20 Oracle Auto Service Request (Oracle ASR)の構成と使用

特定のハードウェア障害に関するサービス・リクエストを自動的に生成するようにOracle ASRを構成して使用します。

Oracle ASRの構成について

Oracle Auto Service Request (Oracle ASR)を、特定のハードウェア障害に関するサービス・リクエストを自動的に生成するよう構成します。

Oracle ASRは、迅速な診断および優先度サービス・リクエスト処理を介してシステムの可用性を向上させることができるセキュア・サポート機能です。Oracle Database Appliance上にOracle ASRを構成し、独自のASRマネージャ(内部Oracle ASR)を使用するか、アプライアンスと同じネットワークの別のサーバー(外部Oracle ASR)で構成されたOracle ASRマネージャを使用できます。Oracle ASRマネージャを環境内にすでに構成している場合、Oracle Database Applianceを既存のOracle ASRマネージャに登録できます。

ノート:

内部Oracle ASRマネージャでは、サーバーが停止してもアラートは送信されません。Oracle Database Applianceで外部Oracle ASRマネージャを使用して重要なイベントが発生した場合、Oracleにアラートを送信できます。

アプライアンスのデプロイの一部としてOracle ASRを構成することも、デプロイ後にブラウザ・ユーザー・インタフェース(BUI)またはコマンドライン・インタフェースを使用してOracle ASRを構成または編集することもできます。

Oracle ASRをサポートするには次の項目が必要です。

  • Oracle Database ApplianceハードウェアをMy Oracle SupportのサポートID (SI)に関連付ける必要があります。

  • Oracleへのインターネット・アクセスにプロキシ・サーバーが必要な場合、プロキシ・サーバーの名前も入力する必要があります。Simple Network Management Protocol (SNMP)バージョン3を使用するように、オプションでOracle ASRを構成することもできます。

  • 内部Oracle ASR Managerを構成するには、サーバーが登録されているMy Oracle Supportアカウントに関連付けられたMy Oracle Supportアカウントのユーザー名(電子メール・アドレス)とパスワードが必要です。

  • 外部Oracle ASR Managerに登録するには、Oracle ASRマネージャのIPアドレスが必要です。

内部Oracle ASRの構成

ブラウザ・ユーザー・インタフェース(BUI)を使用して、Oracle Database ApplianceにOracle Auto Service Request (Oracle ASR)を構成します。

内部Oracle ASRマネージャにはいつでも登録でき、既存の登録を編集することもできます。構成する前に、My Oracle SupportでOracle Database ApplianceハードウェアがサポートID (SI)に関連付けられているか確認します。
Oracle ASRを構成するには次の情報が必要です。
  • サーバーが登録されているMy Oracle Supportアカウントに関連付けられている電子メール・アドレス

  • サーバーが登録されているMy Oracle Supportアカウントに関連付けられているパスワード

  • Oracleへのインターネット・アクセスにプロキシ・サーバーが必要な場合、プロキシ・サーバーの名前も入力する必要があります

  1. ブラウザを開き、次のURLを入力してBUIにアクセスします。
    https://ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. oda-adminとしてログインします。
  3. 「Appliance」タブをクリックします。
  4. 「Oracle ASR」メニューをクリックします。
  5. Oracle ASRがすでに構成されている場合は、「Configure ASR」ページで、Oracle ASR構成値を指定します。
  6. 「ASR Type」フィールドで「Internal」を選択します。
  7. 「ASR User Name」フィールドに、サーバーが登録されているMy Oracle Supportアカウントに関連付けられている電子メール・アドレスを入力します。
  8. 「ASR Password」フィールドに、サーバーが登録されているMy Oracle Supportアカウントに関連付けられているパスワードを入力します。
  9. 「SNMP Version」「V2」または「V3」を選択します。「V3」がデフォルトの推奨バージョンです。
  10. 「SNMP User Name」および「SNMP Password」を指定します。
  11. (オプション) Oracle ASRへのアップロードにHTTPプロキシを使用している場合は、以下を入力します。
    1. HTTP Proxy used for Upload to ASR: 「Yes」を選択します。
    2. Proxy User Name: アップロードにプロキシを使用している場合は、プロキシ・ユーザー名を入力します。
    3. Proxy Port: アップロードにプロキシを使用している場合は、プロキシ・ポートを入力します。
    4. (オプション) HTTP Proxy Requires Authentication: アップロードにプロキシを使用していて、認証が必要な場合は「Yes」を選択します。認証が不要な場合は、「No」を選択します。
    5. (オプション)Proxy Password: アップロードにプロキシを使用していて、認証が必要な場合は、プロキシ・パスワードを入力します。
  12. 「Create」をクリックします。

外部Oracle ASRマネージャへの登録

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、既存のOracle Auto Service Request (Oracle ASR)マネージャにOracle Database Applianceを登録します。

外部Oracle ASRマネージャにはいつでも登録できます。

構成する前に、My Oracle SupportでOracle Database ApplianceハードウェアがサポートID (SI)に関連付けられているか確認します。

Oracle ASRを登録するには、Oracle ASRマネージャのIPアドレスが必要です。

  1. ブラウザを開き、次のURLを入力してBUIにアクセスします。
    https://ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. oda-adminとしてログインします。
  3. 「Appliance」タブをクリックします。
  4. 「Oracle ASR」メニューをクリックします。
  5. Oracle ASRがすでに構成されている場合は、「Configure ASR」ページで、Oracle ASR構成値を指定します。
  6. 「ASR Type」メニューから「External」を選択します。
  7. 「ASR Manager IP」フィールドにOracle ASRマネージャのIPアドレスを入力します。
  8. 「SNMP Version」「V2」または「V3」を選択します。「V3」がデフォルトの推奨バージョンです。
  9. 「SNMP User Name」および「SNMP Password」を指定します。
  10. 「Create」をクリックします。

Oracle ASRのテスト

コマンドodacli test-asrを使用して、Oracle ASRの構成が正常に動作していることを確認します。

このコマンドを実行すると、Oracle ASRに登録されているOracle ILOMとホストの両方からテスト・アラートがOracle ASRマネージャに送信されます。登録された電子メールIDは、登録されているOracle ILOMとホストのテスト・アラートに関する電子メールを受信します。

odacli test-asrコマンド以外で構成をテストしようとすると、期待したテスト結果が得られない場合があります。

  1. ルート・ユーザーとしてログインします。
  2. コマンドodacli test-asrを実行します。
    # odacli test-asr
    
    Job details
    ----------------------------------------------------------------
                         ID: 51522c07-1b32-4874-9bc7-bbee5885f1e5
                Description: Test ASR
                     Status: Success
                    Created: October 20, 2022 1:02:49 PM UTC
                    Message:
    
    Task Name Start Time End Time Status
    --------- ------------------------------- ------------------------------- --------
    Test ASR October 20, 2022 1:02:50 PM UTC October 20, 2022 1:02:50 PM UTC Success 
  3. 結果が期待どおりでない場合は、odacli show-asrコマンドを使用してOracle ASRの構成を確認します。

Oracle ASRの構成の管理

コマンドラインを使用して、既存の構成の確認、構成の変更または構成の削除を実行します。

構成の詳細は表示および編集できますが、Oracle ASRのタイプは変更できません。たとえば、内部から外部へ変更する場合です。Oracle ASRのタイプを変更するには、既存の構成を削除してから、Oracle ASRを再構成します。

Oracle ASRのすべてのログ・ファイルは/var/opt/asrmanager/log/ディレクトリ内にあります。

  1. Oracle Auto Service Request (Oracle ASR)の構成の詳細を表示するには、コマンドodacli describe-asrを使用します。
    # odacli describe-asr  
    
    ASR details 
    ---------------------------------------------------------------- 
    ID: e841d74a-687b-4e87-9548-1baa2090d48e 
    Name: UserName: scott.tiger@example.com 
    ProvyServerName: www-proxy.example.com 
    ProxyPort: 80 
    ProxyUserName: 
    SnmpVersion: V3 
    State: N/A 
    Created: July 15, 2022 8:53:54 AM PST 
    Updated: July 15, 2022 8:53:54 AM PST
  2. (オプション)アプライアンスのデプロイ後にOracle ASRの構成の詳細を変更するには、コマンドodacli update-asrを使用します。
  3. (オプション)システムからOracle ASRの構成を削除するには、コマンドodacli delete-asrを使用します。
    # odacli delete-asr
    { 
    "jobId" : "5d70bd17-ec4a-48da-8196-1364105db99d", 
    "status" : "Running", 
    "message" : null, 
    "reports" : [ ], 
    "createTimestamp" : 1469409622451, 
    "description" : "Delete ASR", 
    "updatedTime" : 1469409622458 
    }

Oracle ASRの追加のリソース

Oracle ASRの詳細は、次のセクションを参照してください。