5 設置場所へのOracle ExadataまたはOracle Exadata Storage拡張ラックの配置

この章では、ハードウェアを移動、設置および構成してシステムの電源を投入する方法について説明します。

ノート:

読みやすさを考慮して、Oracle ExadataOracle Exadata Storage拡張ラックの両方に言及する場合、Oracle Exadataラックという名前を使用します。

5.1 安全ガイドラインの確認

Oracle Exadataラックが到着する前に、次の安全上の注意を参照して、設置場所が安全で搬入可能であることを確認する必要があります。

これらの注意を遵守しないと、外傷、機器の損傷または故障につながる可能性があります。

  • 換気口をふさがないでください。

  • 直射日光の当たる場所または高温になる可能性のある機器の近くにOracle Exadataラックを設置しないでください。

  • ほこりの多い場所、腐食性ガスが発生する場所、潮風が当たる場所にはOracle Exadataラックを設置しないでください。

  • 振動の多い場所にOracle Exadataラックを設置しないでください。Oracle Exadataラックは平らな場所に設置してください。

  • 適切な接地の電源コンセントを使用してください。共用接地を使用する場合、接地抵抗を10オーム以下にする必要があります。必ず施設管理者または資格を持つ電気技師に建物の接地方法の検証および接地工事を実施してもらってください。

  • Oracle Exadataラックに使用されている各接地線がOracle Exadataラック専用で使用されていることを確認してください。また、機器のラベルに示されている取扱いのノート、警告および指示を遵守していることも確認してください。

  • ケーブルを機器の下に置かないでください。また、ケーブルを張りすぎないでください。

  • 電源が投入されている間に電源コードを機器から取り外さないでください。

  • LANケーブルを抜くときにコネクタのロック部に届かない場合は、マイナス・ドライバでロック部を押してケーブルを抜いてください。マイナス・ドライバを使用しないで隙間に無理やり指を入れると、システム・ボードが破損する可能性があります。

  • Oracle Exadataラックの上には何も置かず、ラックの真上で作業をしないでください。

  • 特に冬に、室温を急激に上げないでください。突然の温度変化により、Oracle Exadataラックの内部に結露が生じることがあります。サーバー操作の前に十分なウォームアップ時間を設けてください。

  • コピー機、空調装置、溶接機など、大きな電気的ノイズが発生する機器の近くにOracle Exadataラックを設置しないでください。

  • 設置場所で静電気が発生しないようにしてください。静電気がOracle Exadataラックに伝わると故障の原因になります。多くの場合、静電気はカーペットで発生します。

  • 供給電圧と周波数が、Oracle Exadataラックに示されている電気定格に適合していることを確認してください。

  • ドキュメントの手順で特に指定されていないかぎり、Oracle Exadataラックの開口部には何も挿入しないでください。Oracle Exadataラックには、高電圧の部品が含まれています。Oracle Exadataラックの開口部に金属製の物体や他の導体が挿入されると、回路がショートする可能性があります。これにより、人的傷害、火事、感電および機器の損傷を招くおそれがあります。

  • 単相配電ユニット(PDU)を使用する場合、次の点に注意してください。

    • PDU Aの入力0およびPDU Bの入力2を同じ位相にする必要があります。

    • PDU Aの入力1およびPDU Bの入力1を同じ位相にする必要があります。

    • PDU Aの入力2およびPDU Bの入力0を同じ位相にする必要があります。

    PDUの外部への入力は分類されます。示されているケーブル接続により、フェイルオーバーに備えてAおよびBの位相のバランスを維持できます。

関連項目:

5.2 Oracle Exadataラックの開封と設置

Oracle Rack Cabinet 1242は、Oracle Exadata X7以降のすべてのOracle Exadataラック・モデルに使用されるラック・キャビネットです。

Oracle Exadataラックの開封および設置の詳細は、次のリソースを使用してください。

5.3 Oracle Exadataの順応

Oracle Exadataには24時間の順応期間をお薦めします。

推奨される順応期間は、ラックやケーブルを含むすべてのハードウェアに適用されます。周囲の環境に順応することで、結露による損傷を防ぐことができます。

5.4 システムの最初の電源投入

システムの電源を最初に投入する前に、マシンを調査して電源コードを接続する必要があります。

5.4.1 配置後のマシンの調査

この手順は、配置後の電源投入前にOracle Exadataラックの物理システムを視覚的に確認する方法を示しています。

  1. 損傷がないか、ラックを確認します。

  2. ねじの緩みまたは欠落がないか、ラックを確認します。

  3. 注文した構成かどうか、Oracle Exadataラックを確認します。梱包品の側面のCustomer Information Sheet(CIS)を参照してください。

  4. 次に示すように、すべてのケーブル接続がしっかりと固定されていることを確認します。

    1. 電力ケーブルを確認します。データ・センター施設の電源用に正しいコネクタが用意されていることを確認します。

    2. ネットワーク・データ・ケーブルを確認します。

  5. ケーブル・アクセスと通気のために設置場所のタイルの配置を確認します。

  6. Oracle Exadataラックの前面に流入するデータ・センターの通気を確認します。

5.4.2 電源コードの接続

次の手順は、Oracle Exadataラックの電源コードの接続方法を示しています。

  1. キャビネットの後部ドアを開けます。

  2. 正しい電源コネクタが用意されていることを確認します。

  3. 電源コード・ケーブル・タイをほどきます。タイは発送にのみ使用され、今後は必要ありません。

  4. 図5-1に示されているように、電源コードを施設のソケットに配線します。

  5. 図5-1に示されているように、電源コードをまとめて固定します。

  6. PDU電源コード・コネクタを施設のソケットに接続します。電力ケーブルを接続する前に、ブレーカ・スイッチがOFFになっていることを確認します。

図5-1 電源コード配線の例

図5-1の説明が続きます
「図5-1 電源コード配線の例」の説明

5.4.3 Oracle Exadataラックの電源の投入

この手順は、Oracle Exadataラックの電源の投入方法を示しています。

ノート:

Oracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラック・データベース・サーバーは、通常のBIOS POSTテストを使用した起動に最大15分かかる場合があります。
  1. 一度に1つずつPDU Bブレーカの電源を投入します。PDU Bは、背面から見てラックの右側にあります。次の図に示されているように、ブレーカはOracle Exadataラックのキャビネットの背面にあります。トグル・スイッチのON(|)を押します。ブレーカがONになると、ブレーカがPDU側で点灯します。

    図5-2 PDUスイッチの場所

    図5-2の説明が続きます
    「図5-2 PDUスイッチの場所」の説明
  2. 所定の電源LEDがオンになっていることを確認します。LEDの場所は次のとおりです。

    • データベース・サーバー: 右手LED

    • ストレージ・サーバー: 上のLED

    • Cisco管理ネットワーク・スイッチ: 左LED (正面から見て)は緑色、他のLEDは赤色

    • InfiniBand Network Fabricスイッチ: 左LED (前方からの視点)のラベルはPS0、右LED (前方からの視点)のラベルはPS1です。

    • Cisco RoCE Network Fabricスイッチ: 左LED (正面から見て)のラベルはP1、右LED (正面から見て)のラベルはP2。

    • Oracle Exadata Database Machine X2-2のKVMスイッチ: 下LED B

    • Oracle Exadata Database Machine X2-2のKMMスイッチ: PDU Bのみ

  3. 電力ケーブルをPDU Aに接続します。電力ケーブルを接続する前に、ブレーカ・スイッチがOFFになっていることを確認します。

  4. 一度に1つずつPDU Aブレーカの電源を投入します。

  5. 所定のLEDがオンになっていることを確認します。

  6. ラックのすべてのケーブル接続を目視で確認します。コネクタを押して接続を確認しないでください。

  7. すべてのシステムのOK LEDがスタンバイで点滅していることを確認します。スタンバイ・モードで3秒に1回、OK LEDが0.1秒点滅します。ILOMの起動時に、OKのLEDは点滅しません。2、3分後にスタンバイ・モードに移行するまで、LEDは点灯しません。