21.5 翻訳プロセスの理解

アプリケーション・ビルダーで開発したアプリケーションを翻訳するには、プライマリおよびターゲット言語をマップし、テキストを翻訳ファイルにシードおよびエクスポートし、テキストを翻訳し、翻訳ファイルを適用し、翻訳済アプリケーションをパブリッシュする必要があります。

この項では、アプリケーションの翻訳プロセスについて説明します。

21.5.1 ステップ1: アプリケーション言語の定義

アプリケーション翻訳の最初のステップは、プライマリおよびターゲットのアプリケーション言語をマップすることです。プライマリ・アプリケーションは、翻訳されるアプリケーションです。ターゲット・アプリケーションは、翻訳結果のアプリケーションです。

プライマリおよびターゲットのアプリケーション言語をマップするには:

  1. アプリケーションの翻訳ページにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. 「共有コンポーネント」をクリックします。
    4. 「グローバリゼーション」で、「アプリケーション翻訳」をクリックします。

      翻訳ページが表示されます。

  2. 「アプリケーション言語の定義」をクリックします。

    マッピング・ページが表示されます。

  3. 「作成」をクリックします。
  4. 言語アプリケーション・マッピングの作成/編集で、次を指定します。
    • 翻訳アプリケーション - アプリケーションを識別する一意の整数値を入力します。アプリケーションIDは、Oracle APEXのインスタンスで一意である必要があります。
    • 言語 - 翻訳する言語を選択します。
    • イメージ・ディレクトリ - イメージが取得されるディレクトリを入力します。翻訳されるイメージ・ディレクトリからの静的ファイルを使用する場合を除き、このフィールドは空白のままにします。これはデフォルトで、最も一般的なオプションです。
  5. 「作成」をクリックします。

21.5.2 ステップ2: 翻訳ファイルへのシードおよびダウンロード

翻訳表をシードし、翻訳テキストを翻訳ファイルにエクスポートします。

21.5.2.1 翻訳可能なテキストのシード

翻訳可能なテキストのシードについて説明します。

翻訳のシードにより、すべての翻訳可能なテキストが翻訳テキスト・リポジトリにコピーされます。言語を指定して翻訳テキストをシードすると、翻訳用のXLIFFファイルを生成してエクスポートできます。

シード・プロセスでは、プライマリ言語アプリケーションと翻訳テキスト・リポジトリの同期がとられます。プライマリ言語アプリケーションを変更するたびに、シード・プロセスを実行する必要があります。

翻訳可能なテキストをシードするには:

  1. アプリケーションの翻訳ページにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. 「共有コンポーネント」をクリックします。
    4. 「グローバリゼーション」で、「アプリケーション翻訳」をクリックします。

      翻訳ページが表示されます。

  2. 「翻訳可能なテキストのシード」をクリックします。
  3. 適切なターゲット・アプリケーションを選択します。
  4. 「シード」をクリックします。

    完了すると、次のメッセージが表示されます。

    Successfully seeded translatable text.

21.5.2.2 XLIFFファイルのダウンロード

XLIFFファイルをダウンロードする方法について説明します。

翻訳のマッピングが確立されると、アプリケーション内の翻訳可能なテキストが翻訳リポジトリにシードされます。このリポジトリを翻訳用のXML Localization Interchange File Format (XLIFF)ファイルにエクスポートします。

21.5.2.2.1 XLIFFのエクスポート・ページについて

XLIFFのエクスポート・ページについて説明します。

XLIFFのエクスポート・ページは、2つのセクションに分かれています。アプリケーション全体の翻訳可能なテキスト(すべてのページ、LOV、メッセージなど)をエクスポートするには、上のセクションを使用します。特定のページの翻訳可能なテキストをエクスポートするには、下のセクションを使用します。

ノート:

XLIFF(XML Localization Interchange File Format)は、ローカリゼーション・データを変換するためのXMLベースのフォーマットです。XLIFFおよびXLIFF 1.0の仕様の詳細は、次を参照してください。

https://www.oasis-open.org/committees/tc_home.php?wg_abbrev=xliff
21.5.2.2.2 アプリケーションのXLIFFファイルのダウンロード

アプリケーションのXLIFFファイルをダウンロードする方法について説明します。

完全なアプリケーションのXLIFFファイルをダウンロードするには:

  1. 翻訳可能なテキストをシードします。
  2. アプリケーションの翻訳ページにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. 「共有コンポーネント」をクリックします。
    4. 「グローバリゼーション」で、「アプリケーション翻訳」をクリックします。

      翻訳ページが表示されます。

  3. 翻訳ページで、「XLIFF翻訳ファイルのダウンロード」をクリックします。
  4. 「完全なアプリケーション用のXLIFFファイルのダウンロード」で、次のステップを実行します。
    1. 言語 - XLIFFファイルでダウンロードする言語を選択します。
    2. XLIFFターゲット要素を含める - XLIFFターゲット要素を含めるかどうかを指定します。含めるには、「XLIFFターゲット要素を含める」を選択します。
    3. エクスポート - アプリケーションのすべての翻訳可能な要素をエクスポートするか、新規または更新された要素のみをエクスポートするかを選択します。
    4. 「XLIFFのエクスポート」をクリックします。
  5. 画面に表示されるステップに従います。
21.5.2.2.3 アプリケーション・ページのXLIFFファイルのダウンロード

アプリケーション・ページのXLIFFファイルをダウンロードする方法について説明します。

特定ページのXLIFFファイルをダウンロードするには:

  1. 翻訳可能なテキストをシードします。
  2. アプリケーションの翻訳ページにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. 「共有コンポーネント」をクリックします。
    4. 「グローバリゼーション」で、「アプリケーション翻訳」をクリックします。

      翻訳ページが表示されます。

  3. 翻訳ページで、「XLIFF翻訳ファイルのダウンロード」をクリックします。
  4. 「アプリケーション・ページ用のXLIFFファイルのダウンロード」で、次のステップを実行します。
    1. 言語 - XLIFFファイルでダウンロードする言語を選択します。
    2. ページ - ページを選択します。
    3. XLIFFターゲット要素を含める - XLIFFターゲット要素を含めるかどうかを指定します。含めるには、「XLIFFターゲット要素を含める」を選択します。
    4. エクスポート - ページのすべての翻訳可能な要素をエクスポートするか、新規または更新された要素のみをエクスポートするかを選択します。
    5. 「XLIFFのエクスポート」をクリックします。
  5. 画面に表示されるステップに従います。
21.5.2.2.4 含まれるXLIFFターゲット要素について

含まれるXLIFFターゲット要素について説明します。

APEXがXLIFFドキュメントを生成すると、各ドキュメントには複数の翻訳単位が含まれます。各翻訳単位は、ソース要素とターゲット要素で構成されます。XLIFFドキュメントは、各翻訳単位ごとのソースおよびターゲットの両方の要素で生成できます。生成するファイルにソース要素のみを含めることもできます。更新された翻訳は、翻訳単位のターゲット要素から適用されます。

21.5.3 ステップ3: XLIFFファイルの翻訳

翻訳可能なファイルをXLIFFフォーマットにエクスポートすると、これを適切な言語に翻訳できます。

XLIFFは翻訳のためのオープン標準のXMLファイルであるため、ほとんどの翻訳ベンダーでサポートされています。APEXでは、UTF-8文字セットでエンコードされたXLIFFファイルのみをサポートしています。つまり、翻訳用のXLIFFファイルはUTF-8でエクスポートされ、翻訳済XLIFFファイルも同じ文字セットであることを前提としています。

翻訳は時間のかかるタスクです。APEXでは、アプリケーション開発と翻訳を並行して行えるように、増分的な翻訳をサポートしています。XLIFFファイルの一部のみが翻訳されている場合でも、そのXLIFFファイルを翻訳してAPEXにアップロードできます。対応する翻訳済アプリケーションに翻訳がない文字列の場合、APEXは、プライマリ言語の対応する文字列を使用します。

関連項目:

XLIFFおよびXLIFF 1.0の仕様の詳細は、次を参照してください。

https://www.oasis-open.org/committees/tc_home.php?wg_abbrev=xliff

21.5.4 ステップ4: 翻訳済XLIFFドキュメントのアップロードおよび適用

XLIFFドキュメントが翻訳された後、次のステップは、ドキュメントをアップロードして適用します。

21.5.4.1 翻訳済XLIFFドキュメントのアップロード

翻訳済XLIFFドキュメントをアップロードする方法について説明します。

翻訳済XLIFFドキュメントをアップロードするには:

  1. アプリケーションの翻訳ページにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. 「共有コンポーネント」をクリックします。
    4. 「グローバリゼーション」で、「アプリケーション翻訳」をクリックします。

      翻訳ページが表示されます。

  2. 「XLIFF翻訳ファイルの適用」をクリックします。

    XLIFF翻訳ファイル・ページが表示されます。

  3. 「ファイルのアップロード」をクリックします。
  4. XLIFFのアップロード・ページで、次のステップを実行します。
    1. アップロードするファイルを探します。
    2. 「アップロード」をクリックします。

      アップロードされたドキュメントが、XLIFF翻訳ファイル・ページに表示されます。

21.5.4.2 アップロードしたXLIFFドキュメントの適用

アップロードしたXLIFFドキュメントの適用について説明します。

XLIFFドキュメントをアップロードした後、次のステップは、そのXLIFFドキュメントを適用して翻訳済アプリケーションを公開します。XLIFFドキュメントを適用すると、APEXエンジンはファイルを解析して、翻訳表を新しい翻訳可能なテキストで更新します。

アプリケーションを公開すると、ベース言語のアプリケーションのコピーが作成され、翻訳表の翻訳されたテキスト文字列に置換されます。その後、この公開されたアプリケーションを使用して、代替言語でアプリケーションをレンダリングできます。

アプリケーションを代替言語で実行するには、代替言語バージョンで表示するようにグローバリゼーション設定を行ってアプリケーションを実行する必要があります。たとえば、言語がブラウザ言語に従う場合は、ブラウザ言語を翻訳済アプリケーションと同じ言語に設定する必要があります。

翻訳済XLIFFドキュメントを適用するには:

  1. アプリケーションの翻訳ページにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. 「共有コンポーネント」をクリックします。
    4. 「グローバリゼーション」で、「アプリケーション翻訳」をクリックします。

      翻訳ページが表示されます。

  2. 「XLIFF翻訳ファイルの適用」をクリックします。

    XLIFF翻訳ファイル・ページが表示されます。

  3. XLIFFドキュメントを適用するには:
    1. 適用するXLIFFファイルを選択します。
    2. 「翻訳に適用」から、翻訳のマッピングを選択します。
    3. 「チェックした項目の適用」をクリックします。

    XLIFFファイルが解析され、コンテンツが翻訳リポジトリに適用されます。このプロセスが完了すると、各翻訳のアプリケーションをパブリッシュする必要があります。

21.5.4.3 アップロードしたXLIFFドキュメントの削除

アップロードしたXLIFFドキュメントを削除する方法について説明します。

アップロードしたXLIFFドキュメントを削除するには:

  1. アプリケーションの翻訳ページにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. 「共有コンポーネント」をクリックします。
    4. 「グローバリゼーション」で、「アプリケーション翻訳」をクリックします。

      翻訳ページが表示されます。

  2. 「XLIFF翻訳ファイルの適用」をクリックします。

    XLIFF翻訳ファイル・ページが表示されます。

  3. XLIFFファイル・リポジトリで、ファイル名列の左側にあるチェック・ボックスを選択します。
  4. 「チェックした項目の削除」をクリックします。

21.5.5 ステップ5: アプリケーションのパブリッシュ

アプリケーションを公開すると、ベース言語のアプリケーションのコピーが作成され、翻訳表の翻訳されたテキスト文字列に置換されます。その後、この公開されたアプリケーションを使用して、代替言語でアプリケーションをレンダリングできます。

アプリケーションを代替言語で実行するには、代替言語バージョンで表示するようにグローバリゼーション設定を行ってアプリケーションを実行する必要があります。たとえば、言語がブラウザ言語に従う場合は、ブラウザ言語を翻訳済アプリケーションと同じ言語に設定する必要があります。

アプリケーションを公開するには:

  1. アプリケーションの翻訳ページにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. 「共有コンポーネント」をクリックします。
    4. 「グローバリゼーション」で、「アプリケーション翻訳」をクリックします。

      翻訳ページが表示されます。

  2. 「翻訳済アプリケーションのパブリッシュ」をクリックします。

    XLIFF翻訳ファイル・ページが表示されます

  3. パブリッシュするアイテムを選択し、「パブリッシュ」をクリックします。

アプリケーションを公開した後、翻訳済アプリケーションの有無を確認する必要があります。翻訳済アプリケーションは、アプリケーション・ビルダーのホームページの「選択可能なアプリケーション」リストには表示されません。翻訳済アプリケーションをアプリケーション・ビルダーに表示するには、アプリケーションのグローバリゼーション属性を正しく構成する必要があります。

21.5.6 翻訳の手動編集

ターゲット言語をマップし、翻訳可能なテキストをシードした後は、手動で翻訳を編集できます。

手動で翻訳を編集するには:

  1. アプリケーション言語を定義します。
  2. 翻訳可能なテキストをシードします。
  3. 翻訳可能なテキストにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. 「共有コンポーネント」をクリックします。
    4. 「グローバリゼーション」で、「アプリケーション翻訳」をクリックします。

      翻訳ページが表示されます。

  4. 「翻訳ユーティリティ」で、「翻訳リポジトリ」をクリックします。

    翻訳可能なテキスト・ページが表示されます。

  5. 言語マッピング・ページを選択し、「設定」をクリックします。
  6. レポートをさらにカスタマイズするには、ページ上部にある検索バーを使用します。
  7. 翻訳可能なテキストを編集するには:
    1. 「編集」アイコンをクリックします。
      翻訳可能なテキスト・ページが表示されます。
    2. 翻訳元テキスト - プライマリ言語テキストを指定します。
    3. 翻訳先テキスト - 翻訳後のテキストを指定します。
    4. この文字列のすべての発生を更新します - このオプションを有効にして、翻訳リポジトリ内の文字列のすべての発生を更新します。
    5. 「変更の適用」をクリックします。
  8. グリッド編集ページにアクセスするには:
    1. 「グリッド編集」をクリックします。
      「翻訳可能テキスト - グリッド編集」ページが表示されます。
    2. 「編集」ボタンをクリックします。
    3. 「翻訳先」列で、文字列を選択して編集します。
    4. 保存」ボタンをクリックします。