B Oracle Database Vaultの無効化および有効化
Oracle Databaseのオプション製品または機能のインストールなどのアクティビティのために、定期的にOracle Database Vaultを無効化してから再有効化する必要があります。
- Oracle Database Vaultを無効にする必要がある場合
アップグレード・タスクを実行する際、または誤った構成を修正する際には、Oracle Database Vaultを無効にする必要があります。 - ステップ1: Oracle Database Vaultの無効化
Oracle Database Vaultを無効化した後も、Database Vaultの実行に必要なOracle Label Securityは有効なままです。 - ステップ2: 必要なタスクの実行
この段階では、Oracle Database Vaultは無効になっており、必要な作業を実行できます。 - ステップ3: Oracle Database Vaultの有効化
SQL*Plusで、ルートまたはPDBからOracle Database VaultおよびOracle Label Securityを有効化できます。
B.1 Oracle Database Vaultを無効にする必要がある場合
アップグレード・タスクを実行する際、または誤った構成を修正する際には、Oracle Database Vaultを無効にする必要があります。
修正タスクが終了したら、Oracle Database Vaultを再度有効にできます。
次の場合に、Oracle Database Vaultを無効にする必要があります。
-
Oracle Databaseのオプションの製品または機能(Oracle Spatialなど)のいずれかを、Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してインストールする必要がある場合。
-
Oracle Database Vaultの構成時および有効化時に
DV_OWNER
およびDV_ACCTMGR
のバックアップ・アカウントを構成しておらず、これらのアカウントが不注意でロックされたか、それらのパスワードを忘れた場合。なお、使用サイトにDV_OWNER
ユーザーが1人しかおらず、このユーザーが自身のパスワードを忘れた場合、担当者はOracle Database Vaultを無効にできません。ただし、サイトで唯一のDV_ACCTMGR
ユーザーがパスワードを失くした場合は、Database Vaultを無効にできます。ベスト・プラクティスとして、DV_OWNER
ロールとDV_ACCTMGR
ロールを、新しいまたは既存のユーザー・アカウントに付与し、Database Vaultをバックアップ・アカウントとして構成して有効化したときに作成したDatabase Vault所有者およびアカウント・マネージャのアカウントを使用します。 -
Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してOracle Internet Directory (OID)を構成する場合。
-
Oracle Database Vaultが有効になっており、CDB全体をアップグレードする場合は、次のいずれかの方法を使用します。
- CDBアップグレード方法1:
DV_OWNER
ロールを持つ共通ユーザーとしてルート・コンテナにログインしてから、GRANT DV_PATCH_ADMIN TO SYS CONTAINER=ALL
文を発行することで、DV_PATCH_ADMIN
をユーザーSYS
に一時的に付与します。Oracle Database Vaultの制御は、アップグレード前と同じ状態になります。アップグレードが完了した後は、DV_OWNER
ユーザーとしてルート・コンテナにログインし、REVOKE DV_PATCH_ADMIN FROM SYS CONTAINER=ALL
文を発行してSYS
からDV_PATCH_ADMIN
ロールを取り消します。 - CDBアップグレード方法2:
DV_OWNER
ロールを持つユーザーとして各コンテナにログインしてから、DBMS_MACADM.DISABLE_DV
プロシージャを実行します。最初にPDBを(任意の順序で)無効にしてから、最後にルート・コンテナを無効にする必要があります。PDBを1つのみアップグレードしている場合は、そのPDBでのみOracle Database Vaultを無効にできます。アップグレードが完了した後は、DV_OWNER
ユーザーとして各コンテナにログインしてからDVSYS.DBMS_MACADM.ENABLE_DV
プロシージャを実行することで、Oracle Database Vaultを有効にできます。Oracle Database Vaultを有効にする順序は、最初にルート・コンテナで、その後にPDBで有効にする必要があります。PDBは任意の順序で有効にできますが、最初にルート・コンテナを有効にする必要があります。
- CDBアップグレード方法1:
ノート:
Oracle Database Vaultを無効にすると、Oracle Database Vaultの構成中に既存のユーザーおよびロールから取り消された権限は有効なままになることに注意してください。B.2 ステップ1: Oracle Database Vaultの無効化
Oracle Database Vaultを無効化した後も、Database Vaultの実行に必要なOracle Label Securityは有効なままです。
B.3 ステップ2: 必要なタスクの実行
この段階では、Oracle Database Vaultは無効になっており、必要な作業を実行できます。
次のようなアクティビティを実行できます。
-
Oracle Database VaultのPL/SQLパッケージおよびファンクションを使用します。たとえば、ログインまたは
CONNECT
ルール・セット・エラーを修正するには、DBMS_MACADM
PL/SQLパッケージまたはEnterprise Manager Cloud ControlのOracle Database Vaultページを使用します。CONNECTコマンド・ルールでは、DV_OWNER
またはDV_ADMIN
ロールを持つユーザーのデータベースへの接続は阻止できません。このため、Database Vault管理者はDatabase Vaultを無効化することなく、間違って構成された保護を修正できます。 -
パスワードの作成または変更、あるいはアカウントのロックおよびロック解除などのタスクを実行するために、SYSTEMアカウントまたはSYSアカウントを使用します。標準のデータベースおよび管理ユーザー・アカウントの変更に加えて、
DV_ADMIN
またはDV_ACCTMGR
ロールを付与されているユーザーなど、任意のOracle Database Vault固有のアカウントのパスワードおよびロック・ステータスを変更できます。 -
インストールまたはセキュリティ保護を無効にする必要のあるその他のタスクを実行します。