ttCWAdmin

Oracle Clusterwareの高可用性フレームワークを利用するTimesTenアクティブ・スタンバイ・ペアを管理します。 このユーティリティは、アクティブ・スタンバイ・ペアおよび対応するClusterwareリソースを管理するために、管理プロセスを起動し、スクリプトを生成し、その他の機能を実行します。

ノート:

このユーティリティは、Linux for ARM (aarch64)システムではサポートされていません。

Oracle Clusterwareの使用の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseレプリケーション・ガイド』「Oracle Clusterwareを使用したアクティブ・スタンバイ・ペアの管理」を参照してください。

これらのオプションは、高度な高可用性でサポートされています。オプションは、基本的な高可用性ではサポートされていません:

  • ttCWAdmin -addMasterHosts

  • ttCWAdmin -addSubscriberHosts

  • ttCWAdmin -createVIPs

  • ttCWAdmin -delMasterHosts

  • ttCWAdmin -delSubscriberHosts

  • ttCWAdmin -dropVIPs

必要な権限

Windowsでは、管理者権限を持つユーザーは、このユーティリティのすべてのコマンドを実行できます。

サポートされているUNIXおよびLinuxシステムでは、rootユーザーがこのユーティリティのすべてのコマンドを実行できます。rootユーザーがこれらのコマンドを実行する必要があります:

  • ttCWAdmin -addMasterHosts

  • ttCWAdmin -addSubscriberHosts

  • ttCWAdmin -createVIPs

  • ttCWAdmin -delMasterHosts

  • ttCWAdmin -delSubscriberHosts

  • ttCWAdmin -ocrConfig

  • ttCWAdmin -dropVIPs

管理ユーザーは、このユーティリティの、その他すべてのコマンドを実行できます。

接続文字列またはDSNに認証情報が指定されていない場合、続行する前にユーザーIDおよびパスワードの入力が求められます。

TimesTen ScaleoutおよびTimesTen Classicでの使用

このユーティリティはTimesTen Classicでサポートされていますが、TimesTen Scaleoutではサポートされません。

構文

ttCWAdmin {-h | -help | -?}

ttCWAdmin {-V | -version}

ttCWAdmin -init [-hosts "host_name1, host_name2[, ...]"]

ttCWAdmin {-createVIPs | -dropVIPs | -create | -drop | -restore | -start |
           -stop | -status} [-ttclusterini path] [-dsn DSN]

ttCWAdmin - [-timeout seconds] -dsn DSN

ttCWAdmin -relocate -dsn DSN

ttCWAdmin -reauthenticate -dsn DSN

ttCWAdmin -ocrConfig

ttCWAdmin -beginAlterSchema -dsn DSN

ttCWAdmin -endAlterSchema -dsn DSN

ttCWAdmin -addMasterHosts [-hosts "host_name1, host_name2[, ...]"] -dsn DSN

ttCWAdmin -delMasterHosts [-hosts "host_name1, host_name2[, ...]"] -dsn DSN

ttCWAdmin -addSubscriberHosts [-hosts "host_name1, host_name2[, ...]"] -dsn DSN

ttCWAdmin -delSubscriberHosts [-hosts "host_name1, host_name2[, ...]"] -dsn DSN

ttCWAdmin -start [-noapp] -dsn DSN

ttCWAdmin -stop -dsn DSN

ttCWAdmin -startapps -dsn DSN

ttCWAdmin -stopapps -dsn DSN

ttCWAdmin -shutdown [-noderegister] [-hosts "host_name1, host_name2[, ...]"]

オプション

ttCWAdminには次のオプションがあります。

オプション 説明

-addMasterHosts

高可用性が採用されている場合、マスター・ホストのプールにスペア・ホストを動的に追加します。コマンドラインでは、複数のホスト名をカンマで区切ります。

UNIXおよびLinuxシステムでは、rootユーザーのみがこのコマンドを実行できます。

-addSubscriberHosts

高可用性が採用されている場合に、サブスクライバ・ホストのプールにスペア・ホストを動的に追加します。コマンドラインでは、複数のホスト名をカンマで区切ります。

UNIXおよびLinuxシステムでは、rootユーザーのみがこのコマンドを実行できます。

-beginAlterSchema

アクティブ・スタンバイ・ペア・スキームの新しいスキーマ・オブジェクトを自動的に追加できない場合に、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームに対するキャッシュ・グループの変更、追加または削除を手動で行うことができます。また、PL/SQLプロシージャ、順序、マテリアライズド・ビュー、データを含む表の索引を作成することも可能です。Oracle Clusterwareで管理されない読取り専用のサブスクライバを追加できます。スキーマにオブジェクトを追加する間、アクティブ・スタンバイ・ペアは停止されます。

関連項目: -endAlterSchema

-create

指定したDSNのアクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームを作成し、関連するアクション・スクリプトを作成します。

このコマンドの内容は次のとおりです:

  • ADMIN権限を持つTimesTen内部ユーザーの名前の入力を求めます。TimesTenはこの内部ユーザーを使用して、アクティブ・スタンバイ・ペアを作成します。キャッシュ・グループがOracle Clusterwareによって管理される場合(cluster.oracle.iniで属性CacheConnect=Yの場合)、TimesTenキャッシュ管理ユーザー名を入力します。

  • TimesTenキャッシュ管理ユーザーのパスワードの入力を求めます。

  • キャッシュ・グループが使用されている場合は、Oracleキャッシュ管理ユーザー・パスワードの入力を求めます。このパスワードは、そのキャッシュ管理ユーザーが接続したときにOraclePWD接続属性で提供されます。このOracleキャッシュ管理ユーザーは、キャッシュ・グループの自動リフレッシュ状態を設定します。

  • 上記の情報を暗号化するために使用するランダムな文字列の入力を求めます。

-createVIPs

アクティブ・スタンバイ・ペアの仮想IPアドレスを作成します。DSNを指定しない場合は、そのTimesTenインスタンス管理者が管理する、すべてのアクティブ・スタンバイ・ペアの情報と、Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenインスタンス名が表示されます。

-delMasterHosts

高可用性が採用されている場合、マスター・ホストのプールからスペア・ホストを動的に削除します。コマンドラインでは、複数のホスト名をカンマで区切ります。

指定されたホストがスペア・ホストでない場合、コマンドは失敗します。

UNIXおよびLinuxシステムでは、rootユーザーのみがこのコマンドを実行できます。

-delSubscriberHosts

高可用性が採用されている場合に、サブスクライバ・ホストのプールからスペア・ホストを動的に削除します。コマンドラインでは、複数のホスト名をカンマで区切ります。

指定されたホストがスペア・ホストでない場合、コマンドは失敗します。

UNIXおよびLinuxシステムでは、rootユーザーのみがこのコマンドを実行できます。

-drop

アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームを削除し、そのアクション・スクリプトを削除します。

-dropVIPs

アクティブ・スタンバイ・ペアの仮想IPアドレスを削除します。

-endAlterSchema

このオプションは、-beginAlterSchemaオプションを使用した操作後に発行されます。オブジェクトがスキーマに追加された後にアクティブ・スタンバイ・ペアをロール・アウトし、新しいレプリケーションのチェックサムを記録します。古いスタンバイは破棄され、複製により再作成されます。

-h

-help

-?

使用方法のメッセージを出力して終了します。

-init

TimesTenクラスタ・エージェントを起動します。

-noderegister

ttCWAdmin -shutdownコマンドとともに使用します。このコマンド・オプションは、クラスタ・エージェントのClusterwareリソースおよびClusterwareのTimesTenデーモン・モニターとして登録されているすべてのTimesTen登録済プロセスを維持するようシャットダウン・プロセスに指示します。

-ocrConfig

TimesTenクラスタ情報は、Oracle Cluster Registry(OCR)に保存されます。このオプションは管理ユーザーをOCRに登録します。クラスタの初期化ステップを実行する前に、管理ユーザーを登録しておく必要があります。

UNIXおよびLinuxシステムでは、クラスタを作成する前に、rootユーザーとしてログインし、システムのホストからこのコマンドを実行します。

Windowsシステムでは、インスタンス管理者でログインして、このコマンドを実行します。

停止している既存のクラスタを起動する場合は、このステップを実行する必要はありません。

-reauthenticate

このコマンドは、ユーザー名やパスワードが変更された後に、これらを再認証します。1つのパスワードしか変更されない場合でも、このコマンドはすべてのユーザー名およびパスワードの入力を求めます。

  • ADMIN権限を持つTimesTen内部ユーザーの名前の入力を求めます。TimesTenはこの内部ユーザーを使用して、アクティブ・スタンバイ・ペアを作成します。キャッシュ・グループがOracle Clusterwareによって管理される場合(cluster.oracle.iniで属性CacheConnect=Yの場合)、TimesTenキャッシュ管理ユーザー名を入力します。

  • TimesTenキャッシュ管理ユーザーのパスワードの入力を求めます。

  • キャッシュ・グループが使用されている場合は、Oracleキャッシュ管理ユーザーのパスワードの入力を求められます。このパスワードは、OraclePWD接続属性で提供されます。このOracleキャッシュ管理ユーザーは、キャッシュ・グループの自動リフレッシュ状態を設定するために使用されます。

  • 上記の情報を暗号化するために使用するランダムな文字列の入力を求めます。

詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseレプリケーション・ガイド』「Oracle Clusterware使用時のユーザー名やパスワードの変更」を参照してください。

-relocate

データベースをローカル・ホストから、cluster.oracle.ini構成ファイル内のMasterHosts属性で指定されている次に使用可能なスペア・ホストに再配置します。使用可能なスペア・ホストがない場合、エラーが返されます。

ローカル・ホスト上でデータベースがアクティブな場合、同一クラスタのリモート・スタンバイ・ストアがアクティブになるように、最初にロールが元に戻されます。スペア・ホスト上の新しく移行されたデータベースは、常にスタンバイ・データベースとして起動します。これは、高可用性が採用されている場合にホストをオフラインにする必要がある場合に、データベースを強制的に再配置するのに役立ちます。基本的な高可用性(HA)が同一クラスタにデプロイされている場合、このコマンドは失敗します。

-restore

RepBackupDirで指定したバックアップからアクティブ・マスター・データベースをリストアします。AutoRecoverが有効なときには、このコマンドを使用しないでください。

-shutdown

オプションの-hosts引数を使用して明確に記述されているか、またはttcrsagent.optionsファイル内で定義されているホスト・セットの、TimesTenデーモン、クラスタ・エージェントおよびレプリケーション・エージェント(レプリケーション・エージェントがまだ稼働している場合)を停止します。また、このコマンドに-noderegisterオプションが含まれていない場合、デフォルトの動作では、クラスタ・エージェントおよびTimesTenデーモン・モニターのClusterwareリソースとして登録されているすべてのTimesTenプロセスをClusterwareから登録解除します。

-start [-noapp]

クラスタ・アクティブ・スタンバイ・ペアを起動します。これにより、アクティブなデータベース上のすべてのエージェントが起動され、必要に応じて複製によりスタンバイ・データベースおよびサブスクライバ・データベース(ある場合)が作成され、続いてそれらのデータベース上のすべてのエージェントが起動します。-noappを指定すると、アプリケーションは起動されません。後ほどアプリケーションを起動するには、-startappsオプションを使用できます。

-startapps

クラスタ内のアプリケーションを起動します。

-stopapps

クラスタのアプリケーションを停止します。

-status

クラスタのリソースのステータスを取得します。

-stop

レプリケーション・エージェントとキャッシュ・エージェントを停止し、アクティブ・スタンバイ・ペアの両方のデータベースからアプリケーションを切断します。

-

クラスタ内でアクティブ・スタンバイ・ペアのロールを元に戻します。スタンバイ・データベースは新たにアクティブになり、既存のアクティブ・データベースがスタンバイ・データベースになります。

-timeout seconds

-オプションのタイムアウト値を指定します。0を超える整数値を指定します。デフォルトは900秒です。

無効な値を入力した場合、TimesTenではデフォルト値の900秒が使用されます。

タイムアウト時間が過ぎた場合、TimesTenからエラーメッセージが返され、スタンバイ・データベースの検証に失敗します。

-dsn DSN

アクティブ・スタンバイ・ペアのDSNを指定します。

-hosts "host_name1, host_name2[, ...]"

TimesTenクラスタ・エージェントを起動または停止するホストを指定します。このオプションを指定しない場合、TimesTenクラスタ・エージェントはすべてのホストで起動または停止されます。

-ttclusterini path

cluster.oracle.iniファイルのフルパス名を指定します。デフォルトの場所はデーモン・ホーム・ディレクトリにあります。デフォルトの場所をお薦めします。

-V | -version

ttCWAdminのリリース番号を出力し、終了します。

DSN clusterDSNを使用して、Oracle Clusterwareで管理されるアクティブ・スタンバイ・ペアを作成および起動するには、次のように入力します。

% ttCWAdmin -create -dsn clusterDSN
% ttCWAdmin -start -dsn clusterDSN

DSN clusterDSNを使用して、Oracle Clusterwareで管理されるアクティブ・スタンバイ・ペアを停止および削除するには、次のように入力します。

% ttCWAdmin -stop -dsn clusterDSN
% ttCWAdmin -drop -dsn clusterDSN

ノート

Oracle ClusterwareをTimesTenで使用する場合、次のコマンドおよびSQL文は使用できません。

  • CREATE ACTIVE STANDBY PAIRALTER ACTIVE STANDBY PAIRおよびDROP ACTIVE STANDBY PAIR SQL文。

  • ttAdminユーティリティの-cacheStartおよび-cacheStopオプション(アクティブ・スタンバイ・ペアの作成後)。

  • ttRepAdminユーティリティの-duplicateオプション。

  • ttRepStartおよびttRepStop組込みプロシージャ。

  • ttAdminユーティリティの-repStartおよび-repStopオプション。

また、ttCWAdmin -shutdownをコールする前にttDaemonAdmin -stopをコールしないでください。

Oracle Clusterwareと統合されたTimesTenでは、このような操作は、ttCWAdminユーティリティおよびcluster.oracle.iniファイル内の属性によって行われます。