グリッドの中央構成
TimesTen Scaleoutでは、グリッドの単一の中央構成が保持されます。この構成は、モデルと呼ばれます。モデルは、グリッドの論理トポロジを表します。モデルには、グリッドのコンポーネント(インストール、ホスト、データベース定義、インスタンスなど)を表す一連のオブジェクトが含まれています。
複数のバージョンのモデルを持つことができます。モデルに変更を適用するたびに、グリッドにモデルがバージョンとして保存されます。グリッドでは、常に1つのバージョンのみをアクティブにできます。
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最新モデルは、変更を加えている、まだ適用されていないモデルです。モデルを変更中の場合、このバージョンは将来の目的のグリッド構造を表し、適用後は現在のモデルになります。
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モデルの現在のバージョン(最後に適用されたモデル)は、常にグリッドの現在の構造を表します。
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以前のモデルのバージョンは、過去のグリッド構造を表します。
グリッドの目的の構造を作成するには、次の手順を実行します。
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最新モデルにグリッド・コンポーネント(インストール、ホスト、インスタンスなど)を追加または削除することによって、目的のグリッド構造を設計します。
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目的のモデル構造が完成したら、これらの変更を有効にするためにモデルを適用します。モデルのこのバージョンがモデルの現在のバージョンになります。
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モデルの適用後、TimesTen Scaleoutは稼働中のグリッドで現在のモデルの実装を試行します。
現在のモデルのすべてのコンポーネントが実行されているとはかぎりません。たとえば、グリッドに10のホストを構成し、そのうちの6つのみがその時点で実行されている場合でも、10の定義はすべてモデルに存在します。
ttGridAdmin
ユーティリティを使用してグリッド・コンポーネント(インストール、ホスト、インスタンスなど)を追加するたびに、これらのグリッド・コンポーネントに対応するモデル・オブジェクトがモデルに追加されます。各モデル・オブジェクトではグリッド・コンポーネントの属性および関係が指定されます。
一部のモデル・オブジェクトには他のオブジェクトへの関係があります。図1-10に、モデル・オブジェクト間で関係が格納される方法を示します。つまり、ホスト、インストールおよびインスタンスには、次の関係があります。
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インストール・モデル・オブジェクトは、インストールされているホスト・モデル・オブジェクトを指します。
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管理インスタンス・モデル・オブジェクトとデータ・インスタンス・モデル・オブジェクトの両方は、インスタンスが使用するインストールのインストール・モデル・オブジェクトおよびインスタンスがインストールされているホスト・モデル・オブジェクトを指します。
図1-10に、モデル内に格納されているホスト、インストールおよびインスタンス間の2つの異なるタイプの関係を示します。
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1つのデータ・インスタンスを含むホストに単一のインストールをインストールします。データ・インスタンスはインストール、およびそのデータ・インスタンスが存在するホストを指します。
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単一のホストに複数のデータ・インスタンスを作成し、すべてのデータ・インスタンスは単一のインストールを共有します。各データ・インスタンスは、同じホストおよび同じインストールを指します。インストールは、インストールされているホストを指します。可用性を高めるには、1つのホスト上で複数のデータ・インスタンスを使用しないでください。
モデルにモデル・オブジェクトを追加または削除する場合、これらの変更は、明示的に適用されるまで、ただちにグリッドに影響を与えることはありません。変更の適用後、TimesTen Scaleoutは稼働中のグリッドに現在のモデルを実装します。たとえば、モデルの最新バージョンに新規インストール・モデル・オブジェクトとデータ・インスタンス・モデル・オブジェクトを追加する場合、モデルに変更を適用すると、そのホストでインストールとデータ・インスタンスの両方を作成および初期化するために必要なすべての操作が実行されます。