デフォルトのセキュリティ構成

システム・リソースのアクセス制御は、ログイン時の認証をユーザーに要求し、認証されたリソースにのみユーザーがアクセスできるよう制限することによって実現されます。

デフォルトのセキュリティ構成は、Publisherのインストール後すぐに使用可能であり、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・モデルを使用するように構成されています。Publisherは、Oracle WebLogic Serverドメインにインストールされ、そのドメインのセキュリティ・レルムを使用します。デフォルトの構成には、ユーザー・アイデンティティ、資格証明およびPublisher固有の権限付与が可能な3つの事前定義済セキュリティ・ストアが含まれています。ユーザーは、事前構成済のアプリケーション・ロールにマップされた事前定義済グループに追加できます。各アプリケーション・ロールは、特定のPublisher権限を付与するように事前構成されています。

Publisherのデフォルトのセキュリティ・ストアは、インストール時に次の表のように構成されます。

ストア名 目的 デフォルト・プロバイダ オプション

アイデンティティ・ストア

  • 認証の制御に使用。

  • ユーザー、グループ、およびOracle WebLogic Server埋込みディレクトリ・サーバーのユーザー・グループを格納

  • Oracle WebLogic Server埋込みディレクトリ・サーバー

  • Oracle WebLogic Server管理コンソールで管理

Publisherが代替の認証プロバイダを使用するように構成できます。

ポリシー・ストア

  • 認可の制御に使用。

  • アプリケーション・ロール定義およびグループとアプリケーション・ロール間のマッピング定義を格納

  • system.jazn-data.xmlファイル。デフォルトのインストール場所は、MW_HOME/user_projects/domain/your_domain/config/fmwconfigです

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlで管理

PublisherがOracle Internet Directoryをポリシー・ストア・プロバイダとして使用するように構成できます。

資格証明ストア

提供された、またはシステムにより生成された、パスワードおよびその他のセキュリティ関連の資格証明を格納

  • cwallet.ssoファイル。

  • Fusion Middleware Controlを使用して管理

PublisherがOracle Internet Directoryを資格証明ストア・プロバイダとして使用するように構成できます。

デフォルトのユーザーとグループ

管理ユーザーはOracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、ユーザーとグループのデフォルト名を別の値に変更したり、新しい名前を追加することができます。

次の表には、Publisherのアイデンティティ・ストア・プロバイダのインストール後にそのプロバイダに追加されるデフォルトのユーザー名とパスワードがリストされています。

デフォルトのユーザー名とパスワード 目的 説明

名前:

管理者ユーザー

パスワード:

ユーザー指定

管理ユーザー

このユーザー名はインストールを実行する人が入力し、任意の名前でもよく、管理者という名前である必要はありません。

インストール時に入力されたパスワードは、アイデンティティ・ストア・プロバイダの管理インタフェースを使用して後で変更できます。

この単一の管理ユーザーは、PublisherとOracle WebLogic Serverで共有されます。このユーザーは、インストール後にOracle WebLogic Serverのデフォルトの管理者グループのメンバーに自動的になります。これにより、このユーザーは、Oracle WebLogic Serverの埋込みディレクトリ・サーバーの管理など、Oracle WebLogic Serverのすべての管理タスクを実行できるようになります。

Publisherのインストール中にデフォルトのグループは作成されません。

デフォルトのアプリケーション・ロールと権限

Publisherの権限は特定のロール別に付与されます。権限は、グループやアプリケーション・ロールの階層から継承される場合もあります。

次の表は、これらの権限を付与するPublisherの権限とアプリケーション・ロールを示しています。このマッピングは、デフォルトのポリシー・ストアに存在します。

この表は、対応するデフォルトのアプリケーション・ロールのメンバーとなることで明示的に付与される権限を示しています。権限は、グループやアプリケーション・ロールの階層から継承される場合もあります。権限の継承の詳細は、「権限の付与と継承」を参照してください。

Publisherの権限 説明 権限を明示的に付与するデフォルトのアプリケーション・ロール

oracle.bi.publisher.administerServer

「管理」ページにアクセスする管理リンクを有効にして、システム設定を行う権限を与えます。

重要: 共有フォルダのBIServiceAdministrator権限の付与に必要な追加ステップの詳細は、「BIServiceAdministratorロール・カタログ権限の付与」を参照してください。

BIServiceAdministrator

oracle.bi.publisher.developDataModel

データ・モデルを作成または編集する権限を付与します。

BIContentAuthor

oracle.bi.publisher.developReport

レポート、スタイル・テンプレート、およびサブ・テンプレートを作成または編集する権限を付与します。また、この権限によってPublisherサーバーにTemplate Builderから接続できるようになります。

BIContentAuthor

oracle.bi.publisher.runReportOnline

レポートを開き(実行し)、生成したドキュメントをレポート・ビューアに表示する権限を付与します。

BIConsumer

oracle.bi.publisher.scheduleReport

ジョブを作成または編集したり、ジョブを管理および参照する権限を付与したりします。

BIConsumer

oracle.bi.publisher.accessReportOutput

ジョブ履歴と出力を参照し管理する権限を付与します。

BIConsumer

暗黙的に付与されるBIConsumer権限

認証ロールは、デフォルトではBIConsumerロールのメンバーであり、すべての認証ロール・メンバーには、BIConsumerロールの権限が暗黙的に付与されます。

認証済ロール

認証ロールは、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・モデルで提供される特別なアプリケーション・ロールであり、このセキュリティ・モデルをデプロイするすべてのアプリケーションで使用できる必要があります。Publisherは、認証アプリケーション・ロールを使用して、その認証ロールがメンバーとして属しているロールおよびグループ階層により暗黙的に取得される権限を付与する必要があります。認証ロールは、デフォルトではBIConsumerロールのメンバーであり、すべての認証ロール・メンバーには、BIConsumerロールの権限が暗黙的に付与されます。デフォルトでは、すべての認証ユーザーは自動的にBIConsumersグループに追加されます。認証ロールはobiアプリケーション・ストライプに格納され、Publisherのポリシー・ストアでは検索できません。ただし、認証ロールはポリシー・ストアの管理インタフェースには表示されます。これをアプリケーション・ロールのリストで使用し、別のアプリケーション・ロールのメンバーとして追加することができます。認証ロールは、別のユーザー、グループまたはアプリケーション・ロールにマップできますが、認証ロール自体を削除することはできません。認証済ロールを削除すると、システムにログインできなくなり、この権利の明示的な付与が必要になります。

Oracle Fusion Middlewareのセキュリティ・モデルおよび認証済ロールの詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』を参照してください。

BIServiceAdministratorロールへのカタログ権限の付与

BIServiceAdministratorロールには、カタログの読取り権限のみがデフォルトで付与されます。

つまり、BIServiceAdministratorが共有フォルダを管理するには、BIServiceAdministratorロールに共有フォルダ・ノードの書込みおよび削除権限が付与されている必要があります。カタログにおける権限の付与の詳細は、「カタログ権限の付与」を参照してください。