初期管理インスタンスの作成
TimesTen Scaleoutでは、管理インスタンスを使用して、グリッドを構成および管理します。管理インスタンスでは、グリッドにシェイプを付与するオブジェクトの包括的なリストであるモデルが格納および維持されます。
ノート:
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TimesTen Scaleoutには、前のグリッドの構造、現在のグリッドの構造または必要なグリッドの構造を説明する複数のバージョンのモデルが格納されます。「モデルのバージョニング」を参照してください。
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ほとんどのモデル・オブジェクトには、ユーザー定義の名前があります。TimesTen Scaleoutでは、これらの名前を使用して、モデル・オブジェクト間の関係を定義します。通常、各タイプのモデル・オブジェクトには、独自のネームスペースがあります。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のグリッド・オブジェクトとオブジェクトの命名を参照してください。
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モデル・オブジェクトのタイプとその説明をすべて示すリストは、「グリッドの中央構成」を参照してください。
グリッドの管理の高可用性を確保するために、TimesTen Scaleoutを使用して、アクティブなスタンバイ構成でスタンバイ管理インスタンスを作成できます。アクティブ管理インスタンスで障害が発生した場合に使用できるスタンバイ管理インスタンスを構成することをお薦めします。1つのみの管理インスタンスに障害が発生した場合、データベースは動作しますが、管理インスタンスがリストアされるまでほとんどの管理操作は使用できません。スタンバイ管理インスタンスを設定するステップは、この章で後述します。
ttInstanceCreate
ユーティリティは、新規インスタンスを作成します。TimesTen Scaleout管理のインスタンスを有効化する-grid
オプションを含めることによって、ttInstanceCreate
ユーティリティを使用して初期管理インスタンス作成します。このインスタンスからグリッドを作成すると、グリッドに関連付けられている後続のすべてのインスタンスが、ttGridAdmin
ユーティリティを使用して作成されます。グリッド内のすべてのインスタンスは、インスタンス管理者として同じOSユーザー名を共有します。
ノート:
このトピックや次のいくつかのトピックで説明するタスクでは、次のような条件のグリッドを使用します。このグリッドは、K-safety (k
)が3
に設定されており、8台のホストで構成されています(TimesTenインストールと管理インスタンスを含むホストが2台あり、3つのデータ領域グループのそれぞれに、TimesTenインストールとデータ・インスタンスを含むホストが2台あります)。図4-1に、このシナリオの図を示します。
TimesTen 22.1がインストールされているホストで、任意の場所(/grid
ディレクトリなど)に管理インスタンスを作成します。
ノート:
TimesTenのインストール方法およびTimesTen Scaleoutの前提条件の詳細は、TimesTen Scaleoutの前提条件とインストールを参照してください。
% /grid/tt22.1.1.27.0/bin/ttInstanceCreate -name instance1 -location /grid -grid
Creating instance in /grid/instance1 ...
INFO: Mapping files from the installation to /grid/instance1/install
NOTE: The TimesTen daemon startup/shutdown scripts have not been installed.
The startup script is located here :
'/grid/instance1/startup/tt_instance1'
Run the 'setuproot' script :
/grid/instance1/bin/setuproot -install
This will move the TimesTen startup script into its appropriate location.
The 22.1 Release Notes are located here :
'/grid/tt22.1.1.27.0/README.html'
ノート:
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TimesTen Scaleoutでは、
ttGridAdmin
ユーティリティを使用して新しいインスタンスを作成すると、instance1
が新しいインスタンスのデフォルト・インスタンス名として設定されます。同じホストに作成する後続のインスタンスには、別の名前を指定する必要があります。この例では、デフォルト値のinstance1
を使用します。任意の名前を使用することもできます。 -
TimesTen Scaleoutは、指定された場所にあるインスタンス名を使用してサブディレクトリを作成します。TimesTen Scaleoutは、このサブディレクトリにすべてのインスタンスを作成します。たとえば、
instance1
管理インスタンスのインスタンス・ファイルは、ローカル・ファイル・システムの/grid/instance1
ディレクトリに割り当てられます。 -
ポート番号の値を指定しない場合、TimesTen Scaleoutでは、インスタンス・デーモンおよびサーバーのTCP/IPポート番号にデフォルト値(それぞれ
6624
と6625
)が設定されます。ポート番号に別の値を設定するには、ttInstanceCreate
ユーティリティの-daemonPort
または-csPort
オプションを使用します。
使用するシェルに適したttenv
スクリプト(ttenv.csh
またはttenv.sh
)を使用してinstance1
管理インスタンスの環境変数を設定していることを確認します。「環境変数」を参照してください。
sh
、bash
、zsh
、ksh
などのBourne型のシェルの場合
$ . /grid/instance1/bin/ttenv.sh
csh
またはtcsh
シェルの場合
% source /grid/instance1/bin/ttenv.csh
ttInstanceCreate
ユーティリティの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のttInstanceCreateを参照してください。