データ・インスタンスの追加
データ・インスタンスには、グリッドで定義されている各データベースの要素が含まれています。要素には、1つのデータベースのデータの一部が格納されます。データは、グリッドで定義されているデータ・インスタンスの数と等しい数の要素間で分散される場合があります。
次のタスクを実行して、グリッド内にデータ・インスタンスを作成します。
ノート:
次のトピックで説明されている操作は、最新バージョンのモデルのみ変更し、変更が適用されるまでは操作グリッドの一部になりません。「モデルに加えた変更の適用」を参照してください。
データ・インスタンスのホストの作成
管理インスタンスに関連付けられたホストと同様に、データベースのデータの一部を格納するために使用するすべてのシステムでは、システムをホスト・モデル・オブジェクトとして手動で追加する必要があります。同様に、システムの通信パラメータ(完全修飾ドメインまたはIPアドレス)を指定する必要があります。各ホストには2つ以上のデータ・インスタンスを含めることができますが、ホストごとに1つのデータ・インスタンスを構成することをお薦めします。
データ・インスタンスを作成するには、ホストをデータ領域グループに関連付ける必要があります。すべてのデータ領域グループは、同じ数のデータ・インスタンスに関連付けられる必要があります。ホストごとに1つのデータ・インスタンスの推奨事項に従っている場合、すべてのデータ領域グループは同じ数のホストに関連付けられる必要があります。
「スタンバイ管理インスタンスの追加」で説明したように、ttGridAdmin hostCreate
コマンドを使用すると、グリッド内にホストが作成されます。ホストの作成時やそれ以降に、ホストをデータ領域グループに関連付けることができます。
データ・インスタンスのホストを作成し、データ領域グループ1に関連付けます。ホストの完全修飾ドメイン名またはIPアドレスを識別できることを確認します。
% ttGridAdmin hostCreate -internalAddress int-host3 -externalAddress ext-host3.example.com -dataSpaceGroup 1
Host host3 created in Model
ノート:
ホストの名前を指定しない場合、TimesTen Scaleoutでは、新しいホストの名前としてリモート・システムのOSホスト名が設定されます。
図4-5に、host3
ホストの作成後のgrid1
グリッドのモデルの図を示します。
ttGridAdmin hostCreate
コマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のホストの作成(hostCreate)を参照してください。
データ・インスタンスのインストールの作成
すべてのホストには、インストールが関連付けられている必要があります。ホストは、インストール・ファイルの独自のコピーを所有するか、Network Attached Storageを使用して1つ以上のホストとインストールを共有できます。共有インストールの場合、共有インストール・ファイルの場所を含むインストール・モデル・オブジェクトがホストに関連付けられている必要があります。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイド』のLinux/UNIXでのインストールのコピーを参照してください。
ttGridAdmin installationCreate
コマンドはグリッドにインストールを作成し、ホストに関連付けます。
host3
ホストの任意のディレクトリ(/grid
ディレクトリなど)にインストールを作成します。
% ttGridAdmin installationCreate host3 -location /grid
Installation installation1 on Host host3 created in Model
ノート:
-
インストールの名前を指定しない場合、TimesTen Scaleoutでは、インストールの名前として
installation1
が設定されます。同じホストに関連付けられている後続のすべてのインストールに、名前を指定する必要があります。 -
コマンドを実行する管理インスタンスに関連付けられているインストールが1つのみであり、インストール・ファイルのソースが
ttGridAdmin installationCreate
コマンドの-source
オプションで指定されていない場合、TimesTen Scaleoutはコマンドを実行する管理インスタンスに関連付けられているインストールからインストール・ファイルをコピーします。
図4-6に、host3
ホストでのinstallation1
インストールの作成後のgrid1
グリッドのモデルの図を示します。
ttGridAdmin installationCreate
コマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のインストールの作成(installationCreate)を参照してください。
データ・インスタンスの作成
ttGridAdmin instanceCreate
コマンドはグリッドにインスタンスを作成し、ホストとインストールに関連付けます。
host3
ホストの任意の場所(/grid
ディレクトリなど)にデータ・インスタンスを作成します。
% ttGridAdmin instanceCreate host3 -location /grid
Instance instance1 on Host host3 created in Model
ノート:
-
インスタンスの名前を指定しない場合、TimesTen Scaleoutでは、インスタンスの名前として
instance1
が設定されます。同じホストに関連付けられている後続のすべてのインスタンスに、名前を指定する必要があります。 -
host3
ホストにはinstallation1
インストールのみが関連付けられているため、installation1
インストールはデフォルトでinstance1
データ・インスタンスに関連付けられ、-installation
オプションを指定する必要はありません。 -
TimesTen Scaleoutでは、デフォルトでインスタンスがデータ・インスタンスとして定義されます。
ttGridAdmin instanceCreate
コマンドの-type
管理オプションを使用して、管理インスタンスを作成します。 -
TimesTen Scaleoutにより、指定した場所に、インスタンス名を使用してサブディレクトリが作成されます。TimesTen Scaleoutにより、このサブディレクトリに、すべてのインスタンス・ファイルが割り当てられます。たとえば、
instance1
データ・インスタンスのインスタンス・ファイルは、host3
ホストの/grid/instance1
ディレクトリに割り当てられます。 -
ポート番号の値を指定しない場合、TimesTen Scaleoutでは、インスタンス・デーモンおよびサーバーのTCP/IPポート番号にデフォルト値(それぞれ
6624
と6625
)が設定されます。ポート番号に別の値を設定するには、ttGridAdmin instanceCreate
ユーティリティの-daemonPort
または-csPort
オプションを使用します。
図4-7に、データ・インスタンスの作成後のgrid1
グリッドのモデルの図を示します。
ttGridAdmin instanceCreate
コマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のインスタンスの作成(instanceCreate)を参照してください。
既存のホストの構成の複製によるデータ・インスタンスの作成
「スタンバイ管理インスタンスの追加」で説明したように、ttGridAdmin hostCreate
コマンドの-like
および-cascade
オプションを使用して既存のホストの構成(関連するインストールおよびインスタンスを含む)を複製することで、インスタンス(管理またはデータ)を作成できます。
-
-like
オプションにより、複製するホストを特定し、新しいホストを同じデータ領域グループに関連付けます。-dataSpaceGroup
オプションで異なるパラメータを指定することで、新しいホストに関連付けられているデータ領域グループを上書きできます。 -
-cascade
オプションは、指定されたホストに関連付けられているインストールおよびデータ・インスタンスの構成を複製します。
host3
ホストに定義されている同じ属性およびそれに関連付けられているインストールとデータ・インスタンスに基づいて、データ・インスタンスを5つ作成します。また、データ領域グループ1ではなく、データ領域グループ2に2つのホスト、データ領域3に2つのホストを関連付けます。新しいホストの完全修飾ドメイン名を識別できることを確認します。
% ttGridAdmin hostCreate -internalAddress int-host4 -externalAddress ext-host4.example.com -like host3 -cascade -dataSpaceGroup 2
Host host4 created in Model
Installation installation1 created in Model
Instance instance1 created in Model
% ttGridAdmin hostCreate -internalAddress int-host5 -externalAddress ext-host5.example.com -like host3 -cascade -dataSpaceGroup 3
Host host5 created in Model
Installation installation1 created in Model
Instance instance1 created in Model
% ttGridAdmin hostCreate -internalAddress int-host6 -externalAddress ext-host6.example.com -like host3 -cascade
Host host6 created in Model
Installation installation1 created in Model
Instance instance1 created in Model
% ttGridAdmin hostCreate -internalAddress int-host7 -externalAddress ext-host7.example.com -like host4 -cascade
Host host7 created in Model
Installation installation1 created in Model
Instance instance1 created in Model
% ttGridAdmin hostCreate -internalAddress int-host8 -externalAddress ext-host8.example.com -like host5 -cascade
Host host8 created in Model
Installation installation1 created in Model
Instance instance1 created in Model
ノート:
-
ホストの名前を指定しない場合、TimesTen Scaleoutでは、リモート・システムのOSホスト名が新しいホストの名前として設定されます。
-
host4
およびhost5
ホストを作成するコマンドでの-dataSpaceGroup
パラメータの追加で示されているように、ttGridAdmin hostCreate
コマンドで追加定義するオプションによって、新しいホスト内の、既存のホストから継承した属性が上書きされます。 -
host7
およびhost8
ホストを作成するttGridAdmin hostCreate
コマンドで、-like
オプションでの参照として、それぞれhost4
およびhost5
ホストが使用されることに注目してください。
図4-8に、host3
ホストをhost4
、host5
、host6
、host7
、host8
、およびそれらに関連するインストールとインスタンスとして複製された後のgrid1
グリッドのモデルの図を示します。
ttGridAdmin hostCreate
コマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のホストの作成(hostCreate)を参照してください。