論理システム・アーキテクチャとは
論理システム・アーキテクチャは、BIドメインと呼ばれる複数の管理可能なコンポーネントを統合した単一のセットで構成されています。この一連のBIドメインは、単一のホスト上にインストールして連携して機能するように構成することも、パフォーマンスや可用性を考慮して複数のホストでクラスタ化することも可能です。
ノート:
Oracle HTTP ServerやApache HTTP ServerなどのWebサーバーをシステムとともに使用することで、本番システムのパフォーマンスを向上させることができます。Webサーバーはデフォルトではインストーラに含まれておらず、論理システム・アーキテクチャの一部でもありません。Webサーバーは個別にインストールして構成する必要があります。このセクションには次のトピックが含まれます:
Oracle Analytics Serverのシステム・アーキテクチャ
Oracle Analytics Serverは単一ホスト上にインストールしますが、後で追加のコンピュータにスケール・アウトできます。
デプロイメントのスケーリングを参照してください。
次の図に、単一ホストにおけるシステム・アーキテクチャを示します。Oracle Analytics Serverのコンポーネントを参照してください。
Oracle Analyticsは単一ホスト上にインストールしますが、複数のホストにスケール・アウトできます。Javaコンポーネント(WebLogic Serverドメイン)とシステム・コンポーネントが、単一のBIドメインの一部として各ホストにクラスタ化されています。どちらのホストにも管理サーバーが存在しますが、1つのホストのみでアクティブになります。
Oracle Analytics Serverのコンポーネント
Oracle Analytics Serverをインストールする際に、ホストのBIドメインにいくつかのコンポーネントをインストールできます。
BIドメインは、単一のWebLogic Serverドメイン内の1つ以上のJava EE(JEE)コンテナにデプロイされるJavaコンポーネント、(非JEE)システム・コンポーネントとプロセス、および必要な構成ファイル、メタデータ・リポジトリおよびインフラストラクチャで構成されます。
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管理サーバー — システムを管理するためのJavaコンポーネントが含まれる、専用のJava仮想マシンで実行されるJEEコンテナとしてデプロイされます。これらのコンポーネントには、Oracle WebLogic Server管理コンソール、Oracle Fusion Middleware ControlおよびJMX MBeanがあります。
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管理対象サーバー — システム内でJavaベースのサービスおよびアプリケーションに実行時環境を提供する、専用のJava仮想マシンで実行されるJEEコンテナとしてデプロイされます。これらのサービスおよびアプリケーションには、Oracle BI Publisher、プレゼンテーション・サービスおよびコンポーザが含まれます。
BIドメインには、1つ以上のホスト・コンピュータに分散される管理対象サーバーが1つ以上含まれます。
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ノード・マネージャ — 管理サーバー、管理対象サーバーのプロセスおよびシステム・コンポーネントに対するプロセス管理サービスを提供します。
『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャの概要に関する項を参照してください。
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システム・コンポーネント — コア・サービスを提供するサーバー・プロセスとしてデプロイされます。
「管理サーバー、管理対象サーバーおよびシステム・コンポーネントについて」を参照してください。システム・プロセスの制御の詳細は、プロセス制御コマンドを参照してください。
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その他のドメイン・コンテンツ — 必要なすべてのソフトウェア、構成ファイル、メタデータ、WLSTコマンド、セキュリティおよびシステムを実行するために必要な接続およびデータベース構成情報が含まれます。
詳細は、次を参照してください。
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セキュリティの構成 - Oracle Analytics Serverセキュリティの管理を参照してください。
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メタデータ - WebLogic Server Scripting Toolを使用したOracle Analytics Serverインスタンスの管理およびOracle Analytics Serverメタデータ・リポジトリの管理を参照してください。
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管理サーバー、管理対象サーバーおよびシステム・コンポーネントについて
Oracle Analytics Serverには、管理サーバー、管理対象サーバーおよびこの項に記載されているシステム・コンポーネントが含まれます。
『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middlewareの管理スタート・ガイドに関する項を参照してください。
管理サーバーおよび管理対象サーバーについて
管理サーバーおよび管理対象サーバーは、1つ以上のJava EEアプリケーションとしてデプロイされた、次のリストに示すJavaコンポーネントです。
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管理サーバー — 次を使用して、単一ノードまたは複数ノード(分散型)のBIドメインの構成およびランタイム設定を管理します。
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Fusion Middleware Control - BIドメインの管理に使用する管理ユーザー・インタフェースです。
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WebLogic Server管理コンソール — WebLogic、JEEコンポーネントおよびセキュリティをより詳細に管理するための管理ユーザー・インタフェースです。
詳細は、システム管理ツールとはを参照してください。
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管理対象サーバー — 次のコンポーネントを管理します。
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アクション・サービス — Action Frameworkに必要な専用のWebサービスを提供します。これにより、管理者は、ユーザーがアクションを作成する際に参照するWebサービス・ディレクトリを手動で構成できるようになります。
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パブリッシャ — 従業員、顧客および仕入先に向けてあらゆるタイプの高度にフォーマットされたドキュメントを作成、管理および配信するエンタープライズ・レポート・ソリューションを提供します。
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Security — Oracle BIサーバーとOracle Fusion Middlewareセキュリティ・プラットフォームの統合を実現する専用のWebサービスを提供します。
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SOA Webサービス — 分析、エージェントおよび条件を起動するための、プレゼンテーション・カタログのオブジェクト専用のWebサービスを提供します。これらのサービスにより、機能をBusiness Process Execution Language (BPEL)プロセスから簡単に起動できるようになります。
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プレゼンテーション・サービス — HTTPリクエストおよびSOAPリクエストをプレゼンテーション・サービスにルーティングするJEEアプリケーションです。
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システム・コンポーネントについて
システム・コンポーネントは、C++やJ2SEで記述されたプロセスおよびサービスなどの非JEEコンポーネントとしてデプロイされます。詳細は次のとおりです。
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BIサーバー(OBIS) — 問合せ機能およびデータ・アクセス機能を提供するとともに、エンタープライズ・セマンティック・モデル(拡張子が.RPDのファイルに格納)にアクセスおよび管理するサービスを提供します。
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BIスケジューラ(OBISCH) — 指定された時間に分析をユーザーへ配信するための拡張可能なスケジューリング機能を提供します(Oracle BI Publisherには独自のスケジューラが搭載されています)。
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BI JavaHost (OBIJH) — Oracle BIスケジューラ、Oracle BI Publisherおよびグラフ生成におけるJavaタスクなど、様々なコンポーネントのOracle BIプレゼンテーション・サービスでのサポートを可能にするコンポーネント・サービスを提供します。また、BIサーバー問合せによる、Hyperion Financial ManagementデータソースおよびHyperion Planningデータソースへのアクセスを可能にします。
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BIプレゼンテーション・サーバー(OBIPS)— ビジネス・インテリジェンス・データのWebクライアントへのプレゼンテーション用のフレームワークとインタフェースを提供します。このプレゼンテーション・フレームワークのカスタマイズ用にプレゼンテーション・カタログ・サービスを保持します。
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クラスタ・コントローラ(OBICCS)— リクエストがBIドメイン内のBIサーバー・プロセス・インスタンス全体で均等に分散されていることを確認しながら、リクエストをBIサーバーに配信します。