ttDaemonLog

デーモン・ログ・メッセージを制御および表示します。

TimesTenデーモン(WindowsではTimesTen Data Managerサービスと呼ばれます)とそのサブデーモンおよびエージェントは、エラーおよびステータス・メッセージを次のデーモン・ログに書き込みます。

  • 実行が必要になる可能性があるアクションなど、注意する必要がある情報を含むユーザー・エラー・ログ

  • ユーザー・エラー・ログ内のすべての情報およびTimesTenカスタマ・サポートで使用される情報が格納されるデーモン・ログ

ttDaemonLogユーティリティを使用すると、次の操作を実行できます。

  • ユーザー・エラー・ログで報告されるイベントのタイプとメッセージのカテゴリを管理します。

  • ログから標準出力にすべてのメッセージまたは選択したカテゴリのメッセージを表示します。

必要な権限

このユーティリティには、インスタンス管理者の権限が必要です。

TimesTen ScaleoutおよびTimesTen Classicでの使用

このユーティリティは、TimesTen ClassicとTimesTen Scaleoutの両方でサポートされています。

構文

ttDaemonLog {-h | -help | -?}
ttDaemonLog {-V | -version}
ttDaemonLog [-show type] [-b | -r | -s] [-f] [-maxlines]
[-loglevel level [DSN | -connstr connection_string]]
[-[no]logcomponent component [DSN | -connstr connection_string]]
[-logreset] [-msg messagestring] [-setquiet | -setverbose]
[-file filename] [-facility name]
[-n computer]

ノート:

  • -fileおよび-facilityオプションはUNIXおよびLinuxでのみ適用されます。

  • -nオプションは、Windowsでのみ適用され、通常の使用には適用されません。

オプション

ttDaemonLogには次のオプションがあります。

オプション 説明

-b

TimesTenによって生成されたすべてのログ・エントリを出力します。

-f

ログの終わりに達しても、ttDaemonLogは終了せずに継続し、定期的にログのポーリングを行って、追加のTimesTenログ・レコードを検索して表示します。これは、リアルタイムで更新されるログ・データを表示する場合などに役立ちます。

-facility name

使用されているsyslog機能名を指定します。

ノート: このオプションはUNIXおよびLinuxでのみ適用されます。

-file filename

TimesTenログ・メッセージを記録するファイルを指定します。

指定しない場合は、システムのsyslog設定が調べられ、TimesTenメッセージの記録先が決定されます。

ノート: このオプションはUNIXおよびLinuxでのみ適用されます。

-h

-help

-?

ttDaemonLog使用情報を表示して終了します。

-maxlines

-fが指定された場合、ログの最終行の最大数はデフォルトで40行です。0が指定された場合、最大値はありません。

-logcomponent component

-nologcomponent component

デフォルトでは、すべてのカテゴリのメッセージがログに記録されますが、-logcomponentを使用して、ログに記録するカテゴリを指定したり、-nologcomponentを使用して、ログに記録しないカテゴリを指定することができます。1つのコンポーネントしか指定できませんが、これらのオプションを指定してttDaemonLogを複数回実行し、目的の一連のメッセージを決定できます。

このオプションは、DSNまたは接続文字列が指定されている場合、指定されたデータベースにのみ適用されます。ttDaemonLogを複数回実行し、複数のデータベースに対してこれらのオプションを設定できます。

サポートされるカテゴリは次のとおりです:

ALL (デフォルト): すべてのメッセージが対象です。

CACHE: CACで指定する、キャッシュ・エージェントからのメッセージが対象です。

DAEMON: メイン・デーモンおよびサブデーモンからのメッセージが対象です。

DAEMONDBG: メイン・デーモンおよびサブデーモンからの追加情報が対象です。

GADMIN: グリッド管理者からのメッセージが対象です

GADMINCS: グリッド管理者クライアント・サーバーからのメッセージが対象です

GCWRKR: グリッド・クライアント・ワーカーからのメッセージが対象です

GRID: TimesTen Gridからメッセージが対象です

GRWKR: グリッド・ワーカーからのメッセージが対象です

REPLICATION: REPで指定する、レプリケーション・エージェントからのメッセージが対象です。

TTSTATS: ttStatsからメッセージが対象です

-loglevel level

デーモン・ログに記録されるメッセージのレベルのカットオフを指定します。値が低いほどメッセージ数は少なくなります。(たとえば、レベル5を指定した場合、レベル1、2、3、4または5のメッセージがログに記録されます。)通常、このオプションはカスタマ・サポート使用でのみ適用されます。

このオプションは、DSNまたは接続文字列が指定されている場合、そのデータベースにのみ適用されます。

-logreset

イベント・ロギング・パラメータをリセットします。

-msg messagestring

指定したテキストをTimesTenユーザー・ログに挿入します。

-n computer

異なるコンピュータのログを表示します。対象のコンピュータの汎用命名規則(UNC)名を指定します。

ノート: このオプションは、Windows上で、通常の使用ではないTimesTenログ記録用Windowsイベント・ログを使用している場合にのみ適用されます。

-r

TimesTenレプリケーション・エージェント・ログのみを出力します。(-show replicationと同じです。)

-s

TimesTen Serverのログのみを出力します。(-show serverと同じです。)

-setverbose

-setquiet

TimesTen冗長ロギングを有効(-setverbose)または無効(-setquiet)にします。

-show type

ttDaemonLogを使用してログ・メッセージを標準出力に表示する場合、次のタイプのいずれかを指定して-showオプションを使用し、表示されるログ・メッセージをそのタイプのみに限定できます。

all (デフォルト): すべてのメッセージを表示します。

replication: レプリケーション・エージェントからのログ・メッセージのみを表示します。(-rオプションと同じです。)

cache: キャッシュ・エージェントからのログ・メッセージのみを表示します。

server: TimesTen Serverからのログ・メッセージのみを表示します。(-sオプションと同じです。)

ノート: -[no]logcomponentを使用してロギングが無効にされているカテゴリは表示できません。

-V | -version

ttDaemonLogのリリース番号を出力し、終了します。

デフォルトでは、ttDaemonLogユーティリティでは、すべてのTimesTenコンポーネントのメッセージおよびエラーが記録されます。-nologcomponentオプションを設定すると、ログに書き込まれる範囲を絞り込むことができます。このオプションは、選択したデータベースまたはすべてのデータベースに適用できます。

ローカル・コンピュータ上のTimesTenのデーモンおよびサーバーからのすべての出力を表示するには、次のように入力します。

% ttDaemonLog

すべてのデータベースのレプリケーションに関連するメッセージおよびエラーがログに書き込まれないようにするには、次のように入力します。

% ttDaemonLog -nologcomponent replication

masterdsnデータベースのレプリケーションに関連するメッセージおよびエラーがログに書き込まれないようにするには、次のように入力します。

% ttDaemonLog -nologcomponent replication masterdsn

レプリケーションとキャッシュの両方のエラーとメッセージがログに書き込まれないようにするには、次のように入力します:

% ttDaemonLog -nologcomponent replication
% ttDaemonLog -nologcomponent cache

-nologcomponentオプションを使用してコンポーネントを無効にした後にそれを再度有効にするには、-logcomponentオプションを使用できます。たとえば、前述の例で示したように、レプリケーションとキャッシュのメッセージを無効にした後に、レプリケーション・メッセージを次のように再有効化できます:

% ttDaemonLog -logcomponent replication

すべてのTimesTenコンポーネントのログへの書込みを再度有効にするには、次のように-logresetオプションを使用します。

% ttDaemonLog -logreset

TimesTen Serverは、アプリケーションがクライアントDSNに接続されるか、またはクライアントDSNから切断されるたびにメッセージを生成します(ただし、インストール時にこれらのメッセージの生成を指定している場合)。サーバー・ログ・メッセージのみを表示するには、次のように入力します。

% ttDaemonLog -show server

レプリケーション・エージェント・メッセージのみを表示するには、次のように入力します。

% ttDaemonLog -show replication

キャッシュ・エージェント・メッセージのみを表示するには、次のように入力します。

% ttDaemonLog -show cache

TimesTenプロセスからのすべてのメッセージを表示するには、次のように入力します。

% ttDaemonLog -show all

UNIXおよびLinuxシステムで、local7機能にロギングを送るには、次のように入力します。

% ttDaemonLog -facility local7

ノート

  • この情報は、主にTimesTenカスタマ・サポートによる使用を目的としていますが、システム管理者およびシステム開発者に役立つ場合もあります。

  • このユーティリティは、TimesTen Data Managerがインストールされている場合にのみサポートされます。

  • 冗長ロギングを永続的に設定または無効にするには、timesten.confファイルのオプションを変更します。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』「エラー、警告および情報メッセージ」を参照してください。