3 ULNを使用するためのシステムの構成

システムにOracle Linuxをインストールすると、デフォルトでシステムは、システムのリポジトリ・ニーズのソースとして、パブリックOracle Linux yumサーバーを使用します。ただし、ULNを使用するようにシステムを構成するオプションもあります。これはシステムをULNに登録する必要があります。

yumサーバーとULNの違いを確認するには、「ULNおよびYumサーバーの比較」を参照してください。

ULNへのシステムの登録方法

ULNにシステムを登録すると、パブリックOracle Linux yumサーバーで使用できない追加のソフトウェア・パッケージへのアクセスが取得できるという利点があります。

ULNに登録するには、次の要件を満たす必要があります。
  • 有効なカスタマ・サポートID (CSI)とシングル・サインオン(SSO)アカウントを持つ、Oracle Linux Supportのお客様であることが必要です。
  • システム・ユーザー・アカウントにはシステム管理者権限が必要です。
  • ファイアウォールの内側にあるシステムには、ポート443を経由したlinux-update.oracle.comへのアウトバウンド・アクセスが必要です。アウトバウンド・ファイアウォールがホスト名の例外の追加をサポートしていない場合は、IPアドレス138.1.51.46を使用します。
このタスクでは、コマンドラインまたはデスクトップのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してULNに登録する手順を示します。
  1. ULN登録フォームにアクセスします。
    • コマンドラインの使用

    1. rhn-setupパッケージがインストールされていることを確認します。
      sudo dnf list rhn-setup

      パッケージがインストールされていない場合は、次のように入力します。

      sudo dnf install rhn-setup
    2. ULN登録フォームにアクセスします。
      uln_register
    3. プロンプトに従って、資格証明を指定します。

      ソフトウェアの更新の設定ウィンドウが表示されます。

    • デスクトップのグラフィカル・ユーザー・インタフェースの使用

    1. デスクトップで「アクティビティ」を選択し、ULN登録を検索します。
    2. 「ULN登録」ショートカット・アイコンをクリックします。
    3. プロンプトに従って、資格証明を指定します。

      ソフトウェアの更新の設定ウィンドウが表示されます。

  2. 「次」をクリックします。
  3. ULNユーザー名、パスワード、カスタマ・サポートID (CSI)を指定します。
  4. システムのULN名を入力します。
  5. ULNがシステムに適したパッケージを選択できるようにする、ハードウェアおよびソフトウェアのプロファイル・データをアップロードするかどうかを選択します。
  6. Oracle Linux Supportのアカウントを持っており、システムが適切なカーネルを実行している場合は、Oracle Kspliceからカーネル更新を受信するようにシステムを構成します。

    この手順では、dnf-plugin-spacewalkパッケージとrhn-client-toolsパッケージをインストールして有効にし、適切なソフトウェア・チャネルにシステムをサブスクライブします。

    インターネット・アクセスにプロキシ・サーバーを使用する場合は、ULNにプロキシを使用するためのシステムの構成を参照してください。

    Kspliceを使用するための登録の詳細は、『Oracle Linux Kspliceユーザーズ・ガイド』を参照してください。

ULNにプロキシを使用するためのシステムの構成

Yumプラグイン(yum-rhn-plugin)を使用してULNにアクセスする場合は、/etc/sysconfig/rhn/up2dateで、この例に示すようにenableProxyhttpProxyの設定を指定します。

enableProxy=1
httpProxy=http://proxysvr.example.com:3128

プロキシ・サーバーで認証が要求される場合は、enableProxyAuthproxyUserおよびproxyPassword設定も次のように指定します。

enableProxy=1
httpProxy=http://proxysvr.example.com:3128
enableProxyAuth=1
proxyUser=user
proxyPassword=password   

注意:

すべてのdnfユーザーに、/etc/dnf/dnf.confまたは/etc/sysconfig/rhn/up2dateへの読取りアクセスが必要です。このファイルをどこからでも読み取れるようにする必要がある場合、ユーザーのログイン・パスワード、特にrootのパスワードと同じパスワードは使用しないでください。

システムのチャネル・サブスクリプションの管理方法

システムをULNチャネルにサブスクライブすると、それらのチャネルでパッケージの更新が使用可能になったときに、システムが自動的にパッケージの更新を受信します。

システムがULNに登録されていることを確認します。「ULNへのシステムの登録方法」を参照してください。
ULN Webコンソールを使用して、チャネルにサブスクライブしたり、システムのチャネル・サブスクリプションを削除します。
  1. 適切なULNユーザー名とパスワードを使用して、https://linux.oracle.comにログインします。
  2. (オプション)システムをサブスクライブできる、使用可能なチャネルを表示します。
    1. 「チャネル」タブをクリックします。
    2. 「リリース」および「アーキテクチャ」ドロップダウンを使用して、特定のOSとアーキテクチャにリスト表示を制限します。
  3. システムのサブスクリプション情報を管理します。
    1. 「システム」タブをクリックし、登録されたマシンのリストから、サブスクリプションを管理するシステムを選択します。
    2. 「システム詳細」ページで、「サブスクリプションの管理」をクリックします。
    3. 「システム・サマリー」ページで、利用できるチャネルまたはサブスクライブ済のチャネルのリストからチャネルを選択し、矢印をクリックすると、チャネルをリスト間で移動できます。
      使用可能なリストとサブスクライブ済リストの間でチャネルを移動すると、チャネル・サブスクリプションが追加または削除されます。

      注意:

      _latestチャネルからサブスクライブを解除すると、システムはセキュリティ関連の問題に対して脆弱になる可能性があります。システムの_latestチャネルへのサブスクライブは常に維持するようにお薦めします。
  4. チャネルの選択を完了したら、「サブスクリプションの保存」をクリックします。

ULNのシステム詳細の変更方法

システム情報を変更すると、ULNでシステムの登録情報が更新され、最新の状態に保たれます。

システムは、ULNへの接続に使用するユーザー名で登録する必要があります。そうしないと、このタスクを完了できません。
このタスクを完了するには、ULN Webコンソールを使用します。
  1. 適切なULNユーザー名とパスワードを使用して、https://linux.oracle.comにサインインします。
  2. 「システム」タブの登録されたマシンのリストで、システムの名前が付いているリンクをクリックします。
  3. 「システム詳細」ページで、「編集」をクリックします。
  4. システム・プロパティの編集ページでは、システムに関連付けられている名前を変更したり、システムを他のシステムのローカルyumサーバーとして登録したり、システムが登録されているCSIを変更できます。
  5. 変更が完了したら、「変更を適用」をクリックします。

ULNからのシステムの削除方法

ULNからシステムを登録解除すると、システムはパッケージの更新を自動的に受信しなくなります。

システムは、ULNへの接続に使用するユーザー名で登録する必要があります。そうしないと、このタスクを完了できません。
システムのパッケージを更新する方法と更新時期を制御する場合は、ULNからシステムを削除します。これらの手順は、ULN Webコンソールを使用して完了します。
  1. 適切なULNユーザー名とパスワードを使用して、https://linux.oracle.comにログインします。
  2. 「システム」タブの登録されたマシンのリストで、システムの名前が付いているリンクをクリックします。
  3. 「システム詳細」ページで、「削除」をクリックします。
  4. 削除を確認するには、「OK」をクリックします。
  5. ULNからのシステムの自動更新を無効にします。

    次に示すように、enabledオプションの値を0に変更して、/etc/dnf/plugins/spacewalk.confファイルを編集します。

    [main]
    enabled = 0
    gpgcheck = 1
    timeout = 120
  6. Oracle Linux yumサーバー上の適切なyumリポジトリか適切なミラーにシステムをサブスクライブし、バグ修正およびセキュリティ・パッチのソフトウェア更新を受信します。