3 Oracle CloudでのOracle Analytics Serverの管理

Oracle Analytics ServerをOracle Cloud Infrastructureにデプロイする場合、一部の管理タスクはOracle Cloud Infrastructureコンソールで実行されます。

Oracle Analytics Serverリソースの削除

スタックを破棄すると、Oracle Analytics Serverの計算ノードを含め、スタックによって作成されたすべてのOracle Analytics Serverリソースが削除されます。

破棄操作の直後に請求が停止します。

  1. Oracle Cloud Infrastructureコンソールで、左上隅にある ナビゲーション・メニュー・アイコン をクリックし、「リソース・マネージャ」「スタック」の順にクリックします。
  2. 削除するOracle Analytics Serverスタックをクリックします。
  3. 「破棄」をクリックします。
    「ログ」タブで、破棄ジョブの進捗状況を監視できます。完了すると、「状態」が「成功」に変わります。
  4. 「スタックの詳細」をクリックし、「他のアクション」をクリックします。「スタックの削除」を選択し、「削除」をクリックします。
  5. オプション: Oracle Analytics Server用に作成されたデータベース・スキーマを削除します。

Oracle Analytics Serverデプロイメントの編集

編集できるのは、Oracle Analytics Serverコンピュート・インスタンスの名前のみです。

  1. Oracle Cloud Infrastructureコンソールで、左上隅にある ナビゲーション・メニュー・アイコン をクリックします。
  2. 「コンピュート」をクリックし、「インスタンス」をクリックします。
  3. ページの左側の「リスト範囲」で、編集するコンピュート・インスタンスを含むコンパートメントを選択します。
  4. コンピュート・インスタンスを選択し、「編集」をクリックします。
  5. 「インスタンス構成の編集」ダイアログで、新しい名前を入力し、「変更の保存」をクリックします。

Oracle CloudでのOracle Analytics Serverの使用コストの表示

「コスト分析」ページを使用して、Oracle Analytics Serverデプロイメントのコストを分析できます。Oracle Analytics Serverのコスト情報は、「コンピュート」サービスで使用できます。

  • 製品摘要: OCI上のOracle Analytics Server - UCM
  • 部品番号: B94568
  1. コスト情報の読取りを可能にするセキュリティ・ポリシーに割り当てられていることを確認します。

    たとえば、AnalyticsServerAdminsというOracle Cloudユーザー・グループがある場合、このグループにコスト情報の表示を許可できます。たとえば、ポリシー・ステートメントは次のようになります。

    allow group AnalyticsServerAdmins to read usage-reports
  2. 「コスト分析」ページにナビゲートします。請求およびコスト管理をクリックし、「コスト分析」をクリックします。
  3. 「レポート」で、「サービス別コスト」を選択します。
    1. 「サービス」のフィルタを追加し、COMPUTEを選択します。
    2. 「グループ化ディメンション」で、SKU製品の説明を選択します。
    3. OCI - UCM上のOracle Analytics Serverのコストを確認します。
  4. 「レポート」で、「サービス別コスト」を選択します。
    1. 「サービス」のフィルタを追加し、COMPUTEを選択します。
    2. 「グループ化ディメンション」で、「SKU (部品番号)」を選択します。
    3. B94568 (OCI - UCM上のOracle Analytics Server)のコストを確認します。

Oracle CloudでのOracle Analytics Serverのスケーリング

複数の仮想マシン(VM)インスタンスにリクエストの処理を分散してOracle Analytics Serverをスケーリングする場合は、Oracle Cloudの環境に別のOracle Analytics Serverインスタンスを追加します。

Oracle Analytics Serverをスケーリングするための前提条件:

Oracle Fusion Middleware Controlで提供されるパフォーマンス・メトリックを使用してプロセスの状態を監視し、Oracle Cloud上のOracle Analytics Serverのパフォーマンス向上のために容量を増大するタイミングを判断できます。

プライベート・サブネットを使用する場合は、VPNによるパブリックおよびプライベート・サブネットの構成に関する項を参照してください。

  1. Oracle Cloud Marketplaceを使用して、Oracle Cloud Infrastructure (ノード1)にOracle Analytics Serverをデプロイします。

    ノード1では、Oracle Analytics Serverドメインの作成を選択し、必要なドメイン構成の詳細を指定する必要があります。Oracle Cloud Marketplaceを使用したOracle Analytics Serverのデプロイを参照してください。

    oas_create_domain.jpgの説明が続きます
    図oas_create_domain.jpgの説明
  2. Oracle Cloud Marketplaceを使用して、ドメインのないOracle Cloud Infrastructure (ノード2)にセカンダリOracle Analytics Serverをデプロイします。

    ノード2では、Oracle Analytics Serverドメインの作成を選択しないでください。

    oas_no_domain.jpgの説明が続きます
    図oas_no_domain.jpgの説明
  3. 2つのノード間で共有ファイルとディレクトリを設定します。

    シングルトン・データ・ディレクトリ(SDD)はメタデータを格納します。デフォルトの場所は次の場所に設定されます。

    DOMAIN_HOME/bidata

    SDDパスが次のファイルbi-environment.xmlで定義されます。

    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/bienv/core/bi-environment.xml

    1. 任意のSSHクライアントを使用してプライマリOracle Analytics Server (ノード1)のコンピュート・インスタンスに接続します。opcユーザーとしてログインしてからoracleユーザーに切り替えます。
      ssh -i path_to_private_key opc@oas_public_ip
      sudo su oracle
    2. bidataのマウント・ポイントを作成します。たとえば、次のようなコマンドを実行します。
      mount DOMAIN_HOME/bidata /sdd/bidata

      これにより、/sdd/bidataがSDDのマウント・ポイントになります。

    3. 編集するためにbi-environment.xmlファイルをオープンし、シングルトン・パスを指定して、ファイルを保存します。

      例:

      <bi:singleton-data-directory>Node1_IP_address:/sdd/bidata/</bi:singleton-data-directory>

      説明:

      • bi:singleton-data-directoryはSDDマウント・ポイントです。
      • Node1_IP_addressは、ノード1のプライベートIPアドレスです。
    4. SSHユーティリティを使用してノード2にログインし、ノード1に対してpingを実行して、ノード1にアクセスできることを確認します。
    5. スケール・アウトした環境に必要なその他のポートを、カスタマイズしたファイアウォール構成ファイルに追加し、スクリプトopen_oas_firewall_ports.shを実行してそれらのポートを開きます。ファイアウォール・ポートの管理についてを参照してください。
  4. グローバル・キャッシュを設定します。グローバル・キャッシュの設定を参照してください。
  5. Oracle Cloud Infrastructureでインスタンスを追加(または削除)します。
  6. システムが適切にスケーリングされていることを確認します。システムが適切にスケーリングされていることの検証を参照してください。

組込みのoracleユーザーを使用したOracle Analytics Serverのコンピュート・インスタンスの管理

任意のSecure Shell (SSH)クライアント・ソフトウェアを使用してOracle Analytics Serverのコンピュート・インスタンスに接続できます。opcユーザーとしてログインした後は、組込みのoracleユーザーに切り替えてOracle Analytics Serverコンピュート・インスタンスを確認し、管理タスクを実行することをお薦めします。

たとえば、ドメインの手動作成、スケール・アウト、Oracle Analytics Serverログへのアクセスなどを実行する場合は、組込みのoracleユーザーを使用します。

ノート:

Oracle Cloud Marketplaceを使用してOracle Analytics Serverをデプロイしドメインを作成する場合、そのドメインもoracleユーザーが作成して所有します。

  1. 任意のSSHクライアントを使用してOracle Analytics Serverのコンピュート・インスタンスに接続します。opcユーザーとしてログインします。
    ssh -i path_to_private_key opc@oas_public_ip
  2. oracleユーザーに切り替えて、Oracle Analytics Serverコンピュート・インスタンスを確認し、管理タスクを実行します。
    sudo su oracle
  3. Oracle Analytics Serverのフォルダを確認します。Oracle Analytics Serverのアプリケーションおよびスクリプトは、/u01/appフォルダにインストールされます。ドメインおよびドメイン・ツールは、/u01/dataフォルダに作成されます。ログは/var/logの下にインストールされます。
    cd /u01/app
    ls
    <Oracle Analytics Server product and binaries, including files such as config.sh, oraInst.loc>
    cd /u01/app/oas-scripts
    ls
    <Oracle Analytics Server scripts such as biconfigcleaner.sh, createDataPartition.sh, create_oas_domain.sh, DefaultSingleNodeOASFirewallPorts.xml, oas_installer.sh, open_oas_firewall_ports.sh, oas_install.finish>
    cd /u01/data
    ls
    <Oracle Analytics Server domain directories and files such as biconfig.rsp>
    <This partition also includes all the requested boot volume space beyond what is needed for the core Oracle Analytics Server binaries>
    cd /u01/data/domains/bi/bitools/bin
    ls
    <Oracle Analytics Server domain tools such as status.sh, start.sh, and other scripts>
    cd /var/log/
    ls
    <Oracle Analytics Server logs such as oas_cloudinit.log, oas_create_domain.log>

Oracle CloudでのOracle Analytics Serverのファイアウォール・ポートの管理

単一ノードおよびスケールアウトされたトポロジに必要なオープン・ポート、およびそれらのデフォルト値について説明します。ご使用の環境に合わせてファイアウォール・ポートをカスタマイズする方法と、追加のポートを開く方法を確認してください。

ファイアウォール・ポートの管理について

Oracle Cloud Marketplaceを使用してOracle Analytics Serverをデプロイしドメインを作成する場合、デフォルトでは、単一ノード・インストールに必要なポートのみが開かれます。デプロイメント後に、デフォルト構成ファイル(DefaultSingleNodeOASFirewallPorts.xml)をカスタマイズして他のポートを開くことや、ご使用の環境に合わせてデフォルトのポート値を変更することができます。ファイアウォール・ポートを編集する場合、変更内容を有効にするにはスクリプトopen_oas_firewall_ports.shを実行する必要があります。

config.shを使用してドメインを手動で作成する場合に、ファイアウォール・ポート構成を変更するためにも、同じスクリプト(open_oas_firewall_ports.sh)を使用する必要があります。

Oracle Analytics Server環境をスケールアウトする場合は、いくつかのポートを追加で開き、スクリプトopen_oas_firewall_ports.shを実行して変更内容を有効にする必要があります。詳細は、スケールアウトされたマルチノード環境 - デフォルトのファイアウォール構成を参照してください。

単一ノード環境 - デフォルトのファイアウォール構成

  • 最小限必要なポート

    次の表に、単一ノード環境に必要なオープン・ポート、およびそれらのデフォルト値を示します。

    Oracle WebLogic Serverのコンポーネント デフォルトのポート
    管理サーバー(HTTP) 9500
    管理サーバー(HTTPS) 9501
    管理対象サーバーbi_server1 (HTTP) 9502
    管理対象サーバーbi_server1 (HTTPS) 9503
    Oracle Analytics Serverのコンポーネント デフォルトのポート
    クラスタ・コントローラ(OBICCS) 9508
    BIスケジューラ(OBISCH) 9511
    BIサーバー(OBIS) 9514
  • デフォルトの構成

    単一ノード環境のデフォルトのオープン・ポートは、ファイルDefaultSingleNodeOASFirewallPorts.xml内で次のように構成されています。

    <?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
    <!--DefaultSingleNodeOASFirewallPorts.xml-->
    <service>
    	<short>OAS</short>
    	<description>Oracle Analytics Server</description>
    	<port protocol="tcp" port="9500"/>
    	<port protocol="tcp" port="9501"/>
    	<port protocol="tcp" port="9502"/>
    	<port protocol="tcp" port="9503"/>
    	<port protocol="tcp" port="9508"/>
    	<port protocol="tcp" port="9511"/>
    	<port protocol="tcp" port="9514"/>
    </service>

スケールアウトされたマルチノード環境 - デフォルトのファイアウォール構成

  • 追加で必要になるポート

    次の表に、スケールアウトされたトポロジに必要な追加のオープン・ポート、およびそれらのデフォルト値を示します。

    Oracle WebLogic Serverのコンポーネント デフォルトのポート
    管理対象サーバーbi_server1 (内部) 9505
    ノード・マネージャ 9506
    Oracle Analytics Serverのコンポーネント デフォルトのポート
    BIプレゼンテーション・サービス(OBIPS) 9507
    クラスタ・コントローラ・モニター 9509
    BI JavaHost (OBIJH) 9510
    BIスケジューラ・モニター(OBISCH_MONITOR) 9512
    BIスケジューラ・スクリプト(OBISCH_SCRIPT) 9513
    BIサーバー・モニター(OBIS_MONITOR) 9515
    WebLogic Coherenceクラスタ 9516
  • 追加の構成

    スケールアウトされた環境には、ポートが追加で必要になります。これらの追加ポートをカスタム構成ファイルに追加してから、スクリプトopen_oas_firewall_ports.shを実行して変更内容を有効にする必要があります。例:

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<!--MyScaledOutMultiNodeOASFirewallPorts.xml-->
<service>
	<short>OAS</short>
	<description>Oracle Analytics Server</description>
	<port protocol="tcp" port="9500"/>
	<port protocol="tcp" port="9501"/>
	<port protocol="tcp" port="9502"/>
	<port protocol="tcp" port="9503"/>
	<port protocol="tcp" port="9508"/>
	<port protocol="tcp" port="9511"/>
	<port protocol="tcp" port="9514"/>
	<port protocol="tcp" port="9505"/>
	<port protocol="tcp" port="9506"/>
	<port protocol="tcp" port="9507"/>
	<port protocol="tcp" port="9509"/>
	<port protocol="tcp" port="9510"/>
	<port protocol="tcp" port="9512"/>
	<port protocol="tcp" port="9513"/>
	<port protocol="tcp" port="9515"/>
	<port protocol="tcp" port="9516"/>
</service>

ファイアウォール・ポートのオープンまたはポート値の変更

様々なOracle Analytics Serverコンポーネント間のプロセス間通信をサポートするために、ファイアウォール・ポートの値を変更し、ポートを追加で開くことができます。

  1. カスタム・ファイアウォール構成ファイルを作成します。
    1. 任意のSSHクライアントを使用してOracle Analytics Serverのコンピュート・インスタンスに接続します。opcユーザーとしてログインします。
      ssh -i path_to_private_key opc@oas_public_ip
    2. oracleユーザーに切り替えます。
      sudo su oracle
    3. フォルダ/u01/app/oas-scriptsに移動します。
    4. デフォルトのファイアウォール構成ファイル/u01/app/oas-scripts/DefaultSingleNodeOASFirewallPorts.xmlをコピーし、コピーにMyOASFirewallPorts.xmlのような名前を付けます。
  2. カスタム・ファイアウォール構成ファイル内で、必要なポートを構成します。
  3. スクリプトopen_oas_firewall_ports.shを使用して、カスタム・ファイアウォール構成ファイル(/u01/app/oas-scripts/<カスタム・ファイアウォール構成XMLファイル>)で構成されているポートを開きます。
    1. /u01/app/oas-scripts/open_oas_firewall_ports.shに移動します。
    2. 必要に応じて、カスタム・ファイアウォール構成ファイルの名前を含めるようにこのスクリプトを編集します。
      ファイアウォール・ポートのオープンのスクリプト
    3. open_oas_firewall_ports.shを実行して、カスタム・ファイアウォール構成スクリプト内のポートを開きます。

コンピュート・インスタンス再起動後のOracle Analytics Serverの再起動

Oracle Analytics Serverをデプロイしたコンピュート・インスタンスを再起動する場合は、Oracle Analytics Serverを再起動する必要があります。たとえば、パッチの適用などの変更後に、Oracle Analytics Serverコンピュート・インスタンスの再起動が必要になる場合があります。

  1. Oracle Cloud Infrastructureコンソールで、左上隅にある ナビゲーション・メニュー・アイコン をクリックします。
  2. 「コンピュート」をクリックし、「インスタンス」をクリックします。
  3. ページの左側にある「リスト範囲」で、Oracle Analytics Serverをデプロイしたコンパートメントを選択し、再起動するコンピュート・インスタンスを選択します。
  4. 「再起動」をクリックして、Oracle Analytics Serverコンピュート・インスタンスを停止して再起動します。
  5. start.shを使用してOracle Analytics Serverサービスを手動で起動します。

    start.shスクリプト・ファイルは/u01/data/domains/bi/bitools/binフォルダにあります。

    1. 任意のSSHクライアントを使用してOracle Analytics Serverのコンピュート・インスタンスに接続します。opcユーザーとしてログインします。
      ssh -i path_to_private_key opc@oas_public_ip
    2. oracleユーザーに切り替えます。
      sudo su oracle
    3. フォルダ/u01/data/domains/bi/bitools/binに移動します。
    4. start.shを実行します。

    Oracle Analytics Serverの起動に関する項を参照してください。