンドを実行して、ggadminユーザーのロックを解除し、そのパスワードを設定します。「クライアント側ツールによるAutonomous Databaseのユーザーの作成」を参照してください。

このALTER USERコマンドは、Autonomous Databaseのadminアカウント・ユーザーが実行する必要があります。

ALTER USER ggadmin IDENTIFIED BY PASSWORD ACCOUNT UNLOCK;

Autonomous DatabaseからキャプチャするOracle GoldenGate Extractの構成の前提条件

Autonomous DatabaseからキャプチャするExtractプロセスを構成して開始する前に、次の要件が満たされていることを確認してください。
  • Oracle Autonomous Database環境がプロビジョニングされ、実行されています。

  • Autonomous Databaseレベルのサプリメンタル・ロギングは、ADMINまたはGGADMINが有効にする必要があります。

Extract用のAutonomous Databaseサプリメンタル・ロギングの構成

Autonomous Databaseインスタンスに最小限のサプリメンタル・ロギングを追加するには、GGADMINまたはADMINアカウントとしてインスタンスにログインして、次のコマンドを実行します。
ALTER PLUGGABLE DATABASE ADD SUPPLEMENTAL LOG DATA;
そのデータベース・インスタンスからのキャプチャを停止することを決定した場合にAutonomous Databaseレベルのサプリメンタル・ロギングをDROPするには:
ALTER PLUGGABLE DATABASE DROP SUPPLEMENTAL
        LOG DATA;
次のSQL文を発行すると、Autonomous Databaseレベルのサプリメンタル・ロギングが正しく構成されていることを確認できます。
SELECT MINIMAL FROM dba_supplemental_logging;
この文の出力は次のとおりです。
MINIMAL
-------
YES

このAutonomous Databaseインスタンスに対してサプリメンタル・ロギングが正しく設定されている場合、MINIMAL列はYESになります。

Autonomous DatabaseからキャプチャするExtractの構成

次に、Oracle Autonomous DatabaseからキャプチャするExtractを構成するステップを示します:
  1. Oracle Autonomous DatabaseインスタンスにOracle GoldenGateをインストールします。

  2. Autonomous Databaseクライアント資格証明を取得します。

    Oracle Autonomous Databaseインスタンスへの接続を確立するには、クライアント資格証明ファイルをダウンロードします。クライアント資格証明をダウンロードするには、Oracle Cloud InfrastructureコンソールまたはDatabase Actions Launchpadを使用できます。クライアント資格証明のダウンロード(ウォレット)に関する項を参照してください。

    ノート:

    自律型データベースへの管理者アクセス権がない場合は、資格証明ファイルをダウンロードして提供するようにサービス管理者に依頼してください。

    次のステップでは、データベース・アクション起動パッドを使用してクライアント資格証明をダウンロードします。

    1. Oracle Autonomous Databaseアカウントにログインします。

    2. 「データベース・インスタンス」ページで、「データベース・アクション」をクリックします。これにより、データベース・アクション起動パッドが起動します。起動パッドは、ADMINとしてデータベースにログインしようとします。これが成功しない場合は、データベースのADMINのユーザー名とパスワードの入力を求められます。

    3. データベース・アクション起動パッドの「管理」で、「クライアント資格証明(ウォレット)のダウンロード」を選択します。

    4. クライアント資格証明zipファイルを保護するためのパスワードを入力して、「ダウンロード」をクリックします。

      ノート:

      ウォレットのダウンロード時に指定するパスワードにより、ダウンロードしたクライアント資格証明ウォレットが保護されます。
    5. 資格証明zipファイルをローカル・システムに保存します。

    資格証明zipファイルには、次のファイルが含まれています。
    • cwallet.sso

    • ewallet.p12

    • keystore.jks

    • ojdbc.properties

    • sqlnet.ora

    • tnsnames.ora

    • truststore.jks

    • ewallet.pem

    • README.txt

    Autonomous Databaseインスタンスと連動するようにOracle GoldenGateを構成するときには、sqlnet.oraおよびtnsnames.oraファイルを参照して更新(必要な場合)します。
  3. Autonomous Databaseインスタンスに接続するように、Oracle GoldenGateが稼働しているサーバーを構成します。

    1. Oracle GoldenGateがインストールされているサーバーにログインします。

    2. Oracle Autonomous Databaseインスタンスからダウンロードした資格証明zipファイルをOracle GoldenGateサーバーに転送します。

    3. Oracle GoldenGateサーバーで、新しいディレクトリ(たとえば、/u02/data/adwc_credentials)に資格証明ファイルを解凍します。これがキー・ディレクトリになります。

    4. 接続の詳細を構成するには、Oracle GoldenGateインスタンスのOracle Clientの場所からtnsnames.oraファイルを開きます。

    5. LOWコンシューマ・グループdbname_lowを含む接続文字列(たとえば、graphdb1_low)を使用して、ローカルtnsnames.oraファイルに移動します。

      Oracle Database Net Servicesリファレンスtnsnames.oraファイルのローカル・ネーミング・パラメータを参照してください。

      ノート:

      資格証明ファイルで提供されるtnsnames.oraファイルには、次のように識別できる3つのデータベース・サービス名が含まれています。
      ADWC_Database_Name_low
      ADWC_Database_Name_medium
      ADWC_Database_Name_high

      Oracle GoldenGateにはADWC_Database_Name_lowを使用するようにお薦めします。Oracle Autonomous Database Serverlessの使用ガイドのAutonomous Databaseの事前定義済データベース・サービス名、またはOracle Autonomous Database on Dedicated Exadata InfrastructureAutonomous Databaseの事前定義済データベース・サービス名を参照してください。

    6. Oracle GoldenGateインスタンスのtnsnames.oraファイルを編集して、tnsnames.oraファイルで使用可能な接続詳細がキー・ディレクトリ(Autonomous Databaseからダウンロードした資格証明zipファイルを解凍したディレクトリ)に含まれるようにします。

      Sample Connection String
      adw1_low. = (description=
                       (retry_count=20)(retry_delay=3)
                       (address=(protocol=tcps)(port=1522)(host=adb-preprod.us-phoenix-1.oraclecloud.com))
                       (connect_data=(service_name=okd2ybgcz4mjx94_graphdb1_low.adb.oraclecloud.com))
                       (security=(ssl_server_cert_dn="CN=adwc-preprod.uscom-east-1.oraclecloud.com,OU=Oracle BMCS US,O=Oracle Corporation,L=Redwood City,ST=California,C=US"))
                     )
      データベースがファイアウォールで保護されている環境内にある場合、データベースに直接アクセスできない可能性があります。既存のHTTPプロキシを使用すると、sqlnet.oraおよびtnsnames.oraに次の変更を加えることで、そのファイアウォールを通過できます。
      • sqlnet parameters
      • address modification of tns_alias
      ネットワークのタイムアウトまたは接続の喪失が原因でExtractが応答しなくなった場合は、次の内容をtnsnames.oraファイルの接続プロファイルに追加できます。
      (DESCRIPTION = (RECV_TIMEOUT=30) (ADDRESS_LIST =
            (LOAD_BALANCE=off)(FAILOVER=on)(CONNECT_TIMEOUT=3)(RETRY_COUNT=3) (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = adb-preprod.us-phoenix-1.oraclecloud.com)(PORT = 1522))
    7. ウォレットを構成するには、Oracle GoldenGateインスタンスのOracle Clientの場所にsqlnet.oraファイルを作成します。
      cd /u02/data/oci/network/admin
      ls
      sqlnet.ora tnsnames.ora

      Oracle Cloud MarketplaceでのOracle GoldenGateの使用Autonomous Databaseクライアント資格証明を参照してください。

    8. このsqlnet.oraファイルを編集して、キー・ディレクトリが含まれるようにします。

      WALLET_LOCATION = (SOURCE = (METHOD = file) (METHOD_DATA = (DIRECTORY="/u02/data/adwc_credentials"))) 
      SSL_SERVER_DN_MATCH=yes
  4. GGSCIを起動します。

    ./ggsci

  5. Extractデータベース(または同じ権限を持つユーザー)の資格証明を作成します。この場合、GGADMINがユーザーであり、Autonomous Databaseに接続して、データベース接続が必要になるコマンドを実行するために使用されます。また、Extractデータベース接続のためのUSERIDALIASパラメータにも使用します。

    ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER 
    ggadmin@dbgraph1_low PASSWORD complex_password alias adb_alias
  6. DBLOGINを使用してデータベースに接続します。DBLOGINユーザーは、adb_aliasアカウント・ユーザーであることが必要です。
    DBLOGIN USERIDALIAS adb_alias
  7. ADD TRANDATAまたはADD SCHEMATRANDATAを使用して、キャプチャする表のサプリメンタル・ロギングを構成します。データベース・インスタンスに直接接続しているため、これらのコマンドにデータベース名を含める必要はありません。次に例を示します。
    ADD TRANDATA HR.EMP
    または
    ADD SCHEMATRANDATA HR

    「Autonomous DatabaseからキャプチャするOracle GoldenGate Extractの構成の前提条件」を参照してください。

  8. ハートビート表を追加します。
    ADD HEARTBEATTABLE
  9. Extractを追加してOracle Autonomous Databaseインスタンスからキャプチャするように構成します。Extractの作成ステップは、「プライマリExtractの構成」を参照してください。

    Oracle GoldenGate Extractは、Oracle Autonomous Databaseインスタンスと連携して、特定のデータベース・インスタンスからのみ取得するように設計されています。つまり、データベース・インスタンス名はTABLEまたはMAP文に必要ではありません。

    次の例では、exteというExtract (Oracle Autonomous Databaseから取得するために必要)を作成し、これをすぐに開始するように指示します。
    ADD EXTRACT exte, INTEGRATED TRANLOG, BEGIN NOW 
    特定のテーブルをキャプチャするには、2つのパーツ・オブジェクト名を使用します。たとえば、Oracle Autonomous Databaseインスタンスの表HR.EMPからキャプチャするには、このエントリをExtractパラメータ・ファイルで使用します。
    TABLE HR.EMP;
    COUNTRY.EMPLOYEEHR.EMPをレプリケートする場合、map文は次のようになります。
    MAP HR.EMP, TARGET COUNTRY.EMPLOYEE;
  10. Oracle Autonomous DatabaseインスタンスにExtractを登録します。たとえば、exteというExtractを登録するには、次のコマンドを使用します。

    REGISTER EXTRACT exte DATABASE
  11. この時点で、Extractを起動して、Oracle Autonomous Databaseインスタンスへのデータ・レプリケーションを実行できます。次に例を示します。
    START EXTRACT exte

    これで、Oracle Autonomous Database用にExtractを構成するプロセスが完了し、その他のExtractプロセスと同様に使用できます。

Autonomous Databaseに適用するReplicatの構成

Oracle GoldenGateがサポートする任意のソース・データベースまたはプラットフォームからAutonomous Databaseにレプリケートできます。

内容は次のとおりです。

Autonomous DatabaseへのOracle GoldenGate Replicatの構成の前提条件

Autonmous DatabaseへのOracle GoldenGateデータ・レプリケーションを構成するための前提条件について説明します。

次に示す詳細を用意する必要があります。
  • Oracle GoldenGate Extractプロセスが構成されていて、Autonomous Databaseターゲットにデータを適用するReplicatが実行されている場所に証跡を書き込むソース・データベース。

  • Oracle Autonomous Database環境がプロビジョニングされ、実行されています。

Oracle GoldenGateを使用してAutonomous Databaseインスタンスにデータを配信するには、次のタスクを実行します:

Autonomous Database用のOracle GoldenGate Replicatの構成

Autonomous Database用にOracle GoldenGate Replicatを構成するステップについて説明します。

次に、構成タスクが完了するまでのステップを示します。

ノート:

手順については、すでにソース環境が構成されていることを前提としています。Autonomous Database環境へのレプリケーションを構成するために必要なステップについて説明します。

  1. オンプレミスのOracle GoldenGateの場合は、Oracle GoldenGateがインストールされていることを確認します。

    Oracle GoldenGateクラシック・アーキテクチャは、Marketplace for Oracle Autonomous Database Serverlessを使用したAutonomous Databaseの取得をサポートしています。

  2. GGSCIを起動します。

    ./ggsci

  3. Autonomous Databaseインスタンスには、Oracle GoldenGateオンプレミス用に作成されたggadminという事前作成済ユーザーがあります。ggadminユーザーには、Replicatが動作するために必要な権限が付与されています。これは、Oracle GoldenGateの処理に使用されるオブジェクト(チェックポイント表やハートビート・オブジェクトなど)が格納されるユーザーになります。デフォルトでは、このユーザーはロックされています。ggadminユーザーのロックを解除するには、任意のSQLクライアント・ツールを使用して、ADMINユーザーとしてOracle Autonomous Databaseインスタンスに接続します。データベース・アクションを使用したAutonomous Databaseでのユーザーの作成を参照してください。

  4. ALTER USERコマンドを実行して、ggadminユーザーのロックを解除し、そのパスワードを設定します。これは、Autonomous Databaseに対するDBLOGIN操作のために、GGSCIで使用します。Replicatで使用して、Oracle GoldenGateがAutonomous Databaseに接続してデータを適用できるようにします。データベース・アクションを使用したAutonomous Databaseでのユーザーの作成を参照してください。
    ALTER USER ggadmin IDENTIFIED BY p0$$word ACCOUNT UNLOCK;
自律型データベース・クライアント資格証明の取得

Autonomous Databaseへの接続を確立する方法について説明します。

Oracle Autonomous Databaseインスタンスとの接続を確立するには、クライアント資格証明ファイルをダウンロードする必要があります。クライアント資格証明ファイルをダウンロードするには、Oracle Cloud Infrastructureコンソールまたはデータベース・アクション起動パッドの2つの方法があります。クライアント資格証明のダウンロード(ウォレット)に関する項を参照してください。

ノート:

Oracle Autonomous Databaseへの管理者アクセス権がない場合は、資格証明ファイルをダウンロードして提供するようにサービス管理者に依頼してください。

次のステップでは、データベース・アクション起動パッドを使用してクライアント資格証明ファイルをダウンロードします。

  1. Autonomous Databaseアカウントにログインします。

  2. 「データベース・インスタンス」ページで、「データベース・アクション」をクリックします。これにより、データベース・アクション起動パッドが起動します。起動パッドは、ADMINとしてデータベースにログインしようとします。これが成功しない場合は、データベースのADMINのユーザー名とパスワードの入力を求められます。

  3. データベース・アクション起動パッドの「管理」で、「クライアント資格証明(ウォレット)のダウンロード」を選択します。

  4. クライアント資格証明zipファイルを保護するためのパスワードを入力して、「ダウンロード」をクリックします。

    ノート:

    ウォレットのダウンロード時に指定するパスワードにより、ダウンロードしたクライアント資格証明ウォレットが保護されます。
  5. 資格証明ZIPファイルをローカル・システムに保存します。資格証明ZIPファイルには次のファイルが含まれています。

  • cwallet.sso

  • ewallet.p12

  • keystore.jks

  • ojdbc.properties

  • sqlnet.ora

  • tnsnames.ora

  • truststore.jks

  • ewallet.pem

  • README.txt

Oracle Autonomous Databaseインスタンスと連動するようにOracle GoldenGateを構成するときには、sqlnet.oraおよびtnsnames.oraファイルを参照して更新(必要な場合)します。

Autonomous Databaseに適用するReplicatの構成

この項では、すでにソース環境が構成されていることを前提として、Oracle Autonomous Database環境でレプリケーションを確立するために必要なステップについて説明します。

Oracle GoldenGateインスタンスで、次の操作を実行する必要があります。
  1. 「Autonomous DatabaseへのOracle GoldenGate Replicatの構成の前提条件」に示したステップを実行します。

  2. 「Autonomous Database用のOracle GoldenGate Replicatの構成」に示したステップを実行します。

  3. 「Autonomous Databaseクライアント資格証明の取得」に示したステップを実行します。

  4. Oracle GoldenGateがインストールされているサーバーにログインします。

  5. Oracle Autonomous Databaseからダウンロードした資格証明zipファイルをOracle GoldenGateインスタンスに転送します。

  6. Oracle GoldenGateインスタンスで、新しいディレクトリ/u02/data/adwc_credentialsに資格証明ファイルを解凍します。これがキー・ディレクトリになります。

  7. 接続の詳細を構成するには、Oracle GoldenGateインスタンスのOracle Clientの場所からtnsnames.oraファイルを開きます。
    cd /u02/data/adwc_credentials
    ls
    tnsnames.ora
  8. Oracle GoldenGateインスタンスのtnsnames.oraファイルを編集して、tnsnames.oraファイルで使用可能な接続詳細がキー・ディレクトリ(Oracle Autonomous Databaseからダウンロードした資格証明zipファイルを解凍したディレクトリ)に含まれるようにします。

    Sample Connection String
    graphdb1_low = (description= 
                    (retry_count=20)(retry_delay=3)(address=(protocol=tcps)(port=1522)(host=adb-preprod.us-phoenix-1.oraclecloud.com))
                    (connect_data=(service_name=okd2ybgcz4mjx94_graphdb1_low.adb.oraclecloud.com))
                    (security=(ssl_server_cert_dn="CN=adwc-preprod.uscom-east-1.oraclecloud.com,OU=Oracle BMCS US,O=Oracle Corporation,L=Redwood City,ST=California,C=US")))
    ネットワークのタイムアウトまたは切断のためにReplicatが応答しなくなった場合は、次の内容をtnsnames.oraファイルの接続プロファイルに追加してください。
    (DESCRIPTION =  (RECV_TIMEOUT=120)   (ADDRESS_LIST =
          (LOAD_BALANCE=off)(FAILOVER=on)(CONNECT_TIMEOUT=3)(RETRY_COUNT=3) 
          (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = adb-preprod.us-phoenix-1.oraclecloud.com)(PORT = 1522))

    ノート:

    資格証明ファイルで提供されるtnsnames.oraファイルには、次のように識別できる3つのデータベース・サービス名が含まれています。
    ADWC_Database_Name_low
    ADWC_Database_Name_medium
    ADWC_Database_Name_high
    Oracle GoldenGateレプリケーションには、ADWC_Database_Name_lowを使用します。
  9. ウォレットを構成するには、Oracle GoldenGateインスタンスのOracle Clientの場所にsqlnet.oraファイルを作成します。
    cd /u02/data/oci/network/admin
    ls
    sqlnet.ora tnsnames.ora
  10. このsqlnet.oraファイルを編集して、キー・ディレクトリが含まれるようにします。

    WALLET_LOCATION = (SOURCE = (METHOD = file) (METHOD_DATA = (DIRECTORY="/u02/data/adwc_credentials"))) 
    SSL_SERVER_DN_MATCH=yes
  11. GGSCIを使用して、Oracle GoldenGateデプロイメントにログインします。

  12. Replicatが使用するためのGGADMINユーザーとパスワードを格納する資格証明を作成します。たとえば:
    ADD CREDENTIALSTORE ALTER CREDENTIALSTORE ADD USER ggadmin@databasename_low PASSWORD complex_password alias adb_alias
  13. Replicatを追加してOracle Autonomous Databaseに配信するように構成します。Replicatの作成時には、前のステップで作成した別名を使用します。Replicatおよびその他のプロセスの設定については、「Oracle GoldenGate Replicatの構成」を参照してください。

    ノート:

    クラシックReplicat、調整Replicatおよび非統合モードのパラレルReplicatを使用できます。Oracle Autonomous Databaseでは、統合モードのパラレルReplicatもサポートされています。
  14. この時点で、Replicatを起動して、Autonomous Databaseへのデータのレプリケーションを実行できます。

    ノート:

    Oracle Autonomous Databaseは、アイドル状態が60分以上のReplicatをタイムアウトにして切断します。Replicatは、アイドル状態になった後で変更を適用しようとすると(新しい変更を取得した場合)、データベース・エラーが発生して異常終了します。タイムアウトになったときに手動でReplicatを再起動しなくても済むように、AUTORESTARTプロファイルを指定してOracle GoldenGateを構成することをお薦めします。