7 Oracle Database Applianceへのパッチ適用

Oracle Database Applianceで最新ソフトウェアの動作を継続するには、Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを確認し、リリースされている場合は適用します。

Oracle Database Applianceへのパッチ適用について

Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを使用して、アプライアンスにパッチを適用します。

パッチは新機能を提供し、さらに既存の機能の性能を向上させる場合もあります。

ホーム外パッチ適用について

Oracle Database Applianceリリース19.11以降、Oracle Database Applianceではホーム外パッチ適用モデルが使用されます。つまり、Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseホームにパッチを適用すると、ソフトウェアのOracleホームが新しく作成されます。Oracle Database Applianceリリース19.11以降では、Oracle Grid Infrastructure用およびOracle Database用のパッチをイメージとして入手できます。手順はすべて同じままです。

MySQLサーバーおよびDCSエージェントについて

Oracle Database Applianceリリース19.10以降、DCSエージェントはMySQLサーバーをメタデータ・ストアとして使用します。MySQLサーバーは、プロビジョニング中に、アプライアンスを作成すると自動的にインストールおよび構成されます。同様に、パッチ適用中には、odacli update-dcscomponentsコマンドによってMySQLサーバーが自動的にインストールおよび構成されます。MySQLサーバー・プロセスは、rootオペレーティング・システム・ユーザー・アカウントでは実行されません。かわりに、MySQLサーバー・プロセスは、odamysqlという新しいオペレーティング・システム・ユーザー・アカウントで実行されます。odamysqlオペレーティング・システム・ユーザーは所有権のみを目的として作成され、odamysqlユーザー・アカウントはMySQLディレクトリのみを所有します。odamysqlオペレーティング・システム・ユーザーはアプライアンスにログインできません。MySQLのodamysqlオペレーティング・システム・ユーザー・アカウントにより、アプライアンス上のOracleデータベースを所有するユーザーとDCS操作に使用されるメタデータを所有するユーザーの間で確実にロールが分離されます。

Oracle Database Applianceパッチ・バンドルについて

Oracle Database Applianceパッチ・バンドルには、DCS管理、DCSコンポーネント、OAK、Oracle ILOM、ファームウェア、拡張および修正に関する最新のパッチが含まれています。

Oracle Database Applianceリリース・ノートには、最新のOracle Database Applianceパッチ・バンドルに関する情報と、パッチ・バンドル内のコンポーネント・バージョンのリストが含まれています。アプライアンスを最新のOracle Database Applianceソフトウェア・バージョンに更新して、新機能、修正、およびサポートされている最新のコンポーネント・バージョンを利用することをお薦めします。アップグレード・パスについては、Oracle Database Applianceリリース・ノートを参照してください。

注意:

Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Linuxの汎用パッチを使用して、Oracle Database Applianceにパッチを適用しないでください。また、ファームウェアのパッチなど、各インフラストラクチャのパッチも使用しないでください。Oracle Database Applianceのパッチのみを使用してください。Oracle Database Applianceを対象としていないパッチを使用した場合、あるいはOPatchまたは同様のパッチ適用ツールを使用した場合は、Oracle Database Applianceによって保持されているメタデータが更新されず、その後のパッチ更新を完了できません。不定期のOracle Databaseリリース更新(RU)を適用する場合は、RUのReadmeに記載されている推奨事項にも必ず従ってください。

パッチ・バンドルは、次に示すシステム全体に関連するすべてのパッチを提供します。

  • Oracle Databaseパッチ
  • BIOS

  • ハードウェア・ドライバ

  • Hardware Management Pack (HMP)、および様々なコンポーネントのファームウェア・ドライバ

  • Oracle Appliance Manager

  • Oracle Linux

  • Oracle VM Server

  • Java Runtime Environment (JRE)

  • Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)

  • Oracle Auto Service Request (Oracle ASR)

  • Oracle Intelligent Platform Management Interface (Oracle IPMI)

  • 関連するハードウェア・モデルに対応するネットワーク・カード・パッチ

Oracle Linux RPMの更新について

お薦めはしませんが、Oracle Database Applianceについて一部のOracle Linux RPMを更新できます。Oracle Linuxカーネル、Oracle Optimal Flexible Architecture、Oracle InfiniBandまたは関連するソフトウェアを更新したり、カスタマイズしないでください。その他のソフトウェアはインストール、更新またはカスタマイズできます。ただし、Oracle Database Applianceの更新には、カスタマイズされたコンポーネントの新しいバージョンの依存関係が含まれないことがあります。したがって、将来、Oracle Database Applianceを正常に更新するには、サイト固有の変更を削除し、後で再適用することが必要になる場合があります。

注意:

Oracle Database Applianceについては、次のものを更新しないでください。

  • Oracle Linuxカーネル(kernel)

  • Oracle Optimal Flexible Architecture (ofa)

  • Oracle RDMAパッケージ(oracle-rdma-release)

ストレージについては、RPMの更新を適用しないでください。

パッチ適用の事前チェックについて

パッチ適用の事前チェックは、パッチ適用中に発生する可能性がある問題を検出し、フラグを付けるように設計されています。

事前チェックでは、バージョンおよびハードウェア固有のアップグレードを含め、アプライアンスの状態が表示され、アップグレードを試行する前に必要な条件を満たし、チェックが完了していることが検証されて、アップグレードが失敗する原因となる可能性がある状況が特定されます。パッチを適用する前に、そうした状況を修正して問題を解決することで、潜在的なパッチ適用の問題を回避できます。

事前チェック・コマンドは、Oracle Database Applianceリリース12.2.1.2.0以降で使用できます。DCSエージェントを更新して、これらのコマンドの実行時に、更新された最新の事前チェックを使用できるようにしてください。

パッチ適用の事前チェックで検証されるコンポーネント

チェック 検証されるコンポーネント
システムへのパッチ適用の事前チェック

DCSエージェントがすべてのノードでオンラインであることをチェックします

更新に十分な領域があることをチェックします

エージェントの最小バージョンを確認し、パッチ適用タグを検証します

サーバーへのパッチ適用の事前チェック
オペレーティング・システムの場合:
  • サポートされているバージョンを検証します
  • サポートされている最小バージョンを検証します
  • パッチ適用タグを検証します
  • パッチの場所が使用可能であるかどうかを検証します
  • OSパッチを確認します
  • コマンドの実行を検証します
Oracle ILOMの場合:
  • サポートされているバージョンを検証します
  • サポートされている最小バージョンを検証します
  • パッチ適用タグを検証します
  • パッチの場所が使用可能であるかどうかを検証します
  • Oracle ILOMパッチ・バージョンをチェックします
  • パッチの場所を検証します
  • コマンドの実行を検証します
Oracle Grid Infrastructureの場合:
  • サポートされているOracle Grid Infrastructureバージョンを検証します
  • 使用可能な領域を検証します
  • Oracle Clusterwareが実行されているかどうかを検証します
  • パッチ適用タグを検証します
  • システムがプロビジョニングされているかどうかを検証します
  • Oracle ASMがオンラインであるかどうかを検証します
  • エージェントの最小バージョンを検証します
  • 中央インベントリを検証します
  • パッチ適用ロックを検証します
  • クローンの場所が存在するかどうかを検証します
  • DBの起動依存性を検証します
  • DBの停止依存性を検証します
  • コマンドの実行を検証します
Oracle ORAchkの場合:
  • orachkが実行されているかどうかを検証します
  • コマンドの実行を検証します

DBシステムの場合、ベア・メタル・システムがアップグレードされていることを確認します。

データベースの起動/停止依存性が正しいことを検証および確認します。

パッチ適用ロックが存在しないことを確認します。

中央インベントリが正確であることを確認します。

データベース・ホームへのパッチ適用の事前チェック

Oracle Grid Infrastructureがインストールされていることを確認します

DCSエージェントが必要なバージョンであることを確認します

Oracle Clusterwareがすべてのノードで実行されていることを確認します

Oracle Grid Infrastructureがアップグレードされていることを確認します

使用可能なディスク領域が十分にあることを検証します

Oracle ACFSのデータベース・ホームのディスク・グループが構成されているかどうかをチェックします

クローン・ファイルがリポジトリに存在するかどうかをチェックします

ストレージの事前チェック

ストレージ・パッチの場所とタグを検証します

パッチ適用の場所とタグを検証します

コマンドの実行を検証します

Oracle ASMディスク・グループのステータスを検証します

サーバーの更新をローリング方式にすることができるかどうかを検証します

Oracle Database ApplianceでのNUMAの有効化について

Oracle Database Applianceのベア・メタル・システム、KVMシステムおよびDBシステムでNUMAを有効にする方法を理解します。

NUMA (不均一メモリー・アクセス)は、基盤となるNUMAハードウェアの効率的な使用を促進するのに役立ちます。Oracle Database Applianceでは、データベース、ベア・メタル・システム、DBシステム、CPUプールおよびKVMアプリケーションについてNUMAを有効にすることができます。

Oracle Database Applianceのプロビジョニング中におけるNUMAの有効化について

リリース19.14でOracle Database Applianceをプロビジョニングする場合、NUMAはデータベース、DBシステムおよびCPUプールで自動的に有効になります。したがって、Oracle Database Applianceリリース19.14のデプロイメントでデータベース、DBシステムまたはCPUプールを作成すると、NUMAが自動的に有効になり、追加の構成は必要ありません。アプリケーションVMについては、NUMAはデフォルトでは有効になりません。

Oracle Database Applianceへのパッチ適用後におけるNUMAの有効化について

Oracle Database Applianceリリース19.12では、NUMAがデフォルトで有効になります。Oracle Database Applianceにパッチを適用してリリース19.11以前から19.14に更新するときには、odacli update-serverコマンドによってシステム・レベルでNUMAが設定されます。パッチ適用後に作成された新しいデータベースでは、NUMAが有効になっています。既存のデータベースについては、コマンドalter system set "enable_numa_support"=trueをデータベースで実行してNUMAを有効にします。

ベア・メタル・システムにパッチを適用してリリース19.11以前から19.14に更新した後は、1回かぎりのアクティビティとして、コマンドodacli remap-cpupoolsを実行して、既存のすべてのCPUプール(BM、VM、dbsystem)でNUMAを有効にする必要があります。

既存のDBシステムについては、コマンドodacli modify-dbsystem --enable-numaを実行して、dbsystemおよびDBシステムのデータベースについてNUMAを有効にします。

アプリケーションVMについては、NUMAはデフォルトでは有効になりません。新規および既存のアプリケーションVMについては、コマンドodacli modify-vm --enable-numaを実行して、VM構成についてNUMAを有効にします。また、VM内で実行されているオペレーティング・システムやアプリケーションなど、VM内部のコンポーネントについてもNUMAを有効にする必要があります。コマンドodacli modify-dbsystem --enable-numaは、CPUコアをNUMAノードに均等に分散できるように、CPUコア数が偶数のアプリケーションVMでのみサポートされています。Oracle Database Applianceでは、1つのCPUコアと2つのvCPUは同等です。

デプロイメントにパッチを適用し、NUMAを有効にするステップの詳細は、コマンドラインを使用したOracle Database Applianceベア・メタル・システムへのパッチ適用のトピックを参照してください。

Oracle Database Applianceにパッチを適用するときの停止時間の最小化

Oracle Database Applianceデプロイメントにパッチを適用するときの停止時間を最小限に抑えるためのベスト・プラクティスを理解します。

Oracle Database Applianceは、高可用性システムについてローリング方式でパッチを適用しません。ただし、パッチ適用中の停止時間を最小限に抑えるための推奨事項があります。

パッチ適用中の停止時間を最小限に抑えるための推奨事項

  • データベースへのパッチ適用の停止時間を最小限に抑えるために、Oracle Database Appliance高可用性システムではOracle RACまたはOracle RAC One Nodeを使用することをお薦めします。
  • 使用可能な場合は、Oracle Data Guardを使用し、最初にスタンバイ・システムにパッチを適用します。スタンバイ・システムにパッチを適用したら、ワークロードをスタンバイ・システムに切り替え、プライマリ・システムにパッチを適用した後、ワークロードをプライマリ・システムに戻します。
  • パッチ適用操作が失敗した場合に容易にリストアできるように、常にOracle Database Appliance Backup and Recovery (ODABR)を使用してシステム・ディスクをバックアップしてください。ODABRによって、システム・ディスクがパッチ適用前の状態にリストアされます。
  • odacli update-storageコマンドには、ストレージ・デバイス(SSD、HDD、NVMe)についてパッチ適用の停止時間を最小限に抑えるための--rollingオプションがあります。システムの再起動を必要とし、ローリングをサポートしていない他の共有ストレージ・コンポーネント・ファームウェアが存在する可能性があります。Oracle Database Applianceストレージへのパッチ適用を遅らせることもできますが、お薦めしません。

関連項目:

Oracle Database 19cのドキュメント・ライブラリにあるOracle Database高可用性概要およびベスト・プラクティス・ガイド

コマンドラインを使用したOracle Database Applianceベア・メタル・システムへのパッチ適用

CLIコマンドを使用して、Oracle Database Applianceベア・メタル・デプロイメントおよび既存のOracle Databaseホームにパッチを適用するには、次のステップに従います。

Oracle Database Applianceデプロイメントおよび既存のデータベース・ホームにパッチを適用して現在のリリースに更新するには、Oracle Database Applianceサーバー・パッチ、Oracle Grid Infrastructureクローン・ファイルおよびOracle Databaseクローン・ファイルをダウンロードし、ベア・メタル・システムでリポジトリを更新する必要があります。

ノート:

この手順のステップは、記載されているとおりの順序で実行してください。odacli update-dcsadminodacli update-dcscomponentsおよびodacli update-dcsagentコマンドを実行してから、odacli update-serverコマンドを実行します。

ノート:

DCSエージェントの更新を完了するには、odacli update-dcscomponentsコマンドとodacli update-dcsagentコマンドの両方を実行する必要があります。必ず、指定された順序で両方のコマンドを実行してください。

重要:

パッチをダウンロードするための十分な領域がアプライアンスにあることを確認してください。
Oracle Database Appliance Backup Recovery (ODABR)ツールは、パッチ適用プロセス中に潜在的なエラーが発生してシステムを使用できなくなった場合に、システムをパッチ適用前の状態にリカバリするのに役立ちます。パッチを適用する前にスナップショットを作成できるように、最新バージョンのOracle Database Appliance Backup Recovery (ODABR)ツールをダウンロードしてインストールします。ODABRのインストール手順については、My Oracle Support Note 2466177.1を参照してください。

https://support.oracle.com/rs?type=doc&id=2466177.1

次のステップに従って、Oracle Database Applianceにパッチを適用し、既存のデータベース・ホームを更新します。
  1. ODACLI/DCSスタック用Oracle Database Applianceサーバー・パッチ(パッチ33702951)、Oracle Grid Infrastructureクローン・ファイル(パッチ30403673)およびOracle Databaseクローン・ファイル(パッチ30403662)をMy Oracle Supportから外部クライアントの一時的な場所にダウンロードします。最新リリースのパッチ番号とソフトウェアの詳細は、リリース・ノートを参照してください。
    たとえば、19.14のサーバー・パッチをダウンロードします。
    p33702951_1914000_Linux-x86-64.zip
  2. ソフトウェアを解凍します。これには、パッチのREADME.htmlおよび1つ以上のzipファイルが含まれています。
    unzip p33702951_1914000_Linux-x86-64.zip

    zipファイルには、次のソフトウェア・ファイルが含まれています。

    oda-sm-19.14.0.0.0-date-server.zip
  3. すべてのソフトウェア・ファイルを外部クライアントからOracle Database Applianceにコピーします。高可用性デプロイメントについては、ソフトウェア・ファイルを一方のノードのみにコピーします。パッチ適用プロセス中に他方のノードにソフトウェア・ファイルがコピーされます。バンドルをコピーするには、scpまたはsftpプロトコルを使用します。
    scpコマンドの使用例:
    # scp software_file root@oda_host:/tmp
    sftpコマンドの使用例:
    # sftp root@oda_host
    rootパスワードを入力し、ファイルをコピーします。
    put software_file
  4. サーバー・ソフトウェア・ファイルでリポジトリを更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/software_file

    たとえば、19.14の場合:

    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/oda-sm-19.14.0.0.0-date-server.zip
  5. リポジトリの更新が成功したことを確認します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli describe-job -i job_ID
  6. DCS管理を更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsadmin -v 19.14.0.0.0
  7. DCSコンポーネントを更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcscomponents -v 19.14.0.0.0

    Oracle Database Applianceリリース19.9からパッチを適用する場合、odacli update-dcscomponentsコマンドはZookeeperを更新し、MySQLをインストールして、DerbyからMySQLにメタデータを移行し、Oracle Database ApplianceのDCSエージェント、DCS CLI、DCSコントローラといった他のDCSコンポーネントを更新します。

    Oracle Database Applianceリリース19.10以降からパッチを適用する場合、odacli update-dcscomponentsコマンドはZookeeperとMySQLを更新し、Oracle Database ApplianceのDCSエージェント、DCS CLI、DCSコントローラといった他のDCSコンポーネントを更新します。

    DCSコンポーネントが更新されると、コマンドラインにメッセージ"status" : "Success"が表示されます。失敗した更新については、エラーを修正してから、odacli update-dcscomponentsコマンドを再実行して更新を続行します。DCSコンポーネントのチェック・エラーの詳細は、パッチ適用中のDCSコンポーネント更新時のエラーの解決のトピックを参照してください。

    ノート:

    DCSエージェントの更新を完了するには、odacli update-dcscomponentsコマンドとodacli update-dcsagentコマンドの両方を実行する必要があります。必ず、この手順で指定された順序で両方のコマンドを実行してください。
  8. DCSエージェントを更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsagent -v 19.14.0.0.0
  9. Oracle Grid Infrastructureクローン・ファイルおよびOracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリを更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/software_file

    たとえば、19.14の場合:

    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/odacli-dcs-19.14.0.0.0-date-GI-19.14.0.0.zip
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/odacli-dcs-19.14.0.0.0-date-DB-19.14.0.0.zip
  10. パッチ適用の事前チェックを実行します。サーバーにパッチを適用する前にodacli create-prepatchreportコマンドを実行する必要があります。そうしないと、odacli update-serverコマンドは失敗し、パッチ適用の事前チェックを実行するよう求めるエラー・メッセージが表示されます。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport -s -v version

    たとえば、19.14の場合:

    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport -s -v 19.14.0.0.0
  11. パッチ適用の事前チェックが正常に実行されたことを確認します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli list-prepatchreports

    次に例を示します。

    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli list-prepatchreports
    3797791f-72ac-42b6-8bb8-ed5e5c9b32c1 Patch pre-checks for [OS, GI, ORACHKSERVER] June 30, 2020 6:29:30 AM UTC Running  

    パッチ前レポートの詳細を表示するには、コマンドodacli describe-prepatchreportを使用します。レポートに記載された警告とエラーを修正し、サーバーへのパッチ適用を続行します。

  12. サーバーの更新を適用します。このリリースでは、--localオプションをodacli update-serverコマンドで使用できません。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-server -v version

    たとえば、19.14の場合:

    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-server -v 19.14.0.0.0
  13. サーバーの更新が成功したことを確認します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli describe-job -i job_ID

    ノート:

    サーバーの更新が成功したら、更新前に作成したODABRスナップショットを削除することをお薦めします。ストレージ・コンポーネントや他のコンポーネントを更新するときにODABRスナップショットを保持する場合、アクティブなODABRスナップショットが存在すると、システムのパフォーマンスに影響する可能性があります。ODABRスナップショットを作成および削除する手順については、My Oracle Support Note 2466177.1 (https://support.oracle.com/rs?type=doc&id=2466177.1)を参照してください:
  14. ストレージ・コンポーネントを更新する前に、-stオプションを指定してodacli create-prepatchreportコマンドを実行します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport -st -v version

    たとえば、19.14の場合:

    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport -st -v 19.14.0.0.0
  15. パッチ適用の事前チェックが正常に実行されたことを確認します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli list-prepatchreports

    次に例を示します。

    [root@oda1 opt]# odacli list-prepatchreports
    
    ID                                   Description                    Created                             Status
    ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
    b030d6e2-bb10-465c-81d3-ccaa48cea681 Patch pre-checks for [STORAGE] December 8, 2021 11:26:45 AM UTC Success  

    パッチ前レポートの詳細を表示するには、コマンドodacli describe-prepatchreportを使用します。パッチ前レポートには、エクスパンダまたはコントローラの更新も必要かどうかに基づいて、ストレージのパッチ適用をローリング方式にできるかどうかも示されます。

    レポートに記載された警告とエラーを修正し、ストレージ・コンポーネントへのパッチ適用を続行します。

  16. ストレージ・コンポーネントを更新します。
    ローリング方式で共有ディスクにパッチを適用するには、--rollingオプションを指定します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-storage -v version --rolling

    たとえば、19.14の場合:

    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-storage -v 19.14.0.0.0 --rolling
  17. Oracle Database Applianceリリース19.11以降、Oracle Databaseホームはローカル・ディスクに作成されません。Oracle Databaseホームは、Oracle ACFS管理ファイル・システムに作成されます。データベース・ユーザーoracleについては、/u01/app/odaorahome/oracle/の下に新しいデータベース・ホームが作成されます。
    Oracle ACFSでデータベース・ホームがまだ構成されていない場合は、データベース・ホームにパッチを適用する前に、odacli configure-dbhome-storageコマンドを使用してデータベース・ホーム・ストレージを構成します。次に例を示します。
    [root@oda1 opt]# odacli configure-dbhome-storage -dg DATA
    このコマンドでは、ボリュームまたはファイル・システムのストレージ割り当てまたは作成は実行されません。このコマンドでは、メタデータ内のディスクグ・ループの場所が設定されます。
    Oracle ACFSでのデータベース・ホームの管理の詳細は、データベース・ホーム・ストレージの管理のトピックを参照してください。
  18. 既存のOracle Databaseホームにパッチを適用してリリース19.14に更新するには:
    1. Oracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリが更新されていることを確認します。Oracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリを更新していない場合は、リポジトリを更新します。Oracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリを更新する前に、DCSエージェントを更新する必要があります。
      [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/DB_software_file
      [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/odacli-dcs-19.14.0.0.0-date-DB-19.14.0.0.zip
    2. パッチ適用の事前チェックを実行し、パッチ前レポートを確認します。Oracle Databaseホームにパッチを適用する前にodacli create-prepatchreportコマンドを実行する必要があります。そうしないと、odacli update-dbhomeコマンドは失敗し、パッチ適用の事前チェックを実行するよう求めるエラー・メッセージが表示されます。
      [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport --dbhome --dbhomeid DB_Home_ID -v release_number
      [root@oda1 opt]# odacli describe-prepatchreport -i Job_ID
      [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport --dbhome --dbhomeid 7c67c5b4-f585-4ba9-865f-c719c63c0a6e -v 19.14.0.0.0
      [root@oda1 opt]# odacli describe-prepatchreport -i 39ef1eeb-70d3-47ad-b3f5-48960ca0607b
      Oracle ACFSのデータベース・ホームのディスク・グループがステップ17で説明したように設定されていない場合、パッチ前レポートにはエラーThe system is not set up to create database homes on ACFSが示されます。odacli configure-dbhome-storageコマンドを実行して、Oracle ACFSのデータベース・ホームのディスク・グループを構成します。
    3. パッチ前レポートにエラーが示されていない場合は、データベース・ホームを最新リリースに更新します。
      [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dbhome --dbhomeid DB_Home_ID -v release_number

      たとえば、19.14の場合:

      [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dbhome --dbhomeid 7c67c5b4-f585-4ba9-865f-c719c63c0a6e -v 19.14.0.0.0
  19. パッチ・ジョブが成功したことを確認します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli list-jobs
  20. Oracle Database Applianceリリース19.11以前からアプライアンスにパッチを適用する場合は、次のステップを実行します。これらのステップは、ご使用のアプライアンスで以前にOracle Database Applianceリリース19.12以降にパッチを適用したがその際にこれらのステップを実行しなかった場合も、実行する必要があります。
    1. ベア・メタル・システムおよびデータベース・ホームにパッチを適用した後、次のSQL*Plusコマンドを実行して、リリース19.12以前の既存のデータベースでNUMA (不均一メモリー・アクセス)を有効にします。
      SQL> alter system set "_enable_numa_support"=true scope=spfile sid='*';

      コマンドの実行後にデータベースを再起動して、変更を確実に有効にします。

      NUMAの有効化の詳細は、Oracle Database ApplianceでのNUMAの有効化についてのトピックを参照してください。

    2. DBシステム、VMまたはCPUプールをデプロイした場合は、次のステップを実行します。
      1. odacli remap-cpupoolsコマンドを実行します。
        [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli remap-cpupools

        odacli remap-cpupoolsコマンドがエラーDCS-10001:Internal error encountered: Not enough physical CPUs available for CPU Pool 'cpupool_name' on node 'node_name'で失敗した場合は、--use_reserved-coresオプションを指定してodacli remap-cpupoolsコマンドを再度実行します。このコマンドのオプションの詳細は、KVM用のOracle Database Applianceコマンドライン・インタフェースの章を参照してください。

      2. デプロイメントにDBシステムがある場合は、odacli modify-dbsystemコマンドを実行します。KVMデプロイメントにVMがあり、VMに対してNUMAを有効にする必要がある場合は、VMに対してodacli modify-vm --enable-numaコマンドを実行します。つまり、次のようになります。

        DBシステムの場合:

        odacli modify-dbsystem --enable-numa

        VMの場合:

        odacli modify-vm --enable-numa

    ノート:

    Oracle Database Appliance X6-2S、X7-2SおよびX8-2S上のベア・メタル・システムとDBシステムについては、NUMAが有効になっている場合でも、データベースのinit.oraのパラメータ_enable_numa_supportFALSEに設定されます。これらのハードウェア・モデルはシングル・ソケット・システムであるため、これは想定された動作です。

コマンドラインを使用したOracle Database Appliance DBシステムへのパッチ適用

CLIコマンドを使用して、Oracle Database Appliance DBシステム・デプロイメントおよびDBシステムの既存のOracle Databaseホームにパッチを適用するには、次のステップに従います。

Oracle Database Appliance DBシステム・デプロイメントおよび既存のデータベース・ホームにパッチを適用して最新リリースにするには、Oracle Database Applianceサーバー・パッチをダウンロードし、ベア・メタル・システムのリポジトリを更新する必要があります。

ノート:

このトピックのコマンドは、記載されているとおりの順序で実行してください。odacli update-dcsadminodacli update-dcscomponentsおよびodacli update-dcsagentコマンドを実行してから、odacli update-serverコマンドを実行します。

ノート:

DCSエージェントの更新を完了するには、odacli update-dcscomponentsコマンドとodacli update-dcsagentコマンドの両方を実行する必要があります。必ず、指定された順序で両方のコマンドを実行してください。
DBシステムにパッチを適用する前に、Oracle Database Applianceベア・メタル・デプロイメントにパッチを適用してリリース19.14に更新していることを確認してください。
次のステップに従って、Oracle Database Appliance DBシステム・デプロイメントにパッチを適用し、DBシステムの既存のデータベース・ホームを更新します。
  1. ODACLI/DCSスタック用Oracle Database Applianceサーバー・パッチ(パッチ33702951)、Oracle Grid Infrastructureクローン・ファイル(パッチ30403673)およびOracle Databaseクローン・ファイル(パッチ30403662)がリポジトリで使用可能であることを確認します。ベア・メタル・システムでodacli list-availablepatchesコマンドを実行して、システムにそれらのクローン・ファイルがあるかどうかを表示します。
    [root@oda1 opt]# odacli list-availablepatches
  2. DBシステムに接続します。
  3. DCS管理を更新します。
    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsadmin -v 19.14.0.0.0
  4. DCSコンポーネントを更新します。
    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcscomponents -v 19.14.0.0.0

    DCSコンポーネントが更新されると、コマンドラインにメッセージ"status" : "Success"が表示されます。失敗した更新については、エラーを修正してから、odacli update-dcscomponentsコマンドを再実行して更新を続行します。DCSコンポーネントのチェック・エラーの詳細は、パッチ適用中のDCSコンポーネント更新時のエラーの解決のトピックを参照してください。

    ノート:

    DCSエージェントの更新を完了するには、odacli update-dcscomponentsコマンドとodacli update-dcsagentコマンドの両方を実行する必要があります。必ず、指定された順序で両方のコマンドを実行してください。
  5. DCSエージェントを更新します。
    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsagent -v 19.14.0.0.0
  6. パッチ適用の事前チェックを実行します。サーバーにパッチを適用する前にodacli create-prepatchreportコマンドを実行する必要があります。そうしないと、odacli update-serverコマンドは失敗し、パッチ適用の事前チェックを実行するよう求めるエラー・メッセージが表示されます。
    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport -s -v version

    たとえば、19.14の場合:

    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport -s -v 19.14.0.0.0
  7. パッチ適用の事前チェックが正常に実行されたことを確認します。
    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli list-prepatchreports

    次に例を示します。

    [root@dbsystem1 opt]# odacli list-prepatchreports
    ID Description Created Status
    ---------------------------------------- --------------------------------------------------------------------------- ----------------------------------- ----------
    67029f6b-db5d-4f65-9367-c5986c3050d4 Patch pre-checks for [OS, GI, ORACHKSERVER] December 8, 2021 8:44:24 AM GMT Success 

    パッチ前レポートの詳細を表示するには、コマンドodacli describe-prepatchreportを使用します。レポートに記載された警告とエラーを修正し、サーバーへのパッチ適用を続行します。

  8. サーバーの更新を適用します。このリリースでは、--localオプションをodacli update-serverコマンドで使用できません。
    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-server -v version

    たとえば、19.14の場合:

    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-server -v 19.14.0.0.0

    -fオプションを使用すると、事前チェックの失敗をオーバーライドし、サーバーのパッチ適用を完了できます。

  9. サーバーの更新が成功したことを確認します。
    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli describe-job -i job_ID
  10. 既存のOracle Databaseホームにパッチを適用してリリース19.14に更新するには:
    1. ベア・メタル・システムで、コマンドodacli describe-dbsystem-imageを実行して、必要なOracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリが更新されていることをチェックします。データベース・クローン・ファイルがコマンドの出力に表示されない場合は、ベア・メタル・システムでコマンドodacli update-repositoryを実行して、データベース・クローン・ファイルでリポジトリを更新します。
      [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/DB_software_file
      [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/odacli-dcs-19.14.0.0.0-date-DB-19.14.0.0.zip
    2. パッチ適用の事前チェックを実行し、パッチ前レポートを確認します。Oracle Databaseホームにパッチを適用する前にodacli create-prepatchreportコマンドを実行する必要があります。そうしないと、odacli update-dbhomeコマンドは失敗し、パッチ適用の事前チェックを実行するよう求めるエラー・メッセージが表示されます。
      [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport --dbhome --dbhomeid DB_Home_ID -v release_number
      [root@dbsystem1 opt]# odacli describe-prepatchreport -i Job_ID
      [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli create-prepatchreport --dbhome --dbhomeid 7c67c5b4-f585-4ba9-865f-c719c63c0a6e -v 19.14.0.0.0
      [root@dbsystem1 opt]# odacli describe-prepatchreport -i 39ef1eeb-70d3-47ad-b3f5-48960ca0607b
    3. データベース・ホームを最新リリースに更新します。
      [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dbhome --dbhomeid DB_Home_ID -v release_number

      たとえば、19.14の場合:

      [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dbhome --dbhomeid 7c67c5b4-f585-4ba9-865f-c719c63c0a6e -v 19.14.0.0.0
  11. パッチ・ジョブが成功したことを確認します。
    [root@dbsystem1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli list-jobs

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したOracle Database Applianceベア・メタル・システムへのパッチ適用

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してOracle Database Applianceサーバー・パッチをパッチ・リポジトリにアップロードし、パッチ・バンドルをデプロイした後、CLIコマンドを使用してDCSエージェントおよびコンポーネントを更新します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ・リポジトリの更新

  1. My Oracle SupportからOracle Database Applianceパッチをダウンロードし、アプライアンス上のディレクトリに保存します。使用可能なパッチおよびそれらのパッチをダウンロードするためのリンクのリストについては、Oracle Database Applianceリリース・ノートを参照してください。

  2. oda-adminユーザー名とパスワードでブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。

    https://Node0–host-ip-address:7093/mgmt/index.html
  3. 「Patch Manager」をクリックします。

  4. 「Update Patch Repository」ページで、絶対ファイル・パスとパッチ名を入力し、「Update Repository」をクリックしてリポジトリの更新ジョブを開始します。複数のファイルをリストし、スペースを含めずにカンマで区切ったリストを使用してリポジトリを更新することも、それぞれのファイルを一度に1つずつ更新することもできます。

  5. 「Activity」をクリックして進捗を監視します。ジョブが正常に完了すると、パッチ・リポジトリが更新されます。

リポジトリの更新後、パッチを適用する前のDCS管理およびDCSコンポーネントの更新

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してアプライアンスにパッチを適用する前に、CLIコマンドを使用してDCS管理およびDCSコンポーネントを手動で更新する必要があります。

次のステップに従います。

  1. DCS管理を更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsadmin -v 19.14.0.0.0
  2. 更新が成功したことを確認します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli describe-job -i job_ID
  3. DCSコンポーネントを更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcscomponents -v 19.14.0.0.0
    DCSコンポーネントが更新されると、コマンドラインにメッセージ"status" : "Success"が表示されます。失敗した更新については、エラーを修正し、更新を続行します。

    ノート:

    odacli update-dcscomponentsコマンドを実行したら、ブラウザ・ユーザー・インタフェースに再度ログインする必要があります。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ適用の事前チェックの実行とエージェント、サーバーおよびストレージへのパッチ適用

  1. 更新中に実行中または保留中のジョブがないようにしてください。

  2. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで「Appliance」タブをクリックし、「Patch Manager」をクリックします。

  3. 「Component Details」がロードされるまで待ちます。パッチ・リポジトリを更新したばかりの場合は、ページの「Component Details」セクションで「Refresh」をクリックします。

    パッチがパッチ・リポジトリにアップロードされると、ページの「Component Details」が各コンポーネントの「Installed Version」および「Available Version」で更新されます。

  4. 「Patch Manager」ページで、「Refresh」をクリックして「Component Details」をリフレッシュします。「Update Server」を選択し、「Apply Patch」をクリックして、サーバー・コンポーネントにパッチを適用するジョブを開始します。「Precheck」を選択して、パッチ適用の事前チェックを実行します。サーバー・コンポーネントや他のコンポーネントを更新する前に、パッチ適用の事前チェックを実行する必要があります。

    DCSエージェントは、サーバー・コンポーネントまたはストレージ・コンポーネントが更新されるたびに自動的に更新されます。

    ジョブが終了したら、次のステップに進みます。ジョブ・ステータスを確認するには、「Activity」をクリックします。

  5. 「Patch Manager」ページで、「Refresh」をクリックして「Component Details」をリフレッシュします。「Update Storage」を選択し、「Apply Patch」をクリックして、ストレージ・コンポーネントにパッチを適用するジョブを開始します。パッチ適用の事前チェックを実行する場合は、「Precheck」を選択します。

    高可用性環境については、「Rolling」チェック・ボックスを選択して、ストレージ・コンポーネントのローリング・パッチ適用を実行できます。

  6. 「Activity」をクリックして進捗を監視し、ジョブが正常に完了したことを確認します。

パッチ適用に関連する情報はすべて、/opt/oracle/dcs/log/dcs-agent.logdcs-agentログ・ファイルに記録されます。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したOracle Database Appliance DBシステムへのパッチ適用

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してOracle Database Applianceサーバー・パッチをパッチ・リポジトリにアップロードし、パッチ・バンドルをデプロイした後、CLIコマンドを使用してDCSエージェントおよびコンポーネントを更新します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ・リポジトリの更新

  1. My Oracle SupportからOracle Database Applianceパッチをダウンロードし、アプライアンス上のディレクトリに保存します。使用可能なパッチおよびそれらのパッチをダウンロードするためのリンクのリストについては、Oracle Database Applianceリリース・ノートを参照してください。

  2. oda-adminユーザー名とパスワードでベア・メタル・システム内のブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。

    https://Node0–host-ip-address:7093/mgmt/index.html
  3. 「Patch Manager」をクリックします。

  4. 「Update Patch Repository」ページで、絶対ファイル・パスとパッチ名を入力し、「Update Repository」をクリックしてリポジトリの更新ジョブを開始します。複数のファイルをリストし、スペースを含めずにカンマで区切ったリストを使用してリポジトリを更新することも、それぞれのファイルを一度に1つずつ更新することもできます。

  5. 「Activity」をクリックして進捗を監視します。ジョブが正常に完了すると、パッチ・リポジトリが更新されます。

リポジトリの更新後、パッチを適用する前のDCS管理およびDCSコンポーネントの更新

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してDBシステムにパッチを適用する前に、CLIコマンドを使用してDCS管理およびDCSコンポーネントを手動で更新する必要があります。

次のステップに従います。

  1. DCS管理を更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsadmin -v 19.14.0.0.0
  2. 更新が成功したことを確認します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli describe-job -i job_ID
  3. DCSコンポーネントを更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcscomponents -v 19.14.0.0.0
    DCSコンポーネントが更新されると、コマンドラインにメッセージ"status" : "Success"が表示されます。失敗した更新については、エラーを修正し、更新を続行します。

    ノート:

    odacli update-dcscomponentsコマンドを実行したら、ブラウザ・ユーザー・インタフェースに再度ログインする必要があります。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ適用の事前チェックの実行とサーバーへのパッチ適用

  1. 更新中に実行中または保留中のジョブがないようにしてください。

  2. oda-adminユーザー名とパスワードでDBシステム内のブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。

    https://Node0–host-ip-address:7093/mgmt/index.html
  3. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで「Appliance」タブをクリックし、「Patch Manager」をクリックします。

  4. 「Component Details」がロードされるまで待ちます。パッチ・リポジトリを更新したばかりの場合は、ページの「Component Details」セクションで「Refresh」をクリックします。

    パッチがパッチ・リポジトリにアップロードされると、ページの「Component Details」が各コンポーネントの「Installed Version」および「Available Version」で更新されます。

  5. 「Precheck」を選択して、パッチ適用の事前チェックを実行します。
  6. 「Patch Manager」ページで、「Refresh」をクリックして「Component Details」をリフレッシュします。「Update Server」を選択し、「Apply Patch」をクリックして、サーバー・コンポーネントにパッチを適用するジョブを開始します。

    DCSエージェントは、サーバー・コンポーネントが更新されるたびに自動的に更新されます。

    ジョブが終了したら、次のステップに進みます。ジョブ・ステータスを確認するには、「Activity」をクリックします。

  7. 「Patch Manager」ページで、「Refresh」をクリックして「Component Details」をリフレッシュします。パッチ適用の事前チェックを実行する場合は、「Precheck」を選択します。

  8. 「Activity」をクリックして進捗を監視し、ジョブが正常に完了したことを確認します。

ベア・メタル・システムにおけるデータベース・クローン・ファイルによるOracle Database Applianceリポジトリの更新

CLIコマンドを使用して最新リリースのOracle Databaseクローン・ファイルでOracle Database Applianceリポジトリを更新するには、ここに示すステップに従います。

特定のリリース・バージョンの新しいデータベースを作成するには、リリースのOracle Databaseクローン・ファイルでOracle Database Applianceリポジトリを更新する必要があります。次のステップに従って、最新リリースのOracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリを更新します。
  1. p30403662_1914000_Linux-x86-64.zipなど、リリースのOracle Databaseクローン・ソフトウェア・ファイルをダウンロードし、Oracle Databaseクローン・ソフトウェアを抽出します。
    たとえば、19.14のOracle Databaseクローン・ソフトウェア・パッチをダウンロードします。
    unzip /tmp/p30403662_1914000_Linux-x86-64.zip
    odacli-dcs-19.14.0.0.0-date-DB-19.14.0.0.zip
  2. すべてのソフトウェア・ファイルを外部クライアントからOracle Database Applianceにコピーします。高可用性デプロイメントについては、ソフトウェア・ファイルを一方のノードのみにコピーします。パッチ適用プロセス中に他方のノードにソフトウェア・ファイルがコピーされます。バンドルをコピーするには、scpまたはsftpプロトコルを使用します。
    scpコマンドの使用例:
    # scp software_file root@oda_host:/tmp
    sftpコマンドの使用例:
    # sftp root@oda_host
    rootパスワードを入力し、ファイルをコピーします。
    put software_file
  3. 最新リリースのデータベース・ソフトウェアでリポジトリを更新します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/odacli-dcs-db-clone-file.zip/

    たとえば、19.14の場合:

    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-repository -f /tmp/odacli-dcs-19.14.0.0.0-date-DB-19.14.0.0.zip
    同じステップに従って、12.2、12.1など、サポートされている他のデータベース・バージョンのデータベース・クローン・ソフトウェアでリポジトリを更新します。
  4. リポジトリの更新が成功したことを確認します。
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli list-jobs
    [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli describe-job -i job_ID
  5. アプライアンス上の一時的な場所からソフトウェアのzipファイルを削除して、領域を節約します。
    [root@oda1 opt]# rm software_file
    rm: remove regular file software_file? y

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したベア・メタル・システムでの既存のデータベース・ホームへのパッチ適用

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、ベア・メタル・システムでデータベース・ホームにパッチを適用して最新リリースに更新します。

データベース・ホームにパッチを適用する前に、データベース・バージョンのOracle Databaseクローン・ファイルをリポジトリにアップロードします。最新のOracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリを更新する手順については、CLIを使用したデータベース・クローン・ファイルによるOracle Database Applianceリポジトリの更新を参照してください。
  1. oda-adminユーザー名とパスワードでブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://Node0–host-ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database Home」タブに移動し、データベース・ホームのパッチ・バージョンを選択します。
  3. パッチを適用するデータベース・ホームを選択し、「Patch」をクリックします。データベースにパッチを適用する前に事前チェックを実行するには、「Precheck」を選択します。
    ジョブ・ステータスを確認するには、「Activity」をクリックします。
  4. 「Patch」ページで、パッチを適用するデータベースについて、「Actions」をクリックし、「View Pre-patch reports」を選択して事前チェック・レポートを表示します。エラーを修正し、「Action」を「Apply」として選択して、データベースにパッチを適用します。
  5. 「Ignore Precheck Failures」をクリックして、事前チェック・レポートで報告された失敗を無視します。事前チェックの結果で報告されたエラーを修正することをお薦めします。
  6. 「Ignore Missing Patches」をクリックして、欠落しているパッチを無視します。
  7. パッチ適用ジョブが正常に完了したことを確認します。

プロビジョニングされていないOracle Database Applianceシステムへのパッチ適用

Oracle Database Applianceでは、odacli update-serverコマンドを実行することにより、プロビジョニングされていない単一ノード・システムまたは高可用性システムへのパッチ適用をサポートします。

プロビジョニングされていないOracle Database Applianceシステムには、Oracle Grid InfrastructureもOracle Databaseもインストールされず、これらが実行されていません。odacli create-applianceコマンドを実行せずに、プロビジョニングされていないシステムでOracle ILOMおよびストレージ・ファームウェアをアップグレードするには、Oracle Databaseリリース19.10以降のベア・メタルISOイメージを使用してシステムを再イメージ化します。その後、odacli update-serverコマンドを実行して、ベア・メタルISOイメージと同じリリースのサーバー・パッチでシステムにパッチを適用します。システムを再イメージ化すると、DCSインフラストラクチャが自動的に更新されます。
次のステップに従って、ファームウェアを更新します。
  1. Oracle Database Applianceリリース19.10以降のベア・メタルISOイメージを使用して、Oracle Database Applianceを再イメージ化します。
  2. パッチを適用するOracle Database Applianceリリース(19.10以降など)のサーバー・パッチでリポジトリを更新します。
  3. リリース19.10のISOを使用してイメージ化したOracle Database Applianceでodacli update-serverを実行する場合は、次のようにします。
    odacli update-server -v 19.10.0.0.0 -sko -f

    Oracle Database Applianceリリース19.10については、-skoオプションを使用してORAchkの失敗をスキップし、サーバーのパッチ適用を続行したり、-fオプションを使用して事前チェックの失敗をオーバーライドし、サーバーのパッチ適用を完了できます。

  4. リリース19.11以降のISOを使用してイメージ化したOracle Database Applianceでodacli update-serverを実行する場合は、次のステップに従います。
    1. -sオプションを指定して、odacli update-serverコマンドのパッチ前レポートを作成します。
      odacli create-prepatchreport -v 19.11.0.0.0 -s

      レポートに記載された警告とエラーを修正し、サーバーへのパッチ適用を続行します。

    2. サーバーを更新します。
      odacli update-server -v 19.11.0.0.0 -f

      Oracle Database Applianceリリース19.11以降については、-fオプションを使用して事前チェックの失敗をオーバーライドし、サーバーのパッチ適用を完了できます。

ベア・メタル・システムでの追加のパッチおよび更新の適用

追加のパッチ・リポジトリを構成し、オペレーティング・システムとデータベースにパッチを適用して、最新の更新およびセキュリティ修正をデプロイメントに確実にインストールします。

カーネル更新の有効化

Oracle Kspliceを使用すると、最新のカーネル・セキュリティおよびバグ修正更新でシステムを更新できます。

ローカルULNリポジトリまたはULNチャネルを使用して、最新のOracle Ksplice更新(uptrack-updates)をダウンロードし、インストールできます。
Oracle KSpliceをインストールするには、次のステップに従います。
  1. Unbreakable Linux Network (ULN)にサーバーを登録します。デフォルトでは、ご使用のオペレーティング・システムおよびハードウェアのOracle Linux Latestチャネルに登録されます。
  2. Unbreakable Linux Networkにログインします。
  3. Kspliceを使用するサーバーでインターネットにアクセスできることを確認します。たとえば、プロキシ・サーバーを使用する場合は、次のようなコマンドを使用してシェルでプロキシ・サーバーおよびポートの値を設定します。
    # export http_proxy=http://proxy.company.com:port
    # export https_proxy=http://proxy.company.com:port
  4. サーバーを登録します。
    # uln_register
  5. Oracle Kspliceユーザー・ドキュメントの説明に従って、ローカル・リポジトリを設定します。これにより、Oracle UptrackサーバーまたはULNに直接接続しなくても、最新のKsplice更新パッケージを定期的にダウンロードできます。
  6. システムを特定の有効なカーネル・バージョンに更新するには、現在のカーネルのuptrack-updatesパッケージをインストールします。
    yum -y install uptrack-updates-'uname -r'
    Kspliceチャネルからuptrack-updates RPMをダウンロードし、RPMを手動でインストールすることもできます。次に例を示します。
    # rpm -Uvh uptrack-updates-4.14.35-1902.11.3.1.el7uek.x86_64-20200325-0.noarch.rpm

関連項目:

Oracle Kspliceの構成の詳細は、次の場所にあるOracle Linux Kspliceユーザーズ・ガイドを参照してください

https://docs.oracle.com/cd/E37670_01/E39380/html/ksplice-enhanced-offline.html

不定期のデータベース・パッチの適用

不定期のパッチ適用機能を使用すると、管理者は、Oracle Database Applianceリリースに含まれていない最新のOracle Databaseリリース更新でOracle Database Applianceデプロイメント内のデータベースにパッチを適用できます。

Oracle Databaseリリース更新(RU)のパッチを手動で適用するには、OPatchを使用します。ご使用のデータベース・バージョンのOPatchを実行するには、このトピック内の関連する項を参照してください。

ノート:

このトピックで説明するOPatchコマンドおよび手順は例であり、特定のOracle Databaseリリース更新(RU)に応じて変更が必要になる場合があります。追加のコマンドおよびステップについては、必ずOracle Databaseリリース更新(RU)のReadmeを参照してください。

ノート:

可能であれば常に、Oracle Database Applianceリリースを通じてデプロイメントにパッチを適用することをお薦めします。

ノート:

この手順を使用して、ベア・メタルおよびDBシステム・デプロイメントに不定期のパッチを適用できます。

OPatchautoを使用したOracle Databaseリリース12c以降へのパッチの手動適用

  1. dcs-agentおよび他のコンポーネントが最新リリースに更新されていることを確認します。
    # odacli describe-component
    # odacli list-dbhomes
  2. OPatchを最新バージョンに更新します(使用可能な場合)。
    1. My Oracle Supportから最新のOPatchバージョンをダウンロードします。
    2. ファイルをローカル・ホストにコピーし、ORACLE_HOME/OPatchディレクトリに抽出します。
    3. oracleユーザーとしてOPatchツールを更新します。
      /bin/rm -rf $ORACLE_HOME/OPatch/
      su - oracle -c /usr/bin/unzip -q -o OPatch_zip_location/p6880880_122010_Linux-x86-64.zip -d $ORACLE_HOME
  3. My Oracle Supportから最新のデータベース・パッチをダウンロードし、ファイルをローカル・ホストにコピーします。
    scp patchfilename root@hostname:directory
  4. oracleユーザーとしてパッチを空のディレクトリ(/tmp/patchesDirなど)に解凍します。

    これにより、バグ番号が付いたサブディレクトリが/tmp/patchesDirの下に作成されます。適用するパッチがリリース更新(RU)である場合、パッチ・ディレクトリには複数のサブディレクトリがあります。

    /usr/bin/unzip -o location_of_patches/p29301631_180000_Linux-x86-64.zip -d /tmp/patchesDir
  5. Oracle Database Appliance高可用性デプロイメントの場合は、セキュア接続用のSSHキーを設定します。
  6. パッチを分析します。
    $ORACLE_HOME/OPatch/opatchauto apply directory_with_patches_extracted -analyze -oh $ORALCE_HOME -log /tmp/opatchAutoAnalyzePatch.log
  7. rootユーザーとして、パッチを適用します。
    $ORACLE_HOME/OPatch/opatchauto apply directory_to_extract_patches -oh $ORACLE_HOME -inplace
  8. 両方のノードでパッチの適用が完了したら、utlrp.sqlおよびcatcon.plスクリプトを実行して、データベース内の無効なオブジェクトを再コンパイルします。
  9. システム・コンポーネント値が登録されるように、レジストリを更新します。
    # odacli update-registry -n dbhome -f

パッチ・リポジトリのクリーン・アップ

ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して、不要なパッチや古いパッチをリポジトリから削除します。

パッチ・リポジトリのクリーン・アップについて

最新のパッチでOracle Database Applianceにパッチを適用した後、使用されていない古いクローン・ファイルが残って、リポジトリ内の領域を消費することがあります。リポジトリのクリーン・アップでは、領域を再利用するために、使用されていないクローン/パッチ・ファイルが削除されます。ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはODACLIコマンドを使用して、リポジトリをクリーン・アップできます。

ODACLIコマンドを使用したパッチ・リポジトリのクリーン・アップ

# odacli cleanup-patchrepo [-cl clones] | [-v version [-comp component]]| [-l local|-n NodeID]

クローン・ファイル名と、古いパッチを削除するノードを指定します。

このコマンドのオプションの詳細は、Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェースの章を参照してください。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ・リポジトリのクリーン・アップ

パッチ・リポジトリをクリーン・アップするには、次のステップに従います。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Patch Manager」をクリックします。
  2. 「Cleanup Repository」タブをクリックし、「Refresh」をクリックして、リポジトリ内の使用可能なパッチのリストを表示します。
  3. コンポーネント(リポジトリからクリーン・アップする古いOracle Grid Infrastructureクローン・ファイルやOracle Databaseクローン・ファイルなど)とパッチ・バージョン(古いリリースのOracle Database Applianceなど)を選択します。
  4. 「Cleanup Clone Files」をクリックして、選択したコンポーネントのクローン・ファイルを/opt/oracle/oak/pkgrepos/orapkgs/clones/のリポジトリからクリーン・アップします。
  5. 「Cleanup Repository」をクリックして、リポジトリのクリーン・アップ・ジョブを発行します。
  6. 「Activity」をクリックして進捗を監視します。ジョブが正常に完了すると、パッチ・リポジトリが更新されます。

別のデータベース・ホームへのアップグレードについて

ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはodacliコマンドを使用して別のデータベース・ホームにアップグレードする方法を理解します。

データベース・ホームをアップグレードするための前提条件

次のリリースのデータベース・ホームをアップグレードできます。
  • Oracle Database 12.2から19cへ
  • Oracle Database 12.1から19cへ
  • Oracle Database 12.1から12.2へ

別のデータベース・ホームにアップグレードする前に、データベース・バージョンのOracle Databaseクローン・ファイルをリポジトリにアップロードし、データベース・ホームを作成します。最新のOracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリを更新する手順については、CLIを使用したOracle Database Applianceへのパッチ適用を参照してください。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベース・ホームのアップグレードについて

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して別のデータベース・ホームにアップグレードするには、次のステップに従います。

  1. oda-adminユーザー名とパスワードでブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
    https://Node0–host-ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 「Database」タブをクリックして、データベースを選択し、「Actions」をクリックした後、「Upgrade」をクリックします。
  3. データベース・アップグレード・ジョブが正常に完了したことを確認します。

コマンドライン・インタフェースを使用したデータベース・ホームのアップグレードについて

CLIを使用して別のデータベース・ホームにアップグレードするには、次のコマンドを実行します。

odacli upgrade-database -i Comma separated list of database ids -from source dbhome id -to destination dbhome id [-j] [-h]

upgrade-databaseコマンドのオプションの詳細は、Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェースの章を参照してください。