ttRepAdminの使用によるレプリケーション・ステータスの表示
ttRepAdmin -showstatusの出力には、レプリケーション・エージェントで使用されるメイン・スレッド、TRANSMITTERスレッドおよびRECEIVERスレッドのステータスが含まれます。
マスター・データベースにはTRANSMITTERスレッド、サブスクライバ・データベースにはRECEIVERスレッドがあります。双方向レプリケーション・スキームでマスター/サブスクライバとしての機能するデータベースには、TRANSMITTERスレッドおよびRECEIVERスレッドの両方があります。
各レプリケーション・エージェントには、ポートでピア接続をリスニングする単一のREPLISTENERスレッドがあります。マスター・データベースでは、REPLISTENERスレッドがサブスクライバ・データベースごとに個別のTRANSMITTERスレッドを開始します。サブスクライバ・データベースでは、REPLISTENERスレッドがマスターからの接続のたびに個別のRECEIVERスレッドを開始します。
TimesTenデーモンがレプリケーション・エージェントの停止を要求した場合、またはレプリケーション・エージェントで使用されている他のいずれかのスレッドで致命的なエラーが発生した場合、メイン・スレッドは他のすべてのスレッドが正常に終了するまで待機します。TimesTenデーモンは、致命的なエラーの種類に応じて、レプリケーション・エージェントを再起動する場合もしない場合もあります。REPLISTENERスレッドは、レプリケーション・エージェントの存続期間中には終了しません。TRANSMITTERまたはRECEIVERスレッドは停止する場合がありますが、レプリケーション・エージェントによって再起動されます。RECEIVERスレッドは、リカバリ不可能なエラーが発生した場合、またはマスターが接続を切断した場合に終了します。
次の例は、ttRepAdmin -showstatus出力を示しています。
例の後の項では、ttRepAdmin -showstatus出力の各フィールドの意味について説明します。
次の例は、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキーム内でrep1データベースがアクティブ・マスターで、rep2データベースがスタンバイ・マスターであるアクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームです。
この例のReplicationParallelism接続属性は2に設定されており、これはソース・データベースのTRANSMITTERスレッド数およびターゲット・データベースのRECEIVERスレッド数を示します。
$ ttRepAdmin -showstatus -detail rep1 Replication Agent Status as of: 2019-09-03 10:01:31 DSN : rep1 Process ID : 9012 (Started) Replication Agent Policy : manual Host : MYHOST RepListener Port : 56209 (AUTO) Main thread's state : STATE_MM_IDLE_STATE Last write LSN : 0.22169832 Last LSN forced to disk : 0.22169600 Replication hold LSN : 0.22159592
Replication hold LSN、Last write LSNおよびLast LSN forced to diskが非常に近いので、レプリケーションは適切に実行されていることがわかります。Replication hold LSNがLast write LSNおよびLast LSNより遅れる場合、レプリケーションはマスターの更新に追い付いていません。
Replication Peers: Name : REP2 Host : MYHOST2 Port : 51509 (AUTO) (Connected) Replication State : STARTED Communication Protocol : 47 Name : REP2 Host : MYHOST2 Port : 51509 (AUTO) (Connected) Replication State : STARTED Communication Protocol : 47
ReplicationParallelismは2に設定されているため、rep2用のレプリケーション・ピアについては2つのエントリがあります。
REPHOLD thread (REPHOLD:140175402608384):
Start/Restart count : 1
Current state : STATE_REPHOLD_SLEEPING
Current DB context : 0x7f7d180008c0
REPLISTENER thread (REPLISTENER:140175393158912):
Start/Restart count : 1
Current state : STATE_LISTENER_WAIT_FOR_PEER_CONN
Current DB context : 0x7f7c9c0008c0
Most recent errors (max 5):
TT16999 in receiver.c (line 2608) at 09:55:38 on 09-03-2019
TT16999 in receiver.c (line 2608) at 09:55:55 on 09-03-2019
LOGFORCE thread (LOGFORCE:140175407265536):
Start/Restart count : 1
Current state : STATE_LOGFORCE_SLEEPING
Current DB context : 0x7f7d140afae0アクティブ・スタンバイ・ペアでは、各マスターが他のマスターへのトランスミッタと他のマスターからのレシーバの両方を持ちます。ReplicationParallelism設定により決定されるトランスミッタとレシーバの数。この例では、ReplicationParallelismが2に設定されているため、アクティブ・マスターとスタンバイ・マスターの間に2つのTRANSMITTERスレッドとRECEIVERスレッドがあります(出力ではトラック0とトラック1として示されています)。
TRANSMITTER thread(s) (TRANSMITTER(S):140172775343872):
For : REP2 (track 1)(SSL)
Start/Restart count : 1
Current state : STATE_XMTR_FLUSH_SENDING_DONE
Current DB context : 0x7f7ca44ff640
Send LSN : 0.22159592
Replication Tables CTN: 1567529721.542
Transactions sent : 101
Total packets sent : 36
Tick packets sent : 25
MIN sent packet size : 64
MAX sent packet size : 16384
AVG sent packet size : 876
Last packet sent at : 10:01:26
Total Packets received: 34
MIN rcvd packet size : 64
MAX rcvd packet size : 128
AVG rcvd packet size : 119
Last packet rcvd'd at : 10:01:26
TXNs Allocated : 102
TXNs In Use : 0
ACTs Allocated : 101
ACTs In Use : 0
ACTs Data Allocated : 0
Timeout : 7200
Adapted Timeout Max : 7200
Adapted Timeout Time : 1567530021
current txn : 0.0
Longest batch runtime : 0
Longest batch 1st txn : 0.0
Longest batch lst txn : 0.0
Largest txn (ops) : 1567529721.441
Largest txn (#ops) : 1
Longest txn (time) : 0.0
Longest txn (secs) : 0
Most recent errors (max 5):
TT16999 in transmitter.c (line 1465) at 09:55:56 on 09-03-2019
RECEIVER thread(s) (RECEIVER:140173241992960):
For : REP2 (track 1)(SSL)
Start/Restart count : 1
Current state : STATE_RCVR_READ_NETWORK_LOOP
Current DB context : 0x7f7c9c4b0b90
Transactions received : 0
Total packets sent : 28
Tick packets sent : 0
MIN sent packet size : 64
MAX sent packet size : 128
AVG sent packet size : 122
Last packet sent at : 10:01:19
Total Packets received: 29
MIN rcvd packet size : 64
MAX rcvd packet size : 156
AVG rcvd packet size : 68
Last packet rcvd'd at : 10:01:19
rxWaitCTN : 0.0
prevCTN : 0.0
current txn : 0.0
STA Blk Data Allocated: 0
STA Data Allocated : 0
Longest batch runtime : 0
Longest batch 1st txn : 0.0
Longest batch lst txn : 0.0
Largest txn (ops) : 0.0
Largest txn (#ops) : 0
Longest txn (time) : 0.0
Longest txn (secs) : 0
TRANSMITTER thread(s) (TRANSMITTER(M):140175390009088):
For : REP2 (track 0)(SSL)
Start/Restart count : 1
Current state : STATE_META_PEER_INFO
Current DB context : 0x7f7c980008c0
Send LSN : 0.22159592
Replication Tables CTN: 1567529721.386
Transactions sent : 100
Total packets sent : 88
Tick packets sent : 74
MIN sent packet size : 64
MAX sent packet size : 16384
AVG sent packet size : 394
Last packet sent at : 10:01:26
Total Packets received: 86
MIN rcvd packet size : 64
MAX rcvd packet size : 128
AVG rcvd packet size : 123
Last packet rcvd'd at : 10:01:26
TXNs Allocated : 101
TXNs In Use : 0
ACTs Allocated : 100
ACTs In Use : 0
ACTs Data Allocated : 0
Timeout : 7200
Adapted Timeout Max : 7200
Adapted Timeout Time : 1567529956
current txn : 0.0
Longest batch runtime : 0
Longest batch 1st txn : 0.0
Longest batch lst txn : 0.0
Largest txn (ops) : 1567529721.286
Largest txn (#ops) : 1
Longest txn (time) : 0.0
Longest txn (secs) : 0
Most recent errors (max 5):
TT16999 in transmitter.c (line 1465) at 09:55:38 on 09-03-2019
RECEIVER thread(s) (RECEIVER:140173245142784):
For : REP2 (track 0)(SSL)
Start/Restart count : 1
Current state : STATE_RCVR_READ_NETWORK_LOOP
Current DB context : 0x7f7c944a41f0
Transactions received : 0
Total packets sent : 79
Tick packets sent : 0
MIN sent packet size : 64
MAX sent packet size : 128
AVG sent packet size : 125
Last packet sent at : 10:01:29
Total Packets received: 80
MIN rcvd packet size : 64
MAX rcvd packet size : 156
AVG rcvd packet size : 65
Last packet rcvd'd at : 10:01:29
rxWaitCTN : 0.0
prevCTN : 0.0
current txn : 0.0
STA Blk Data Allocated: 0
STA Data Allocated : 0
Longest batch runtime : 0
Longest batch 1st txn : 0.0
Longest batch lst txn : 0.0
Largest txn (ops) : 0.0
Largest txn (#ops) : 0
Longest txn (time) : 0.0
Longest txn (secs) : 0 MAINスレッド・ステータス・フィールド
MAINスレッド・ステータス・フィールドは、問い合せたデータベースについてのレプリケーション・エージェント内のMAINスレッドの出力です。
| MAINスレッド | 説明 |
|---|---|
|
|
問合せ対象のデータベースの名前。 |
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レプリケーション・エージェントのプロセスID。 |
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|
再起動ポリシー(「レプリケーション・エージェントの起動および停止」を参照) |
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|
このデータベースをホスティングするマシンの名前。 |
|
|
レプリケーション・エージェントがリモート・レプリケーション・エージェントの |
|
|
内部でのみ使用されます。 |
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データベースに対して最後に生成されたトランザクション・ログ・レコードの場所。「レプリケートされたログ・レコードの表示」を参照してください。 |
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|
ディスクに最後に書き込まれたトランザクション・ログ・レコードの場所。「レプリケートされたログ・レコードの表示」を参照してください。 |
|
|
サブスクライバに送信できるようにログ内に保持されている最下位(最も古い)レコードの場所。値が-1/-1の場合は、レプリケーションがすべてのサブスクライバに対して |
レプリケーション・ピア・ステータス・フィールド
レプリケーション・ピア・ステータス・フィールドは、問い合せたデータベースでのレプリケーション・スキームに関連している各レプリケーション・ピアの出力です。ピアは、マスター、サブスクライバ、プロパゲータ、または双方向レプリケーション・スキームではマスターとサブスクライバの両方の役割を果たすことができます。
| レプリケーション・ピア | 説明 |
|---|---|
|
|
このデータベースのレプリケーション・ピアであるデータベースの名前。 |
|
|
ピア・データベースのホスト。 |
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|
ピア・データベースのレプリケーション・エージェントが使用するTCP/IPポート。値が0(ゼロ)の場合は、このポートがレプリケーション・スキームの一部として指定されているのでなく、レプリケーション・エージェントに自動的に割り当てられている(デフォルト)ことを示します。 |
|
|
問い合せたデータベースに関するレプリケーション・ピアの現在のレプリケーション状態(「サブスクライバ・データベース情報の表示」を参照)。 |
|
|
レプリケーションがピア間で通信を行うために使用する内部プロトコル。(内部使用専用。) |
ノート:
REPHOLD、REPLISTENERおよびLOGFORCEスレッド・セクションは、内部使用専用です。
TRANSMITTERスレッド・ステータス・フィールド
TRANSMITTERスレッド・ステータス・フィールドは、トランザクション更新をサブスクライバに送信するためにマスター・レプリケーション・エージェントによって使用される各TRANSMITTERスレッドの出力です。対応する複数のサブスクライバがあるマスターは、複数のTRANSMITTERスレッドを持つことになります。
ノート:
TRANSMITTER出力のカウントは、レプリケーション・エージェントを起動すると、累積し始めます。これらのカウントは、レプリケーション・エージェントを起動または再起動した場合にのみ0(ゼロ)にリセットされます。
| TRANSMITTERスレッド | 説明 |
|---|---|
|
|
レプリケート・データをこのデータベースから受信するサブスクライバ・データベースの名前。また、レプリケーション・エージェントのトランスミッタがTransport Layer Security (TLS)を使用しているかどうか(SSLで示される)。 |
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|
処理のタイムアウトやネットワーク障害などの一時エラーが発生したため、レプリケーション・エージェントによってこの |
|
|
内部でのみ使用されます。 |
|
|
内部でのみ使用されます。 |
|
|
このピアに最後に送信されたLSN。「レプリケートされたログ・レコードの表示」を参照してください。 |
|
|
内部でのみ使用されます。 |
|
|
サブスクライバに送信されたトランザクションの合計数。 |
|
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サブスクライバに送信されたパケットの合計数(ティック・パケットを含む)。 |
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|
送信されたティック・パケットの合計数。ティック・パケットは、マスターとサブスクライバの間のハートビートを維持するために使用されます。この値を使用すると、レプリケート・データと関連していない「Total packets sent」パケットの数を確認できます。 |
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|
サブスクライバに送信された最小パケットのサイズ。 |
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|
サブスクライバに送信された最大パケットのサイズ。 |
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|
サブスクライバに送信されたパケットの平均サイズ。 |
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|
パケットが最後に送信された時刻(24時間制の時刻)。 |
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|
サブスクライバから受信したパケットの合計数(ティック・パケットおよび確認応答データ)。 |
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|
受信した最小パケットのサイズ。 |
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|
受信した最大パケットのサイズ。 |
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|
受信したパケットの平均サイズ。 |
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|
パケットを最後に受信した時刻(24時間制の時刻)。 |
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|
内部でのみ使用されます。 |
|
|
処理数。 |
|
|
最長トランザクションの処理に要した時間(秒単位)。 |
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|
このスレッドによって最後に生成された5つのエラー。 |
RECEIVERスレッド・ステータス・フィールド
RECEIVERスレッド・ステータス・フィールドは、トランザクション更新をマスターから受信するためにサブスクライバ・レプリケーション・エージェントによって使用される各RECEIVERスレッドの出力です。複数のマスターによって更新されるサブスクライバは、複数のRECEIVERスレッドを持つことになります。
ノート:
RECEIVER出力のカウントは、レプリケーション・エージェントを起動すると、累積し始めます。これらのカウントは、レプリケーション・エージェントを起動または再起動した場合にのみ0(ゼロ)にリセットされます。
| RECEIVERスレッド | 説明 |
|---|---|
|
|
レプリケート・データをこのデータベースから送信するマスター・データベースの名前。また、レプリケーション・エージェントのレシーバがTransport Layer Security (TLS)を使用しているかどうか(SSLで示される)。 |
|
|
処理のタイムアウトやネットワーク障害などの一時エラーが発生したため、レプリケーション・エージェントによってこの |
|
|
内部でのみ使用されます。 |
|
|
内部でのみ使用されます。 |
|
|
マスターから受信したトランザクションの合計数。 |
|
|
マスターに送信されたパケットの合計数(ティック・パケットおよび確認応答データ)。 |
|
|
マスターに送信されたティック・パケットの合計数。ティック・パケットは、マスターとサブスクライバの間のハートビートを維持するために使用されます。この値を使用すると、確認応答データと関連していない「Total packets sent」パケットの数を確認できます。 |
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|
マスターに送信された最小パケットのサイズ。 |
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|
マスターに送信された最大パケットのサイズ。 |
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|
マスターに送信されたパケットの平均サイズ。 |
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|
パケットがマスターに最後に送信された時刻(24時間制の時刻)。 |
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|
マスターから受信した確認応答データのパケットの合計数。 |
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|
受信した最小パケットのサイズ。 |
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|
受信した最大パケットのサイズ。 |
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|
受信したパケットの平均サイズ。 |
|
|
パケットを最後に受信した時刻(24時間制の時刻)。 |
|
|
内部でのみ使用されます。 |
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|
処理数。 |
|
|
最長トランザクションの処理に要した時間(秒単位)。 |