3 前提条件

開始する前に、マイクロサービス対応トランザクション・マネージャ(MicroTx)のインストール・バンドルをローカル・システムにダウンロードします。

XAサンプル・アプリケーションを実行しようとする場合、トランザクション参加側サービスのリソース・マネージャを設定します。

3.1 インストール・バンドルのダウンロード

次のステップを実行して、MicroTxインストール・バンドルをローカル・システムにダウンロードします:

  1. MicroTxインストール・バンドル(.zipファイル)をhttps://www.oracle.com/database/transaction-manager-for-microservices/からダウンロードします。
  2. MicroTxインストール・バンドルを解凍します。
    unzip otmm-<version>.zip
  3. 次のコマンドを実行し、抽出されたファイルのリストを表示します。
    ls -lR otmm-<version>

次のフォルダがあります。

  • lib: このフォルダには、MicroTxライブラリ・ファイルが含まれます。MicroTxを使用してアプリケーション・マイクロサービス間のトランザクションを管理するには、アプリケーション・コードでこれらのライブラリ・ファイルを使用する必要があります。
  • otmm: このフォルダには、MicroTxイメージおよびYAMLファイルが含まれ、これを使用してMicroTxをインストールおよび構成できます。
  • samples: このフォルダには、様々なトランザクション・プロトコル(XALRAおよびTCC)のサンプル・アプリケーションのソース・コードが含まれています。サンプル・アプリケーションのソース・コードには、MicroTxライブラリも含まれています。

3.2 XA準拠リソース・マネージャの設定

サンプルXAアプリケーションのXA準拠リソース・マネージャを設定してから、サンプル値を含む表を作成します。

任意のOracle Databaseを使用できます。たとえば、Oracle CloudのAutonomous Transaction Processing (ATP) Databaseインスタンス、Kubernetesクラスタ内で実行されているOracle Database、またはオンプレミス・データベースなどです。デプロイした時点でアプリケーションがデータベースにアクセスできることを確認します。

Autonomous Databaseインスタンスを使用する場合のみ、次のステップを実行してOracleクライアント資格証明(ウォレット・ファイル)を取得します:
  1. Autonomous Databaseインスタンスからウォレットをダウンロードします。共有ExadataインフラストラクチャでのOracle Autonomous Databaseの使用クライアント資格証明(ウォレット)のダウンロードに関する項を参照してください。

    ZIPファイルがローカル・マシンにダウンロードされます。ウォレット・ファイルの名前がWallet_database.zipであるとします。

  2. ウォレット・ファイルを解凍します。
    unzip Wallet_database.zip

    ファイルが1つのフォルダに抽出されます。後で指定する必要があるため、ウォレット・ファイルの場所を書き留めます。

データベースとサンプル値を含む表の作成

サンプルXAアプリケーションをテストするには、データベースと、両方の部門アプリケーションのサンプル値を含む表を作成します。MicroTxインストール・バンドルには、必要な表を作成するために実行できるSQLスクリプト・ファイルが含まれています。データベースに接続するクライアント・ツールを使用してSQLスクリプトを実行します。データベースとの接続を確立し、SQLスクリプトを実行するには、データベース資格証明を指定する必要があります。

SQLスクリプトを使用して、データベースと表を作成し、サンプル値を移入するには:

  1. SQL DeveloperまたはSQL Plusを使用して、Oracle Databaseに接続し、<installation_directory/otmm-RELEASE/samples/xa/java/department-helidon/department.sqlファイルを実行します。

    これにより、department_helidonという名前のデータベースと、accountsという名前の表が作成されます。また、accounts表にサンプル値が移入されます。

  2. SQL DeveloperまたはSQL Plusを使用して、Oracle Databaseに接続し、<installation_directory/otmm-RELEASE/samples/xa/java/department-spring/department.sqlファイルを実行します。

    これにより、department_springという名前のデータベースと、accountsという名前の表が作成されます。また、次の表に示すサンプル値がaccounts表に移入されます。

    Account_ID Amount
    account1 1000
    account2 2000
    account3 3000
    account4 4000
    account5 5000