2 Oracle ASMLIBのインストールおよびアップグレード

ASMLIBは、Oracle Databaseの自動ストレージ管理(ASM)機能のサポート・ライブラリです。Oracleでは、このライブラリのLinux固有の実装を提供しています。このドキュメントでは、Oracle LinuxでASMライブラリをダウンロード、インストールおよびアップグレードする方法について説明します。

前提条件

  • 次のいずれかがインストールされているシステム:
    • Oracle Linux 8

    • Oracle Linux 9

  • ホストLinuxシステムのroot管理者権限。

ノート:

ホスト・システムでOracle Linux 7を使用している場合は、Oracle Linux 7: Oracle ASMLIBのインストールと構成を参照してください。

ULNサブスクリプションの更新またはパッケージのダウンロード

oracleasmlibおよびoracleasm-supportパッケージは、Unbreakable Linux Network (ULN)で使用できます。パッケージを手動でダウンロードすることもできます。

システムを更新し続けるには、ULNからインストールすることをお薦めします。

  • ULNチャネルのサブスクライブ

    ULNを使用している場合は、"Oracle ASMLIB"および"Oracle Linuxアドオン" ULNチャネルをサブスクライブします。

    1. ULNユーザー名とパスワードを使用して、https://linux.oracle.comにサインインします。
    2. 「システム」タブの登録済システムのリストから、指定したシステムのリンク名を選択します。
    3. 「システム詳細」ページで、「サブスクリプションの管理」を選択します。
    4. 「システム・サマリー」ページで、「使用可能なチャネル」リストから必要な"Oracle ASMLIB" and "Oracle Linux Addons"チャネルを選択し、右矢印(→)をクリックして、選択したチャネルをサブスクライブ済チャネル・リストに移動します。
    5. 「サブスクリプションの保存」をクリックします。
  • パッケージを手動でダウンロードします。

    ULNを使用しない場合は、次のリソースからドライバ・パッケージをダウンロードできますが、新しいパッチのリリース時にシステム上で更新する必要があります。

必須パッケージのインストール

次のステップでは、ASMサポート・ツール、ASMライブラリおよびカーネル・ドライバ(該当する場合)のインストール方法について説明します。

続行する前に、ULNチャネルをサブスクライブするか、パッケージをダウンロードする必要があります。詳細は、「ULNサブスクリプションの更新またはパッケージのダウンロード」を参照してください。

  1. 管理者権限を持つアカウントでシステムにログインします。
  2. oracleasm-supportパッケージおよびoracleasmlibパッケージをインストールします。
    sudo dnf install oracleasm-support oracleasmlib
  3. 必要に応じてカーネル・ドライバをインストールします。
    1. UEK R7を実行しているシステムでは、io_uringがすでにカーネルで有効になっているため、ASMLIBを使用するドライバは必要ありません。io_uringを、特定のグループIDで実行されるプロセスに制限できます。詳細は、「io_uringの有効化または制限」を参照してください。

    2. UEK R6以前を実行しているシステムでは、カーネルにoracleasmカーネル・ドライバがすでに含まれており、インストールされています。

    3. RHCKを使用するOracle Linux 8システムでは、oracleasmドライバをインストールする必要があります。
      sudo dnf install kmod-redhat-oracleasm
    4. RHCKを使用するOracle Linux 9システムでは、カーネル・ドライバをインストールする必要はありませんが、カーネルでio_uringを有効にする必要があります。「io_uringの有効化または制限」を参照してください。

io_uringの有効化または制限

システムでUEK R7またはRHCKを使用するOracle Linux 9を実行している場合、oracleasmカーネル・ドライバのかわりにio_uringインタフェースが使用されます。システムでRHCKを使用するOracle Linux 9を実行している場合は、io_uringをグローバルに有効にするか、特定のグループによって実行されるプロセスに制限されるようにio_uringを有効にする必要があります。io_uringは、UEK R7ではデフォルトでグローバルに有効になっていますが、必要に応じてシステム構成を編集して、特定のグループによって実行されるプロセスに制限できます。

システム構成を編集してio_uringを有効化または制限するには、次の手順を使用します。

  1. /etc/sysctl.confを編集し、カーネル構成を更新します。
    • カーネルでio_uringを完全に有効にするには、次の行を/etc/sysctl.confに追加します。

      kernel.io_uring_disabled = 0
    • または、/etc/sysctl.confに次の行を追加して、Oracle Databaseプロセスへのio_uring APIアクセスを制限できます。

      kernel.io_uring_disabled = 1
      kernel.io_uring_group = <GID>                            
      <GID>を、oracleasm configureコマンドでASMLIBを構成する際に指定したグループの数値IDに設定します。
  2. システム構成をリロードします。

    /etc/sysctl.confを更新した場合は、次を実行してシステム構成をリロードします。

    sudo sysctl -p

ASMLIBのアップグレード

dnf updateコマンドを使用してASMLIBを更新します。

  • dnf updateコマンドを実行して、システムを完全に更新します。
    sudo dnf update -y

    Red Hatから移行した新しいULNサブスクライバでは、ULNからoracleasmlibパッケージを更新することをお薦めします。