9 Oracle Databaseの管理

Oracle Database ApplianceでOracle Databaseを管理します。

Oracle Database Applianceの管理グループおよびユーザーについて

Oracle Database Applianceブラウザ・ユーザー・インタフェースのデプロイメントによって、オペレーティング・システム・グループおよびユーザーが作成され、そのメンバーにアプライアンスでのシステム管理権限が付与されます。

構成時に、2つの管理アカウントがOracle Database Applianceのために作成されます。それらは、ユーザーID (UID)が1001のgridユーザー、およびUIDが1000のoracleユーザーです。ユーザーgridは、Oracle Grid Infrastructureのインストール所有者です。ユーザーoracleはOracle Databaseのインストール所有者であり、すべてのOracle Databaseホーム(Oracleホーム)の所有者です。デフォルトで、これらのユーザーは、そのメンバーにOracle DatabaseおよびOracle Automatic Storage Managementを起動および管理する権限が付与されるオペレーティング・システム・グループのメンバーです。

次の表に、Oracleシステムの権限グループ、およびオペレーティング・システムの認証グループに関する情報を示します。

表9-1 Oracle Database Appliance上のオペレーティング・システムのグループおよびユーザー

Oracleシステムの権限 グループ名 グループID (GID) gridはメンバーである oracleはメンバーである

Oracleインベントリ・グループ(OINSTALL)

oinstall

1001

はい(プライマリ・グループ)

はい(プライマリ・グループ)

dbaoperグループ用のOSOPER

dbaoper

1002

はい

はい

OSDBAグループ

dba

1003

いいえ

はい

Oracle ASMのOSASMグループ

asmadmin

1004

はい

いいえ

ASMグループのOSOPER

asmoper

1005

はい

いいえ

ASMグループのOSDBA

asmdba

1006

はい

はい

Oracle Database Applianceベア・メタル・プラットフォームのデフォルト値からグループ名とGIDを変更するには、そのデフォルト値をデプロイメント時にブラウザ・ユーザー・インタフェースから変更します。デプロイメント時に初期データベースを作成する場合、SYSおよびSYSTEMユーザーのパスワードはブラウザ・ユーザー・インタフェースで設定したパスワードです。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデフォルト値からグループ名とGIDを変更するには、コマンドoakcli deploy-advanceパラメータを使用します。デプロイメント中に初期データベースを作成する場合、SYSおよびSYSTEMユーザーのパスワードはコンフィギュレータのROOTパスワードです。

ノート:

構成後に両方のユーザーのパスワードを速やかに変更し、これらの特権アカウントを使用したデータベースへの不正アクセスを防止します。

Oracle Database Applianceのデータ移行オプションについて

Oracle Database Applianceは、標準的なOracle Databaseのロードおよび移行ツールの使用をサポートします。

既存のデータベースからOracle Database Applianceにデータをロードまたはデータを移行する場合は、標準的なOracle Databaseのロードおよび移行ツールを使用できます。このようなツールには、次のものがあります。

  • Oracle GoldenGate

  • SQL*Loader

  • Oracle Data Pump

  • トランスポータブル表領域

  • RMAN

また、RMANユーティリティはOracle Database Applianceでデータベースをバックアップおよびリカバリする場合にも使用できます。

Oracle ACFSストレージのデータベース・ホームの作成について

このリリースでは、新しいOracle Databaseホームを作成すると、そのホームはOracle ACFSファイル・システムに作成され、Oracle Database Applianceストレージ・ディスクに格納されます。新しいOracle Databaseホームは、コマンドodacli create-databaseまたはodacli create-dbhomeを使用して作成できます。また、既存のデータベース・ホームにパッチを適用するときに作成できます。

Oracle Database Applianceリリース19.13以降、Oracle Databaseホームはローカル・ディスクに作成されなくなりました。Oracle DatabaseホームはOracle ACFS管理ファイル・システムに作成されます。データベース・ユーザーがoracleの場合、新しいデータベース・ホームは/u01/app/odaorahome/oracle/の下に作成されます。

マウント/u01/app/odaorahomeは、高可用性システムのための共有ファイル・システムです。高可用性システムでは、/u01/app/odaorahome/がノード間の共有ORACLE_HOMEになります。既存のデータベース・ホームは、そのままローカル・ディスクに保持されます。

ORACLE_BASEの場所もOracle ACFSベースのファイル・システムに変更されています。高可用性システムでは、ノード間でORACLE_BASEが共有されません。それぞれのノードには、ORACLE_BASE用に独自のOracle ACFSファイル・システムがあります。データベース・ホームのための新しいORACLE_BASEは、マウント/u01/app/odaorahome/の下に作成されます。

Oracle ACFSファイル・システムのディスク領域は、DATAディスク・グループまたはRECOディスク・グループに配置されます。Oracle ACFSファイル・システム用のディスク・グループを指定する必要があります。Oracle Database Appliance X8-2ハードウェア・モデルと単一ノード・システムの場合、Oracle ACFSファイル・システムはDATAディスク・グループに配置する必要があります。ORACLE_HOMEボリュームの初期サイズは指定できます。デフォルト値は80 GBです。25GBから1024GBの値を設定できます。ORACLE_BASEの初期ボリューム・サイズは、10GBに固定されています。こうしたボリュームについては、AUTOEXTENDがオフであることに注意してください。ボリューム・サイズは、odacli modify-dbhome-storageコマンドで拡張できます。

Oracle Database Applianceリリース19.13のプロビジョニング時の変更点

プロビジョニング・リクエストの一部として、jsonファイルのsysOraHomeStorageセクションでボリュームのディスク・グループとサイズを指定する必要があります。
  "sysOraHomeStorage" : {
    "diskgroup" : "DATA",
    "volumeSize" : "80"
  },
この値をjsonファイルで指定しないと、次のエラーがプロビジョニング時に表示されます。
DCS-10045:Validation error encountered: Missing argument : sysOraHomeStorage
この値が無効なときには、次のエラーがプロビジョニング時に表示されることがあります。
DCS-10024:Input parameter 'Disk Group' contains unacceptable value 'DATAL'. Allowed values are '[DATA, RECO]'. (case insensitive)
DCS-10045:Validation error encountered: Required volumeSize value in sysOraHomeStorage should be in the range of 25GB to 1024GB.

Oracle Database Applianceリリース19.13のパッチ適用時の変更点

Oracle Database Applianceリリース19.6以降から19.13へのパッチをアプライアンスに適用した場合は、新しいデータベース・ホームを作成するに、odacli configure-dbhome-storageコマンドを実行します。そのようにしていないと、次のエラーが新しいデータベース・ホームの作成時に表示されます。
# odacli create-dbhome -v 19.8.0.0.200714
DCS-10601:The system is not set up to create database homes on ACFS.

ボリュームのディスク・グループが設定されると、新しいデータベース・ホームがOracle ACFSファイル・システムに作成されます。

Oracle Database ApplianceのStandard Edition高可用性について

Oracle Database Applianceは、Oracle Database 19c Standard Editionにクラスタ・ベースのフェイルオーバーを提供するOracle Grid Infrastructureによって、Standard Edition高可用性ソリューションをサポートしています。

Oracle Database 19cのStandard Edition高可用性について

Standard Edition高可用性では、インスタンスまたはノードの障害が発生すると、データベースはローカル・ノードでの再起動を試行してから自動的に別のノードにフェイルオーバーします。データベースは残存ノードで再起動されるため、Oracle Standard Editionデータベースの高可用性が実現します。

Oracle Databaseデプロイメントに19cより前のリリースのStandard Edition 2 Oracle Real Application Cluster (Oracle RAC)データベースが含まれている場合、そのデータベースはOracle Database 19cへのアップグレードの一環としてStandard Edition高可用性構成に変換する必要があります。

この機能の詳細は、Oracle Databaseドキュメント・ライブラリを参照してください(https://docs.oracle.com/en/database/oracle/oracle-database/index.html)。

Oracle Database Applianceリリース19.13のStandard Edition高可用性について

Oracle Database 19cのStandard Edition高可用性は、高可用性デプロイメント(2つのサーバー・ノード、共有ストレージおよびサーバー・インターコネクトがあるデプロイメント)のOracle Database Applianceでサポートされます。

Oracle Database Applianceでは、Oracle Database 19c Standard Edition単一インスタンス・データベースのデプロイメント時に、フェイルオーバーの自動構成が有効になります。Standard Edition単一インスタンス・データベースのOracleホームは両方のノードにあります。

ODACLIコマンドまたはブラウザ・ユーザー・インタフェース(BUI)を使用して作成した単一インスタンスOracle Database 19c Standard Editionデータベースは、Standard Edition高可用性がデフォルトで有効になっています。この高可用性オプションは無効にすることもできます。19cより前のリリースの既存のStandard Edition Oracle RACデータベースに対してStandard Edition高可用性を有効にするには、該当するOracle RACデータベースを単一インスタンス・データベースに変換してから、デフォルトでStandard Edition高可用性が有効化される単一インスタンスOracle Database 19c Standard Editionデータベースにアップグレードする必要があります。

Standard Edition高可用性Oracle Databaseのプロビジョニング、アップグレードおよび再配置について

Standard Edition高可用性の単一インスタンスOracle Database 19cを作成するには、次のコマンドを使用します。

odacli create-database -u db_unique_name -n db_name -dh db_home -y SI -g target_node

Standard Edition Oracle RACデータベースをOracle Database 19c Standard Editionにアップグレードするために、Oracle RACデータベースを単一インスタンスOracle Databaseに変換します。

odacli modify-database -in db_name -y single-instance

その後で、次のようにして、単一インスタンス・データベースをStandard Edition高可用性のOracle Database 19cにアップグレードします。

odacli upgrade-database -i db_id -to destination_dbhome -sh

フェイルオーバー以外の方法でStandard Edition高可用性Oracle Databaseをノード間で再配置するには、次のコマンドを使用します。

odacli modify-database -in db_name -g target_node | -th target_host

ここに示したODACLIコマンド・オプションの詳細は、このガイドのOracle Database Applianceコマンドライン・リファレンスの章を参照してください。

Oracle Database Applianceの透過的データベース暗号化(TDE)について

透過的データベース暗号化(TDE)により、表および表領域に格納する機密データを暗号化できます。

データは暗号化された後、認可されているユーザーまたはアプリケーションによってアクセスされたときに、透過的に復号化されます。TDEは、ストレージ・メディアまたはデータ・ファイルが盗まれた場合にメディアに格納されているデータ(保存データともいう)を保護するために役立ちます。

Oracle Databaseは、データベース内のデータを保護するために認証、認可および監査のメカニズムを使用しますが、オペレーティング・システムのデータ・ファイルに格納されているデータは保護しません。そのようなデータ・ファイルを保護するために、Oracle Databaseは透過的データ暗号化(TDE)を提供しています。

TDEでは、データ・ファイルに格納されている機密データを暗号化します。不正な復号化を防止するために、TDEでは暗号化キーがデータベース外部のキーストアと呼ばれるセキュリティ・モジュールに格納されます。

Oracle Database Applianceには、TDE対応データベースの作成、TDE対応データベースのバックアップ、リカバリおよびリストア、TDEウォレットのバックアップおよびリストア、TDEマスター暗号化キーの再キー設定、パスワードで保護されたキーストアのパスワード変更のオプションが用意されています。

ノート:

透過的データ暗号化(TDE)を有効にするには、Enterprise Edition Oracle Database 19c以降をデプロイする必要があります。

関連項目:

『Oracle Database Advanced Securityガイド』透過的データ暗号化の使用に関する項

注意:

TDEを有効化するときには、TDEウォレットのパスワードを設定するように求められます。セキュリティ・コンプライアンスに応じた強力なパスワードを指定してください。慎重にパスワードを設定して、このパスワードがデータベース管理操作の際に常に使用できるようにします。入力要求時にTDEウォレット・パスワードを指定しないと、暗号化されたデータへのアクセス中にエラーが発生します。

データベースの操作

ブラウザ・ユーザー・インタフェースでは、データベースのリストとデータベースの詳細の表示およびデータベースの作成と削除を実行できます。CLIコマンドは、データベースの管理に使用できます。

ノート:

Oracle Database Applianceでは、新しいデータベース・ホームに作成したデータベースの統合監査が可能です。統合監査証跡では、監査情報を取得して、その情報を1つの場所に1つの形式で格納します。この統合ビューにより、監査者は各種のコンポーネントからの監査情報を相互に関連付けできるようになります。単一の監査証跡によって、監査証跡の管理とセキュリティも向上します。Oracle Databaseの統合監査証跡の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

データベースの表示

Oracle Appliance Managerブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、Oracle Database ApplianceのOracleデータベースやデータベースの詳細の表示、データベースの作成、アップグレードおよび削除を実行します。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの場合は、コマンドoakcli list databasesを参照してください。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://host name or ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. (オプション)青色のフォントのデータベース名をクリックして、データベースの詳細を表示します。
  4. (オプション)データベース・エントリの横にある「Actions」をクリックして、データベースの詳細の表示、アップグレードまたは削除を実行します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベースの作成

Oracle Appliance Managerブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してOracle Database Applianceにデータベースを作成します。

データベースを作成する前に、CLIを使用したデータベース・クローン・ファイルによるOracle Database Applianceリポジトリの更新の説明に従って、データベース・バージョンに応じたOracle RDBMSクローン・ファイルでリポジトリが更新されていることを確認します。

ノート:

Standard Edition Oracle Database 19c以降の場合は、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースを作成できません。単一インスタンスOracle Databaseのみを作成できます。Standard Edition Oracle Database 19.6以降の場合は、単一インスタンス・データベースの高可用性を有効化できます。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用すると、すばやく簡単に新しいデータベースを作成できます。ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Create New Database」ページでは、ほとんどの構成オプションのデフォルト・オプションが設定されています。ドロップダウン・リストで使用可能なオプションのリストを迅速に表示し、オプションを選択できます。ドロップダウン・リストを使用して、新しいデータベースのOracle Databaseホーム(ORACLE_HOME)を作成するか、以前に作成した既存のORACLE_HOMEを選択できます。

Oracle Database 19.13は、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)およびOracle ASM Cluster File System (Oracle ACFS)の両方でサポートされています。Oracle ACFSで複数のデータベースが作成される場合、各データベースは、データファイルごとに独自のOracle ACFSファイル・システムで構成され、/u02/app/db user/oradata/db unique nameのネーミング規則が使用されます。このマウント・ポイントのデフォルト・サイズは100 GBです。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースのフィールドは、選択したデータベース・バージョンに応じて調整されています。

データベースを作成するには、次のステップを実行します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://host-ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 「Create Database」をクリックして「Create Database」ページを表示します。
  4. 「Create Database」ページで、「Create Database」を選択します。
  5. 「Create Database」ページに次の情報を入力して、データベースを構成します。
    1. 「DB Name」フィールドにデータベースの名前を入力します。データベース名の例としてdb1という名前がフィールドに表示されますが、このフィールドは入力されていません。名前は入力する必要があります。
      名前には英小文字を含める必要があり、8文字以内にする必要があります。Oracleシステム識別子(SID)は、常にデータベース名に設定されます。
    2. (オプション)「DB Unique Name」フィールドに、データベースの一意名を定義するための名前を入力します。
    3. 「Use Existing DB Home」フィールドで、「Yes」または「No」を選択します。
    4. 「DB Version」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベース・バンドルのパッチ番号を選択します。
      使用可能なクローンがある使用可能なデータベース・バージョンがリストに降順に表示されます。リポジトリで使用できないサポートされるバージョンは、リストの下部にライト・グレーで表示されます。リストの検索を実行できます。サポートされているバージョンをリポジトリに追加するためには、RDBMSクローン・ファイルをダウンロードしてリポジトリを更新します。
    5. Oracle Databaseリリース12.1より後の「CDB」オプションについては、データベースをコンテナ・データベース(CDB)にするかどうかに応じて、「Yes」または「No」を選択します。デフォルトは「Yes」です。
    6. 「PDB Name」フィールドに、プラガブル・データベース(PDB)の名前を入力します。
      英数字とアンダースコア(_)は有効です。名前は英数字で始まり、30文字以内にする必要があります。例として斜体文字のpdb1という名前がフィールドに表示されますが、このフィールドは入力されていません。名前は入力する必要があります。
    7. 「PDB Admin User」フィールドに、名前を入力します。
      このフィールドには例としてpdbadminが表示されますが、名前は入力する必要があります。英数字とアンダースコア(_)は有効です。
    8. 「Database Edition」フィールドに、ライセンスされているエディション(「Enterprise Edition」または「Standard Edition」)を入力します。
      Standard Edition Oracle Database 19c以降の場合は、単一インスタンスOracle Databaseのみを作成できます。Standard Edition Oracle Database 19.6以降の場合は、単一インスタンス・データベースの高可用性を有効化できます。
    9. 単一インスタンスOracle Databaseデプロイメントの場合は、「Node」にNode0またはNode1を指定します。デフォルトはNode0です。「Enable High Availability」にするかどうかを指定します。
    10. 「Shape」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベース・シェイプを選択します。シェイプにより、コアの数とデータベースに割り当てられるメモリー量が決まります。デフォルト値はodb1です。
    11. 「Database Class」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベース・クラスを選択します。オプションがリストで選択できない場合は、そのオプションはOracle Database Applianceのデータベース・エディションまたは選択したバージョンでサポートされていません。デフォルトはOLTPです。
    12. 「Storage」フィールドで、ドロップダウン・リストから「ACFS」または「ASM」を選択します。デフォルトはOracle ASMです。
    13. アプライアンスの作成時にディスク・グループの冗長性を「Flex」に設定していた場合は、「Database Redundancy」の値に「Mirror」または「High」を選択できます。
    14. データベースに関連付ける「Networks」を選択します。
    15. 「Configure EM Express」または「Configure EM Console」オプションで「Yes」または「No」」を選択します。デフォルト値は「No」です。
      「Yes」は、Oracle Database 19.13のOracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)コンソールを構成する場合に選択します。「Yes」を選択すると、コンソールを使用してデータベースを管理できます。
    16. 「SYS and PDB Admin User Password」フィールドに、SYSSYSTEMおよび PDB Adminのパスワードを入力します。
      パスワードは英文字で始まり、30文字以内にする必要があります。引用符は使用できません。
    17. 「Confirm Password」フィールドに、確認のためにパスワードをもう一度入力します。
    18. 「Characterset」フィールドで、ドロップダウン・リストからオプションを選択します。デフォルト値はAL32UTF8です。
    19. 「National Characterset」フィールドで、ドロップダウン・リストからオプションを選択します。デフォルト値はAL16UTF16です。
    20. 「Language」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベース言語を選択します。デフォルト値は「American」です。
    21. 「Territory」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベースの地域または場所を選択します。デフォルト値は「America」です。
    22. Oracle Database Enterprise Edition 19c以降の場合は、透過的データ暗号化(TDE)を有効にすることもできます。「Enable TDE」オプションに、「Yes」または「No」を選択します。「TDE Password」を指定して確認します。デフォルトでは、TDEオプションは無効化されています。
  6. 「Create」をクリックします。プロンプトが表示された場合は、「Yes」をクリックして、データベースを作成するジョブを開始することを確認します。
ジョブが発行され、ジョブへのリンクを含む確認ページが表示されます。リンクをクリックすると、ジョブの進捗、タスクおよびステータスが表示されます。

ジョブ確認ページを閉じた後、「Activity」タブをクリックしてジョブの進捗を監視できます。ジョブ番号をクリックすると、タスクおよびステータスの詳細が表示されます。「Refresh」をクリックするとページがリフレッシュされます。

Oracle ACFSストレージのデータベース・ホームの管理

Oracle Appliance Managerのブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはODACLIのコマンドを使用して、Oracle Database Applianceのデータベース・ホーム・ストレージを管理します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベース・ホーム・ストレージの管理

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。

    https://host-ip-address:7093/mgmt/index.html

  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 左側のペインの「Database Home Storage」をクリックします。
  4. データベース・ホーム・ストレージが構成されていない場合は、「Configure Database Home Storage」ボタンをクリックします。
  5. 「Disk Group Name」を選択して、「Size」をGB単位で指定します。
  6. 「Create」をクリックします。プロンプトが表示された場合は、「Yes」をクリックして、データベース・ホーム・ストレージを構成するジョブを開始することを確定します。
  7. 「Database」タブから、すべてのデータベース・ホーム・ストレージのリストを表示して、各データベースの詳細を表示することもできます。
  8. データベース・ホーム・ストレージを変更するには、「Actions」ドロップダウン・リストの「Modify」を選択します。

ODACLIコマンドを使用したデータベース・ホーム・ストレージの管理

  1. odacli configure-dbhome-storageコマンドを使用して、データベース・ホーム・ストレージを構成します。
    # odacli configure-dbhome-storage -dg DATA
  2. odacli list-dbhome-storagesコマンドを使用して、データベース・ホーム・ストレージのリストを表示します。
    # odacli list-dbhome-storages
  3. odacli describe-dbhome-storagesコマンドを使用して、データベース・ホーム・ストレージの説明を表示します。
    odacli describe-dbhome-storage -i 67622ce6-0a00-4fec-b948-7a0ba7922311

    これらのコマンド・オプションの詳細は、このガイドのOracle Database Applianceコマンドライン・リファレンスの章を参照してください。

ODACLIコマンドを使用したデータベースの作成

コマンドライン・インタフェースから、データベースを作成します。

ノート:

初期データベースを作成せずにアプライアンスをプロビジョニングした場合は、Oracleホームを作成する必要があります。データベース・ホームのバージョンが移行したデータベースと異なる場合は、移行したデータベース用のデータベース・ホームを作成します。移行したデータベース専用のデータベース・ホームを作成する場合があります。

注意:

透過的データ暗号化(TDE)を有効にしてデータベースを作成すると、TDEウォレットのパスワードを設定するように求められます。セキュリティ・コンプライアンスに応じた強力なパスワードを指定してください。このパスワードを初めて設定する場合は慎重に入力します。このパスワードは、データベース管理操作の際に常に使用できるようにします。入力要求時にTDEウォレット・パスワードを指定しないと、暗号化されたデータへのアクセス中にエラーが発生します。

この例では、データベース・バージョンが19.13PRODDBという名前の新しいデータベースを作成して、データベース・ホームが存在しない場合は新しいデータベース・ホームを作成します。

  1. odacli list-dbhomesコマンドを使用して、データベース・ホームのリストを表示し、データベース・バージョンに対応するデータベース・ホームが存在することを確認します。
    既存のデータベース・ホームを使用する場合、または詳細が必要な場合はIDを確認します。odacli describe-dbhomesコマンドを使用して、特定のデータベース・ホームの詳細を確認します。
    # odacli list-dbhomes
    ID                                   Name               DB Version  
    ------------------------------------ -----------------  ----------  
    b727bf80-c99e-4846-ac1f-28a81a725df6 OraDB199_home1  19.13.0.0.0 
        
    (continued)
    Home Location
    -----------------------------------------
    /u01/app/orauser/product/19.0.0.0/dbhome_1
  2. データベース・バージョンに対応するデータベース・ホームが存在しない場合は、データベース・ホームを作成します。
    移行したデータベース専用のデータベース・ホームを作成する場合は、odacli create-dbhomeコマンドを使用するか、データベースを作成するときにデータベース・ホームを作成できます。この例では、データベース・バージョン19.13.0.0.0のデータベース・ホームを作成します。
    # odacli  create-dbhome -v 19.13.0.0.0
  3. データベースを作成します。既存のデータベース・ホームIDを使用するか、データベースの作成時にデータベース・ホームを作成できます。

    IDがb727bf80-c99e-4846-ac1f-28a81a725df6の既存のデータベース・ホームを使用するPRODDBという名前のデータベースを作成する場合は、次のようにします。

    # odacli create-database -n PRODDB -io -dh b727bf80-c99e-4846-ac1f-28a81a725df6

    データベース名がPRODDBでデータベース・バージョンが19.13.0.0.0のデータベースを作成する場合は、次のようにします。

    # odacli create-database -n PRODDB -v 19.13.0.0.0 -io

    PRODDBという名前のTDE対応データベースを作成する場合は、次のようにします。

    # odacli create-database -n PRODDB -t

バックアップからのデータベースのクローニング

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してバックアップからデータベースをクローニングします。

Oracle Database Applianceではデータベースのバックアップ時に、バックアップ・レポートが作成されます。このバックアップ・レポートをJSONファイルとして保存すると、そのファイルを使用して同じアプライアンスまたは別のアプライアンスにデータベースを作成できます。
次に、バックアップからデータベースをクローニングするための前提条件を示します。
  1. ソースのデータベース・バックアップの場所は、オブジェクト・ストアまたは外部FRA (ネットワーク・ファイル・システム)にする必要があります。

  2. Object Storeのバックアップの場所を使用する場合は、ホストのObject Store資格証明を取得します。

  3. 外部FRA (ネットワーク・ファイル・システム)のバックアップの場所を使用する場合は、ネットワーク・ファイル・システム(NFS)のマウント・ポイントの場所を取得します。

  4. オブジェクト・ストア資格証明またはバックアップの保存先としてNFSマウント・ポイントを使用してバックアップ・ポリシーを作成します。

  5. バックアップするデータベースにバックアップ・ポリシーをアタッチします。ソース・データベースのTDEが有効化されていない場合は、Objectstoreバックアップ・ポリシーをアタッチするときに、バックアップ暗号化パスワードの指定が必要になります。ただし、NFSバックアップ・ポリシーをアタッチする場合は、バックアップ暗号化パスワードはオプションです。ソース・データベースのTDEが有効化されている場合は、バックアップの保存先に関係なく、バックアップ暗号化パスワードの指定は不要です。

  6. データベースの手動バックアップを作成して、バックアップの完了時に生成されるバックアップ・レポートを保存します。

バックアップからデータベースを作成するには、次のステップを実行します。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://host-ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 「Create Database」をクリックして「Create Database」ページを表示します。
  4. 「Clone Database from Backup」「Next」の順にクリックして、「Clone Database from Backup」ページを表示します。
  5. データベースの作成元にする「Backup Destination」を選択します。バックアップの保存先がObjectStoreの場合は、次の手順を実行します。
    1. 「Backup Destination」に「ObjectStore」を選択します。
    2. 「Object Store Credential Name」を選択します。
    3. 「Backup Encryption Passwords」フィールドと「Confirm Backup Encryption Passwords」フィールドにパスワードを入力します。
    バックアップの保存先がネットワーク・ファイル・システム(NFS)の場合は、次の手順を実行します。
    1. 「Backup Destination」に「External FRA」を選択します。
    2. 「Backup Encryption Passwords」フィールドと「Confirm Backup Encryption Passwords」フィールドにパスワードを入力します。
  6. 「Browse」をクリックして、データベースを作成するためのバックアップ・レポートを選択します。
    バックアップ・レポートがロードされると、追加のフィールドがページに表示され、そのフィールドはバックアップ・レポートに基づいて移入されます。フィールドの一部は編集できます。
    Standard Edition Oracle Database 19c以降の場合は、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースをクローニングできません。単一インスタンスOracle Databaseのみをクローニングできます。Standard Edition Oracle Database 19.6以降の場合は、単一インスタンス・データベースの高可用性を有効化することもできます。
  7. 「DB Name」フィールドにデータベースの名前を入力します。
    名前には英小文字を含める必要があり、8文字以内にする必要があります。Oracleシステム識別子(SID)は、常にデータベース名に設定されます。
  8. 「SYS and PDB Admin User Password」フィールドと「Confirm Password」フィールドにパスワードを入力します。
  9. ネットワークを指定します。
  10. ソース・データベースの透過的データ暗号化(TDE)が有効化されている場合は、クローニングされたデータベースのTDEを有効にできます。ソース・データベースのTDEが有効化されている場合は、バックアップ・レポートにTDEウォレットのバックアップの場所が含まれていて、この値がBUIの「TDE Wallet Backup Location」フィールドに表示されます。「TDE Password」を指定して確認します。
  11. 「Create」をクリックします。
  12. 「Yes」をクリックして、選択したObject Storeまたは外部FRAからデータベースをクローニングすることを確認します。
    このジョブを発行すると、ジョブIDとジョブへのリンクが表示されます。リンクをクリックすると、ジョブのステータスおよび詳細が表示されます。
  13. ジョブの完了を確認します。ジョブは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Activity」タブで追跡できます。また、ジョブIDを指定してコマンドodacli describe-jobを実行することでも追跡できます。
    # odacli describe-job -i jobId

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したOracle ACFSデータベースのクローニング

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して既存のOracle ACFSデータベースからデータベースを作成します。

クローニングによって、次のことが可能になります。
  • ソース・データベースを停止することなく、別のデータベースからデータベースを作成します

  • ゴールド・イメージから複数のデータベースを作成して、標準化されたマス・デプロイメントを実現します

  • クローニングでOracle ACFSスナップショットを使用することで、領域使用率を最適化します

  • 単一ソース・データベース・タイプから異なるタイプのデータベースを作成します。たとえば、どのタイプのソース・データベースからでも、単一インスタンス・データベース、Oracle RACデータベースまたはOracle RAC One Nodeデータベースを作成できます。

  • 使用可能なメモリーとCPUコアに応じて、サポートされているデータベース・シェイプ(odb1sodb2など)を指定して、任意のソース・データベースから任意のクラスのデータベースを作成します。

既存のOracle ACFSデータベースからデータベースを作成する場合は、次のステップを実行します。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://host-ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 「Create Database」をクリックして「Create Database」ページを表示します。
  4. 「Clone a Database」「Next」の順にクリックして、「CClone Database」ページを表示します。
  5. データベースの作成元にする「Source Database」を選択します。
    Oracle Database 19c Standard Editionの場合、高可用性の有無に関係なく、単一インスタンスOracle Databaseのみを作成できます。
  6. 新しいデータベースの「Database Shape」(テンプレート)を選択します。選択したデータベース・シェイプにより、データベースに割り当てられる合計メモリー量が決まります。
  7. 「DB Name」フィールドにデータベースの名前を入力します。
    名前には英小文字を含める必要があり、8文字以内にする必要があります。Oracleシステム識別子(SID)は、常にデータベース名に設定されます。
  8. データベースの「DB Unique Name」を指定します。データベースの一意名が指定されていないと、データベース名はデータベースの名前に設定されます。
  9. ネットワークを指定します。
  10. 「SYS and PDB Admin User Password」フィールドと「Confirm Password」フィールドにパスワードを入力します。透過的データ暗号化(TDE)対応のデータベースの場合は、TDEウォレットのパスワードを指定します。TDEパスワードは、ソース・データベースのTDEパスワードと同じです。
  11. 「Create」をクリックします。
  12. 「Yes」をクリックして、選択したソース・データベースからデータベースをクローニングすることを確認します。
    このジョブを発行すると、ジョブIDとジョブへのリンクが表示されます。リンクをクリックすると、ジョブのステータスおよび詳細が表示されます。
  13. ジョブの完了を確認します。ジョブは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Activity」タブで追跡できます。また、ジョブIDを指定してコマンドodacli describe-jobを実行することでも追跡できます。
    # odacli describe-job -i jobId

コマンドライン・インタフェースを使用したOracle ACFSデータベースのクローニング

CLIコマンドを使用して既存のOracle ACFSデータベースからデータベースを作成します。

クローニングによって、次のことが可能になります。
  • ソース・データベースを停止することなく、別のデータベースからデータベースを作成します

  • ゴールド・イメージから複数のデータベースを作成して、標準化されたマス・デプロイメントを実現します

  • クローニングでOracle ACFSスナップショットを使用することで、領域使用率を最適化します

  • 単一ソース・データベース・タイプから異なるタイプのデータベースを作成します。たとえば、どのタイプのソース・データベースからでも、単一インスタンス・データベース、Oracle RACデータベースまたはOracle RAC One Nodeデータベースを作成できます。

  • 使用可能なメモリーとCPUコアに応じて、サポートされているデータベース・シェイプ(odb1sodb2など)を指定して、任意のソース・データベースから任意のクラスのデータベースを作成します。

  • スタンバイ・システムにクローン・データベースを作成する機能によって、テスト環境または開発環境はスタンバイ・データベースに基づいて設定できます。スタンバイ・システムは本番システムではないため、テスト環境や開発環境のシードに適しています。
次に、データベースをクローニングするための前提条件を示します。
  • すべてのノードでOracle Clusterwareが実行されていて、ソース・データベースが稼働していることを確認します。

  • ソース・データベースでは、Oracle ACFSストレージを使用する必要があります。

  • ソース・データベースはマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)でないことが必要です。

  • ソース・データベースはOPEN状態になっている必要があります。

  • ソース・データベースはバックアップ・モードになっていない必要があります。

  • ソース・データベースはアーカイブ・モードになっている必要があります。

ノート:

Standard Edition Oracle Database 19c以降の場合は、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースをクローニングできません。単一インスタンスOracle Databaseのみをクローニングできます。Standard Edition Oracle Database 19.6以降の場合は、単一インスタンス・データベースの高可用性を有効化することもできます。

データベースをクローニングするには、次の手順を実行します。

  1. コマンドodacli clone-databaseを実行します。
    odacli clone-database --databaseUniqueName --dbname --dbshape --dbtype --json --sourcedbname
    データベースの一意名、新しいデータベースの名前、データベース・シェイプ、データベースのタイプおよびソース・データベース名を指定します。TDE対応のデータベースの場合は、--tdepasswordオプションも指定します。新しいデータベースのTDEパスワードとソース・データベースのTDEパスワードは同じにする必要があります。
    このコマンドのすべてのオプションの詳細は、ODACLIコマンド・リファレンスの章を参照してください。

関連トピック

データベースの変更

Oracle Appliance Managerブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはODACLIコマンドを使用してOracle Database Applianceのデータベースを変更します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベースの変更

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。

    https://host-ip-address:7093/mgmt/index.html

  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 変更するデータベースに対して、「Actions」ドロップダウン・リストで「Modify」を選択します。
  4. 「Modify Database」ページでは、関連するネットワークとバックアップ・ポリシーのアタッチまたはデタッチ、データベースのシェイプとクラスの変更を実行できます。Oracle Database 19c以降のデータベースでは、TDEウォレット管理をEXTERNALからODAに変更することもできます。
  5. 「Database Class」または「Database Shape」を変更する場合は、ドロップダウン・リストで新しい値を選択します。
  6. ネットワークをアタッチまたはデタッチするには、「Attach Networks」フィールドと「Detach Networks」フィールドの値を変更します。
  7. データベースから関連するバックアップ・ポリシーを削除する場合は、「Select Back up Policy」ドロップダウン・リストで値を選択しないでください。
  8. データベースの作成時にOracle Flexディスク・グループを構成していた場合は、データベースの冗長性も変更できます。変更するデータベースがOracle ACFSデータベースの場合は、すべてのクローニングされたOracle ACFSデータベースのデータベース冗長性が変更されます。
  9. 「Backup Encryption Password」を変更することもできます。データベースのTDEが有効化されている場合、RMANバックアップ暗号化パスワードは使用されません。
  10. 「Modify」をクリックします。プロンプトが表示された場合は、「Yes」をクリックして、データベースを変更するジョブを開始することを確定します。

ODACLIコマンドを使用したデータベースの変更

  1. odacli modify-databaseコマンドは、データベースの構成(バックアップ構成、データベース・クラス、データベース・タイプ、TDEキーなど)を変更する場合や、TDEウォレット管理をEXTERNALからODAに変更する場合に使用します。
    # odacli modify-database -s database_shape  -cl database_class -i dbid
    次に例を示します。
    # odacli modify-database -i 1941d594-c777-4eca-9fce-18b778d5c153 -s odb2 -cl DSS

    たとえば、次のコマンドでは、現在のTDEウォレット・パスワードを受け入れてから、データベースのTDEマスター暗号化キーを再暗号化します。

    # odacli modify-database -in testdb -rkt
    Enter TDE wallet password:

    odacli modify-databaseコマンドのオプションの詳細は、このガイドのOracle Database Applianceコマンドライン・リファレンスの章を参照してください。

関連トピック

Oracleホーム間のデータベースの移動

Oracle Appliance Managerブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはODACLIコマンドを使用して、同じデータベース・バージョンのOracleホーム間でデータベースを移動します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベースの移動

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。

    https://host-ip-address:7093/mgmt/index.html

  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 変更するデータベースに対して、「Actions」ドロップダウン・リストで「Move」を選択します。
  4. データベースの移動先にする「Destination Database Home」を選択します。移動先データベース・ホームは、同じベース・バージョンにする必要があります。
  5. 「Move」をクリックします。プロンプトが表示された場合は、「Yes」をクリックして、データベースを移動するジョブを開始することを確定します。

ODACLIコマンドを使用したデータベースの移動

  1. コマンドodacli move-databaseを使用して、データベースをOracleホームから同じデータベース・バージョンの別のホームに移動します。
    # odacli move-database -i database_ID -dh destination_database_home_ID

    odacli move-databaseコマンドのオプションの詳細は、このガイドのOracle Database Applianceコマンドライン・リファレンスの章を参照してください。

関連トピック

データベースのアップグレード

Oracle Appliance Managerブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、別のデータベース・ホーム・バージョンにOracleデータベースをアップグレードします。

別のデータベース・ホームへのアップグレード前に、リポジトリにOracle RDBMSクローン・ファイルをアップロードして、データベース・ホームを作成しておく必要があります。

ノート:

Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースは、Standard Edition Oracle Database 19c以降の宛先データベース・ホームにアップグレードすることはできません。まず、odacli modify-databaseコマンドを使用してOracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースを単一インスタンスOracle Databaseに変換してから、その単一インスタンスOracle DatabaseをStandard Edition 19c以降の宛先データベース・ホームにアップグレードする必要があります。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://host name or ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 目的のデータベースの横にある「Actions」をクリックして、「Upgrade」を選択します。
  4. 使用可能なバージョンのリストから宛先データベース・ホームのバージョンを選択して、「Upgrade」をクリックします。
    単一インスタンスのStandard Edition Oracle Database 18.9以降をStandard Edition Oracle Database 19c以降にアップグレードする場合は、高可用性の有効化または無効化を選択することもできます。

データベースの削除

Oracle Appliance Managerブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してOracleデータベースを削除します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://host name or ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 目的のデータベースの横にある「Actions」をクリックして、「Delete」を選択します。
  4. アクションを確定します。

データベース・ホームの操作

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してデータベース・ホームのリストとデータベースの詳細を表示したり、データベースを作成および削除します。

Oracle Database Applianceでの複数のOracleホームの管理について

Oracle Database Applianceで1つ以上のOracleホーム・ディレクトリとOracleデータベースを作成および管理します。

Oracleホームは、Oracle Databaseバイナリをインストールするディレクトリで、ここからOracle Databaseを実行します。Oracle Database Applianceは、Oracle Databaseホームの様々なリリースを含む、複数のOracleホームをサポートします。特定のOracleホームに複数のOracleデータベースを作成できます。Oracle Appliance Managerブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、Oracle Database Applianceで複数のOracleホームおよびデータベースを作成および管理します。Oracle Database Appliance Managerでは、OracleのOptimal Flexible Architecture (OFA)標準に準拠したOracle Database Oracleホームが自動的に作成されます。

Oracle Database Applianceプラットフォームに対してサポートされている特定のOracleソフトウェア・リリースに関する情報を取得するには、Oracle Database Applianceリリース・ノートを確認してください。

ODACLIコマンドを使用してOracle Database Applianceで複数のホームを作成する場合、コマンドにより、Oracleホーム・クローニング・プロセスが開始されます。Oracle Database Applianceデプロイメントにおいて、ユーザーoracleはデフォルトのソフトウェア・インストール所有者です。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して、データベースを作成および管理できます。

Oracle Database Applianceでデータベースを作成、リスト、詳細表示および削除するには、ODACLIコマンドを使用します。odacli create-databaseコマンドを使用すると、ユーザー入力を最小限に抑えながらデータベースを作成できます。追加オプションなしでこのコマンドを実行すると、新規のデータベース・ホーム(ORACLE_HOME)が作成されます。--dbhomeidオプションを使用して、既存のホームにデータベースを作成できます。dbhomeidを検索するには、odacli list-dbhomesコマンドを使用します。

または、ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、データベースとデータベース・ホームのリストの作成、記述および削除を実行することもできます。データベース・ホームの名前、ID、バージョン、データベース・ホームが作成された日時および場所を含むすべてのデータベース・ホームのリストを同じページに表示できます。ブラウザ・ユーザー・インタフェースでは、データベース・ホームの作成と削除も実行できます。

注意:

Oracle DatabaseパッチをOracle Database Appliance上のOracle Databasesに直接適用しないでください。ソフトウェア・スタック全体での動作がテストされたOracle Database Applianceパッチ・バンドルのみを使用してください。1回かぎりのデータベース・パッチが必要な場合は、Oracleホームに適用できます。Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを適用すると、将来のパッチ適用イベント時の競合の原因となり、ロールバックして再適用する必要がある場合があります。

データベース・ホームの表示

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、データベース・ホームとデータベース・ホームの詳細(DBホームに関連付けられているデータベースなど)のリストを表示します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 左側のメニューで「Database Home」をクリックして、すべてのデータベース・ホームを表示します。データベース・ホームが作成されたときの名前、ID、バージョン、場所およびタイム・スタンプがページに表示されます。
  4. (オプション)データベース・ホーム・エントリの横にある「Actions」をクリックしてから「View Databases」をクリックして、データベース・ホームに関連付けられているデータベースを表示します。

データベース・ホームの作成

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、Oracle Database Applianceにデータベース・ホームを作成します。

データベース・ホームの作成前に、リポジトリにOracle Database Appliance RDBMSクローン・ファイル・イメージが存在している必要があります。データベース・ホームを作成するには、次のステップを実行します。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックして、「Database Home」をクリックします。
  3. 「Create Database Home」をクリックします。
  4. 使用可能なバージョンのリストからデータベース・バージョンを選択して、ライセンス契約に応じたデータベース・エディション(Enterprise EditionまたはStandard Edition)を選択します。
  5. 「Create」をクリックします。プロンプトが表示された場合は、「Yes」をクリックして、ジョブの開始を確定します。

データベース・ホームの削除

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してOracleデータベース・ホームを削除します。

データベース・ホーム(DBホーム)は、どのデータベースにも関連付けられていない場合に削除できます。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://host name or ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックします。
  3. 左側のメニューで「Database Home」をクリックして、すべてのデータベース・ホームを表示します。データベース・ホームが作成されたときの名前、ID、バージョン、場所およびタイム・スタンプがページに表示されます。
  4. データベース・ホーム・エントリの横にある「Actions」をクリックしてから「Delete」をクリックして、データベース・ホームを削除する操作を確定します。

データベースの移行

次のトピックを参照して、データベースを準備してデータベース全体をOracle Database Applianceに移行する方法について学習します。

データベースの移行について

RMAN duplicateコマンドを使用して、アクティブなコンテナ・データベース(CDB)または非CDBデータベース全体をOracle Database Applianceマシンに移行できます。

RMAN Duplicateを使用する場合は、ソース・ターゲットとターゲット・データベースからのネットワーク接続があることを確認してください。

  • ソース・データ: 移行する既存のデータベース。

  • ターゲット・データベース: Oracle Database Appliance環境に作成される新しいデータベース。

ソース環境とターゲット環境の間にネットワーク接続がない場合、オフラインの移行方法を使用できます。オフラインの移行では複製にRMANバックアップ・セットを使用している場合があります。この方法ではプライマリ・データベースへの接続は不要です。

この手順ではおおまかに次のステップが含まれます。

  1. Oracle Database Applianceを最新のバージョンにデプロイまたは更新します。

    プロビジョニングが正常に完了したことを確認します。ベア・メタル・システムの場合は、コマンドodacli list-jobsとコマンドodacli describe-jobを使用してステータスを確認します。

  2. コマンドライン・インタフェースからインスタンスのみのデータベースを作成します。

    • ベア・メタル・システムの場合は、instanceonlyフラグを設定したコマンドodacli create-databaseをOracle Database Applianceマシンで使用します。新しいデータベースはターゲット・データベースです。

    インスタンスのみのデータベースを作成すると、以下も作成されます。

    • データベース・ファイルの格納に使用されるACFSファイルシステム

    • データベース・インスタンス/rman duplicateコマンドに必要なディレクトリ構造

    • SYSユーザー用のパスワード・ファイル

  3. 静的リスナーを構成します。

  4. バックアップと復元操作を使用して既存のデータベースをターゲット・データベースに移行します。

  5. 移行したデータベースをアプライアンスに登録します。

ノート:

ストレージ・タイプが同じデータベースのみを移行および登録できます。たとえば、Oracle ACFSデータベースを移行して登録する場合は、Oracle ACFSデータベースを作成してから移行および登録する必要があります。同様に、Oracle ASMデータベースを移行する場合は、Oracle ASMデータベースを作成してから移行する必要があります。

静的リスナーの構成

データベースを複製する前に静的リスナーを構成します。

静的リスナーは、RMAN Duplicateコマンドを使用する場合にのみ必要です。

次のステップを実行してlistener.oraファイルを手動で構成します。

  1. gridユーザーとしてログインします。
  2. /u01/app/19.0.0.0/grid/network/admin/ディレクトリに移動します。
  3. デフォルトのlistener.oraファイルを編集し、静的データベース・エントリを追加します。
    SID_LIST_LISTENER=
       (SID_LIST=
          (SID_DESC=
             (GLOBAL_DBNAME=db_unique_name with domain)
             (ORACLE_HOME=db home)
             (SID_NAME=db unique name)
              (ENVS="TNS_ADMIN=database home/network/admin"))
     )

    たとえば、次のファイルはexample.comドメインのPRODDBという名前の19.13.0.0.0データベース用に編集されています。

    SID_LIST_LISTENER=
     (SID_LIST=
        (SID_DESC=
          (GLOBAL_DBNAME=PRODDB.example.com)
           (ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/19.0.0.0/dbhome_2)
           (SID_NAME=PRODDB)
                (ENVS="TNS_ADMIN=/u01/app/oracle/product/19.0.0.0/
    dbhome_2/network/admin"))
     )
  4. ファイルを保存します。
  5. リスナーを再起動します。
    srvctl stop listener -l listener
    srvctl start listener -l listener

データベースの移行

RMAN Duplicateコマンドを使用して、データベース全体をアプライアンスに移行します。

データベースを移行する前に、ソース・データベースと宛先データベース間にネットワーク接続が存在することを確認します。
  1. 補助データベースへのsysdba接続は稼働しているか確認します。データベースを作成したときに--instanceonlyフラグで定義したパスワードを使用します。
    sqlplus sys/password@hostname:PORT/GLOBAL_DBNAME as sysdba << EOF
    select 1 from dual;
    exit;
    EOF

    次の例では、PRODDB.example.comのポート1521上のmyhostに対してWelcome_12パスワードを使用しています。

    sqlplus sys/Welcome_12@myhost:1521/PRODDB.example.com as sysdba << EOF
    select 1 from dual;
    exit;
    EOF
  2. Oracleユーザーとして、ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID環境変数を設定します。
    
    ORACLE_HOME=path of Oracle Home against which the AUX DB is created 
    ORACLE_SID=database unique name
  3. アプライアンスに構成されたデータベースとデータベース・ストレージ識別子(ID)のリストを表示します。

    odacli list-dbstoragesを使用して構成されたすべてのファイルシステムのストレージIDを表示します。

    # odacli list-dbstorages  
    ID Type                               DBUnique  Name         Status 
    ------------------------------------  --------  ----------- ---------- 
    68d13446-f26c-49ee-ab75-a393732aa88a   Asm       rdb1       Configured 
    ff2023d9-338d-4cff-8bb4-e73a89e32ce4   Acfs      PRODDB     Configured
  4. データベース・ストレージIDごとに、DATA、RECOおよびREDOの場所を含むデータベース・ストレージの詳細を表示します。

    たとえば、odacli describe-dbstorageコマンドを使用して、IDが9fe39332-cc1a-4b4b-8393-165524a6ef6bのACFSストレージに関する情報を表示します。

    # odacli describe-dbstorage -i ff2023d9-338d-4cff-8bb4-e73a89e32ce4
    DBStorage details 
    ---------------------------------------------------------------- 
    ID: ff2023d9-338d-4cff-8bb4-e73a89e32ce4
    DB Name: PRODDB 
    DBUnique Name: PRODDB 
    DB Resource ID: c5b77384-634e-4dc8-b10b-fa2831d2c59b 
    Storage Type: Acfs 
    DATA Location: /u02/app/oracle/oradata/PRODDB 
    RECO Location: /u03/app/oracle/fast_recovery_area/ 
    REDO Location: /u03/app/oracle/redo/ 
    State: ResourceState(status=Configured) 
    Created: June 22, 2019 12:07:12 PM SGT 
    UpdatedTime: June 22, 2019 12:26:39 PM SGT
    
  5. データベースを複製します。
    RMAN duplicateデータベース・コマンドを使用してデータベースを複製します。
    rman target sys/Welcome__12@source database hostname:PORT
    (Continued)
    /Service Name auxiliary sys/Welcome_12@Hostname of the target database:1521/service name 
    RUN { 
    SET NEWNAME FOR DATABASE TO NEW; 
    duplicate target database to PRODDB from active database 
    SPFILE 
    SET cluster_database 'false' 
    SET audit_file_dest '/u01/app/oracle/admin/PRODDB/adump' 
    SET db_create_file_dest '/u02/app/oracle/oradata/PRODDB' 
    SET db_create_online_log_dest_1 '/u03/app/oracle/redo' 
    SET db_recovery_file_dest '/u03/app/oracle/fast_recovery_area' 
    SET control_files '/tmp/control_PRODDB.ctl' nofilenamecheck; 
    }

データベースの登録

odacli register-databaseコマンドを使用して、移行したデータベースをアプライアンスに登録します。

dbclassdbshapeservicenameおよびパスワードは、データベースを登録する際に必須です。dbclassおよびdbshapeで、sga_targetおよびpga_targetの設定が決まります。データベースinit.oraパラメータは、odacli register-databaseコマンドの一部としてリセットされます。登録後にinit.oraパラメータで、パラメータが正しく設定されているか確認します。

ノート:

odacli register-databaseコマンドは、タイプが単一インスタンスのプライマリ・データベースの場合にのみサポートされます。

データベースを登録するには、次のステップを実行します。

  1. SQLパッチが適用されたOracle Databaseバージョン12.1を使用している場合は、sqlpatchesがOracle Database Appliance環境内にあることを確認します。パッチが環境内にない場合は、odacli register-databaseコマンドを実行する前に、$OH/sqlpatchディレクトリをソースのデータベース・ホームからOracle Database Applianceの$OHにコピーします
    odacli register-databaseコマンドは、ポスト・パッチSQLを適用するdatapatchユーティリティを呼び出します。ソース・データベースにOracle Database Appliance環境内に存在しないsqlpatchesが適用されている場合、datapatchは失敗します。
  2. データベースをOracle Database Applianceに登録します。
    # odacli register-database -c OLTP -s odb1 -sn example_service
    Enter SYS, SYSTEM and PDB Admin user password:
    Retype SYS, SYSTEM and PDB Admin user password:
    {
      "jobId" : "317b430f-ad5f-42ae-bb07-13f053d266e2",
      "status" : "Created",
      "message" : null,
      "reports" : [ ],
      "createTimestamp" : "August 08, 2021 05:55:49 AM EDT",
      "description" : "Database service registration with 
                       db service name: example_service",
      "updatedTime" : "August 08, 2018 05:55:49 AM EDT"
    }
    # odacli describe-job -i "317b430f-ad5f-42ae-bb07-13f053d266e2"
    
    Job details
    ----------------------------------------------------------------
                ID: 317b430f-ad5f-42ae-bb07-13f053d266e2
       Description: Database service registration with
                 db service name: example_service
            Status: Success
           Created: August 08, 2018 5:55:49 AM EDT
           Message:
    
    Task Name                       Start Time                  
    ----------------------------- ------------------------------ 
    restore control file           August 08, 2018 5:55:49 AM EDT 
    move spfile to right location  August 08, 2018 5:56:08 AM EDT  
    register DB with clusterware   August 08, 2018 5:56:13 AM EDT  
    reset db parameters            August 08, 2018 5:57:05 AM EDT  
    Running DataPatch              August 08, 2018 5:57:36 AM EDT  
    
    (Continued)
      End Time                     Status
    ------------------------------- --------
    August 08, 2018 5:56:08 AM EDT   Success
    August 08, 2018 5:56:13 AM EDT   Success
    August 08, 2018 5:57:05 AM EDT   Success
    August 08, 2018 5:57:36 AM EDT   Success
    August 08, 2018 5:57:49 AM EDT   Success
    
  3. odacli list-databasesコマンドを使用して登録済のデータベースを表示します。

TDE対応データベースの登録について

TDE対応データベースの登録プロセスについて説明します。

Oracle Database Applianceリリース19.12以降、データベースにTDE Wallet Managementという新しい属性が追加されています。このTDE Wallet Managementの値には、TDEがOracle Database Applianceで構成されていないことを意味するEXTERNALまたはTDEがOracle Database Applianceで構成されたことを意味するODAを指定できます。データベースがTDE対応でない場合は、TDE Wallet Management属性の値がNULLになります。リリース18c以降のデータベースが登録されている場合、そのTDEウォレット管理属性の値はデフォルトでODAになります。リリース18cより前のデータベースが登録されている場合、そのTDEウォレット管理属性の値はデフォルトでEXTERNALになります。このトピックの最後に、サンプル出力付きの例を示します。

TDE対応データベースを登録するための前提条件

次に、TDE対応データベースを登録するための前提条件を示します。
  • TDEの構成には、ソフトウェア・キーストアまたはハードウェア・キーストアのいずれかを使用できます。
  • ソフトウェア・キーストアを使用してTDEが構成されている場合は、SQLNET.ENCRYPTION_WALLET_LOCATIONパラメータのみを使用する必要があります。
  • ソフトウェア・キーストアを使用してTDEが構成されている場合、ベア・メタル・デプロイメントでは、/opt/oracle/dcs/commonstore/wallets/tde/db_uniquename/の場所で、パスワードで保護されたウォレット(ewallet.p12)と自動ログインTDEウォレット(cwallet.sso)が使用可能になっている必要があります。
  • 自動ログインTDEウォレット(cwallet.sso)が存在していないときに、パスワードで保護されたウォレット(ewallet.p12)が存在する場合は、データベースの登録リクエストにTDEパスワードを指定する必要があります。
  • Oracle Database Appliance DBシステムのデプロイメントでは、TDEがソフトウェア・キーストアを使用して構成されている場合、TDEがWALLET_ROOTパラメータを使用して構成されていることと、TDEウォレットが+DATA/DB_UNIQUE_NAME/tdeの場所に存在していることが必要です。

TDE Wallet Managementの値がEXTERNALの場合

TDE Wallet Managementの値がEXTERNALの場合は、次の制限があります。
  • ODACLIコマンドを使用したTDEウォレットのキーの再設定はサポートされません。データベースに接続して、TDEウォレットのキーを再設定してください。
    # odacli modify-database -in db_name -rkt
    Enter TDE wallet password:
    DCS-10040:Operation 'Re-Key of TDE wallet' is not supported: TDE wallet management is not ODA.
  • ODACLIコマンドを使用したTDEウォレットのパスワード変更はサポートされません。
    # odacli modify-database -in db_name -ctp
    Enter current TDE wallet password:
    Enter new TDE wallet password:
    Retype new TDE wallet password:
    DCS-10040:Operation 'Password change of TDE wallet' is not supported: TDE wallet management is not ODA.
  • TDEウォレットのバックアップはサポートされません。
    # odacli create-backup -in database_name -c tdewallet
    DCS-10040:Operation 'Backup of TDE wallet' is not supported: TDE wallet management is not ODA.
  • TDEウォレットは、データベース・バックアップの実行時にバックアップされません。
    # odacli create-backup -in database_name -bt regular-l0
    {
      "jobId" : "49153a90-d4bd-45e7-b3b7-46078621b895",
      "status" : "Created",
      "message" : null,
      "reports" : [ ],
      "createTimestamp" : "August 24, 2021 05:59:53 AM UTC",
      "resourceList" : [ ],
      "description" : "Create regular-l0 Backup[TAG:auto][Db:db_name][OSS:example]",
      "updatedTime" : "August 24, 2021 05:59:53 AM UTC"
    }
    
    # odacli describe-job -i 49153a90-d4bd-45e7-b3b7-46078621b895
    
    Job details                                                     
    ----------------------------------------------------------------
                         ID:  49153a90-d4bd-45e7-b3b7-46078621b895
                Description:  Create regular-l0 Backup[TAG:auto][Db:db_name][OSS:example]
                     Status:  Success
                    Created:  August 24, 2021 5:59:53 AM UTC
                    Message: 
     
    Task Name                                Start Time                          End Time                            Status   
    ---------------------------------------- ----------------------------------- ----------------------------------- ----------
    Validate backup config                   August 24, 2021 5:59:56 AM UTC      August 24, 2021 5:59:56 AM UTC      Success  
    Container validation                     August 24, 2021 5:59:56 AM UTC      August 24, 2021 5:59:57 AM UTC      Success  
    libopc existence check                   August 24, 2021 5:59:57 AM UTC      August 24, 2021 5:59:57 AM UTC      Success  
    Backup Validations                       August 24, 2021 5:59:57 AM UTC      August 24, 2021 6:00:02 AM UTC      Success  
    Recovery Window validation               August 24, 2021 6:00:02 AM UTC      August 24, 2021 6:00:05 AM UTC      Success  
    Archivelog deletion policy configuration August 24, 2021 6:00:05 AM UTC      August 24, 2021 6:00:08 AM UTC      Success  
    Database backup                          August 24, 2021 6:00:08 AM UTC      August 24, 2021 6:02:06 AM UTC      Success
    
    # odacli describe-backupreport -i b75c7ffa-68f8-4eea-8f12-bfe30b8c92f7 | grep -i tde
      "tdeWalletLoc" : null,
  • TDEウォレットのリストアはサポートされません。
    # odacli restore-tdewallet -in db_name
    Enter TDE wallet password:
    DCS-10040:Operation 'Restore of TDE wallet' is not supported: TDE wallet management is not ODA.
  • TDE対応データベースのクローニングはサポートされません。
    odacli clone-database -n db_name2 -f db_name -u db_name2
    Enter SYS user password:
    Retype SYS user password:
    DCS-10040:Operation 'Cloning of TDE database' is not supported: TDE wallet management is not ODA.
  • データベース・ホーム間でデータベースを移動すると、SQLNET.ENCRYPTION_WALLET_LOCATIONパラメータが移動先データベース・ホームで更新されます。
  • データベースをアップグレードすると、SQLNET.ENCRYPTION_WALLET_LOCATIONパラメータが新しいデータベース・ホームで更新されます。
  • データベース・ホームを更新すると、SQLNET.ENCRYPTION_WALLET_LOCATIONパラメータが新しいデータベース・ホームで更新されます。
  • TDEウォレットは、データベースを削除しても削除されません。
  • Oracle Database Appliance DBシステムでは、TDEがWALLET_ROOTパラメータを使用して構成されているデータベースのみを登録できます。

例9-1 ベア・メタル・デプロイメントに登録されたTDE対応データベースの出力例

# odacli describe-database -in mydb
  Database details                                                 
  ----------------------------------------------------------------
                     ID: 47de99d6-62cc-4623-a38c-1ac880e7082c
            Description: mydb
                DB Name: mydb
             DB Version: 19.11.0.0.210420
                DB Type: SI
                DB Role: PRIMARY
    DB Target Node Name: node1
             DB Edition: EE
                   DBID: 2987837625
Instance Only Database: false
                    CDB: false
               PDB Name:
    PDB Admin User Name:
           SEHA Enabled: false
                  Class: OLTP
                  Shape: odb1
                Storage: ASM
          DB Redundancy:
           CharacterSet: AL32UTF8
  National CharacterSet: AL16UTF16
               Language: AMERICAN
              Territory: AMERICA
                Home ID: 6717bed4-104a-415b-8d26-c0de634a2c85
        Console Enabled: false
            TDE Enabled: false
  TDE Wallet Management: External
     Level 0 Backup Day: Sunday
     AutoBackup Enabled: true
                Created: May 18, 2021 3:33:13 AM UTC
         DB Domain Name: example_domain
    Associated Networks: Public-network
          CPU Pool Name: 

例9-2 Oracle Database Appliance DB Systemデプロイメントに登録されたTDE対応データベースの出力例

# odacli describe-database -in mydb
odacli describe-database -in mydb
Database details                                                 
----------------------------------------------------------------
                     ID: 47de99d6-62cc-4623-a38c-1ac880e7082c
            Description: mydb
                DB Name: mydb
             DB Version: 19.11.0.0.210420
                DB Type: SI
                DB Role: PRIMARY
    DB Target Node Name: node1
             DB Edition: EE
                   DBID: 2987837625
Instance Only Database: false
                    CDB: false
               PDB Name:
    PDB Admin User Name:
           SEHA Enabled: false
                  Class: OLTP
                  Shape: odb1
                Storage: ASM
          DB Redundancy:
           CharacterSet: AL32UTF8
  National CharacterSet: AL16UTF16
               Language: AMERICAN
              Territory: AMERICA
                Home ID: 6717bed4-104a-415b-8d26-c0de634a2c85
        Console Enabled: false
            TDE Enabled: false
  TDE Wallet Management: ODA 
     Level 0 Backup Day: Sunday
     AutoBackup Enabled: true
                Created: May 18, 2021 4:33:13 AM UTC
         DB Domain Name: example_domain
    Associated Networks: Public-network
          CPU Pool Name:

例9-3 パスワードで保護されたウォレット(ewallet.p12)が存在していて自動ログインTDEウォレット(cwallet.sso)が存在していない場合のOracle Database Applianceに登録されたTDE対応データベースの出力例

# odacli register-database  -sn example_service --dbclass OLTP --dbshape odb2
Enter SYS user password: 
DCS-10011:Input parameter 'TDE wallet password' cannot be NULL.Required to generate Autologin wallet at /opt/oracle/dcs/commonstore/wallets/tde/db_name

odacli register-database  -sn example_service --dbclass OLTP --dbshape odb2 -tp
Enter SYS, SYSTEM and PDB Admin user password:
Retype SYS, SYSTEM and PDB Admin user password:
Enter TDE wallet password
Retype TDE wallet password: 
{
  "jobId" : "4903b711-f144-4aed-9bf6-31c79dbce261",
  "status" : "Created",
  "message" : null,
  "reports" : [ ],
  "createTimestamp" : "August 25, 2021 05:42:13 AM UTC",
  "resourceList" : [ ],
  "description" : "Database service registration with db service name: example_service",
  "updatedTime" : "August 25, 2021 05:42:14 AM UTC"
}

# odacli describe-job -i 4903b711-f144-4aed-9bf6-31c79dbce261

Job details                                                      
----------------------------------------------------------------
                     ID:  4903b711-f144-4aed-9bf6-31c79dbce261
            Description:  Database service registration with db service name: example_service
                 Status:  Success
                Created:  August 25, 2021 5:42:13 AM UTC
                Message:  

Task Name                                Start Time                          End Time                            Status    
---------------------------------------- ----------------------------------- ----------------------------------- ----------
TDE parameter validate at destination    August 25, 2021 5:42:14 AM UTC      August 25, 2021 5:42:14 AM UTC      Success   
Enable OMF parameters                    August 25, 2021 5:42:17 AM UTC      August 25, 2021 5:42:17 AM UTC      Success   
Setting db character set                 August 25, 2021 5:42:17 AM UTC      August 25, 2021 5:42:18 AM UTC      Success   
Move Spfile to right location            August 25, 2021 5:42:18 AM UTC      August 25, 2021 5:42:24 AM UTC      Success   
Enable DbSizing Template                 August 25, 2021 5:42:24 AM UTC      August 25, 2021 5:43:15 AM UTC      Success   
Copy Pwfile to Shared Storage            August 25, 2021 5:43:16 AM UTC      August 25, 2021 5:43:20 AM UTC      Success   
Running DataPatch                        August 25, 2021 5:43:20 AM UTC      August 25, 2021 5:43:32 AM UTC      Success   
configuring TDE                          August 25, 2021 5:43:32 AM UTC      August 25, 2021 5:44:51 AM UTC      Success   
Reset Associated Networks                August 25, 2021 5:44:52 AM UTC      August 25, 2021 5:44:55 AM UTC      Success   

インスタンス・ケージングを使用した複数データベース・インスタンスの管理について

インスタンス・ケージングを使用してOracle Database Appliance上でシステム・リソースを管理します。

Oracle Databaseには、複数のデータベース・インスタンスを実行する複数CPUサーバーでCPU割当てを管理する方法が用意されています。この方法はインスタンス・ケージングと呼ばれます。インスタンス・ケージングでは、インスタンスが同時に使用できるCPU数を初期化パラメータを使用することで制限します。

インスタンス・ケージングとOracle Database Resource Manager (リソース・マネージャ)が連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。統合により、アイドル・リソースを最小限に抑え、効率を最大限に高め、コストを下げることができます。

Oracle Database Applianceテンプレートは、各データベース・インスタンス・ワークロードのサイズに合せて事前チューニングされています。特定のコア数で動作するよう設計されています。インスタンス・ケージングによって、各データベースのワークロードは、テンプレートで割り当てられたコアのセットに制限されます(これによって、複数のデータベースを同時に、パフォーマンスを低下させることなく、Oracle Database Applianceの容量まで、実行できるようになります)。計画的成長に備えるために、現在のニーズよりも大きいデータベース・テンプレート・サイズを選択できます。

ノート:

Oracle Database Applianceテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されているため、これらのテンプレートを使用することを強くお薦めします。

Oracle Database Appliance Managerインタフェースは、データベースのクラスとしてデータベースのサイズ設定テンプレートを参照してください。

デフォルトでは、Oracle Database Applianceインスタンス・ケージングは有効ではありません。インスタンス・ケージングを有効にするには、Oracle Database Appliance上の各データベースに初期パラメータRESOURCE_MANAGER_PLANを設定します。このパラメータでは、リソース・マネージャが現行のインスタンスに対して使用するプランを指定します。このパラメータを設定すると、リソース・マネージャがデータベース間のコア・リソースを割り当てるようになります。このパラメータでプランが指定されていない場合、リソース・マネージャとインスタンス・ケージングは有効になりません。

各データベースに対して選択したOracle Database Applianceデータベース・テンプレートのサイズに従って、コア・リソースのインスタンス・ケージング割当てが有効になります。CPU_COUNT初期化パラメータは、テンプレートに設定されます。統合する各データベースのサイズと一致するCPU_COUNT設定を使用して、インスタンス・ケージングを構成するための標準の指示に従います。

Oracle EM ExpressとDBコンソール

データベースは、Oracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)またはDatabase Controlコンソール(DBコンソール)を使用して管理できます。

EM Expressコンソールは、Oracle Database 18c、12.2.0.1および12.1.0.2で使用できます。どちらのコンソールもOracleデータベースを管理するためのWebベースのツールです。

EM Expressコンソールの機能は次のとおりです。

  • 保管やユーザー管理などの基本管理タスクのサポート

  • パフォーマンスの診断と調整のための包括的なソリューション

  • グラフィカル・ユーザー・インタフェースでのパフォーマンス・アドバイザ

  • SQL*Loader、Oracle Recovery Manager (RMAN)などのグラフィカル・ユーザー・インタフェース用のOracle Databaseユーティリティ

EM Expressはデータベース・サーバー内に構築されていて、データベース外の操作は実行できません。