Core SQLに対するOracleの準拠
ANSIおよびISOのSQL規格では、規格準拠性について明示する箇所に、準拠の種類および実装されている機能について記載することを義務付けています。規格準拠性についての最小限の明示をCore SQLといいます。これは、規格のPart 2「SQL/Foundation」およびPart 11「SQL/Schemata」に定義されています。次の製品は、後続の表に示すCore SQLに完全(または部分的)に準拠しています。
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Oracle Databaseサーバー、リリース12.2
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OTT (Oracle Type Translator)、リリース12.2
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Pro*C/C++リリース12.2
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Pro*COBOLリリース12.2
SQL規格準拠機能は、移植性の指針または機能性の指針として使用できます。移植性の観点からは、ユーザーは、規格の機能の正確な構文とセマンティクスの両方の準拠性に関心があります。機能性の観点からは、ユーザーは正確な構文よりもセマンティクスの問題に関心を持ちます。この付録の表では、規格の構文およびセマンティクスのサポートに関して次の用語を使用します。
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完全なサポート: 機能は規格の構文およびセマンティクスによってサポートされます。
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部分的なサポート: 規格の構文の一部がサポートされますが、完全にはサポートされません。サポートされる場合は規格のセマンティクスを持ちます。
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拡張サポート: 規格のセマンティクスと、追加の機能がサポートされます。
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同等のサポート: 規格とは異なる構文を使用して規格のセマンティクスがサポートされます。
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類似のサポート: 規格の構文もセマンティクスも正確にはサポートされませんが、類似機能が提供されます。
表C-1に、Core SQLの機能に対するOracleのサポートを示します。
表C-1 Core SQLの機能に対するOracleのサポート
機能識別子、機能 | サポート |
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E011、数値データ型 |
この機能を完全にサポートします。 |
E021、文字データ型 |
次の副機能を完全にサポートします。
次の副機能を部分的にサポートします。
Oracleは、次の副機能と同等の機能を持ちます。
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E031、識別子 |
Oracleはこの機能をサポートしますが、次の例外があります。
この機能は次のように拡張されます。
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E051、基本的な問合せ指定 |
次の副機能を完全にサポートします。
次の副機能を部分的にサポートします。
Oracleは、次の副機能と同等の機能を持ちます。
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E061、基本的な述語および検索条件 |
Oracleはこの機能を完全にサポートしますが、Oracleの文字列比較は規格とは異なります。規格では、長さが異なる2つの文字列を比較する場合、空白または実際のすべての文字よりも小さい仮想の文字が短い文字列に埋め込まれます。埋込みの判断は文字セットに基づいて行われます。Oracleでは、この判断は、比較対象が固定長または可変長のどちらかによって決まります。 |
E071、基本的な問合せ式 |
次の副機能を完全にサポートします。
Oracleは、次の副機能と同等の機能を持ちます。
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E081、基本的な権限 |
Oracleは、E081-09、 |
E091、集合ファンクション |
この機能を完全にサポートします。 |
E101、基本的なデータ操作 |
この機能を完全にサポートします。 |
E111、単一行の |
この機能を完全にサポートします。 |
E121、基本的なカーソルのサポート |
次の副機能を完全にサポートします。
Oracleは、次の副機能の部分的なサポートを提供します。
Oracleは、次の副機能の拡張サポートを提供します。
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E131、NULL値のサポート |
Oracleはこの機能を完全にサポートしますが、Oracleでは文字列型のNULLを長さが0(ゼロ)の文字列と区別できないという例外があります。 |
E141、基本的な整合性制約 |
この機能を完全にサポートします。 |
E151、トランザクションのサポート |
この機能を完全にサポートします。 |
E152、基本的な |
この機能を完全にサポートします。 |
E153、副問合せを持つ更新可能な問合せ |
この機能を完全にサポートします。 |
E161、先頭に2つの負の符号(-)を付けたSQL文のコメント |
この機能を完全にサポートします。 |
E171、SQLSTATEのサポート |
この機能を完全にサポートします。 |
E182、ホストの言語バインディング |
Oracleは、Pro*C/C++およびPro*COBOLを介してこの機能を完全にサポートします。 |
F021、基本的な情報スキーマ |
Oracleはこの機能のビューを持ちません。ただし、同じ情報を別のメタデータ・ビューで使用可能にします。
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F031、基本的なスキーマ操作 |
次の副機能を完全にサポートします。
Oracleは、次の副機能に対して同等のサポートを提供します。
次の副機能はサポートしません(Oracleは、キーワード
(Oracleの |
F041、基本的な結合表 |
この機能を完全にサポートします。 |
F051、基本的な日付および時刻 |
次の副機能を除き、この機能を完全にサポートします。
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F081、ビューの |
Oracleはビューの |
F131、グループ操作 |
この機能を完全にサポートします。 |
F181、複数モジュールのサポート |
この機能を完全にサポートします。 |
F201、 |
この機能を完全にサポートします。 |
F221、明示的なデフォルト |
Oracleの列定義内での |
F261、 |
この機能を完全にサポートします。 |
F311、スキーマ定義文 |
この機能を完全にサポートします。 |
F471、スカラー副問合せの値 |
この機能を完全にサポートします。 |
F481、拡張NULL述語 |
この機能を完全にサポートします。 |
F501、機能および準拠するビュー |
Oracleは、この機能をサポートしません。 |
F812、基本的なフラグ付け |
Oracleは、フラガーを持っていますが、SQL:2011よりもSQL-92に準拠しています。 |
S011、固有型 |
固有型は、強い型指定のスカラー型です。固有型は、1つの属性のみを持つオブジェクト型を使用して、Oracleでエミュレートできます。 |
T321、基本的なSQL起動ルーチン |
次の副機能を完全にサポートします。
Oracleは、次の副機能を異なる構文でサポートします。
Oracleの構文
Oracleは、次の副機能をPL/SQLではサポートしますが、Oracle SQLではサポートしません。
Oracleは、次の副機能と同等の機能を提供します。
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T631、1つのリスト要素を使用した |
この機能を完全にサポートします。 |