1 Oracle Cloud上のOracle Analytics Serverについて

このガイドでは、Oracle Cloud Marketplaceを使用してOracle Cloud InfrastructureにOracle Analytics Serverをデプロイする方法について説明します。

Oracle Cloud上のOracle Analytics Serverの概要

Oracleでは、Oracle Cloud Marketplaceを使用してOracle Cloud InfrastructureにOracle Analytics Serverをデプロイするオプションを提供しています。

Oracle Cloudにデプロイすると、Oracle Analytics Serverでは、オンプレミス・バージョンと同じ機能、スケーラビリティ、セキュリティおよびサポートが提供されます。オンプレミス・バージョンでサポートされるすべてのソースとターゲットがOracle Cloudでサポートされます。動作要件情報を参照してください。

Oracle Cloud Marketplaceについて

Oracle Cloud Marketplaceは、Oracle Cloud Infrastructureにアプリケーションおよびサービスを迅速にデプロイするClick-to-DeployのTerraformスタックの豊富なライブラリを提供します。

Oracle Cloud Marketplaceを使用すると、Oracle Analytics ServerをOracle Cloud Infrastructureにすばやくデプロイできるため、組織はこのスケーラブルで安全かつ高可用性で高パフォーマンスな環境へのデプロイメントからメリットを得ることができます。

Oracle Cloud Marketplaceを介して提供されるOracle Analytics Serverのインストールでは、単純なトポロジが作成されます。これはこの製品の開始トポロジのサンプルです。

Oracle Cloud Marketplaceには、Oracle Analytics Server用に2つのアプリケーションが用意されています。

  • Oracle Analytics Server - BYOL (Bring Your Own License)
  • Oracle Analytics Server - UCM (Universal Credits)

https://www.oracle.com/cloud/marketplace/の消費モードに関する項を参照してください。

Oracle Cloudでのアーキテクチャ

Oracle Cloud InfrastructureでのOracle Analytics Serverデプロイメントに関連するコンポーネントおよび用語について学習します。

単純なOracle Analytics Serverトポロジ

このトポロジは、Oracle Cloud Marketplaceを使用したOracle Cloud Infrastructureでの単純なOracle Analytics Serverデプロイメントを表します。

Oracle Cloud Marketplaceでは、ここに示すようなトポロジに、カスタムOracle Analytics Serverイメージを持つコンピュート・インスタンスをインストールできます。トポロジ図では、前提条件であるいくつかのOracle Cloud Infrastructureコンポーネント(仮想クラウド・ネットワーク、サブネット、クラウド・データベース)がオレンジ色で示されています。

oas_oc_top.jpgの説明が続きます
図oas_oc_top.jpgの説明

主要コンポーネントと用語

  • コンピュート・インスタンス: クラウドで実行されているコンピュート・ホスト。ホストされた物理ハードウェアを使用して、高度なセキュリティおよびパフォーマンスを確保できます。コンピュート・シェイプは、コンピュート・インスタンスに割り当てるリソースです。
  • 仮想クラウド・ネットワークおよびサブネット: Oracle Cloud Infrastructureの仮想クラウド・ネットワーク(VCN)は、選択した単一の連続的なClassless Inter-Domain Routing (CIDR)ブロックを対象としています。サブネットはVCNの下位区分であり、VCN内の他のサブネットと重複しない連続したIPアドレスの範囲で構成されます。VCNには、1つ以上のサブネット、ルート表、セキュリティ・リスト、ゲートウェイおよび動的ホスト構成プロトコル(DHCP)オプションが含まれます。Oracle Cloudを初めて使用する場合は、Oracle Cloud Infrastructureドキュメントのネットワーキングに関する項を参照してください。

    Oracle Analytics Serverコンピュート・インスタンスのVCNおよびサブネットを設定する必要があります。Oracle Analytics Serverデプロイメント・スクリプトは、選択したVCNおよびサブネットにコンピュート・インスタンスを割り当てます。

    サブネットは、パブリックまたはプライベートにできます。プライベート・サブネットに割り当てるコンピュート・インスタンスには、Oracle Cloudの外部から直接アクセスできません。プライベート・サブネットのコンピュート・インスタンスを管理するには、個別のパブリック・サブネットと要塞コンピュート・インスタンスを作成する必要があります。

  • ロード・バランサ: (オプション)セキュリティの追加レイヤーを提供し、Oracle Analytics Server計算ノードをプライベート・サブネットで分離できるようにします。
  • NATゲートウェイ、サブネットおよびパーティション: (オプション) NATゲートウェイを設定した場合、パブリックおよびプライベート・サブネットを使用するときは、パーティションが機能するように、ロード・バランサのセキュリティ・ルールでNATゲートウェイをイングレス・ルールに追加する必要があります。
  • 要塞コンピュート・インスタンス: (オプション)プライベート・サブネット上のOracle Analytics Serverドメインへの管理アクセスを提供します。
  • Oracle Cloud Database: Oracle Analytics Serverは、様々な製品スキーマを作成および格納できるOracle Cloud仮想マシンDBシステム上のプラガブル・データベース(PDB)にアクセスする必要があります。Oracleデータベースのバージョンは、12.1、12.2、18以上または19以上である必要があります。
  • マーケットプレイス: Oracle Cloud Marketplaceは、Oracle Cloud Infrastructureコンソールから利用可能なオンライン・ストアです。Oracle Cloud Marketplaceを使用して、Oracle Analytics Serverソフトウェアを実行するコンピュート・インスタンスをインストールできます。マーケットプレイスでOracle Analytics Serverを選択すると、いくつかの基本情報の入力を求めるプロンプトが表示され、Oracle Cloud InfrastructureでOracle Analytics Serverリソースを作成するようにリソース・マネージャに移動します。Oracle Cloud Infrastructureドキュメントのマーケットプレイスの概要に関する項を参照してください。
  • リソース・マネージャ: リソース・マネージャを使用して、Oracle Analytics ServerリソースをOracle Cloud Infrastructureにデプロイします。Oracle Cloud Infrastructureドキュメントのリソース・マネージャの概要に関する項を参照してください。
  • スタック: スタックとは、リソース・マネージャによって作成およびデプロイされた関連するクラウド・リソースのコレクションです。

管理者の一般的なワークフロー

このワークフローは、管理者タスクの大まかなガイドとして使用してください。

タスク 説明 詳細情報
デプロイメント前の前提条件の完了 Oracle CloudOracle Analytics Serverをデプロイする前に、必要な前提条件タスクを理解して実行します。 始める前に
Oracle Analytics Serverとその必要なスタックのデプロイ

Oracle Cloud Marketplaceを使用して、Oracle Cloud InfrastructureOracle Analytics Serverをデプロイします。

必要なメタデータを入力し、設定ウィザードで希望するオプションを選択します。

Oracle Cloud Marketplaceを使用したOracle Analytics Serverのデプロイ

デプロイメント後タスクの実行 セキュリティ、アクセス、リソース・クリーン・アップなど、必要なデプロイメント後タスクを完了します。 デプロイメント後タスクの完了
ユーザーの設定 ユーザーおよびグループを設定し、適切な権限を割り当てます。 Oracle CloudにOracle Analytics Serverをデプロイするためのユーザーの設定
使用率とコストの監視 Oracle Analytics Serverのコストを監視します。 Oracle CloudでのOracle Analytics Serverの使用コストの表示
インスタンスのスケーリング コンピュート・インスタンスの数を調整して、スケール・アウトまたはスケール・インします。 Oracle CloudでのOracle Analytics Serverのスケーリング

詳細の参照先

Oracle Analytics ServerOracle CloudおよびOracle Cloud Marketplaceに関する情報を入手できます。

最新の製品更新

ここでは、Oracle Cloud Marketplaceの使用によるOracle Cloud Infrastructure上でのOracle Analytics Serverの製品デプロイメントの新しいオプションについて概要を示します。

2022年7月

更新 説明
サブネット・コンパートメント

Oracle Analytics Serverのコンピュート・インスタンスをデプロイする仮想クラウド・ネットワーク(VCN)とサブネットを、別のコンパートメントに配置できるようになりました。

「ネットワーク構成」セクションに、サブネットが含まれているコンパートメントを選択できる新しいオプション「サブネット・コンパートメント」があります。Oracle Cloud Marketplaceを使用したOracle Analytics Serverのデプロイを参照してください。

2022年4月

更新 説明
フォルダ構造
Oracle Analytics Serverのインストールおよびドメイン構成の間にデプロイされるファイルのフォルダ構造が変わりました。更新されたフォルダ構造、およびいくつかのキー・ファイルの場所を次に示します。
  • /u01/app: Oracle Analytics Server製品およびバイナリ(config.shoraInst.locなどのファイルを含む)。

  • /u01/app/oas-scripts: biconfigcleaner.shcreateDataPartition.shcreate_oas_domain.shDefaultSingleNodeOASFirewallPorts.xmlgenerate_biconfig.sh oas_installer.shopen_oas_firewall_ports.shoas_install.finishなどのOracle Analytics Serverスクリプト。

  • /u01/data: Oracle Analytics Serverドメイン・ディレクトリ、およびbiconfig.rspなどのファイル。

    このパーティションには、コアOracle Analytics Serverバイナリに必要な領域以外に、要求されたすべてのブート・ボリューム領域も含まれています。

  • /u01/data/domains/bi/bitools/bin: Oracle Analytics Serverドメイン・ツール(status.shstart.sh、その他のスクリプトなど)。

  • /var/log: Oracle Analytics Serverのログ(oas_cloudinit.logoas_create_domain.logなど)。

以前は、これらのファイルは/tmpおよび/oas/oas_installというフォルダの下にデプロイされていました。

ログ・ファイルに関する変更点

デプロイメント・ログ・ファイルは、/var/logフォルダの下に含まれるようになりました(以前は/tmpの下)。ログ・ファイルの名前も変更されました。

  • oas_cloudinit.log (以前の名前はoas_install.log)

  • oas_create_domain.log (以前の名前はcreate_domain.log)

デフォルトで開かれるのは必要なファイアウォール・ポートのみ

Oracle Cloud Marketplaceを使用してOracle Analytics Serverをデプロイしドメインを作成する場合、デフォルトでは、単一ノード・インストールに必要なポートのみが開かれます。デプロイメント後に、スクリプトopen_oas_firewall_ports.shを使用して他のポートを開き、ご使用の環境に合わせてデフォルトのポート値を変更できます。詳細は、Oracle CloudでのOracle Analytics Serverのファイアウォール・ポートの管理を参照してください。

config.shを使用してドメインを手動で作成する場合に、ファイアウォール・ポート構成を変更するために、同じスクリプト(open_oas_firewall_ports.sh)を使用できます。

Oracle Analytics Server環境をスケールアウトする場合は、いくつかのポートを追加で開く必要があります。詳細は、スケールアウトされたマルチノード環境 - 追加で必要になるポートを参照してください。

管理タスク用の組込みユーザー(oracle)

Oracle Cloud Marketplaceを使用してOracle Analytics Serverをデプロイしドメインを作成する場合、Oracle Analytics Serverコンピュート・インスタンスとそのドメインは、oracleユーザーが作成して所有します。

opcユーザーとしてOracle Analytics Serverコンピュート・インスタンスに接続した後、oracleユーザーに切り替えて管理タスクを実行する必要があります。たとえば、Oracle Analytics Serverログへのアクセス、ファイアウォール・ポートの管理、スケール・アウト、ドメインの手動作成などを実行するには、組込みのoracleユーザーを使用する必要があります。組込みのoracleユーザーを使用したOracle Analytics Serverのコンピュート・インスタンスの管理を参照してください。

2022年3月

更新 説明
Oracle Analytics Server 2022

Oracle Cloud Marketplaceを使用して、Oracle Cloud InfrastructureにOracle Analytics Server 2022を簡単にデプロイします。