AutoUpgradeログ・ファイルの構造

AutoUpgradeユーティリティは、ジョブ・ステータスおよび構成ファイルを含むログ・ファイルの構造を生成します

AutoUpgradeログ・ファイルのベース・パス

AutoUpgradeログ・ファイルのパスは、グローバル・パラメータautoupg_log_dirを使用して設定されます。デフォルトでは、グローバル・パラメータには次の定義があります。

global.autoupg_log_dir=/database/jobmgr
AutoUpgrade構成およびステータス・ファイルのパスは、global.autoupg_log_dirで設定するディレクトリ・パスに対する相対パスです。

/cfgtoollogs/upgrade/auto

自動構成ツールのログ・ディレクトリ(/cfgtoollogs/upgrade/auto)には、AutoUpgradeジョブ・マネージャで処理される各ジョブに関する特定の情報を提供する3つのトレース・ログ・ファイルが含まれています。

  • autoupgrade.log: ジョブの実行中に発生した問題を識別するジョブの詳細なログを提供します。
  • autoupgrade_usr.log: 読みやすいように書式設定されたジョブ情報。
  • autoupgrade_err.log: ジョブの実行時に発生する予期しない例外のレポート。

ジョブの開始または停止時に問題が発生した場合、これらのログ・ファイルの情報を使用して、問題の原因を特定できます。

/config_files

config_filesディレクトリには、AutoUpgrade内部ランタイム構成およびグローバル一時ファイルが含まれています。

/status

/statusディレクトリには、JSONジョブ・ステータス・ファイルが含まれています。これには2つのディレクトリがあります。

  • status.json: このディレクトリには、JSONファイル形式で完了したすべてのジョブの最終ジョブ・ステータスが含まれています。
  • progress.json: このディレクトリには、JSONファイル形式で現在実行中のすべてのジョブの進行状況が含まれています。

ディレクトリ内の各モジュールには、実行された操作のステータス・ファイルが含まれています。モジュールの形式は次のようになります。接頭辞dbnameはデータベース名、operationは実行されたアップグレード操作、接尾辞statusはその操作の完了ステータスです。

dbname_operation-name.status

その操作の成功または失敗は、接尾辞によって示されます。その操作の実行が成功したことを示す.successか、その操作が失敗したことを示す.failureのいずれかです。たとえば、次のモジュール名は、データベースsalesでの事前チェック操作が正常に実行されたことを示します。

sales_prechecks.success

操作モジュール名には、次のいずれかを指定できます。

  • preupgrade: カスタム・スクリプトを実行できるアップグレード前のステージ。
  • prechecks: アップグレードの開始前に完了したアップグレード・チェック。
  • grp: 保証付きリストア・ポイント(Oracle Flashback Technologyを使用)
  • prefixups: アップグレードを開始する前にアップグレード前の修正を実行します
  • drain: アップグレードを開始する前に既存のジョブが完了または移行されるステージ。
  • dbupgrade: アップグレードが実行されるステージ。
  • postchecks: アップグレードの完了後にアップグレード後のチェックが実行されるステージ。
  • postfixups: アップグレード後の修正が実行されるステージ。
  • postupgrade: カスタムのアップグレード後スクリプトを実行できるステージ。

個々のジョブおよびデータベース・ログ・ファイル・ディレクトリ

AutoUpgradeディスパッチャによって起動される各ジョブには、そのジョブ識別子の接頭辞を持つディレクトリが与えられます。ジョブ・ディレクトリの内部では、ジョブ内の各データベースにパス/database/logs/sidにログ・ディレクトリが提供されます。ここで、sidはデータベースのシステム識別子です。たとえば、構成ファイルで識別されたジョブがsales1で、データベース・システム識別子がsalesの場合、データベースsalesのログ・ファイルのパスは次のようになります。

sales.log_dir=/database/logs/sales1

ログ・ディレクトリには、そのデータベースに対して実行されたすべてのタスクに関するすべての関連ログ・ファイルが含まれています。デフォルトでは、SIDで識別されるディレクトリが/database/logsディレクトリの下に作成されます。この方法で構成ファイルを設定することを選択した場合、各データベース・ジョブに個別のログ・ディレクトリを設定できます。

/#### (ジョブ番号)

個々のジョブ実行は、/####という形式の実行番号で識別されるサブディレクトリに配置されます。ここで、####は実行番号を表します。たとえば、0004となります。ジョブ実行番号ディレクトリには、次のログ・ファイルが含まれます。

  • autoupgrade_err.log: ジョブの実行中に発生する予期しない例外をレポートします。
  • autoupgradeYYYYMMDD.log: AutoUpgradeトレース・ログ・ファイル。ジョブの実行中に発生した問題を識別するジョブの詳細なログを提供します。変数YYYYMMDDは、ジョブの年、月および日を表します。
  • autoupgrade_YYYYMMDD_user.log: AutoUpgradeジョブのステータス・ファイルで、読みやすいように書式設定されています。変数YYYYYYMMDDは、ジョブの年、月および日を表します。

/preupgrade

アップグレード前ディレクトリ(/preupgrade)には、次のファイルとログ・ファイルが含まれています。

  • prechecks_databasename.log: トレース・ログ・ファイル。このファイルは、アップグレード前のジョブ・ステージ中に発生した問題の識別に役立つ詳細なログを提供します。変数databasenameは、チェックされたデータベースの名前です。
  • databasename_preupgrade.html: データベースのステータスに関するHTMLレポート。変数databasenameは、チェックされたデータベースの名前です。
  • databasename_preupgrade.html: データベースのステータスに関するテキスト・レポート。変数databasenameは、チェックされたデータベースの名前です。

/dbupgrade

データベース・アップグレード・ディレクトリ(/dbupgrade)には、データベース・アップグレードに関連付けられたすべてのログ・ファイルが含まれています。

  • autoupgradeYYYYMMDDHHMISCdbname.log: アップグレードが実行された日付および並列度を示すデータベース名で識別されるソース・データベースのログ・ファイル。形式は次のとおりです。
    • YYYY: 年
    • MM: 月
    • DD: 日
    • HH: 時
    • MI: 分
    • SC: 秒
    • dbname: データベース名。dbnameはデータベース名です。
  • catupgradeYYYYMMDDHHMISCdbnameN.log: アップグレードが実行された日付で識別されるソース・データベースのログ・ファイル。

    形式は次のとおりです。

    • YYYY: 年
    • MM: 月
    • DD: 日
    • HH: 時
    • MI: 分
    • SC: 秒
    • dbnameN: データベース名。dbnameはデータベース名で、Nは並列度を示します。CDB ROOTおよび非CDBデータベースの場合は0...3で、PDBの場合は0...1です。

/temp

一時AutoUpgradeファイル(/temp)。このディレクトリには、アップグレード時に使用されるPFILEなどのファイルを含めることができます。