グリッドの作成

ttGridAdminユーティリティを使用して、グリッドの状態および構成を操作できます。ttGridAdminユーティリティを使用する必要があるすべての操作は、特に指定のないかぎり、インスタンス管理者がアクティブな管理インスタンスから実行する必要があります。このユーティリティを使用して、グリッドの構成およびメンテナンスに関連する、次のようなすべての操作を実行します。
  • 新規グリッドの作成

  • ホストやインスタンスなどのモデル・オブジェクトの作成および削除

  • データベースの作成および破棄

  • ユーザー・データが使用可能なデータ・インスタンス間で分散される方法の定義および変更

  • データベースの接続属性などのモデル・オブジェクトの属性の変更

  • グリッドのステータスおよびそのデータベースの問合せ

  • 様々なバージョンのモデルの維持

  • 最新バージョンのモデルに加えた変更の操作グリッドへの適用。

ノート:

ttGridAdminユーティリティの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』ttGridAdminを参照してください。

ttGridAdmin gridCreateコマンドでは、次の操作が実行されます。

  • アクティブ管理インスタンスを起動します。

  • ユーザー定義の名前でグリッドを作成します。

  • 暗号情報を含むOracleウォレットを格納するディレクトリへのパスを指定します。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』タスク2: TimesTen ScaleoutでのTLSのサーバー構成の設定を参照してください。

  • ルート認証局(秘密キーと公開キー)、クライアント証明書を含むウォレット、およびサーバー証明書を含むウォレットを作成します。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』TimesTen Scaleoutでのクライアント/サーバーのTLSの使用を参照してください。

  • K-safetyの値で示されている必要な数のデータ領域グループを作成します。

  • メンバーシップ・サービスのクライアント構成を定義します。メンバーシップ・サービスの設定を参照してください。

  • メンバーシップ・サーバーに認証済アクセスが必要かどうかを指定します。指定した場合は、ユーザー名とパスワードを設定します。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』メンバーシップ・サービスのアクセス制御を参照してください。

  • 管理インスタンスとその関連ホストおよびインストールを、モデル・オブジェクトとして最新バージョンのモデルに追加します。

  • グリッドでモデルを保持する期間および保持する旧バージョンの数を指定します。

  • データベースでクライアント/サーバー接続の暗号化が必要かどうかを指定します。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』タスク2: TimesTen ScaleoutでのTLSのサーバー構成の設定を参照してください。

  • データベースでTransport Layer Security (TLS)に使用できる暗号スイートを指定します。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』TLSのサーバー属性を参照してください。

k3に設定したグリッドを作成します。グリッドの名前(ローカル・システムの内部アドレスまたは内部および外部のアドレス)を指定し、ZooKeeperクライアント構成ファイルを指定します。

% ttGridAdmin gridCreate grid1 -k 3 -internalAddress int-host1 -externalAddress ext-host1.example.com -membershipConfig /tmp/membership.conf
Grid grid1 created

ノート:

  • ttGridAdmin gridCreateコマンドの-hostオプションを指定しない場合、TimesTen Scaleoutは、ローカル・システムのホスト名をモデル内のホストの名前として設定します。

  • TimesTen Scaleoutでは、installation1インストールとしてローカルTimesTenインストールが自動的に識別されます。

  • ポート番号の値を指定しない場合、TimesTen Scaleoutでは、アクティブ管理インスタンスのレプリケーション・エージェントのTCP/IPポート番号にデフォルト値(3574)が設定されます。ポート番号に別の値を指定するには、ttGridAdmin gridCreateコマンドで-mgmtPortオプションを使用します。

grid1グリッドを作成するために、TimesTen Scaleoutがinstance1管理インスタンスを起動します。次に、instance1管理インスタンスがgrid1グリッドおよびそのモデルを作成します。最後に、instance1管理インスタンスがgrid1グリッドのモデルで次の操作を実行します。

  • モデルでローカル・システムを表すホスト・オブジェクトhost1を作成します。

  • モデルでローカルTimesTenインストールを表すインストール・オブジェクトinstallation1を作成します。

  • モデルでインスタンス・オブジェクトinstance1を作成します。

  • installation1インストールをhost1ホストおよびinstance1インスタンスの両方に関連付けます。

  • 3つのデータ領域グループを作成します(k3に設定されているため)。

ノート:

この時点から、記載されているタスクでは、モデル・オブジェクトが最新バージョンのモデルに追加され、変更されるだけで、最新バージョンのモデルに対する変更が適用されるまで、このようなモデル・オブジェクトに関連付けられたシステムは変更されません。「モデルに加えた変更の適用」を参照してください。

図4-2に、grid1グリッドの作成後のモデルの図を示します。

図4-2 グリッドの作成後のモデル

図4-2の説明が続きます。
図4-2「グリッドの作成後のモデル」の説明

ttGridAdmin gridCreateコマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』グリッドの作成(gridCreate)を参照してください。