12 データベースのバックアップ、リストアおよびリカバリ

データベースのバックアップ、リストアおよびリカバリ操作を確認します。

データベースのバックアップおよびリカバリ・オプションについて

Oracle Database Applianceでデータベースをバックアップし、リストアおよびリカバリ機能を使用してデータベースを同じシステムまたは別のシステムにリストアするか、データベース・ファイルをリカバリします。

Oracle Database Applianceでデータベースをデータ損失から守るには、バックアップ・リカバリ戦略の作成が重要です。ユーザー・エラーや、ディスクの物理的な問題により、データベースの実行に必要なディスク・ファイルに対する読取り操作や書込み操作が失敗する可能性があります。バックアップ・ポリシーは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースで作成できます。

次のバックアップ・オプションを使用できます。

  • Oracleの高速リカバリ領域(FRA)ディスク(内部FRA)へのバックアップ

  • Oracle Cloud Infrastructure Object Storage (Oracle Object Storage)へのバックアップ

  • ネットワーク・ファイル・システム(NFS)の場所(外部FRA)へのバックアップ

バックアップ、リストアおよびリカバリ機能は、システム内のバックアップ・ポリシーがアタッチされているデータベースで使用できます。バックアップの管理や、バックアップ、リストアおよびリカバリのオプションの設定ができます。

バックアップ機能を使用すると、バックアップの場所、リカバリ・ウィンドウ、クロスチェックの有効化と無効化、ObjectStoreSwiftオブジェクトの詳細などのバックアップ・パラメータを使用してバックアップ・ポリシーを作成できます。新規データベースの場合も既存のデータベースの場合も、バックアップを実行するためのバックアップ・ポリシーを作成してデータベースにアタッチできます。データベースにバックアップ・ポリシーがアタッチされると、DCSエージェントは、そのデータベースについて、データベースのバックアップおよびアーカイブ・ログのバックアップを自動的にスケジュールします。デフォルトでは、データベース・バックアップ・スケジュールの頻度は1日に1回、アーカイブ・ログ・バックアップ・スケジュールの頻度は30分です。データベース・バックアップ・スケジューラは毎週日曜日にレベル0のバックアップを実行し、月曜日から土曜日までレベル1のバックアップを実行します。ただし、レベル0のバックアップ日は、デフォルトの日曜日から任意の曜日に変更できます。データベース・バックアップ・スケジューラおよびアーカイブ・ログ・バックアップ・スケジューラは、無効にすることや、頻度を変更することができます。

DCSエージェントは、バックアップごとにバックアップ・レポートを生成して保存します。バックアップ・レポートには、データベースのリカバリまたはリストアに必要なメタデータが含まれています。

Oracle Database Applianceは、Oracle Recovery Manager (RMAN)を使用してデータベースをリカバリします。バックアップ・レポート、Point-in-Time (PITR)、システム変更番号(SCN)、または最新のバックアップからリカバリできます。バックアップ・レポートをリカバリに使用した場合、バックアップ・レポートからSCN値を読み取ることによってSCNリカバリを実行します。データ・ブロック、表領域、データ・ファイル、PDBのリカバリについては、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス・ガイドを参照してください。

バックアップ・ポリシー

バックアップ・ポリシーでバックアップ詳細を定義します。バックアップ・ポリシーを作成するときには、データベース・バックアップの保存先として、内部FRA (ディスク)または外部FRA (NFSの場所)、あるいはOracle Object Storageを定義し、リカバリ・ウィンドウを定義します。

バックアップおよびリカバリにOracle Object Storageを使用する場合は、ObjectStoreリソースIDまたは名前が必要です。

バックアップ・ポリシーは、データベースの作成時にデータベースに割り当てることができます。バックアップ・ポリシーを既存のデータベースにアタッチすることや、バックアップ・ポリシーを更新することもできます。

バックアップ・ポリシーの作成中に圧縮アルゴリズムを指定できます。サポートされている圧縮アルゴリズムはBASIC、LOW、MEDIUMおよびHIGHです。Objectstoreバックアップ・ポリシーの場合は、任意の圧縮アルゴリズムを指定できます。デフォルトでは、Objectstoreバックアップ・ポリシーの作成時に圧縮アルゴリズムを指定しない場合、MEDIUM圧縮アルゴリズムが使用されます。デフォルトでは、ディスクまたはNFSバックアップ・ポリシーの作成時に圧縮アルゴリズムを指定しない場合、BASIC圧縮アルゴリズムが使用されます。ディスクまたはNFSバックアップ・ポリシーにLOW、MEDIUMまたはHIGH圧縮アルゴリズムを使用する場合のライセンスの考慮事項については、『Oracle Databaseライセンス情報ユーザー・マニュアル』を参照してください。

バックアップ・レベル

バックアップを作成するときのバックアップ・レベルを指定します。サポートされているバックアップ・レベルは次のとおりです。

  • レベル0: このバックアップは、データファイル内のすべてのブロックを取得します。デフォルトでは、レベル0のバックアップは毎週日曜日に行われます。バックアップ設定は、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドラインを使用してカスタマイズできます。レベル0バックアップは完全バックアップであり、レベル1バックアップの親として使用されます。

  • レベル1: このバックアップは、各データファイルのバックアップ間で変更されたブロックのみを取得する増分バックアップです。デフォルトでは、レベル1バックアップは月曜日から土曜日まで毎日行われ、変更されたデータファイル内の各ブロックのイメージを取得します。レベル1バックアップは差分バックアップです。レベル1バックアップには、直近のレベル1またはレベル0バックアップより後に変更されたブロックが含まれます。

  • LongTerm: このバックアップは、長期のアーカイブ・バックアップです。LongTermを使用して、包括的なバックアップを作成し、バックアップ保存ポリシーから除外します。データベースのリストアおよびリカバリに必要なすべてのファイルが1つの場所にバックアップされるため、このバックアップは包括的になります。バックアップは、リカバリ・ウィンドウで定義された保存ポリシーから除外されます。長期バックアップの場合は、外部FRA (NFSの場所)またはObjectstoreバックアップ・ポリシーを使用する必要があります。

  • Archivelog: まだバックアップの保存先(内部FRA、外部FRA (NFSの場所)、Object Storeなど)にバックアップされていない、すべてのアーカイブ・ログのバックアップです。

データベースのバックアップ構成を変更すると、データベース・バックアップ・スケジュールおよびアーカイブ・ログ・バックアップ・スケジュールが自動的に作成されます。自動データベース・バックアップ・スケジュールでは、「Level 0 Backup Day」の曜日(デフォルトでは日曜日)にレベル0バックアップが作成され、残りの曜日にレベル1が作成されます。また、自動アーカイブ・ログ・バックアップ・スケジュールでは、データベースのアーカイブ・ログ・バックアップは、デフォルトの頻度である30分間隔で作成されます。これらのバックアップ・スケジュールを編集して、有効または無効にすることやcron式で頻度を変更することができます。

ディスクへのバックアップ

ディスクにバックアップする場合、ディスクのOracleの高速リカバリ領域(FRA)を使用しています。FRAは、Oracleデータベースでのバックアップおよびリカバリ操作を可能にするストレージ・ディレクトリです。このディレクトリには、アーカイブREDOログ、バックアップ・ピースとコピーおよび制御ファイルが含まれています。

ディスクへのバックアップの利点は次のとおりです。

  • ディスクに格納されたバックアップからの迅速なリカバリ

  • リカバリ関連ファイル(アーカイブ・ログなど)の管理の自動化

ノート:

  • ディスクにバックアップする場合、非TDEデータベースのデータは暗号化されず、RMANバックアップの暗号化は許可されません。また、ディスクへのバックアップには大量のディスク領域(データベースのサイズの最大2から3倍)が必要です。
  • データベースがTDE対応の場合、バックアップ先に関係なく、RMANバックアップ暗号化パスワードは必要ありません。

ディスクを使用する場合のバックアップおよびリカバリのワークフローの概要は次のとおりです。

  1. バックアップ・ポリシーを作成して、バックアップ先(ディスク)およびディスクの保存先のリカバリ・ウィンドウを定義します。

  2. データベースを作成し、バックアップ・ポリシーをデータベースにアタッチします。データベースにバックアップ・ポリシーが関連付けられると、アーカイブ・ログのバックアップとデータベースのバックアップが自動的に作成されます。

  3. 古いバックアップを管理します。

  4. ディスク上のバックアップからデータベースをリカバリします。

外部FRAへのバックアップ(ネットワーク・ファイル・システム)

バックアップ用のネットワーク・ファイル・システム(NFS)の場所を指定すると、データベース・バックアップをいつでも安全かつ確実に格納または取得できます。

NFSバックアップの場所を使用する利点は次のとおりです。

  • NFSを使用すると、ネットワーク上でローカル・ファイル・システムをマウントすることによって、リモート・ファイルにローカルでアクセスできます。

  • 一元化されたバックアップ場所が提供され、手動でのリフレッシュは必要ありません。

  • ファイアウォールとKerberosを使用した拡張セキュリティ・オプションがサポートされます。

  • パスワードを使用した暗号化バックアップのサポート。オプションで、バックアップ・パスワードを設定し、リストア操作中に同じパスワードを指定します。

  • RMANバックアップ暗号化パスワードは、TDEが有効になっていないデータベースに適用されます。データベースでTDEが有効になっている場合、バックアップ先に関係なく、RMANバックアップ・パスワードは必要ありません。

NFSの場所を使用する場合のバックアップおよびリカバリのワークフローの概要は次のとおりです。

  1. NFSの場所のマウント・ポイントを作成します。

    マウント・ポイントは両方のノードからアクセスできる必要があります。oracleユーザーは、NFSの場所に対する読取り/書込み権限を持っている必要があります。リモート・サーバーに対してリクエストが行われている場合は、そのリクエストが実行中であることを確認します。マウント・ポイントを作成する手順については、NFSバックアップの場所のマウント・ポイントの作成を参照してください。

  2. NFSの場所、およびNFS宛先のリカバリ・ウィンドウを指定して、バックアップ・ポリシーを作成します。

  3. データベースの作成時に、またはデータベースのバックアップ・ポリシーを更新して、データベースをこのバックアップ・ポリシーに関連付けます。

  4. バックアップは自動的にスケジュールされ、手動バックアップも実行できます。手動バックアップ・オプションは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはODACLIコマンドを使用して指定できます。

  5. 古いバックアップを管理します。

  6. バックアップからリストアします。バックアップをNFSに保存する場合、データベースを同じシステムまたは別のシステムにリストアできます。

  7. NFSのバックアップからデータベースをリカバリします。

Oracle Object Storageへのバックアップ

Oracle Object Storageは、データベースのバックアップをいつでも安全かつ確実に格納または取得できる、非常にセキュアでスケーラブルなストレージ・プラットフォームです。データおよび関連するメタデータは、論理コンテナ(バケット)にオブジェクトとして格納されます。Oracle Database Applianceは、バックアップ・レポートおよび各バックアップを識別するための一意のIDを作成します。

Oracle Object Storageは、Oracle Cloud Infrastructure Identity and Access Managementと緊密に統合されています。データ、データに関連付けられたユーザー定義メタデータおよび暗号化キーは、256ビットのAdvanced Encryption Standard (AES- 256)を使用して自動的に暗号化されます。暗号化キーは頻繁にローテーションされ、無効にできません。デフォルトでは、特定のリソースへのアクセス権を明示的に付与された認証済ユーザーのみが、Oracle Object Storageに格納されているデータにアクセスできます。データは、HTTPSプロトコルを使用してSSLエンドポイント経由でアップロードおよびダウンロードされます。

Oracle Object Storageにバックアップする場合は、バックアップ・ポリシーおよびOracle ObjectStoreSwift資格証明を使用します。資格証明は、暗号化されたOracleウォレットに格納されます。資格証明は、1つ以上のバックアップ・ポリシーにアタッチできます。

ノート:

資格証明は、Oracle Object Storageを使用するバックアップ・ポリシーの作成時に検証されます。資格証明は、URLおよびテナンシに対して検証されません。

Oracle Object Storageを使用する利点は次のとおりです。

  • バックアップは、非TDEデータベースのパスワードを使用して暗号化されます。TDE対応データベースの場合、バックアップはデフォルトで暗号化されるため、RMANバックアップ暗号化パスワードを個別に指定する必要はありません。

    注意:

    バックアップ中に使用するパスワードを安全な場所に保存し、リカバリ操作中にパスワードを指定する必要があります。
  • バックアップからの迅速なリカバリ。Oracle Object Storageを使用すると、ブラウザ・ユーザー・インタフェースを安全かつ確実に使用して、いつでもクラウド・プラットフォーム内からデータを直接格納または取得できます。

  • リカバリ関連ファイル(アーカイブ・ログなど)の管理の自動化

  • Oracle Object Storageはオペレーティング・システムによって直接アクセスされるのではなく、APIを使用してアプリケーション・レベルでストレージにアクセスします。

Oracle Object Storageを使用する場合のバックアップおよびリカバリのワークフローの概要は次のとおりです。

  1. 資格証明を使用してオブジェクト・ストア・オブジェクトを作成します。

  2. バックアップ・ポリシーを作成して、バックアップの場所(オブジェクト・ストア)、オブジェクト・ストア資格証明名、バックアップを格納するコンテナ(バケット)名およびリカバリ・ウィンドウを定義します。

  3. データベースを作成し、データベース作成の一部としてバックアップ・ポリシーをアタッチするか、データベースの作成後にバックアップ・ポリシーでデータベースを更新します。バックアップ・ポリシーがデータベースに関連付けられると、バックアップが自動的に作成されます。

  4. 古いバックアップを管理します。

  5. バックアップからリストアします。バックアップをOracle Object Storageに保存する場合、データベースを同じシステムまたは別のシステムにリストアできます。

  6. Oracle Object Storageのバックアップからデータベースをリカバリします。

ノート:

このバックアップ・オプションを使用する前に、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageアカウントを作成する必要があります。アカウントを作成するときに、アカウント資格証明、エンド・ポイントURLおよびバケットを定義します。Oracle Storeに移動し、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageにサインアップします。

バックアップ・レポート

バックアップ・レポートはバックアップごとに生成され、リカバリ・カタログに似ていますが、置き換わるものではありません。レポートには、データベースのリストアまたはリカバリに必要なOracle Database Appliance情報およびメタデータが含まれています。バックアップ・レポートは、データベースのリストアまたはリカバリに必要なすべての情報を追跡するように設計されています。

レベル1のバックアップ・レポートの例を次に示します。

{
  "id" : "2d82460c-d648-4e75-8c7d-72cc90bc442a",
  "dbResId" : "b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4329",
  "tag" : null,
  "dbId" : "2717054291",
  "dbName" : "HRDbO",
  "dbUniqueName" : "HRDbOu",
  "backupType" : "REGULAR-L1",
  "keepDays" : null,
  "backupLocation" : "https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/dbaasimage/backupbucket",
  "cfBackupHandle" : "c-2717054291-20171108-04",
  "spfBackupHandle" : "c-2717054291-20171108-04",
  "pitrTimeStamp" : "November 08, 2017 12:43:14 PM UTC",
  "pitrSCN" : "1175058",
  "resetLogsTimeStamp" : "November 08, 2017 09:55:34 AM UTC",
  "resetLogsSCN" : "1112268",
  "oraHomeVersion" : "12.2.0.1.170814 (26723265, 26609817)",
  "sqlPatches" : "25811364,26609817",
  "backupLogLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/dbaasimage/backupbucket/scaoda702c1n1/rmanlog/HRDbOu/2717054291/2017-11-08/rman_backup_2017-11-08_12-42-41.0545.log",
  "tdeWalletLoc" : null,
  "dbConfigLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/dbaasimage/backupbucket/scaoda702c1n1/dbconfig/HRDbOu/2717054291/2017-11-08/DBCONFIG_TAG20171108T124407_2017-11-08_12-44-07.0533.tar.gz",
  "name" : "Backup_Report_HRDbO",
  "createTime" : "November 08, 2017 12:42:08 PM UTC",
  "state" : {
    "status" : "CONFIGURED"
  },
  "updatedTime" : "November 08, 2017 12:44:12 PM UTC",
  "backupReportLogDetail" : "https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/dbaasimage/backupbucket/scaoda702c1n1/rmandetaillogreport/HRDbOu/2717054291/2017-11-08/rman_list_backup_detail_2017-11-08_12-44-04.0362.log",
  "dbInfo" : {
    "dbClass" : "OLTP",
    "dbType" : "RAC",
    "dbShape" : "odb1",
    "dbEdition" : "EE",
    "dbStorage" : "ASM"
  },
  "dbDataSize" : "1542M",
  "dbRedoSize" : "16403M"
}

TDEウォレットのバックアップについて

データベースのバックアップが実行されると、TDEウォレットのバックアップも取得されます。データベース・バックアップのタイプは、regular-L0、regular-L1、longtermおよびarchivelogです。odacli list-tdebackupreportsコマンドを使用して、バックアップ保存先にある最新のTDEウォレット・バックアップを表示します。たとえば、tdedb1という名前のTDE対応データベースに、ディスク、次にNFS、その後にOracle Object Storageのバックアップ構成がアタッチされており、そのデータベースが最終的にこれらの各バックアップ保存先にバックアップされた場合、odacli list-tdebackupreportsコマンドでは、データベースtdedb1について、ディスク、NFSおよびOracle Object Storageというバックアップ保存先それぞれに対応するTDEウォレット・バックアップのエントリ3つがリストされます。最新のコピーを選択するのは、TDEウォレットが累積的なウォレットであるためです。つまり、再入力操作などによる以前のすべての変更点が、最新のTDEウォレット自体に含まれているためです。

リカバリ・オプションについて

Oracle Database Applianceのリカバリでは、常に完全なデータベースのリストアまたはリカバリが実行されます。リカバリ・オプションは、LATEST、PITR、SCNおよびBackupReportです。

次のタイプのリカバリを使用できます。

  • LATEST: 完全リカバリを実行します(有効なバックアップおよびすべての必要なアーカイブ・ログとオンラインREDOログが使用可能である必要があります)

  • PITR: データベースの現在のインカネーション内の指定されたタイムスタンプへのリカバリを実行するPoint-in-Timeリカバリ

  • SCN: リカバリを実行するSCNベースのリカバリは、データベースの現在のインカネーション内の指定されたSCNへの不完全リカバリです。

  • BackupReport: バックアップ・レポートSCNに基づいてリカバリを実行します。BackupReportオプションはSCNに似ていますが、指定されたSCNではなくバックアップ・レポートSCNがリカバリで使用される点が異なります。

Point-in-Timeデータベース・リカバリ

Point-in-Timeリカバリ(PITR)は、データベースを特定の時点にリカバリします。このタイプのリカバリではタイムスタンプを指定する必要があります。

point-in-timeリカバリは、多くの場合、次の状況で使用されます。

  • ユーザーまたは管理エラーの前のSCNにデータベースをリカバリする場合。

  • 必要なアーカイブREDOログの一部が使用できなかったため、データベースの完全リカバリに失敗した場合。

  • データベースのアップグレードが失敗した場合。

  • 本番データベースのバックアップからテスト・データベースまたはレポート・データベースを作成する場合。

システム変更番号のリカバリ

システム変更番号(SCN)は、ある時点におけるデータベースのコミットされたバージョンを定義するスタンプです。Oracleでは、コミットされたすべてのトランザクションに一意のSCNが割り当てられます。データベースを最新の時間またはSCNにリカバリできます。

ターゲット時間より前に作成されたバックアップからデータベースをリストアした後、増分バックアップおよびログを適用して、データ・ファイルのバックアップ時間とリカバリの終了時点の間のすべての変更を再作成します。終了時点がSCNとして指定されている場合、データベースはREDOログを適用し、各REDOスレッドまたは指定されたSCNのいずれか早い方の後で停止します。終了時点が時刻として指定されている場合、データベースは指定された時刻に適したSCNを内部で判別し、このSCNにリカバリします。

SCNは、Oracleデータベースのデータ整合性を維持するための主要なメカニズムです。実行ごとに、SCNの数が増加します。SCNを使用する領域の例を次に示します。

  1. REDOレコード。すべてのREDOレコードには、REDOヘッダーにREDOレコードのSCNバージョンがあります(REDOレコードには一意でないSCNを指定できます)。(RACの場合と同様に) 2つのスレッドからREDOレコードが指定された場合、リカバリは基本的に厳密な順序を維持して、SCNの順序でレコードを順序付けします。

  2. データ・ブロック。すべてのデータ・ブロックにブロックSCN (ブロック・バージョン)があります。これに加えて、REDOレコードの変更ベクトルにもブロックSCNが必要です。つまり、変更ベクトルは、ブロックの1つのバージョンにのみ適用できます。コードは、REDOレコードを適用する前に、変更ベクトルのターゲットSCNがブロックSCNと一致しているかどうかをチェックします。不一致がある場合は、破損エラーがスローされます。

  3. 読取り一貫性。すべての問合せには、問合せの開始時にSCNを含む問合せ環境があります。セッションでは、そのトランザクション・コミットSCNが問合せ環境SCNよりも小さい場合にのみ、トランザクションの変更を確認できます。

  4. コミット。すべてのコミットで、トランザクション境界をマークするSCN (コミットSCN)が生成されます。グループ・コミットも可能です。

アーカイブ・ログのリストア

データベースの自動バックアップ・ポリシー(Regular-L0およびRegular-L1)はarchivelogを削除し、これは、Oracle Data Guardの構成や回復操作など、後のプロセスで不可欠になる場合があります。Oracle Database Applianceでは、データベースのアーカイブ・ログのリストアがサポートされています。アーカイブ・ログのリストアを、あるSCNから別のSCNまでにするか、あるタイムスタンプから別のタイムスタンプまでにするかを選択できます。

SCNまたはタイムスタンプ期間を指定して、コマンドodacli restore-archivelogを実行します。

不要なデータベース・バックアップ

古いバックアップが不要になったら、削除することが重要です。データベース・バックアップがいつ不要になるかは、データベース・バックアップ・ポリシーで定義したバックアップのタイプとリカバリ・ウィンドウによって決まります。

レベル0バックアップ、レベル1バックアップおよびアーカイブ・ログ・バックアップの場合は、特定のデータベース・リソース識別子に対してコマンドodacli delete-backupを実行して、定義したリカバリ・ウィンドウに基づいて不要なバックアップおよびバックアップ・レポートを削除します。

長期バックアップの場合は、対応するバックアップ・レポートを入力として指定し、コマンドodacli delete-backupを使用して、Oracle Object StorageまたはNFSバックアップの場所およびコマンドで指定したバック・レポートからバックアップを削除します。

通常、古いレベル0およびレベル1のデータベース・バックアップは、定義されたリカバリ・ウィンドウに基づいて不要とみなされ、odacli delete-backupコマンドを実行するとそれらの不要なバックアップが削除されます。定義されたリカバリ・ウィンドウは次のとおりです。
  • ディスク: 1-14日

  • Object Storage: 1-30日

NFSバックアップの場所のマウント・ポイントの作成

ネットワーク・ファイル・システム(NFS)の場所のマウント・ポイントを作成して、NFSバックアップおよびリカバリ・オプションを設定します。

NFSの場所のマウント・ポイントを作成するには、次のステップに従います。
  1. ソース・マシンで次のステップを実行します。
    1. ソース・マシン上に共有可能な場所を作成し、このディレクトリに対する完全な権限を付与します。
      # mkdir /tmp/nfs_test 
      chmod 774 /tmp/nfs_test 
    2. shared_location destination_IPs (permissions)という形式で/etc/exportsファイルにエントリを追加します。
      次に例を示します。
      # cat /etc/exports
      /tmp/nfs_test 192.0.2.1(rw,sync)
      /tmp/nfs_test 192.0.2.2(rw,sync)
    3. ホスト上でNFSサーバーを再起動します。
      # service nfs  restart
    4. エクスポート・リストでエントリを確認します。
      # showmount -e
      Export list for oda1:
      /tmp/nfs_test 192.0.2.1,192.0.2.2
  2. クライアント・マシンで次のステップを実行します。
    1. クライアント・マシン上でoracleユーザーとしてクライアントの場所を作成します。
      # sudo -E -u oracle mkdir /tmp/client_location
    2. この場所をソースの場所とともにmount_server:source_folder client_locationという形式でマウントします。
      # mount -t nfs 192.0.2.3:/tmp/nfs_test /tmp/client_location
    3. マウントの詳細が正しいかどうかを確認します。
      # mount 
      192.0.2.3:/tmp/nfs_test on /tmp/client_location type nfs 
      (rw,vers=4,addr=192.0.2.3,clientaddr=192.0.2.2)
      
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはCLIコマンドを使用して、バックアップ構成にこのNFSの場所を指定します。

オブジェクト・ストア・アクセス用のエージェント・プロキシ設定の構成

オブジェクト・ストアIPアドレスがOracle Database Applianceサーバーによるプロキシ設定を介してのみアクセス可能である場合、エージェントがオブジェクト・ストアにアクセスできるように、エージェントのプロキシ設定を定義します。

オブジェクト・ストアの場所を使用するバックアップ・ポリシーを作成するには、エージェントがオブジェクト・ストアURLにアクセスできる必要があります。
  1. update-agentconfig-parametersコマンドでHttpProxyHostおよびHttpProxyPort設定を定義します。
     # odacli update-agentconfig-parameters -n HttpProxyHost -v www-proxy.test.com -n HttpProxyPort -v 80 -u
    
    Job details
    ----------------------------------------------------------------
    ID: 0b0cbf9b-b0ab-4523-a096-5da4e48fc825
    Description: Update agent configuration parameter values [HttpProxyHost, HttpProxyPort]
    Status: Created
    Created: October 23, 2018 4:56:53 PM IST
    Message:
    
    Task Name Start Time End Time Status
    ----------------------------------------

    update-agentconfig-parametersコマンドの使用方法の詳細は、Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェースを参照してください。

  2. 更新が成功したことを確認します。
    # odacli describe-job -i 0b0cbf9b-b0ab-4523-a096-5da4e48fc825
    
    Job details
    ----------------------------------------------------------------
    ID: 0b0cbf9b-b0ab-4523-a096-5da4e48fc825
    Description: Update agent configuration parameter values [HttpProxyHost, HttpProxyPort]
    Status: Success
    Created: October 23, 2018 4:56:53 PM IST
    Message:
    
    Task Name Start Time End Time Status
  3. list-agentconfigParametersコマンドを実行して、プロキシ設定の変更を表示します。
    # odacli list-agentConfigParameters
    
    Name Value Description Updated
    ------------------------------ ----------------------------------------
    HttpProxyHost www-proxy.test.com October 23, 2018 4:56:53 PM IST
    HttpProxyPort 80 October 23, 2018 4:56:53 PM IST
    HttpsProxyHost Https proxy server host October 23, 2018 12:23:21 AM IST
    HttpsProxyPort Https proxy server port October 23, 2018 12:23:21 AM IST
    OSPatchRepos Repo list for OS patching October 23, 2018 12:23:21 AM IST
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して、バックアップにObjectStoreの場所を使用するバックアップ・ポリシーを作成できるようになりました。

データベース・バックアップ・ポリシーの作成

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して内部または外部のOracleの高速リカバリ領域(FRA)の場所またはオブジェクト・ストアにデータベースをバックアップするポリシーを作成する方法を理解します。

バックアップ・ポリシーでは、バックアップを格納する場所やリカバリ・ウィンドウなどのバックアップを定義します。ディスクへのバックアップには、大量のディスク領域(データベースのサイズの最大2から3倍)が必要です。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースからバックアップ・ポリシーを作成するには、次のステップに従います。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで「Database」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションで「Backup Policy」をクリックして、バックアップ・ポリシーのリストを表示します。
  3. 「Create Backup Policy」をクリックします。
  4. バックアップ・ポリシーの名前を入力し、リカバリ・ウィンドウの日数を選択します。「Enable Crosscheck」を選択して、ディスク上またはメディア管理カタログ内のファイルがRMANリポジトリのデータに対応しているかどうかを確認します。デフォルトでは、「Enable Compression」チェック・ボックスが選択されています。このオプションを選択すると、バックアップが圧縮されます。バックアップ先として次のいずれかを選択します。
    • ディスクにバックアップするには、バックアップ先として「Internal FRA」を選択します。
    • クラウドにバックアップするには、バックアップ先として「ObjectStore」を選択します。複数のオブジェクト・ストアがある場合は、リストからオブジェクト・ストア資格証明名を選択します。「Container Name」フィールドに名前を入力します。
    • NFSの場所にバックアップするには、バックアップ先として「External FRA」を選択し、NFSマウント・ポイントの場所を指定します。
    • 宛先を定義しない場合は、「None」を選択します。
    バックアップ・ポリシー名は英字で始め、英数字のみを含める必要があります。
  5. バックアップ構成をTDE対応データベースに関連付けるには、「TDE Wallet Backup Location」を指定する必要があります。
  6. 「Create」をクリックします。「Yes」をクリックして、バックアップ・ポリシーを作成することを確認します。
    ジョブへのリンクが表示されます。ジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。
既存のデータベースを更新し、IDまたは名前を使用してバックアップ構成をデータベースにアタッチします。バックアップ構成をデータベースにアタッチすると、DCSエージェントはデータベースの日次自動バックアップおよびデータベースのarchivelogの自動バックアップをスケジュールします。

バックアップ・ポリシーを使用したデータベースの更新

データベースにバックアップ・ポリシーをアタッチして、データベースのバックアップ属性およびバックアップ先を定義します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Database」タブをクリックします。
  2. 変更するデータベースに対して、「Actions」ドロップダウン・リストで「Modify」を選択します。
  3. 「Modify Database」ページで、「Select Backup Policy」ドロップダウン・リストからバックアップ・ポリシーを選択します。
  4. 「Backup Encryption Password」を指定して確認します。
  5. 「Modify」をクリックしてジョブを発行します。
  6. 「Activity」タブをクリックして、ジョブ・ステータスを確認します。
    ジョブが正常に完了すると、バックアップ・ポリシーがデータベースに関連付けられます。

バックアップ・ポリシーの更新

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、リカバリ・ウィンドウの更新、ObjectStore資格証明の変更、またはバックアップ・ポリシーのクロスチェック・オプションの変更を行います。

クロスチェックでは、メディア管理カタログ内のディスク上のファイルがRMANリポジトリのデータに対応しているかどうかを確認します。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで「Database」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションで「Backup Policy」をクリックして、バックアップ・ポリシーのリストを表示します。
  3. バックアップ・ポリシーの「Actions」メニューを展開し、「Update」をクリックします。
  4. リカバリ・ウィンドウを変更するには、上矢印または下矢印を使用して日数を変更します。
  5. クロスチェックを有効または無効にするには、「Enable Crosscheck」を選択または選択を解除します。
  6. 「Update」をクリックします。「Yes」をクリックして、バックアップ・ポリシーを更新することを確認します。
    ジョブへのリンクが表示されます。ジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベースのバックアップ

データベースへのバックアップ・ポリシーの適用、手動バックアップの作成、データベース・バックアップ・スケジュールの更新、またはアーカイブ・ログ・バックアップ・スケジューラの更新を行います。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して、データベース・バックアップを作成できます。コマンドライン・インタフェースで、指定したデータベースに対してコマンドodacli create-backupを使用します。
データベース・バックアップを作成する前に、バックアップ・ポリシーが必要です。バックアップ・ポリシーでは、リカバリ・ウィンドウとバックアップ先を定義します。バックアップ・ポリシーをデータベースに関連付ける必要があります。そうしないと、バックアップを作成できません。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースからデータベースをバックアップするには、次のステップに従います。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Database」タブをクリックします。
  2. データベース名をクリックして、リストからデータベースを選択します。
  3. バックアップ・ポリシー名および宛先の詳細を含むデータベース情報を確認します。データベースのバックアップ・ポリシーを選択するには、「Apply Backup Policy」をクリックします。ポリシーを選択し、「Backup Encryption Password」を指定します。TDE対応データベースの場合、バックアップはデフォルトで暗号化されるため、RMANバックアップ暗号化パスワードを個別に指定する必要はありません。TDEが有効になっていないデータベースの場合、「Backup Encryption Password」はObjectstoreバックアップ先では必須であり、NFSバックアップ先ではオプションであり、ディスク・バックアップ先では必要ありません。
  4. 「Manual Backup」「Update Database Backup Schedule」または「Update Archive Log Backup Schedule」をクリックします。
    アクションが無効になっている場合は、バックアップ・ポリシーを適用します。
  5. 「Yes」をクリックしてジョブを確認します。
    ジョブへのリンクが表示されます。ジョブが正常に完了すると、バックアップの準備が整います。ページの下部にバックアップのリストが表示されます。

バックアップ・レポートの表示

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してバックアップ・レポートを表示する方法を理解します。

データベース・バックアップの実行時にレポートが生成されます。バックアップ・レポートには、バックアップのタイプ、場所、日付およびタイムスタンプがリストされます。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Database」タブをクリックし、データベースのリストでデータベース名をクリックします。
    データベースに関する情報が「Database Information」ページに表示されます。
  2. ページの下部までスクロールして、バックアップのリストを表示します。
  3. バックアップのジョブIDをクリックして、バックアップ・レポートとバックアップに関する詳細を表示します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベースのリカバリ

データベースのリカバリに使用できるリカバリ・オプションについて理解します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Database」タブをクリックし、リストからデータベースを選択します。
  2. 「Database Information」ページで、「Recover」をクリックします。
  3. 「Recover Database」ページで、次のいずれかのリカバリ・オプションを選択します。

    Recover Full Database to the specified Backup: データベースのリカバリ元となる既存のバックアップを選択します

    Recover Full Database to the Latest: 過去の正常な状態(データ損失の可能性が最も低い状態)からデータベースをリカバリするには、このオプションを選択します。

    Recover Full Database to the specified Timestamp: データベースをリカバリするタイムスタンプを指定します。

    Recover Full Database to the System Change Number (SCN): データベースのリカバリ元となるバックアップのSCNを指定します。

  4. 透過的データベース暗号化(TDE)が有効になっていないデータベースの「Backup Encryption Password」を指定して確認します。
  5. データベースでTDEが有効になっている場合は、「TDE Wallet Backup Location」および「TDE Password」フィールドが表示されます。
  6. 「Activity」タブをクリックして、ジョブ・ステータスを確認します。
    ジョブが正常に完了すると、指定したリカバリ・オプションに従ってデータベースがリカバリされます。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したバックアップの削除

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、データベースのバックアップを削除します。

レベル-0、レベル-1およびアーカイブ・ログのバックアップはいつでも削除できます。長期バックアップを削除するには、データベースのバックアップ・レポートを確認して、バックアップがいつ不要になるかを判断する必要があります。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで「Database」タブをクリックします。
  2. 青いフォントのデータベース名をクリックすると、バックアップを削除するデータベースの詳細が表示されます。
  3. 「Delete Backups」をクリックします。
  4. 削除するバックアップ・タイプ(レベル-0、レベル-1およびアーカイブ・ログのバックアップまたは長期バックアップ)を選択し、「Start」をクリックします。「Yes」をクリックして、バックアップを削除することを確認します。
    ジョブへのリンクが表示されます。ジョブが正常に完了すると、バックアップが削除されます。

バックアップ・ポリシーの削除

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、データベースのバックアップ・ポリシーを削除します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで「Database」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションで「Backup Policy」をクリックして、バックアップ・ポリシーのリストを表示します。
  3. バックアップ・ポリシーの「Actions」メニューを展開し、「Delete」をクリックします。「Yes」をクリックして、バックアップ・ポリシーを削除することを確認します。
    ジョブへのリンクが表示されます。ジョブが正常に完了すると、バックアップ・ポリシーが削除されます。

CLIを使用したバックアップ、リストアおよびリカバリ

コマンドライン・インタフェースを使用して、データベースのバックアップ、リストアおよびリカバリを行います。

ディスクへのデータベースのバックアップの準備

コマンドライン・インタフェースを使用して、データベースをディスクのOracleの高速リカバリ領域(FRA)にバックアップするポリシーを作成します。

バックアップ・ポリシーは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して作成できます。ほとんどのバックアップおよびリカバリ・コマンドでは、データベースを識別するためのリソース名またはリソースIDを指定できます。

ディスクへのバックアップまたはブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Backup to Internal FRA」オプションには、大量のディスク領域(データベースのサイズの最大2から3倍)が必要です。

コマンドライン・インタフェースを介してバックアップ・ポリシーを作成するには、次のステップに従います。

  1. コマンドodacli create-backupconfigを使用して、BackupConfigオブジェクト(バックアップ構成)を作成します。
    バックアップ構成では、バックアップを格納する場所やリカバリ・ウィンドウなどのバックアップを定義します。

    次の例では、diskへのバックアップおよび1日間のリカバリ・ウィンドウを指定したmkg1dailydiskというバックアップ構成を作成します。

    # odacli create-backupconfig -d Disk -n mkg1dailydisk -w 1
  2. ジョブのステータスを確認します。
    # odacli describe-job -i job_id_from_step1
    ジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。
  3. 既存のデータベースを更新し、IDまたは名前を使用してバックアップ構成をデータベースにアタッチします。
    バックアップ構成をデータベースにアタッチすると、DCSエージェントはデータベースの日次自動バックアップおよびarchivelogの自動バックアップをスケジュールします。

    次の例では、データベース・リソースIDとバックアップ構成IDを使用します。

    # odacli modify-database -i d3c4d8f6-5eb7-4f9e-ab27-7bdd5013ac90 -bi 9d942e0a-ba00-4cbc-9bfb-0de83ed279e5 -bp 

    次の例では、データベース・リソース名mydbとバックアップ構成名mydbを使用します。

    # odacli modify-database -in mydb -bin mybcfg

NFSの場所へのデータベース・バックアップの準備

コマンドライン・インタフェースを使用して、データベースを外部FRA (NFSの場所)にバックアップするポリシーを作成します。

バックアップ・ポリシーは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して作成できます。ほとんどのバックアップおよびリカバリ・コマンドでは、データベースを識別するためのリソース名またはリソースIDを指定できます。

NFSの場所へのバックアップまたはブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Backup to External FRA」オプションでは、NFSマウント・ポイントを作成する必要があります。

コマンドライン・インタフェースを介してバックアップ・ポリシーを作成するには、次のステップに従います。

  1. コマンドodacli create-backupconfigを使用して、BackupConfigオブジェクト(バックアップ構成)を作成します。
    バックアップ構成では、バックアップを格納する場所やリカバリ・ウィンドウなどのバックアップを定義します。

    次の例では、diskへのバックアップおよび1日間のリカバリ・ウィンドウを指定したmkg1dailynfsというバックアップ構成を作成します。

    # odacli create-backupconfig -d NFS -n mkg1dailynfs -c absolute-path-to-parent-directory-for-NFS-destination -w 1
  2. ジョブのステータスを確認します。
    # odacli describe-job -i job_id_from_step1
    ジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。
  3. (オプション)既存のデータベースを更新し、IDまたは名前を使用してバックアップ構成をデータベースにアタッチします。
    バックアップ構成をデータベースにアタッチすると、DCSエージェントはデータベースの日次自動バックアップおよびarchivelogの自動バックアップをスケジュールします。

    次の例では、データベース・リソースIDとバックアップ構成IDを使用します。

    #  odacli modify-database -i d3c4d8f6-5eb7-4f9e-ab27-7bdd5013ac90 -bi 9d942e0a-ba00-4cbc-9bfb-0de83ed279e5 -bp 

    次の例では、データベース・リソース名mydbとバックアップ構成名mydbを使用します。

    # odacli modify-database -in mydb -bin mybcfg -bp
    バックアップ・パスワードを指定する-bpオプションはオプションであり、TDE対応データベースには適用できません。

Oracle Cloudへのデータベース・バックアップの準備

Oracle Cloud Infrastructure Object Storageにデータベースをバックアップするためのバックアップ構成を作成します。

Oracle Object Storageにバックアップする前に、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageアカウントにサインアップし、Oracle Object Storage資格証明を確認する必要があります。Oracle ObjectStoreSwiftオブジェクトを作成すると、コマンドによって資格証明の詳細がシステムに作成されて格納され、暗号化されたOracleウォレットにパスワードが格納されます。Oracleウォレットには、Oracle Object Storageのパスワードが含まれています。

Oracle Storeに移動してOracle Cloud Infrastructure Object Storageにサインアップします。

  1. create-objectstoreswiftコマンドを使用して、Oracle ObjectStoreSwiftオブジェクトを作成します。
    # odacli  create-objectstoreswift -e swift end point URL -n Object Store Swift name -t Object Store tenant name -u Object Store user name

    次に例を示します。

    # odacli create-objectstoreswift -e https://swiftobjectstorage.r1.oracleiaas.com/v1 -n ossn1 -t mytenant -u user.name@example.com
    出力には、ObjectStoreSwift資格証明を識別するためのobjectstoreswiftリソースIDが含まれています。
  2. コマンドodacli create-backupconfigを使用して、BackupConfigオブジェクト(バックアップ構成)を作成します。
    バックアップ構成では、バックアップを格納する場所(コンテナ)、リカバリ・ウィンドウ、暗号化されたOracleウォレットに定義されている資格証明などのバックアップを定義します。

    次の例では、ObjectStoreへのバックアップを指定してhr_7d_cloudというバックアップ構成を作成します。次のバックアップ・パラメータが定義されています。コンテナはhr_bucketで、クロスチェックは有効化されておらず、リカバリ・ウィンドウは7日間であり、ObjectStoreSwiftObjectをバックアップ構成にアタッチするObjectStoreSwiftリソースIDが提供されています。

     # odacli  create-backupconfig  -n hr_7d_cloud -d ObjectStore -w 7 -o b974f006-5503-4949-ab6c-6f1a56e4ac37 -c hr_bucket -no-cr  

    ノート:

    ObjectstoreSwiftオブジェクトが有効な資格証明で作成されなかった場合、バックアップ構成の作成は失敗します。
  3. ジョブのステータスを確認します。
    odacli describe-job -i job_id_from_step2
    ジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。
  4. 既存のデータベースを更新して、バックアップ構成をデータベースにアタッチします。
    バックアップ構成をデータベースにアタッチすると、DCSエージェントはデータベースの日次自動バックアップおよびarchivelogの自動バックアップをスケジュールします。
    # odacli modify-database -i e3c4d8f6-5eb7-4f9e-ab27-7bdd5013ac10 -bi 7d942e0a-ba00-4cbc-9bfb-0de83ed279e5 -bp 

ノート:

新しいデータベースを作成する場合、任意のタイプのバックアップ構成にデータベースを関連付けることができます。

CLIを使用したデータベースのバックアップ

コマンドライン・インタフェースを使用して、レベル0、レベル1、LongTermデータベース・バックアップまたはarchivelogバックアップを作成します。

データベース・バックアップは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースで作成できます。バックアップ構成オブジェクトをデータベースにアタッチすると、DCSエージェントはデータベースの日次バックアップを自動的にスケジュールします。日時は、Oracle Database Applianceのタイム・ゾーンに基づきます。AutoScheduleは、毎週日曜日にレベル0のバックアップ、他の6日間にレベル1をトリガーし、archivelogのバックアップを30分ごとにトリガーします。odacli update-scheduleコマンドを使用して、スケジュールされたバックアップ時間を無効化または変更します。

長期データベース・バックアップ、または自動バックアップの外部にレベル0またはレベル1のバックアップを作成するには、コマンドodacli create-backupを使用します。

ノート:

データベースをリカバリするには、バックアップ・レポートにベース・バックアップに関する情報が含まれるように、レベル0のバックアップを作成する必要があります。データベースを同じシステムに異なるDB名とDB一意名でリストアする場合、または別のシステムにリストアする場合、必ずしも長期のデータベース・バックアップ・レポートが必要になるわけではありません。archivelog、レベル0またはレベル1のバックアップ・レポートも使用できます。archivelogバックアップ・レポートを使用する場合、以前のデータベース・バックアップが存在している必要があります。データベースを別のシステムにリストアするには、Oracle Object Storageに長期データベース・バックアップが必要です。
  1. バックアップ構成オブジェクトがデータベースに関連付けられていることを確認します。
  2. odacli create-backupコマンドを使用して、自動バックアップの外部に単一のバックアップを作成します。
    データベース・リソースIDまたはデータベース名を使用して、バックアップするデータベースを識別し、バックアップのタイプを指定し、タグを使用してバックアップの名前を作成します。バックアップ名タグには、最大30文字の英数字を使用できます。たとえば、リソースID 20576eb1-bc32-4e34-bf97-fda0b60ca15b2018Jan02_HRLevel0というレベル0のバックアップを作成します
    # odacli create-backup -i 20576eb1-bc32-4e34-bf97-fda0b60ca15b -bt Regular-L0 -t 2018Jan02_HRLevel0
    ジョブが終了すると、バックアップのバックアップ・レポートが生成されます。レポートには、データベースのリカバリに必要なすべてのメタデータが含まれています。
  3. (オプション)バックアップ・レポートのリストを表示します。
    # odacli list-backupreports 

CLIを使用したデータベースのリカバリ

バックアップ・レポート、point-in-timeリカバリ(PITR)、システム変更番号(SCN)または最新のバックアップ時間を使用して、データベースをシステムにリカバリします。

Oracle Database Applianceでのデータベースのリカバリは、完全なRMANデータベース・リカバリです。

バックアップ・レポートからのリカバリには、バックアップ・レポートのJSON入力が必要です。

TDE対応データベースをリカバリする場合、バックアップ・パスワードを指定する必要はありません。

  1. バックアップ・レポートのリストを表示し、データベースの最新のバックアップ・レポートを見つけて、バックアップ・レポートIDを保存します。
    # odacli list-backupreports
  2. バックアップ・レポートIDを使用して、バックアップ・レポートの詳細を表示します。データベースのリカバリ方法(PITR、SCNまたはLatest)を決定し、バックアップ・レポートで必要な情報を見つけます。
    # odacli describe-backupreport -i 7fbb06bf-e3a3-4aed-b617-4d1cd3d33387
    {
      "id" : "7fbb06bf-e3a3-4aed-b617-4d1cd3d33387",
      "dbResId" : "4903d18a-6c20-4860-9ed0-d2ea7bd3d7b9",
      "tag" : "auto", 
      "dbId" : "3022438697",
      "dbName" : "tdbasm1",
      "dbUniqueName" : "tdbasm1",
      "backupType" : "regular-l0",
      "keepDays" : null,
      "backupLocation" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups",
      "cfBackupHandle" : "c-3022438697-20201022-03",
      "spfBackupHandle" : "c-3022438697-20201022-03",
      "pitrTimeStamp" : "October 22, 2020 07:51:59 AM UTC",
      "pitrSCN" : "2549429",
      "resetLogsTimeStamp" : "October 22, 2020 05:23:56 AM UTC",
      "resetLogsSCN" : "2510142",
      "oraHomeVersion" : "19.8.0.0.200714",
      "sqlPatches" : "31281355",
      "backupLogLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/rmanlog/2020-10-22/rman_backup_auto_2020-10-22_07-51-06.0546.log",
      "tdeWalletLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/TestLtBackupFailur/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/tdewallet/ewallet_2020102207525186_tdbasm1.p12",
      "dbConfigLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/dbconfig/2020-10-22/DBCONFIG_auto_2020-10-22_07-52-43.0230.tar.gz",
      "name" : "Backup_Report_tdbasm1",
      "createTime" : "October 22, 2020 07:51:03 AM UTC",
      "state" : {
        "status" : "CONFIGURED"
      },
      "updatedTime" : "October 22, 2020 07:52:55 AM UTC",
      "backupReportLogDetail" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/rmandetaillogreport/2020-10-22/rman_list_backup_detail_auto_2020-10-22_07-52-33.0919.log",
      "dbInfo" : {
        "dbClass" : "OLTP",
        "dbType" : "SI",
        "dbShape" : "odb1",
        "dbEdition" : "EE",
        "dbStorage" : "ASM",
        "dbRedundancy" : null,
        "pdbName" : null,
        "isCdb" : false
      },
      "dbDataSize" : "1662M",
      "dbRedoSize" : "12298M",
      "rmanBackupPieces" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/backuppieces/2020-10-22/backupPieces_auto_4903d18a-6c20-4860-9ed0-d2ea7bd3d7b9_20201022075238.json",
      "compressionAlgo" : "MEDIUM",
      "cpuPool" : null,
      "numberOfCores" : null
    }
  3. SCNに基づいてバックアップ・レポートからリカバリするには、データベースIDとリカバリ用のバックアップ・レポートを特定します。

    次の例では、バックアップ・レポートのJSON入力ファイルはbackupreport.jsonです。

    # odacli recover-database -i b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4 -br backupreport.json
  4. PITRに基づいてリカバリするには、データベースIDとリカバリの日時スタンプを特定します。
    # odacli recover-database -i b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4 -t PITR -r 01/08/2018 12:57:33
  5. SCNに基づいてリカバリするには、データベースIDとSCN番号を特定します。
    # odacli recover-database -i b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4 -t SCN -s 392375947
  6. 最新のバックアップに基づいてリカバリするには、データベースIDを特定し、「Latest」オプションを使用します。
    # odacli recover-database -i b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4 -t Latest
  7. ジョブが完了したことを検証します。ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Activity」タブでジョブを追跡することも、ジョブIDを指定してコマンドodacli describe-jobを実行することもできます。
    # odacli describe-job -i jobId
    ジョブが正常に完了すると、リカバリは完了します。

ノート:

-pオプションは、データベース・バックアップがRMANバックアップ・パスワードを使用して暗号化されている場合にのみ使用します。-pオプションは、TDE対応データベースには適用できません。

CLIを使用したデータベースのリストア

バックアップ・レポートおよびコマンドライン・インタフェースを使用して、Oracle Object StorageまたはNFSバックアップの場所からシステムにデータベースをリストアできます。

データベースをリストアすると、環境と検証のチェックおよび設定タスクが実行されます。データベースのリストアには、データベース・ストレージの作成、Oracleホーム、制御ファイルの再作成、データベースの登録、RMANのリストアとリカバリの確立など、多くのタスクと構成の詳細が必要です。バックアップごとにOracle Database Applianceのバックアップ・レポートが生成され、データベースのリストアに必要なメタデータが含まれます。レポートは、データベースを迅速かつ効率的にリストアできるように設計されています。

ソース・データベースの削除時に、1つのアプライアンスから別のアプライアンスに、または同じアプライアンスにデータベースをリストアできます。

  • 別のシステムにリストアするには、コマンドodacli create-backupによって生成されたバックアップ・レポートを他のマシン上の任意のフォルダにコピーし、バックアップ・レポートとともにコマンドodacli irestore-databaseを使用します。コマンドodacli irestore-databaseを実行するときは、バックアップ・レポートの完全な場所を指定する必要があります。

  • 同じシステムにリストアするには、ソース・データベースを削除し、コマンドodacli create-backupによって生成されたバックアップ・レポートを使用します。

オブジェクト・ストア・バックアップからデータベースをリストアするには、そのバックアップに対応するバックアップ・レポートがターゲット・システムに存在する必要があります。また、オブジェクト・ストア・バックアップにアクセスできる資格証明を持つObjectStoreSwiftオブジェクトを作成し、データベースをリストアするときに指定する必要があります。

ノート:

Standard Edition Oracle Database 19c以降では、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースはリストアできません。

コマンドライン(CLI)を使用してデータベースをリストアするには、次のステップに従います。

  1. バックアップ・レポートのリストを表示し、Oracle Object StorageまたはNFSでそのデータベースについての最新のバックアップ・レポートを見つけ、そのバックアップ・レポートIDを保存します。
    # odacli list-backupreports
  2. バックアップ・レポートIDを使用して、最新のバックアップ・レポートの詳細を表示します。
    #  odacli  describe-backupreport -i 7fbb06bf-e3a3-4aed-b617-4d1cd3d33387
    {
      "id" : "7fbb06bf-e3a3-4aed-b617-4d1cd3d33387",
      "dbResId" : "4903d18a-6c20-4860-9ed0-d2ea7bd3d7b9",
      "tag" : "auto", 
      "dbId" : "3022438697",
      "dbName" : "tdbasm1",
      "dbUniqueName" : "tdbasm1",
      "backupType" : "regular-l0",
      "keepDays" : null,
      "backupLocation" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups",
      "cfBackupHandle" : "c-3022438697-20201022-03",
      "spfBackupHandle" : "c-3022438697-20201022-03",
      "pitrTimeStamp" : "October 22, 2020 07:51:59 AM UTC",
      "pitrSCN" : "2549429",
      "resetLogsTimeStamp" : "October 22, 2020 05:23:56 AM UTC",
      "resetLogsSCN" : "2510142",
      "oraHomeVersion" : "19.8.0.0.200714",
      "sqlPatches" : "31281355",
      "backupLogLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/rmanlog/2020-10-22/rman_backup_auto_2020-10-22_07-51-06.0546.log",
      "tdeWalletLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/TestLtBackupFailur/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/tdewallet/ewallet_2020102207525186_tdbasm1.p12",
      "dbConfigLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/dbconfig/2020-10-22/DBCONFIG_auto_2020-10-22_07-52-43.0230.tar.gz",
      "name" : "Backup_Report_tdbasm1",
      "createTime" : "October 22, 2020 07:51:03 AM UTC",
      "state" : {
        "status" : "CONFIGURED"
      },
      "updatedTime" : "October 22, 2020 07:52:55 AM UTC",
      "backupReportLogDetail" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/rmandetaillogreport/2020-10-22/rman_list_backup_detail_auto_2020-10-22_07-52-33.0919.log",
      "dbInfo" : {
        "dbClass" : "OLTP",
        "dbType" : "SI",
        "dbShape" : "odb1",
        "dbEdition" : "EE",
        "dbStorage" : "ASM",
        "dbRedundancy" : null,
        "pdbName" : null,
        "isCdb" : false
      },
      "dbDataSize" : "1662M",
      "dbRedoSize" : "12298M",
      "rmanBackupPieces" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/backuppieces/2020-10-22/backupPieces_auto_4903d18a-6c20-4860-9ed0-d2ea7bd3d7b9_20201022075238.json",
      "compressionAlgo" : "MEDIUM",
      "cpuPool" : null,
      "numberOfCores" : null
    }
  3. (オプション)新しいバックアップ・レポートを生成する必要がある場合は、コマンドodacli create-backupを使用します。
    # odacli create-backup
  4. データベース・バックアップのSwiftオブジェクト・ストア資格証明IDを見つけます。
    # odacli list-objectstoreswifts 
  5. ステップ2で取得したバックアップ・レポートを、アプライアンスの任意のディレクトリにJSONファイルとして保存します。たとえば、backupreport.jsonです。
  6. コマンドodacli irestore-databaseでJSONファイルを使用して、データベースをシステムにリストアします。JSONファイルへの絶対パスを指定する必要があります。
    コマンドを実行し、要求されたらSYSユーザー・パスワードを入力します。
    # odacli irestore-database -r backupreport.json -oid Object Store ID
    TDE対応データベースをリストアするには、TDEウォレットのパスワードを指定する必要があります。コマンドodacli irestore-database-tオプションを指定する必要があります。ソース・データベースでTDEが有効な場合、リストアされたターゲット・データベースでもTDEが有効になります。
  7. ジョブが完了したことを検証します。ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Activity」タブでジョブを追跡することも、ジョブIDを指定してコマンドodacli describe-jobを実行することもできます。
    # odacli describe-job -i jobId

CLIを使用したarchivelogのリストア

コマンドライン・インタフェースを使用して、あるSCNから別のSCNに、またはあるタイムスタンプから別のタイムスタンプにarchivelogをリストアできます。

コマンドライン(CLI)を使用してarchivelogをリストアするには、次のステップに従います。

  1. archivelogをあるSCNから別のSCNに、またはあるタイムスタンプから別のタイムスタンプにリストアします。
    # odacli restore-archivelog -fs from_scn -ts to_scn 
    # odacli restore-archivelog -ft from_timestamp -tt to_timestamp 

CLIを使用したバックアップの削除

古い不要なレベル0バックアップ、レベル1バックアップ、アーカイブ・ログ・バックアップおよび長期バックアップを、不要なバックアップ・レポートとともに削除します。

レベル0バックアップ、レベル1バックアップおよびアーカイブ・ログ・バックアップでは、バックアップ構成で定義されたリカバリ・ウィンドウによって、バックアップがいつ不要になるかが決まります。範囲は次のとおりです。

  • ディスクへのバックアップ: 1日から14日の間

  • Oracle Object Storageへのバックアップ: 1日から31日の間

Oracle Object StorageまたはNFSへの長期バックアップの場合は、データベースのバックアップ・レポートのkeepDays属性を表示して、バックアップがいつ不要になるかを判断します。長期バックアップを削除するには、データベース・リソースIDまたはデータベース名とバックアップ・レポートが必要です。

odacliコマンドを使用してデータベース・バックアップを削除するには、次のステップに従います。

  1. すべてのバックアップ・レポートのリストを表示します。
    # odacli  list-backupreports 
  2. データベースIDとバックアップのタイプを取得します。
    # odacli  describe-backupreport -i Backup Report ID
  3. 不要なレベル0バックアップ、レベル1バックアップおよびアーカイブ・ログ・バックアップを不要なバックアップ・レポートとともにを削除するには、データベースIDまたはデータベース名を使用して、該当するバックアップを削除します。
    # odacli delete-backup -i 20576eb1-bc32-4e34-bf97-fda0b60ca15b
  4. 長期バックアップを削除するには、JSONファイル内のバックアップ・レポートを使用して、該当するバックアップを削除します。

    次の例では、バックアップ・レポートのJSON入力ファイルはbackupreport.jsonです。

    # odacli delete-backup -i 20576eb1-bc32-4e34-bf97-fda0b60ca15b -br backupreport.json