AutoUpgradeメッセージおよびプロセスの説明用語
アップグレード・チェックおよび操作の処理方法を理解するために、ユーティリティの実行時に生成されるAutoUpgradeユーティリティ・メッセージについて学習します。
- AutoUpgradeジョブIDの概要
AutoUpgradeジョブは、ジョブ識別子(jobid
)で識別される、アップグレードに関連付けられた作業の単位です。 - AutoUpgradeステージの概要
AutoUpgradeユーティリティ・ジョブはステージと呼ばれる一連のフェーズを経由し、そこで特定のアクションが実行されます。 - AutoUpgradeステージの操作および状態の概要
AutoUpgradeでは、操作はステージ中に実行されたアクションを表し、状態はステージ操作のステータスを示します。
AutoUpgradeジョブIDの概要
AutoUpgradeジョブは、ジョブ識別子(jobid
)で識別される、アップグレードに関連付けられた作業の単位です。
ジョブは、AutoUpgradeによって実行される一連のアクションを表します。各ジョブには、目的を遂行するための一連のステージがあります。ジョブは、jobid
と呼ばれる一意の正の整数で識別されます。新しいAutoUpgradeジョブはそれぞれ、AutoUpgradeユーティリティの構成ファイルにあるデータベースごとに新しいジョブID (jobid
)を生成します。jobid
を持つ起動済のデータベースがシステム上に存在し、未完了であることが自動アップグレードによって検出された場合、AutoUpgradeは、この既存のjobid
を再開操作として識別します。再開操作では、前回のAutoUpgrade実行時に完了しなかった、jobid
によって識別されるジョブのステージが、停止した時点から続行されます。
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AutoUpgradeステージの概要
AutoUpgradeユーティリティ・ジョブはステージと呼ばれる一連のフェーズを経由し、そこで特定のアクションが実行されます。
ステージ中に発生するアクションは、AutoUpgradeに対して選択した処理モード(分析、修正、デプロイおよびアップグレード)によって定義されます。
AutoUpgradeには次のステージがあります。
- SETUP: AutoUpgradeユーティリティ・ジョブ・マネージャがジョブを起動する準備の一部として作成する初期ステージ。
- PREUPGRADE: 十分な使用可能ディスク領域があるかどうかを判定するためのチェックなど、AutoUpgradeで現在のシステム構成に基づいてシステムのチェックを実行して、アップグレードの準備状況を判定するステージ。
- PRECHECKS: AutoUpgradeがソースOracleデータベースを分析して、データベースがアップグレード要件を満たしているかどうかを判定するステージ。
- GRP: 保証付きリストア・ポイント(GRP)。AutoUpgradeでアップグレード・プロセスの開始前に作成されます。このオプションは、Oracle Database Enterprise Editionのリリースにのみ使用可能です。Oracle Database Standard Editionには使用できません。AutoUpgradeではデフォルトでGRPが作成されますが、アップグレードを開始する前にバックアップを実行することをお薦めします。
- PREFIXUPS: アップグレードを開始する前に、AutoUpgradeがアップグレード前の修正を実行するステージ。たとえば、これは、AutoUpgradeがソースのOracleホームでディクショナリ統計を収集するステージです。
- DRAIN: AutoUpgradeがデータベースを停止する段階。
- DBUPGRADE: AutoUpgradeがアップグレードを実行し、アップグレードの完了後に見つかった無効なオブジェクトを収集するステージ。
- POSTCHECKS: アップグレード後の修正を開始する前に、AutoUpgradeがターゲットのOracleホーム(アップグレードされたOracleデータベース)でチェックを実行するステージ。
- POSTFIXUPS: AutoUpgradeがアップグレード後の修正処理(タイムゾーンのアップグレードなど)を実行するステージ。
- POSTUPGRADE: AutoUpgradeが、ソースのOracleホーム構成ファイル(
tnsnames.ora
、sqlnet.ora
およびその他のファイル)をターゲットのOracleホームにコピーまたはマージするステージ。 - SYSUPDATES: AutoUpgradeがパッチ適用またはアップグレードのためにOracle RACまたは個々のデータベースを起動するステージ。
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AutoUpgradeステージの操作および状態の概要
AutoUpgradeでは、操作はステージ中に実行されたアクションを表し、状態はステージ操作のステータスを示します。
操作メッセージの理解
操作メッセージは、AutoUpgrade状態で発生している内容を説明する内部フェーズ・メッセージです。操作メッセージには、次の2種類があります。
PREPARING: AutoUpgradeステージを完了する準備として、AutoUpgradeインスタンスが作成、初期化またはコールされます。これは情報メッセージです。このメッセージが表示された場合、実行するアクションはありません。
EXECUTING: AutoUpgradeはステージのメイン・ワークフロー実行の処理中です。これは情報メッセージです。実行するアクションはありません。
状態メッセージの理解
状態メッセージは、メッセージが表示されるステージの現在のワークフローのステータスを示します。次の4つの状態メッセージがあります。
-
ABORTED: AutoUpgradeはユーザー・リクエストに応答してステージ・ワークフローの実行を停止します。
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ERROR: ステージ・ワークフローの実行中にエラーが発生しました。エラーの原因を確認します。
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FINISHED: AutoUpgradeはステージのワークフローを正常に完了しました。
-
RUNNING: AutoUpgradeはステージ・ワークフローを実行しています。
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