D Oracle Exadata System Softwareのアクセシビリティに関する推奨事項
Oracle Exadata System Softwareユーティリティでスクリーン・リーダーや拡大鏡を使用する場合は、次のヒントを使用してください。
Oracle Exadata System Softwareには、コマンドラインから実行できるdcli
やcellcli
のようなツールが含まれます。
- スクリーン・リーダーおよびブライユ・ディスプレイの使用に関するヒント
Oracle Exadata System Softwareでスクリーン・リーダーを使用する場合は、次のヒントを使用してください。 - 拡大鏡の使用に関するヒント
Oracle Exadata System Softwareで拡大鏡を使用する場合は、次のヒントを使用してください。 - ExaWatcherのチャートの使用に関するヒント
ExaWatcherはExadata固有のツールであり、Exadataストレージ・セルからパフォーマンス・データを収集します。 - Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA) Webインタフェースのアクセシビリティ
OEDA Webインタフェースは、AAレベル(WCAG 2.0 AA)のWebコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン・バージョン2.0に準拠しています。
D.1 スクリーン・リーダーおよびブライユ・ディスプレイの使用に関するヒント
Oracle Exadata System Softwareでスクリーン・リーダーを使用する場合は、次のヒントを使用してください。
スクリーン・リーダーの例としては、JAWS、SuperNova、NVDAなどがあります。これらはぞれぞれ、テキストを音声として出力し、ブライユ・ディスプレイに対応しています。
-
PuttyまたはCygwinなどの端末では文字モードを使用します。X-WindowsベースのVNCは使用しないでください。
-
スクリーン・リーダーのユーザーは、複数のセッション・サポートを得るためにスクリーンをインストールすることをお薦めします。Linuxベースのスクリーン・プログラムでは、異なるウィンドウで複数のセッションを実行できます。各セッションには、キーボード・ベースのコマンド(
Ctrl-a
など)によりアクセスできます。スクリーンを使用すると、特定のウィンドウ・セッションにデタッチまたは再アタッチできます。VNCと同様に、Oracle ExaCHK、patchmgrまたは他のプログラムの実行時に切断された場合は、そのセッションを再アタッチして再開できます。Exadataには、スクリーン・パッケージはデフォルトではインストールされていません。
yum
を使用してこれをインストールする必要があります。詳細は、「How To Use Linux Screen」チュートリアル(https://www.rackaid.com/blog/linux-screen-tutorial-and-how-to/
)を参照してください。 -
端末のソフトウェアの設定では、カーソル・タイプを点滅またはフラッシュするカーソルではなくブロック・カーソルに設定します。
-
コマンドの出力によって大量の情報が生成される可能性があり、端末のウィンドウ、仮想ウィンドウまたはブライユ・ディスプレイに収まらないことあります。たとえば、次のコマンドでは、大量のアラート履歴の出力が生成される可能性があります。
dcli -g cell_group -l root cellcli list alerthistory
1画面分ずつ出力を表示するには、次のように
more
コマンドを使用して出力をパイプ処理します。dcli -g cell_group -l root cellcli list alerthistory | more
スペース・バーを使用して、次の出力にページを切り替えることができます。
-
exachk
またはdbnodeupdate.sh
が対話的に起動されたときは、more
またはpage
コマンドを使用して出力をパイプ処理しないでください。これは実行するとき、情報メッセージを端末に表示します。メッセージが一時停止するのはexachk
でユーザーの入力が必要な場合です。入力を受け取ると再開します。重要なメッセージ、ユーザー入力、エラーおよびチェック結果は様々なファイルに記録されます。exachk
の結果はHTMLレポートに書き込まれます。支援技術が実行されているコンピュータにHTMLレポートを転送し、支援技術を使用してアクセスできるブラウザでHTMLレポートを開いてください。 -
patchmgr
ユーティリティを実行しているとき、時間がかかるタスクが行われていると、スピナーとカウントダウン・クロックが表示されます。スピナーでは\
、|
、/
の文字が順に表示され、カウントダウン・クロックは定期的に更新されます。タスクが終了すると、結果に応じて成功またはエラーのメッセージが表示されます。出力メッセージもログ・ファイルに記録されます。 -
スクリーン・リーダーの推奨設定の一部を次に示します(ここでは例としてJAWSを使用しています)。
-
JAWSのカーソルを「All」に設定します。「All」が読み上げられるまで
[Insert]キーを押しながら[s]キー
を押します。 -
仮想カーソルはオフにすることをお薦めします。JAWSを使用している場合、
[Insert]キーを押しながら[z]キー
を押してこれを設定できます。 -
テキストをキャプチャするために仮想ウィンドウを使用します。JAWSを使用している場合、
[Insert]キーを押しながら[Alt]キーと[w]キー
を押してこれを設定できます。
-
D.2 拡大鏡の使用に関するヒント
Oracle Exadata System Softwareで拡大鏡を使用する場合は、次のヒントを使用してください。
拡大鏡の例としては、ZoomText、MAGic、SuperNovaなどがあります。
-
拡大鏡は、文字ベースの端末とX-WindowベースのVNCの両方に対応できます。
-
拡大鏡のスクリーン・リーダー機能(ZoomTextスクリーン・リーダー)を使用している場合は、前述したように文字ベースの端末を使用する必要があります。
-
VNCを使用している場合は、ウィンドウ・ディスプレイのプリファレンス(たとえばTWMまたはICE)を決定してください。ICEのディスプレイ設定は次のように行うことができます。
vncserver -geometry 1600x950 :2
1600x950
はディスプレイ・サイズを指定し、:2
はVNCディスプレイ番号を指定します。
D.3 ExaWatcherのチャートの使用に関するヒント
ExaWatcherはExadata固有のツールであり、Exadataストレージ・セルからパフォーマンス・データを収集します。
ExaWatcherで収集されたデータは、Webページでグラフ表示できます。Webページは、Oracle JavaScript Extension Toolkit (JET)、HTMLおよびARIAの使用に基づいています。ExaWatcherのページには、キーボードのみを使用して移動できるチャートを表示できます。
D.4 Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA) Webインタフェースのアクセシビリティ
OEDA Webインタフェースは、AAレベル(WCAG 2.0 AA)のWebコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン・バージョン2.0に準拠しています。
OEDA Webインタフェースは、Oracle JETを使用して構築され、次のサポートを提供します。
-
キーボード・ナビゲーションおよびタッチ・ナビゲーション
Oracle JETコンポーネントは、Web Accessibility Initiative - Accessible Rich Internet Application (WAI-ARIA)のガイドラインに準拠します。Oracle JETホットキー情報は、Oracle JavaScript Extension Toolkit (JET)キーボードおよびタッチ・リファレンスを参照してください。
-
ズーム
Oracle JETでは、最大200%までのブラウザ・ズームをサポートしています。たとえば、Firefoxブラウザでは、「表示」→「ズーム」→「拡大」の順に選択できます。
-
スクリーン・リーダー
Oracle JETでは、WAI-ARIA標準に準拠するコンテンツを生成することによって、JAWS、Apple VoiceOver、Google Talkbalkなどのスクリーン・リーダーをサポートしており、特別なモードは必要ありません。
-
Oracle JETコンポーネントのロールと名前
各コンポーネントには適切なロール(
button
、link
など)があり、各コンポーネントは関連する名前(ラベル)をサポートしています(該当する場合)。 -
十分な色のコントラスト
Oracle JETには、少なくとも4.5:1の輝度コントラスト比を提供するように設計されたAltaテーマが用意されています。
OEDA Webインタフェースの概要
OEDA Webインタフェースには2つのリージョンがあります。ナビゲーション・リージョンはページの左端の部分であり、メイン・リージョンは残りの部分になります。ナビゲーション・リージョンにはセクションのリストが含まれており、メイン・リージョンには様々な構成の詳細を指定したりユーザー・インタフェースを制御する際に使用される、様々なフィールドおよびその他の要素が含まれています。
主なセクションは次のとおりです。
- ハードウェアの選択
- オペレーティング・システムの選択
- RACネットワーク
- ユーザーとグループ
- クラスタの定義
- ディスク・グループ
- データベース・ホームの作成
- データベースの作成
- クラスタ・ネットワーク
- アラート
- コメント
最初は、「ハードウェアの選択」セクションが唯一アクティブなセクションです。各セクションが完了すると、ナビゲーション・リージョンで次のセクションがアクティブになり、対応する詳細がメイン・リージョンに追加されます。通常はセクションを順番に完了しますが、ユーザーは、インタフェースを使用して前のセクションに戻り、変更を追加できます。各セクションに関連する要素は縮小可能な領域にグループ化され、各領域には領域を展開および縮小するボタンがあります。
OEDA固有のキーボード・ショートカット
次の表に、OEDA Webインタフェースを制御および移動するためのキーボード・ショートカットを示します。
説明 | Windows | Mac OS |
---|---|---|
すべてのセクションを閉じます | [Alt]+[Ctrl]+[C] | [Option]+[Ctrl]+[C] |
すべてのセクションを開きます | [Alt]+[Ctrl]+[E] | [Option]+[Ctrl]+[E] |
「オプション」メニューにフォーカスを移動します | [Alt]+[Ctrl]+[M] | [Option]+[Ctrl]+[M] |
メイン・リージョンにフォーカスを移動します | [Alt]+[Ctrl]+[N] | [Option]+[Ctrl]+[N] |
OEDAを使用したキーボードおよびスクリーン・リーダー・ナビゲーション
OEDA Webインタフェースを起動すると、最初は「オプション」メニュー・ボタンにフォーカスが置かれます。「オプション」メニュー・ボタンをアクティブにすると、メニューが開き、メニュー項目のリストが表示されます。「オプション」メニュー・ボタンにフォーカスがあるときに[Tab]キーを押すと、フォーカスがナビゲーション・リージョンに移動します。ナビゲーション・リージョンにフォーカスがあるときに[Tab]キーを押すと、フォーカスがメイン・リージョンに移動します。
どこからでも「オプション」メニューにアクセスするには、キーボード・ショートカット(Windowsの場合は[Alt]+[Ctrl]+[M]、Mac OSの場合は[Option]+[Ctrl]+[M])を使用します。フォーカスをメイン・リージョンに戻すには、Windowsで[Alt]+[Ctrl]+[N]を使用するか、Mac OSで[Option]+[Ctrl]+[N]を使用します。
OEDAは、タブ付きインタフェースを使用してセクション内の複数のインスタンスを表します。たとえば、「ハードウェアの選択」セクションには「+」ボタンがあり、別のラックの詳細を含む新しいタブが作成されます。新しいタブが作成されると、新しいタブにフォーカスが移動します。矢印キーを使用して複数のタブ間を移動したり、スペース・バーまたは[Enter]キーを使用してタブをアクティブにできます。タブにフォーカスがあると、JAWSスクリーン・リーダーは、タブ・ラベルおよびそれが削除可能かどうかを識別します。
ナビゲーション・リージョンでアクティブなセクションを選択しても、フォーカスはメイン・リージョンの関連領域に移動しません。これは既知の問題であり、バグ35029653を使用して追跡されます。キーボードのみを使用して問題を回避するには、次の手順を実行します。
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キーボード・ショートカットを使用して、メイン・リージョンのすべてのセクションを縮小します(Windowsの場合は[Alt]+[Ctrl]+[C]、Mac OSの場合は[Option]+[Ctrl]+[C])。
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[Tab]キーを使用して、メイン・リージョンに移動します。
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メイン・リージョンで、[Tab]キー(または[Shift]+[Tab])を使用して、縮小されたセクションのリストで目的のセクションに移動します。
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スペース・バーまたは[Enter]キーを使用して、目的のセクションをアクティブ化して展開します。
JAWSスクリーン・リーダーを使用して問題を回避するには、次の手順を実行します。
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JAWSのキーボード・ショートカットを使用して、アクティブなボタンのリストを取得します([Ctrl]+[Insert]+[B])。
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JAWSのボタン・リスト・ダイアログを使用して、目的のセクションに関連付けられている展開/縮小ボタンに移動します。
JAWSを使用する場合は、次のことに注意してください。
-
JAWSのボタン・リスト・ダイアログには有効なすべてのボタンが含まれており、長いリストになる場合があります。
-
ページ・ヘッダーを除き、OEDA WebインタフェースにはHTMLヘッダー(
<H2>
、<H3>
など)は含まれていません。したがって、JAWS内でHTMLヘッダーを使用して移動することはできません。 -
OEDA Webインタフェースにはリンクは含まれていません。したがって、JAWS内のリンクを使用して移動することはできません。