A Oracle ClusterwareのTimesTen構成属性
Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアクティブ・スタンバイ・ペアを設定するには、この章で説明する属性を使用します。これらの属性は、cluster.oracle.ini
ファイルに指定します。
ttCWAdmin
ユーティリティは、cluster.oracle.ini
ファイルの情報に基づいて、アクティブ・スタンバイ・ペアを作成および管理します。
属性のリスト
この項では、次の各表にOracle ClusterwareのTimesTen構成属性を示します。
表A-1 必要な属性
名前 | 説明 | デフォルト |
---|---|---|
アクティブ・スタンバイ・ペアのスキームでマスター・データベースを配置できるホスト名のリストを指定します。 |
なし |
表A-2 場合によって必要な属性
名前 | 説明 | デフォルト |
---|---|---|
Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションのステータスを確認するためのコマンドライン。 |
なし |
|
Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションの名前。 |
なし |
|
Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションを起動するためのコマンドライン。 |
なし |
|
Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションを停止するためのコマンドライン。 |
なし |
|
アプリケーションのリンク先となるデータベース。 |
なし |
|
アクティブ・スタンバイ・ペアがキャッシュ・グループをレプリケートするかどうかを指定します。 |
N |
|
マスター・データベースに関連付けることができる2つの仮想IPアドレスのリスト。 |
なし |
|
クラスタに含まれないサブスクライバ・ホストのリスト。 |
なし |
|
アクティブ・データベースのバックアップ先となるディレクトリ。 |
なし |
|
サブスクライバ・データベースを配置できるホスト名のリスト。 |
なし |
|
サブスクライバ・データベースに関連付けることができる仮想IPアドレスのリスト。 |
なし |
|
各ホストで仮想IPアドレスに対して使用されるパブリック・ネットワーク・アダプタの名前。 |
なし |
|
仮想IPアドレスのネットマスク。 |
なし |
表A-3 オプションの属性
名前 | 説明 | デフォルト |
---|---|---|
障害が検出された後で、アプリケーションを監視するOracle Clusterwareリソースがフェイルオーバーを実行する前に待機する時間(秒)。 |
0 |
|
TimesTenアプリケーションがOracle Clusterwareの |
60 |
|
Oracle Clusterwareがアプリケーションのアクション・スクリプトに許容する、10×AppScriptTimeout間隔でのOracle Clusterwareの連続リソース障害の数。デフォルトは2です。 |
2 |
|
Oracle Clusterwareが、TimesTenアプリケーションを移動する前に、現在のホスト上でアプリケーションの再起動を試行する回数。 |
100 |
|
TimesTenアプリケーション・コンテナが特定のアプリケーションに対するアクション・スクリプトの完了を待機する時間(秒)。 |
60 |
|
Oracle ClusterwareがTimesTenアプリケーションをステーブルとみなすための、アプリケーションの稼働時間の長さ(秒)。 アプリケーションがこのしきい値内に失敗した場合は、正常な起動に失敗したとみなされ、別のホスト上で再起動されます。アプリケーションがこのしきい値を超えてアクティブな場合は、安定した状態であるとみなされます。安定した状態の後で停止すると、アプリケーションは同じホストで再起動されます。 |
600 |
|
両方のマスター・データベースで障害が発生した場合にアクティブ・データベースをバックアップから自動的にリカバリするかどうかを指定します。 |
しない |
|
|
デフォルトは |
Active |
障害の発生後、データベースを新しいホストに移行する前にOracle Clusterwareが待機する時間(秒)。 |
60 |
|
アクティブ・スタンバイ・ペアで障害が発生したとみなされ、自動バックアップを使用してスペア・ホストで新しいアクティブ・スタンバイ・ペアが作成されるまでに10秒間許容される、Oracle Clusterwareで管理される連続リソース障害の数。 |
2 |
|
レプリケーション・スキームのマスター・データベースに関するすべての |
なし |
|
アクティブ・データベースのバックアップ間隔(秒)。 |
0 (無効) |
|
アクティブ・スタンバイ・ペアのスキームを表すSQL文。 |
なし |
|
次の全体バックアップまでに実行される増分バックアップの回数。 |
5 |
|
アクティブ・スタンバイ・ペアのスキームのRETURNサービス属性。 |
なし |
|
レプリケーション・スキームのサブスクライバ・データベースに関するすべての |
なし |
|
障害が発生したとみなされてモニター・プロセスが起動される前にOracle Clusterwareが待機する時間(秒)。 |
1209600秒(14日間) |
必要な属性
この属性は、cluster.oracle.ini
ファイルで各DSNに対して指定する必要があります。デフォルト値はありません。
必要な属性を表A-1にリストします。
MasterHosts
この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアのマスター・データベースを配置できるホスト名のリストを指定します。クラスタの初期起動時のアクティブ・マスター・データベースおよびスタンバイ・マスター・データベースはそれぞれ、リストに最初に指定されているホストおよび2番目に指定されているホストに配置されます。
この指定順序には次の例外があります。
-
クラスタが停止したときにアクティブ・マスター・データベースおよびスタンバイ・マスター・データベースが特定のノードにすでに存在していた場合、クラスタを再起動すると、アクティブ・マスター・データベースおよびスタンバイ・マスター・データベースはそのままそのホストに配置されます。
-
クラスタを起動したとき、既存の唯一のデータベースが
MasterHosts
に最初に指定されていないホスト上に存在していた場合、アクティブ・マスター・データベースはそのホスト上に構成されます。MasterHosts
にリストされている最初のホストは、スタンバイ・マスター・データベースになります。
3つ以上のホストを高度な可用性のマスター・ホストとして指定できます。「高度な可用性の構成」を参照してください。
2つのマスター・ホストのみが構成されている場合、いずれの仮想IPアドレスも定義しないでください。3つ以上のマスター・ホストがリストされている場合、TimesTenの内部処理用に仮想IPアドレスを定義して、アクティブ・データベースまたはスタンバイ・データベースが配置されているホストの1つでリカバリ不能な障害が発生した場合に、レプリケーションを管理できるようにする必要があります。「高度な可用性の構成」を参照してください。
設定
MasterHosts
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
ホスト名のカンマ区切りのリスト。指定する最初のホストは、アクティブ・スタンバイ・ペアの初期アクティブ・マスターになります。指定する2つ目のホストは、アクティブ・スタンバイ・ペアの初期スタンバイ・マスターになります。 定義されるホストは、 |
場合によって必要な属性
これらの属性は、Oracle Clusterwareの構成に応じて必要となる場合があります。デフォルト値はありません。
場合によって必要な属性を表A-2にリストします。
AppCheckCmd
この属性は、AppName
で指定されたTimesTenアプリケーションのステータスを確認するユーザー指定のスクリプトまたはプログラムを実行するためのコマンドライン全体を指定します。
実行可能ファイルのフルパス名を含める必要があります。パス名に空白が含まれている場合、パス名を二重引用符で囲みます。「AppName
」を参照してください。
コマンドは、アプリケーションが実行されている場合は0
(ゼロ)、アプリケーションが実行されていない場合はゼロ以外の数値を返すように記述する必要があります。0(ゼロ)以外の値が検出されると、Oracle Clusterwareは、障害が発生したアプリケーションをリカバリするためのアクションを実行します。
設定
AppCheckCmd
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
|
例
AppCheckCmd=/mycluster/reader/app_check.sh check
AppFailureInterval
この属性は、TimesTenアプリケーションがOracle ClusterwareのFAILURE_THRESHOLD
リソース属性で指定された障害の数を超えた場合に、Oracle Clusterwareがアプリケーションを停止するまでの間隔(秒)を設定します。値が0(ゼロ)の場合、障害の追跡は無効になります。
Oracle ClusterwareのFAILURE_THRESHOLD
リソース属性の詳細は、Oracle Databaseドキュメントの『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
設定
AppFailureInterval
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
Oracle Clusterwareがアプリケーションを停止するまでの間隔(秒)。デフォルトは60です。たとえば:
|
AppName
この属性は、Oracle Clusterwareで管理されるTimesTenアプリケーションの名前を指定します。Oracle Clusterwareでは、このアプリケーション名を使用して、対応するリソースを指定します。cluster.oracle.ini
ファイルでアプリケーションについて記述する場合、この属性から始める必要があります。
設定
AppName
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
アプリケーションの名前を表す文字列。たとえば、 |
AppRestartAttempts
この属性は、Oracle Clusterwareが、TimesTenアプリケーションを別のホストに移動する前に、現在のホスト上でアプリケーションの再起動を試行する回数を指定します。
設定
AppRestartAttempts
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
再起動回数。デフォルトは100です。たとえば: AppRestartAttempts=30 |
AppType
この属性は、TimesTenアプリケーションを起動する必要のあるホストを決定します。
設定
AppType
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
|
AppUptimeThreshold
この属性により、Oracle ClusterwareのUPTIME_THRESHOLD
リソース属性の値を指定します。
この値は、Oracle ClusterwareでTimesTenアプリケーションが安定しているとみなされるまでにそのアプリケーションが稼働状態である必要がある秒数を表します。
UPTIME_THRESHOLD
の詳細は、Oracle Databaseドキュメントの『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
秒数です。デフォルトは600です。たとえば: AppUptimeThreshold=60 |
CacheConnect
アクティブ・スタンバイ・ペアがキャッシュ・グループをレプリケートする場合、この属性をY
に設定します。
Y
を指定すると、Oracle ClusterwareではTimesTenがOracle Databaseに接続しているとみなされ、Oracleパスワードを入力するよう求められます。
設定
CacheConnect
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
値は |
MasterVIP
この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアで使用される2つのマスター・ホストに関連付けられる2つの仮想IP (VIP)アドレスを定義します。
高度な可用性用に3つ以上のマスター・ホストを構成する場合、2つのVIPアドレスも定義する必要があります。ただし、これらのVIPアドレスは、マスター・ホストの1つでリカバリ不能な障害が発生した場合にアクティブ・スタンバイ・ペアを管理するためにのみ、TimesTenの内部処理で使用される必要があります。これらのVIPアドレスがいずれかのユーザーまたはアプリケーションにより使用されると、エラーが発生することがあります。「高度な可用性の構成」を参照してください。
設定
MasterVIP
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
マスター・ホストの2つの仮想IPアドレスを指定するカンマ区切りのリスト。 |
RemoteSubscriberHosts
この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームに含まれていながらOracle Clusterwareでは管理されないサブスクライバ・ホストのリストを指定します。
設定
RemoteSubscriberHosts
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
Oracle Clusterwareで管理されないサブスクライバ・ホストを指定するカンマ区切りのリスト。 |
RepBackupDir
この属性は、アクティブ・データベースのバックアップが保存されるディレクトリを示します。クラスタのすべてのノードがアクセスできる、共有ファイル・システム内のディレクトリを指定する必要があります。
この属性は、RepBackupPeriod
が0(ゼロ)以外の値に設定されている場合のみ必要です。
このディレクトリは、クラスタのすべてのホストによって共有されている必要があります。共有ストレージは、NFSまたはOCFS (Oracle Cluster File System)である必要があります。
バックアップを有効にする場合、Oracle Clusterwareのインストール・プロセスで共有記憶域にOCFSをインストールします。この共有記憶域をアクティブ・スタンバイ・ペアのバックアップに使用できます。
バックアップの制限事項については、「両方のマスター・ノードに恒久的な障害が発生した場合のリカバリの構成」および「両方のマスター・ノードで障害が発生した場合」を参照してください。
設定
RepBackupDir
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
レプリケーション・バックアップ・ディレクトリのフルパス名。 |
SubscriberHosts
サブスクライバ・データベースを配置できるホスト名のリストを指定します。サブスクライバを持つアクティブ・スタンバイ・ペアが構成されている場合、この属性が必要です。デフォルト値はありません。定義されているサブスクライバの数以上のホスト名を指定する必要があります。
サブスクライバ用に高度な可用性を使用している場合、リカバリ不能なエラーが発生する可能性のある任意のサブスクライバ・ホストを置き換えるためにインスタンス化できる追加ホストを定義します。また、高度な可用性を使用している場合、現在使用されているすべてのサブスクライバ用にVIPアドレスを構成します。たとえば、3つのサブスクライバと高度な可用性用に使用できる2つの追加ホストが存在する場合、3つのVIPアドレスを定義する必要があります。「SubscriberVIP
」を参照してください。
設定
SubscriberHosts
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
ホスト名のカンマ区切りのリスト。 定義されるホストは、 高度な可用性を使用していない場合、定義されているホストの順序を使用して、 高度な可用性を使用している場合、リストされている最初のホストは、サブスクライバ・ホスト用に使用されます。後半で定義されているホストは、高度な可用性用に使用されます。 |
SubscriberVIP
この属性は、高度な可用性用に使用されるサブスクライバ・ホストに関連付けられる仮想IP (VIP)アドレスのリストを構成します。
高度な可用性用にサブスクライバの数よりも多くのホストを構成する場合、サブスクライバごとに1つのVIPアドレスも定義する必要があります。ただし、これらのVIPアドレスは、サブスクライバ・ホストの1つでリカバリ不能な障害が発生した場合にレプリケーションを管理するためにのみ、TimesTenの内部処理で使用される必要があります。これらのVIPアドレスがいずれかのユーザーまたはアプリケーションにより使用されると、エラーが発生することがあります。「高度な可用性の構成」を参照してください。
設定
SubscriberVIP
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
1つ以上の仮想IPアドレス。サブスクライバの数と同じ数のVIPアドレスを定義する必要があります。 サブスクライバの仮想IPアドレスの順序を使用して、 |
VIPInterface
この属性は、各ホストで仮想IPアドレスに対して使用されるパブリック・ネットワーク・アダプタの名前です。仮想IPアドレスを使用する場合、この属性が必要です。
設定
VIPInterface
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
ネットワーク・アダプタを表す文字列。 |
オプションの属性
これらの属性はオプションで、デフォルト値はありません。
オプションの属性を表A-3にリストします。
AppFailoverDelay
この属性は、障害が検出された後で、アプリケーションを監視しているプロセスがフェイルオーバーを実行する前に待機する時間(秒)を指定します。デフォルトは0 (ゼロ)です。
設定
AppFailoverDelay
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
障害が検出された後で、アプリケーションを監視しているプロセスがフェイルオーバーを実行する前に待機する時間を表す整数(秒)。デフォルトは0 (ゼロ)です。 |
AppFailureThreshold
この属性は、Oracle Clusterwareで許容される、アプリケーションのアクション・スクリプトで10×AppScriptTimeout
の時間内に発生した同時障害の数を指定します。デフォルトは2です。
「AppScriptTimeout
」を参照してください。
設定
AppFailureThreshold
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
Oracle Clusterwareで許容される、アプリケーションのアクション・スクリプトで発生した同時障害の数を示す整数。デフォルトは2です。 |
AppScriptTimeout
この属性は、TimesTenアプリケーション・モニター・プロセスが特定のアプリケーションに対する起動アクション・スクリプトおよび停止アクション・スクリプトの完了を待機する時間(秒)を示します。
チェック・アクション・スクリプトには構成不可の5秒間のタイムアウト値が適用されるため、この属性の影響を受けません。
設定
AppScriptTimeout
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
TimesTenアプリケーション・コンテナが特定のアプリケーションに対する起動アクション・スクリプトおよび停止アクション・スクリプトの完了を待機する時間を表す整数(秒)。デフォルトは60です。 |
AutoRecover
両方のマスター・データベースで障害が発生した場合にOracle Clusterwareによってアクティブ・データベースがバックアップから自動的にリカバリされるかどうかを指定します。
リカバリを自動化しない場合(AutoRecover
=N
)、ttCWAdmin
-restore
コマンドを使用してデータベースをリカバリできます。
構成でキャッシュ・グループを使用している場合、AutoRecover
は使用できません。
設定
AutoRecover
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
|
DatabaseFailoverDelay
この属性は、障害の発生後、データベースを新しいホストに移行する前にOracle Clusterwareが待機する時間(秒)を指定します。
待機時間中にデータベースが起動した場合、データベースは再配置されません。この属性は、高度な可用性が構成されている場合に使用されます。デフォルトは60秒です。
設定
DatabaseFailoverDelay
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
障害の発生後、データベースを新しいホストに移行する前にOracle Clusterwareが待機する時間を表す整数(秒)。デフォルトは60です。 |
FailureThreshold
FailureThreshold
属性により、Oracle Clusterwareで管理されているリソースで何件の障害が発生したら、10秒間待った後にアクティブ・スタンバイ・ペアを障害が発生したとみなし自動バックアップを使用してスペア・ホストで新しいアクティブ・スタンバイ・ペアを作成するかを指定します。スペア・ノードは、仮想IPアドレスを使用する場合のみオプションです。
Oracle Clusterwareは、単一の障害が発生すると、アクティブ・スタンバイ・ペアの複製を実行しようとし、複数の障害が発生した場合は、リストアを実行しようとします。
1つ以上の仮想IPアドレスが構成されている場合のみスペア・ノードが構成されるため、この値は基本的な可用性では無視されます。また、高度な可用性(1つ以上の仮想IPアドレスの構成を含む)の使用時にRepBackupPeriod
が0に設定されているときも無視されます。
ノート:
この属性の設定に関係なく、TimesTenで許容されるバックアップ・リソースの障害は1つのみです。
設定
FailureThreshold
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
アクティブ・スタンバイ・ペアで障害が発生したとみなされ、自動バックアップを使用してスペア・ホストで新しいアクティブ・スタンバイ・ペアが作成されるまでに10秒間許容される、Oracle Clusterwareで管理される連続リソース障害の数を表す整数。デフォルトは2です。 |
MasterStoreAttribute
MasterStoreAttribute
属性により、マスター・データベースについて、目的のレプリケーション・スキームのSTORE
属性を示します。
STORE
属性は、アクティブとスタンバイの両方のデータベースに適用されます。STORE
属性の詳細は、「STORE属性の設定」を参照してください。
RepDDL
が構成されている場合、この属性は必要ありません。
この属性が設定されていない場合、STORE
属性はデフォルト値になります。
設定
MasterStoreAttribute
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
レプリケーション・スキームのマスター・データベースに関する |
RepBackupPeriod
この属性は、アクティブ・データベースのバックアップ間隔(秒)を示します。
この属性を0(ゼロ)より大きい値に設定する場合、RepBackupDir
でバックアップ・ディレクトリも指定する必要があります。「両方のマスター・ノードに恒久的な障害が発生した場合のリカバリの構成」および「両方のマスター・ノードで障害が発生した場合」を参照してください。
設定
RepBackupPeriod
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
アクティブ・データベースのバックアップ間隔を表す整数(秒)。値が0(ゼロ)の場合は、バックアップ・プロセスが無効になります。デフォルトは0 (ゼロ)です。 |
RepDDL
この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアを作成するSQL文を表します。この属性は、特殊な状況でのみ使用します。
たとえば、アクティブ・スタンバイ・ペアから表および順序を除外する必要がある場合、RepDDL
を指定する必要があります。
RepDDL
を設定する場合、次の属性は設定しません。
このSQL文では、データベース・ファイル名の接頭辞は、<DSN>
マクロに置き換えます。また、ホスト名のかわりに、<MASTERHOST[1]>
、<MASTERHOST[2]>
および<SUBSCRIBERHOST[
n
]>
マクロを使用します。
RepDDL
のデフォルト値はありません。
この例では、RepDDL
で2つのマスター・データベースが設定されます。
RepDDL=CREATE ACTIVE STANDBY PAIR <DSN> ON <MASTERHOST[1]>, <DSN> ON <MASTERHOST[2]>
その他の例については、「RepDDL属性の使用」を参照してください。
レプリケーション・エージェントのトランスミッタはOracle Clusterwareによって使用されるプライベート・ネットワーク・インタフェースおよびパブリック・ネットワーク・インタフェースを自動的に取得するため、通常はRepDDL
にROUTE
句を設定する必要はありません。ただし、Oracle Clusterwareで管理されていないレプリケーション・スキームのネットワーク接続がホストに存在する場合は、RepDDL
にROUTE
句を含める必要があります。
この属性が使用されている場合、各STORE
句の後に、次のような疑似ホスト名を続ける必要があります。
-
ActiveHost
-
ActiveVIP
-
StandbyHost
-
StandbyVIP
-
SubscriberHost
-
SubscriberVIP
設定
RepDDL
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
|
RepFullBackupCycle
この属性は、次の全体バックアップまでに実行される増分バックアップの回数を指定します。増分バックアップの数は、共有記憶域の容量によって異なります。
この属性を設定すると、パフォーマンスが低下することがあります。記憶域の容量とバックアップの所要時間の間にはトレードオフがあります。増分バックアップは、全体バックアップよりもはるかに高速に実行できます。ただし、全体バックアップが実行されるまで記憶域の消費量は増え続けます。
バックアップの制限事項については、「両方のマスター・ノードに恒久的な障害が発生した場合のリカバリの構成」および「両方のマスター・ノードで障害が発生した場合」を参照してください。
設定
RepFullBackupCycle
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
次の全体バックアップまでに実行される増分バックアップの回数を表す整数値。デフォルトは5です。 |
ReturnServiceAttribute
この属性は、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームにRETURNサービスを指定します。
この属性に値が指定されていない場合、アクティブ・スタンバイ・ペアはRETURNサービスなしで構成されます。
「RETURNサービスの使用」を参照してください。
設定
ReturnServiceAttribute
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
RETURNサービスのタイプ。たとえば: |
SubscriberStoreAttribute
この属性は、レプリケーション・スキームのサブスクライバ・データベースに関するSTORE
属性を示します。STORE
属性は、すべてのサブスクライバに適用されます。
設定
SubscriberStoreAttribute
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
サブスクライバ・データベースの たとえば: |
TimesTenScriptTimeout
この属性は、障害が発生したとみなされてモニター・プロセスが起動される前にOracle Clusterwareが待機する時間(秒)を指定します。
アクション・スクリプトによってアクティブ・データベースが複製されるまでに長時間かかる場合があるため、値を数時間に設定することをお薦めします。デフォルトは1209600秒(14日)です。
設定
TimesTenScriptTimeout
は次のように設定します。
属性の表記方法 | 設定 |
---|---|
|
障害が発生したとみなされてモニター・プロセスが起動される前にOracle Clusterwareが待機する時間を表す整数(秒)。デフォルトは1209600秒(14日)です。 |