2 Oracle Exadata System Softwareリリース22.xの新機能

この項では、Oracle Exadata System Softwareリリース22.xに導入された新機能について説明します。

2.1 Oracle Exadata Database Machine 22.1の新機能

2.1.1 リアルタイム・インサイト

Oracle Exadata System Software 22.1.0以降では、リアルタイム・インサイトによって、Exadataフリート内のすべてのサーバーから最新のメトリック観測データを自動的にストリーミングしてリアルタイム分析および問題解決のためのカスタマイズ可能な監視ダッシュボードにそれらを送り込むインフラストラクチャが提供されます。

ストリームに含めるExadataメトリックを200以上選択することや、標準のWebプロトコルを使用してストリームを一般的な可観測性プラットフォーム、時系列データベースおよび視覚化アプリケーションに自動的に伝播することができます。

2.1.2 Oracle Linux 7へのOracle VM Server管理ドメインのアップグレード

Oracle Exadata System Software 22.1.0には、Oracle VM Server管理ドメイン(Dom0)のOracle Linux 7へのアップグレードが含まれています。

このアップグレードにより、Oracle VM Server管理ドメインが最新式になり、安定性とセキュリティが大幅に向上し、Oracle Exadata System SoftwareでのOracle Linux 6への最後の依存関係が削除されます。

このアップグレードがOracle VMユーザー・ドメイン (DomU)に認識されることはなく、管理ドメイン内では引き続き既存のボリュームおよびファイルシステム構造が使用されます。

この変更点は、Exadata X8-2上の仮想マシン(VM)および以前の2ソケット・ハードウェア・モデル(InfiniBand Network Fabricが含まれている)で構成されたExadataシステムにのみ適用されます。

2.1.3 Exadataのアップグレードの改善点

Oracle Exadata System Software 22.1.0には、Exadataデータベース・サーバーをより迅速にアップグレードできるようにするための多数の変更点が含まれています。それらの変更点を次に示します。

  • 操作のシーケンスを最適化して、不要な繰返し、不要なチェックおよび不要な再起動をなくします。

  • 操作とチェックを非同期で(バックグラウンドで)、および可能な場合は並行して実行します。

  • Exadataソフトウェア・イメージのパッケージングを最適化して、不要な再パッケージングをなくします。

  • 可能な場合は、ソフトウェアおよびファームウェアのイメージを事前にステージングします。

改善点は、オペレーティング・システム(OS)のアップグレード手順、Oracleソフトウェアのアップグレード手順、Exadataソフトウェアのイメージ化手順、ファームウェアのアップグレード手順など、アップグレード・プロセスのあらゆる側面にわたります。

個々の結果は、システム構成、システム負荷、アップグレード前のソフトウェア・バージョン、システム・サイズなど、多くの値に基づいて変化します。ほとんどの場合は、各サーバーのアップグレードが10%以上速くなります。場合によっては、アップグレード時間が以前のアップグレードの半分になります。

さらに、複数のサーバー使用する場合はその効果が倍増します。したがって、ラックのサイズ、またはフリート内のラックの数によっては、これらの改善によって、アップグレード実行にかかる全体的な時間が時間単位または日単位で短縮されます。

2.1.4 Oracle Exadata System Softwareリリース22.1で非推奨となった機能

次の機能は、このリリースでは非推奨であり、将来のリリースではサポートされなくなる可能性があります。

2.1.4.1 RAMキャッシュが非推奨に

2022年9月のOracle Exadata System Softwareリリース更新(バージョン21.2.16および22.1.3)から、セルのRAMキャッシュ機能は非推奨になりました。

既存のRAMキャッシュインストールは、以前のリリースと同様に引き続き動作します。ただし、非推奨となった後は新しいRAMキャッシュ作成リクエストは許可されません。

セルのRAMキャッシュ機能は、Oracle Exadata System Softwareバージョン18.1.0で導入されました。「インメモリーOLTPおよび統合アクセラレーション」を参照してください。

2.1.4.2 USBイメージが非推奨に

2022年9月のOracle Exadata System Softwareリリース更新(バージョン21.2.16および22.1.3)から、USBイメージは非推奨になりました。

非推奨となった後、USBイメージはOracle Exadata Database Machineサーバーのイメージングまたは再イメージングに使用できなくなり、Secure Eraserパッケージ(secureeraser_label.zip)には含まれません。USBイメージ・ファイルのかわりに、ISOイメージ・ファイルでPXEオプションを使用します。