スタンバイ管理インスタンスの追加

TimesTen Scaleoutを使用すると、グリッドの2番目の管理インスタンスを作成できます。グリッドに2つの管理インスタンスが存在する場合、グリッドの構成は、アクティブなスタンバイ構成を使用してアクティブな管理インスタンスからスタンバイ管理インスタンスにレプリケートされます。 アクティブな管理インスタンスとスタンバイ管理インスタンスの間のレプリケーションは非同期です。TimesTen Scaleoutで管理インスタンスのアクティブ・スタンバイ構成を使用する方法の詳細は、「管理インスタンスのフェイルオーバーの管理」を参照してください。

TimesTen Scaleoutでは、2番目の管理インスタンスがスタンバイとして自動的に構成されます。グリッドの構成を使用および操作するすべての操作は、ttGridAdminユーティリティを使用してアクティブな管理インスタンスから実行する必要があります。

グリッドで構成するすべての管理インスタンスを別のホストに配置することをお薦めします。これらのホストは、(独立電源、ストレージおよび他のリソースを備えた)異なる障害ドメインにある必要があります。関連付けられているシステムの通信パラメータ(完全修飾ドメインまたはIPアドレス)を指定して、すべてのホストをモデルに手動で追加する必要があります。

ttGridAdmin hostCreateコマンドは、モデル内のホスト・オブジェクトを定義します。このコマンドでは、-likeオプションを使用して、インスタンス(管理またはデータ)を作成し、データ領域グループなど、既存のホストの属性をコピーできます。また、-likeオプションとともに-cascadeオプションを使用して、関連付けられているインストールおよびインスタンスをコピーすることもできます。

アクティブな管理インスタンスhost1.instance1に関連付けられているホストを複製して、スタンバイ管理インスタンスとそれに関連するインストールを作成します。新しいホストの完全修飾ドメイン名またはIPアドレスを識別できることを確認します。

% ttGridAdmin hostCreate -internalAddress int-host2 -externalAddress ext-host2.example.com -like host1 -cascade
Host host2 created in Model
Installation installation1 created in Model
Instance instance1 created in Model

ノート:

  • ホストの名前を指定しない場合、TimesTen Scaleoutでは、リモート・システムのOSホスト名が新しいホストの名前として設定されます。

  • ttGridAdmin hostCreateコマンドで定義するオプションによって、新しいホストに既存のホストから継承した属性が上書きされます。この例では、TimesTen Scaleoutで、デーモン、サーバーおよび管理ポートに、host1.instance1管理インスタンスに設定されているのと同じ値が使用されています(それぞれ66246625および3754)。

  • この例では、ttGridAdmin hostCreateコマンドの-likeおよび-cascadeオプションを使用して、スタンバイ管理インスタンスとその関連ホストおよびインストールを作成しています。あるいは、個別に作成できます。「データ・インスタンスの追加」を参照してください。

図4-3に、host2ホスト、host2.installation1インストールおよびhost2.instance1管理インスタンスの作成後のgrid1グリッドのモデルの図を示します。

図4-3 スタンバイ管理インスタンスの作成後のモデル

図4-3の説明が続きます。
図4-3「スタンバイ管理インスタンスの作成後のモデル」の説明

host2ホスト用に作成されたインストールおよび管理インスタンスに割り当てられる名前は、カスケード操作の結果、host1ホストに割り当てられている名前と同じになります。完全修飾名が異なるため、これにより競合が発生することはありません。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』グリッド・オブジェクトとオブジェクトの命名を参照してください。

ttGridAdmin hostCreateコマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』ホストの作成(hostCreate)を参照してください。