ULNからのKsplice拡張クライアントのインストール

ノート:

Oracle Cloud Infrastructure (OCI)を使用している場合、Kspliceはすでにデフォルトでインストールされています(2017年8月25日以降に作成されたすべてのOracle Linuxインスタンス上)。詳細は、Oracle Cloud InfrastructureでのOracle Kspliceを参照してください。

拡張クライアントをインストールする前に:

  • サポート対象バージョンのUnbreakable Enterprise Kernel (UEK)またはRed Hat Compatible Kernel (RHCK)がインストールされたOracle Linux 7、Oracle Linux 8またはOracle Linux 9がシステムで実行されていることを確認します。

    uname -aコマンドを使用して、カーネル・バージョンを確認します。「カーネルのメンテナンス」を参照してください。Kspliceは実行中のカーネルにのみ更新を適用するため、実行中のカーネルが更新対象のカーネルであることを確認します。

  • オンライン・クライアントの場合は、システムをULNに登録し、システムからOracle Uptrackサーバーに接続できることを確認します。

  • オフライン・クライアントの場合は、ローカルULNミラーを構成します

次の手順は、Oracle Linuxリリースにのみ当てはまります。

ノート:

この手順では、dnfコマンドを使用して、多くのパッケージ管理アクションを記述します。Oracle Linux 8より前のリリースでは、コマンドを適切なyumコマンドに置き換えてください。
  1. ULNの必要なチャネルをサブスクライブします。
    1. ULN (https://linux.oracle.com)にサインインします。システムの登録に使用したULNユーザー名とパスワードを指定します。
    2. 「システム」タブの登録されたマシンのリストで、システムの名前が付いているリンクを選択します。
    3. 「システム詳細」ページで、「サブスクリプションの管理」を選択します。

      Ksplice拡張クライアントおよびKsplice対応のユーザー・スペース・パッケージは、ULNの次のチャネルで使用できます。

      • Ksplice for Oracle Linux 7 (x86_64) (ol7_x86_64_ksplice)

      • Ksplice for Oracle Linux 7 (aarch64) (ol7_aarch64_ksplice)

      • Ksplice for Oracle Linux 8 (x86_64) (ol8_x86_64_ksplice)

      • Ksplice for Oracle Linux 8 (aarch64) (ol8_aarch64_ksplice)

      • Ksplice for Oracle Linux 9 (x86_64) (ol9_x86_64_ksplice)

      • Ksplice for Oracle Linux 9 (aarch64) (ol9_aarch64_ksplice)

      • Oracle Linux 7 (x86_64)用のKsplice対応ユーザー・スペース・パッケージ(ol7_x86_64_userspace_ksplice)

      • Oracle Linux 7 (aarch64)用のKsplice対応ユーザー・スペース・パッケージ(ol7_aarch64_userspace_ksplice)

      • Oracle Linux 8 (x86_64)用のKsplice対応ユーザー・スペース・パッケージ(ol8_x86_64_userspace_ksplice)

      • Oracle Linux 8 (aarach64)用のKsplice対応ユーザー・スペース・パッケージ(ol8_aarch64_userspace_ksplice)

      • Oracle Linux 9 (x86_64)用のKsplice対応ユーザー・スペース・パッケージ(ol9_x86_64_userspace_ksplice)

      • Oracle Linux 9 (aarach64)用のKsplice対応ユーザー・スペース・パッケージ(ol9_aarch64_userspace_ksplice)

    4. 「システム・サマリー」ページで、使用可能なチャネルのリストからKspliceユーザー・スペースおよびKspliceチャネルを選択し、右矢印(>)を選択して、それらをサブスクライブ済チャネルのリストに移動します。
    5. Ksplice拡張クライアント・パッケージのライセンス条件を受け入れます。
    6. サブスクリプションを保存し、ULNからログアウトします。
  2. (オプション)プロキシ設定を構成します。

    インターネット・プロキシを使用している場合、シェルでプロキシのHTTPおよびHTTPS設定を次のように構成できます:

    • shkshまたはbashシェルでは、次のようなコマンドを使用します。

      sudo http_proxy=http://proxy_URL:http_port
      sudo https_proxy=http://proxy_URL:https_port
      sudo export http_proxy https_proxy

      cshシェルでは、次のようなコマンドを使用します。

      sudo setenv http_proxy=http://proxy_URL:http_port
      sudo setenv https_proxy=http://proxy_URL:https_port                           
  3. 事前リンクされたバイナリを元に戻し、prelinkパッケージを削除します。

    prelinkがインストールされている場合、すべての事前リンク済バイナリおよび依存ライブラリを元の状態に戻してから、prelinkパッケージを削除します:

    sudo prelink -au
    sudo dnf remove prelink

    ノート:

    prelinkは、Oracle Linux 7、Oracle Linux 8またはOracle Linux 9ではデフォルトでインストールおよび有効化されません。

  4. kspliceパッケージをインストールします。
    • Kspliceオンライン・クライアントの場合、次のコマンドを使用します。

      sudo dnf install -y ksplice uptrack
    • Kspliceオフライン・クライアントの場合、次のコマンドを使用します。

      sudo dnf install -y ksplice ksplice-offline uptrack-offline

    次の例に示すように、Ksplice Uptrackのアクセス・キーはULNから取得され、/etc/uptrack/uptrack.confファイルに追加されます。

    [Auth]
    accesskey = 0e1859ad8aea14b0b4306349142ce9160353297daee30240dab4d61f4ea4e59b

    次のパッケージがシステムにインストールされます。

    ksplice-core

    Kspliceパッチ適用をサポートする共有ユーザー・スペース・ライブラリ(glibcおよびopensslなど)が含まれます。

    ksplice-helper

    Kspliceによってユーザー・スペース実行可能ファイルにパッチ適用できるヘルパー・ライブラリが含まれます。

    ksplice-helper-devel

    Kspliceパッチ適用をサポートするユーザー・スペース・ライブラリを作成するための開発環境が含まれます。

    ksplice-tools

    ksplice実行可能ファイルおよびksplice(8)マニュアル・ページが含まれます。

  5. システムを更新します。

    システムを更新して、ユーザー・スペース・ライブラリのKsplice対応バージョンをインストールします。

    sudo dnf update

    ライブラリのみをインストールし、他のパッケージを更新しない場合は、次のチャネルへの更新を適宜制限します:

    • ol7_x86_64_userspace_ksplice

    • ol7_aarch64_userspace_ksplice

    • ol8_x86_64_userspace_ksplice

    • ol8_aarch64_userspace_ksplice

    • ol9_x86_64_userspace_ksplice

    • ol9_aarch64_userspace_ksplice

    たとえば、Oracle Linux 9 Kspliceユーザー対応x86_64チャネルのパッケージを更新する場合は次のようにします:

    sudo dnf --disablerepo=* --enablerepo=ol9_x86_64_userspace_ksplice update

    また、パッケージ・マネージャのinstallコマンドでglibc*およびopenssl*構文を使用することもできます。このクライアントを使用してカーネル更新を実行するには、標準のUptrackクライアントを使用する場合と同じ方法でこのクライアントをインストールします。次に例を示します:

    sudo dnf install uptrack-updates-$(uname -r)
  6. (オプション)更新の自動インストールを有効にします。

    更新の自動インストールを有効にするには、/etc/uptrack/uptrack.confファイルの次のエントリをnoからyesに変更します。

    autoinstall = yes
  7. システムを再起動します。

    変更を有効にするには、システムを再起動します。

    sudo systemctl reboot

Ksplice拡張クライアントは、Ksplice Uptrackクライアントと同じ構成ファイル(/etc/uptrack/uptrack.conf)を使用します。Ksplice Uptrackクライアントの構成を参照してください。

Ksplice拡張クライアントを管理するには、kspliceコマンドを使用します。「Ksplice拡張クライアントでのkspliceコマンドの使用」を参照してください。