2 Oracle Tuxedo Advanced Performance Packの構成

この項では、Oracle Tuxedo Advanced Performance Packの各種機能の構成方法について説明します。

UBBCONFIGRESOURESOPTIONSパラメータがXPPに設定されている場合、この製品のすべての機能が有効です。Oracle ExalogicおよびOracle SPARC SuperClusterプラットフォームでは、OPTIONSパラメータはEECSに設定される必要があります。

2.1 自動チューニング・ロック・メカニズム

2つのオプション属性がUBBCONFIG *MACHINESセクションでサポートされます。

SPINTUNING_FACTOR
オプションSPINTUNING_FACTORは、チューニング対象を制御します。デフォルト値は100で、ほとんどのシナリオでは十分な値です。必要に応じて、1から10000まで変更できます。100という値は、ロック試行回数が1/100未満である結果、システム・レベル・メソッドでBBロックを取得し、十分なアイドルCPUがあるかぎり、SPINCOUNTがチューニングを停止することを示します。システム・レベル・メソッドのロック試行回数が1を超え、十分なアイドルCPU時間がある場合には、SPINCOUNTが増加します。
SPINTUNING_MINIDLECPU: CPUアイドル時間を指定します。
ユーザー・レベル・メソッドの悪影響は、余分なCPU処理が行われる点です。ユーザー・レベル・メソッドの試行回数が多すぎると、多くのCPU時間がかかります。このオプションを使用すると、ユーザー・レベル・メソッドで使用されるCPUを制限できます。自動チューニング・ロック・メカニズムは、チューニング対象が満たされない場合にもSPINTUNING_MINIDLECPUの制限に達すると、SPINCOUNTを増加しません。それとは反対に、チューニング対象が満たされるかどうかにかかわらず、SPINTUNING_MINIDLECPUの制限が解除される場合は、SPINCOUNTは減少します。たとえば、20の値が指定される場合、自動チューニング・ロック・メカニズムは、調整中に20%以上のアイドルCPU時間を制御します。デフォルト値は20です。

ノート:

  • 指定しないと、これらの属性にはデフォルト値が使用されます。
  • 自動チューニング・ロック・メカニズムは、スキャン単位ごとにSPINCOUNTを調整できますが、対象を満たすために何度か調整する必要がある場合があります。

詳細は、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のUBBCONFIG(5)およびUBBCONFIG(5)の追加情報の例2 自動チューニング・ロック・メカニズムの構成に関する項を参照してください。

TM_MIBを介しても構成を設定できます。詳細は、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のTM_MIB(5)に関する項を参照してください。

次のリストは、自動チューニング・ロック・メカニズムを有効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: 自動チューニング・ロック・メカニズムを有効にするUBBCONFIGファイルの例

*RESOURCES
 
OPTIONS       XPP
...

この機能は、UBBCONFIGファイルでオプションNO_SPINTUNINGを指定して無効にできます。

次のリストは、自動チューニング・ロック・メカニズムを無効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: 自動チューニング・ロック・メカニズムを無効にするUBBCONFIGファイルの例

*RESOURCES
OPTIONS        XPP,NO_SPINTUNING
...

2.2 共有メモリー・プロセス間通信

*RESOURCESセクションでは、さらに別のオプション属性が用意されています

SHMQMAXMEM numeric_value
メッセージ・バッファに使用される最大共有メモリー・サイズ(MB)を指定します。
UNIXプラットフォームおよびWindowsプラットフォームの場合、numeric_valueの範囲は1から2000 (1と2000を含む)です。その他のプラットフォームの場合、numeric_valueの範囲は1から96000 (1と96000を含む)です。SHMQMAXMEMが指定されていない場合、推奨最小値が使用されます。この値はほとんどすべてのシナリオで十分な値です。
推奨最小値を取得するには、tmloadcf – cを実行します。詳細は、「セクション1 - Oracle Tuxedoコマンド・リファレンス」のtmloadcf(1)に関する項を参照してください。

次のリストは、共有メモリー・プロセス間通信を有効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: 共有メモリー・プロセス間通信を有効にするUBBCONFIGファイルの例

*RESOURCES
OPTIONS       XPP
...

この機能は、UBBCONFIGファイルでオプションNO_SHMQを指定して無効にできます。

次のリストは、共有メモリー・プロセス間通信を無効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: 共有メモリー・プロセス間通信を無効にするUBBCONFIGファイルの例

*RESOURCES
OPTIONS       XPP,NO_SHMQ
...

2.3 ドメインをまたがる密結合トランザクション

Oracle Tuxedo Advanced Performance Packにはこの機能がデフォルトで含まれており、無効にすることはできません。

2.4 同時グローバル・トランザクション表ロック

Oracle Tuxedo Advanced Performance Packにはこの機能がデフォルトで含まれており、無効にすることはできません。

リスト: デフォルトで同時グローバル・トランザクション表ロックを有効にする構成例

*RESOURCES
OPTIONS       XPP

2.5 RACの部分的1フェーズ読取り専用最適化

次のリストは、RACの部分的1フェーズ読取り専用最適化を有効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: RACの部分的1フェーズ読取り専用最適化を有効にするUBBCONFIGファイルの例

*RESOURCES
OPTIONS         XPP
...

この機能は、UBBCONFIGファイルでオプションNO_RDONLY1PCを指定して無効にできます。

次のリストは、RACの部分的1フェーズ読取り専用最適化を無効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: RACの部分的1フェーズ読取り専用最適化を無効にするUBBCONFIGファイルの例

*RESOURCES
OPTIONS         XPP,NO_RDONLY1PC
...
 

TM_MIBを介しても構成を取得/変更できます。詳細は、「セクション5 - ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス」のTM_MIB(5)に関する項を参照してください。

2.6 単一グループの複数ブランチ(SGMB)

次のリストは、SGMBを有効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: デフォルトでSGMBを有効にする構成例

*RESOURCES
OPTIONS         XPP

この機能は、UBBCONFIGファイルでオプションRMOPTIONSSINGLETONを指定して無効にできます。

RMOPTIONS {[...|SINGLETON],*}

ノート:

このオプションは、ドメインで使用されるすべてのRACサービスがシングルトンであることを示します。

次のリストは、SGMBを無効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: SGMBを明示的に無効にする構成例

*RESOURCES
OPTIONS         XPP
RMOPTIONS    SINGLETON

Tuxedoアプリケーションがアクティブでない場合は、TM_MIBT_DOMAINクラスを介して、このフラグを設定することもできます。詳細は、「セクション5 - ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス」のTM_MIB(5)に関する項を参照してください。

2.7 共通XID

次のリストは、共通XIDを有効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: デフォルトで共通XIDを有効にする構成例

*RESOURCES
OPTIONS         XPP

この機能は、UBBCONFIGファイルでオプションRMOPTIONSNO_COMMONXIDを指定して無効にできます。

RMOPTIONS {[...|NO_COMMONXID],*}

次のリストは、共通XIDを無効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: 共通XIDを明示的に無効にする構成例

*RESOURCES
OPTIONS         XPP
RMOPTIONS       NO_COMMONXID

Tuxedoアプリケーションがアクティブでない場合は、TM_MIBT_DOMAINクラスを介して、このフラグを設定することもできます。詳細は、「セクション5 - ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス」のTM_MIB(5)に関する項を参照してください。

2.8 XAトランザクション・アフィニティ

次のリストは、XAトランザクション・アフィニティを有効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: デフォルトでXAトランザクション・アフィニティを有効にする構成例

*RESOURCES
OPTIONS         XPP

この機能は、UBBCONFIGファイルでオプションRMOPTIONSNO_XAAFFINITYを指定して無効にできます。

RMOPTIONS {[...|NO_XAAFFINITY],*}

次のリストは、XAトランザクション・アフィニティを無効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: XAトランザクション・アフィニティを明示的に無効にする構成例

*RESOURCES
OPTIONS         XPP
RMOPTIONS     NO_XAAFFINITY

Tuxedoアプリケーションがアクティブでない場合は、TM_MIBT_DOMAINクラスを介して、このフラグを設定することもできます。詳細は、「セクション5 - ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス」のTM_MIB(5)に関する項を参照してください。

2.9 データベース・インスタンス間のフェイルオーバー/フェイルバック

この機能は、FANテクノロジを使用して実装されます。このテクノロジを有効にするには、「FAN統合」を参照してください。

2.10 RACインスタンス間のロード・バランシング

この機能は、FANテクノロジを使用して実装されます。このテクノロジを有効にするには、「FAN統合」を参照してください。

2.11 FAN統合

次のリストは、FAN統合を有効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: デフォルトでFANを有効にする構成例

*RESOURCES
OPTIONS     XPP

この機能は、UBBCONFIGファイルでオプションRMOPTIONSNO_FANを指定して無効にできます。

RMOPTIONS {[...|NO_FAN],*}

次のリストは、FAN統合を無効にするUBBCONFIGファイルの例を示しています。

リスト: FANを明示的に無効にする構成例

*RESOURCES
OPTIONS                XPP
RMOPTIONS       NO_FAN

Tuxedoアプリケーションがアクティブでない場合は、TM_MIBT_DOMAINクラスを介して、このフラグを設定することもできます。詳細は、「セクション5 - ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス」のTM_MIB(5)に関する項を参照してください。

TuxedoでFANをサポートするようにTMFANを構成し、Tuxedoシステム・サーバーTMFANSERVERSセクションに指定する必要があります。詳細は、「セクション5 - ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス」のTMFAN(5)に関する項を参照してください。

Tuxedo XAサーバーのOracle TAF(透過アプリケーション・フェイルオーバー)をサポートするために、threads=tUBBCONFIG*GROUPSセクションのOPENINFOに含まれている必要があります。