B Oracle Key Vault okvutilエンドポイント・ユーティリティ・リファレンス
okvutil
ユーティリティを使用すると、セキュリティ・オブジェクトのアップロードとダウンロードのタスクを実行できます。
- Okvutilユーティリティについて
okvutil
ユーティリティは、セキュリティ・オブジェクトの管理に使用できるコマンドライン・ユーティリティです。 - okvutilコマンド構文
okvutil
ユーティリティの構文では、コマンドを指定するためのショート形式とロング形式のオプションが提供されています。 - okvutil changepwdコマンド
okvutil changepwd
コマンドは、Oracle Key Vaultへの接続に使用される資格証明に関連付けられているパスワードを変更します。 - okvutil diagnosticsコマンド
okvutil diagnostics
コマンドは、デプロイメントの問題をトラブルシューティングするために、エンドポイントの診断および環境情報を収集します。 - okvutil downloadコマンド
okvutil download
コマンドは、Oracle Key Vaultからエンドポイントにセキュリティ・オブジェクトをダウンロードします - okvutil listコマンド
okvutil
list
コマンドは、アップロードされた使用可能なセキュリティ・オブジェクトをリストします。 - okvutil uploadコマンド
okvutil upload
コマンドは、セキュリティ・オブジェクトをOracle Key Vaultにアップロードします。 - okvutil signコマンド
okvutil sign
コマンドは、Oracle Key Vaultサーバーに格納されている秘密キーを使用して、メッセージまたはメッセージ・ダイジェストのデジタル署名を生成します。 - okvutil sign-verifyコマンド
okvutil sign-verify
コマンドは、Oracle Key Vaultサーバーに格納されている公開キーまたは証明書を使用して、メッセージまたはメッセージ・ダイジェストのデジタル署名を検証します。 - okvutil一般エラー
okvutil
一般エラーでは、そのエラーの条件、およびその発生理由が説明されます。
B.1 okvutilユーティリティについて
okvutil
ユーティリティは、セキュリティ・オブジェクトの管理に使用できるコマンドライン・ユーティリティです。
okvutil
コマンドライン・ユーティリティを使用すると、Oracle Key Vaultとの間でセキュリティ・オブジェクトを検索、アップロードおよびダウンロードできます。また、okvutil
を使用して、ウォレット・パスワードを変更したり、システム診断を収集することもできます。
okvutil
ユーティリティは、エンドポイントにプロビジョニングされているTransport Layer Security (TLS)証明書を使用してOracle Key Vaultへの認証を実施します。
B.2 okvutilコマンド構文
okvutil
ユーティリティの構文では、ショート形式とロング形式のオプションを使用してコマンドを指定できます。
構文
okvutil command arguments [-v verbosity_level]
パラメータ
表B-1 okvutilコマンド構文
パラメータ | 説明 |
---|---|
command |
|
arguments |
付加されるコマンドに渡す引数を示します。 |
|
冗長性レベルを示します。指定可能な値は0、1および2です。冗長性レベル2を指定した場合、コマンドの実行時に標準で出力される詳細のレベルが最大になります。冗長性の値の意味は次のとおりです。
|
|
オプションを使用して、 okvutil command --help |
オプション指定のショートおよびロング形式
ショート形式とロング形式のいずれかでオプションを指定できます。
ノート:
エンドポイント・プラットフォームAIXおよびHP-UX (IA)では現在、ショート形式のオプションのみがサポートされています。
-
ショート形式: 1つのハイフンと1字の英字オプション名のみを使用します。たとえば:
-l /home/username -t wallet
-
ロング形式: 2つのハイフンと完全なオプション名を使用します。たとえば:
--location /home/username --type wallet
このガイドの例では、ショート形式を使用します。
okvutilのパスワード入力要求のしくみ
okvutil
のコマンドでは、次の状況においてパスワードの入力を求められます。
-
エンドポイントのインストール時に、Oracle Key Vaultにアクセスするためのパスワード保護ウォレットを作成した場合。
-
-l
オプションを使用してOracle WalletファイルまたはJavaキーストア・ファイルを指定した場合。この場合、okvutil
を使用してOracle Key Vaultにアップロードしようとしているウォレットまたはキーストアのパスワードの入力を求められます。
B.3 okvutil changepwdコマンド
okvutil changepwd
コマンドは、Oracle Key Vaultへの接続に使用される資格証明に関連付けられたパスワードを変更します。
パスワード保護ウォレットを使用してOracle Key Vaultエンドポイントのユーザー資格証明を格納している場合は、このコマンドを使用します。新しいパスワードは、JCKSまたはウォレット・ファイルのアップロード時のパスワードと同じにする必要はありません。
構文
ショート形式:
okvutil changepwd -l location [-t type] [-v verbosity_level ]
ロング形式:
okvutil changepwd --location location [--type type] [--verbose verbosity_level]
パラメータ
表B-2 okvutil changepwdコマンドのオプション
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
パスワードを変更するウォレットのディレクトリの場所を指定します。 |
|
データ・タイプを指定します。 |
|
冗長性レベルを示します。0 (なし)、1 (デバッグ)、2 (詳細デバッグ)のいずれかです。 |
例: Oracle Key Vaultエンドポイント・パスワードの変更
次の例は、okvutil changepwd
コマンドを使用してエンドポイント・パスワードを変更する方法を示しています。新しいパスワードの作成を求められたら、8文字から30文字でパスワードを入力します。
$ okvutil changepwd -l ./home/oracle/okvutil/ssl -t WALLET Enter wallet password: current_endpoint_password Enter new wallet password: new_endpoint_password Confirm new wallet password: new_endpoint_password
B.4 okvutil diagnosticsコマンド
okvutil diagnostics
コマンドは、デプロイメントの問題をトラブルシューティングする目的でエンドポイントの診断情報や環境情報を収集します。
情報はdiagnostics.zip
ファイルに配置され、このファイルをOracle Supportに提供して詳細な分析およびデバッグを依頼できます。
次のような情報が収集されます。
-
シェル環境変数:
OKV_HOME
、ORACLE_HOME
、ORACLE_BASE
、ORACLE_SID
、PATH
、CLASSPATH
-
okvclient.ora
内のOracle Key Vaultサーバーの構成およびIPアドレス -
OKV_HOME
とそのサブディレクトリのディレクトリ・リスト -
エンドポイント上のOracle Key Vaultログ・ファイル
-
Oracle Key Vaultエンドポイント・インストーラによって作成されたシンボリック・リンクのリスト
-
ネットワーク設定とping結果
okvutil diagnostics
コマンドは、ユーザー資格証明やセキュリティ・オブジェクトなどの機密情報を収集しません。
構文
ショート形式:
okvutil diagnostics [-v verbosity_level]
ロング形式:
okvutil diagnostics [--verbose verbosity_level]
パラメータ
表B-3 okvutil diagnosticsコマンドのオプション
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
冗長性レベルを示します。0 (なし)、1 (デバッグ)、2 (詳細デバッグ)のいずれかです。 |
例: システム診断の収集
次の例は、okvutil diagnostics
コマンドの実行方法を示しています。コマンドを実行した後、Diagnostics complete
メッセージが表示されると、現在のディレクトリにあるdiagnostics.zip
ファイルが使用可能になります。
$ okvutil diagnostics Diagnostics collection complete. ls diagnostics.zip
B.5 okvutil downloadコマンド
okvutil download
コマンドは、Oracle Key Vaultからエンドポイントにセキュリティ・オブジェクトをダウンロードします。
これらのセキュリティ・オブジェクトには、自動ログイン・ウォレット、Javaキーストア、資格証明ファイル、SSH公開キーおよびその他のタイプのキー記憶域ファイルなどのOracleウォレットが含まれます。
仮想ウォレットの内容はキーストア(複数のセキュリティ・オブジェクトを保持できるOracle WalletやJCEKSキーストアなどのコンテナ)にのみダウンロードでき、資格証明ファイルにはダウンロードできません。
一部のキーストアでは、特定のタイプのセキュリティ・オブジェクトの格納のみがサポートされています。JavaキーストアからアップロードしたDSAキーをOracle Walletなどの別のタイプのキーストアにダウンロードしようとすると、エラーが発生します。
タイプSSHサーバーのエンドポイントは、SSH公開キーのフィンガープリントを提供することによって、タイプSSHサーバーのウォレットから公開キーをダウンロードできます。
構文
ショート形式:
okvutil download [-l location] -t type [-g group | -i object_id | -g <group> -F <fingerprint> -H <SSH-server-host-user>] [-o] [-v verbosity_level]
ロング形式:
okvutil download [--location location] --type type [--group group | --item object_id | --group <group> --fingerprint <fingerprint> --ssh-server-host-user <SSH-server-host-user>] [--overwrite] [--verbose verbosity_level]
パラメータ
表B-4 okvutil downloadコマンドのオプション
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
ダウンロード対象の項目を格納するファイルの場所を指定します。この場所でウォレットを作成する権限を持っていることを確認します。ダウンロードするファイルが120 KBを超過していないことを確認します。SSH公開キーをダウンロードする場合は、この設定が必須になります。 |
|
Oracle Key Vaultからダウンロードされるオブジェクトのデータ・タイプを指定します。次のリストにある値である必要があります。
SSH公開キーであるタイプ この設定では、大文字と小文字は区別されません。この設定は必須です。 ノート: downloadコマンドを実行してウォレットをダウンロードし、自動ログインOracleウォレットとして格納する場合は、ORACLE_HOME 環境変数が設定されていることを確認します。ORACLE_HOME 環境変数が設定されていない場合は、Oracle Key Vaultエンドポイント・ユーティリティがorapki ユーティリティを検出できず、エラー「Missing Auto-Login Utility」が表示されます。
|
|
項目( タイプが マルチマスター・クラスタでは、名前のステータスが タイプが |
|
ダウンロードするオブジェクト(機密情報など)の一意のIDを示します(たとえば、ウォレット内の最初のセキュアな外部パスワード・ストア(SEPS)エントリの場合は |
|
SSHサーバー・タイプのウォレットからダウンロードするSSH公開キーのフィンガープリントを示します。タイプが |
-H 、--ssh-server-host-user |
SSH公開キーをリクエストしているSSHサーバー上のホスト・ユーザーを示します。タイプが |
|
現在のディレクトリにすでに存在するウォレットをダウンロードするときに |
|
冗長性レベルを示します。0 (なし)、1 (デバッグ)、2 (詳細デバッグ)のいずれかです。 |
例: Javaキーストアへの仮想ウォレットのダウンロード
次の例は、okvutil download
コマンドを使用してOracle Key Vault仮想ウォレットFinanceWallet
をJavaキーストアにダウンロードする方法を示しています。これは、複数のアプリケーション・サーバー間で同じJavaキーストアを共有し、同じウォレットを使用する場合に便利です。
$ okvutil download -l ./fin/okv/work -t JCEKS -g FinanceWallet
このコマンドを使用すると、次のようにJavaキーストアの新しいパスワードを入力するよう求められます。
Enter new Java keystore password: Confirm new Java keystore password: Download succeeded
B.6 okvutil listコマンド
okvutil
list
コマンドは、アップロードされている、使用できるセキュリティ・オブジェクトをリストします。
オプションなしで、または-g
group
オプションとともに使用した場合、Oracle Key Vaultからリストされる各項目の、一意のID、オブジェクト・タイプおよび記述子が表示されます。
構文
ショート形式:
okvutil list [-llocation
-ttype
| -g group] [-v verbosity_level] -a
ロング形式:
okvutil list [--locationlocation
--typetype
| --group group] [--verbose verbosity_level]
パラメータ
表B-5 okvutil listコマンドのオプション
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
Oracle WalletファイルまたはJavaキーストアの場所を指定します。Oracle Walletの場合、場所は |
|
次のいずれかのタイプを指定します。
この設定では、大文字と小文字は区別されません。 |
|
単一の仮想ウォレットの内容をリストします。このオプションが適用されるのは、 |
|
冗長性レベルを示します。0 (なし)、1 (デバッグ)、2 (詳細デバッグ)のいずれかです。 |
|
対称キーまたは秘密キーの抽出可能設定を表示します。 |
例: 現在のエンドポイントのセキュリティ・オブジェクトのリスト
次の例は、okvutil list
コマンドを使用して、現在のエンドポイントのすべての認可済セキュリティ・オブジェクトをリストする方法を示しています。最後の3行で、DB Connect Password
エントリは、インスタンスにログインするために使用されたパスワード(たとえば、データベース・インスタンスinst01
のユーザーpsmith
のパスワード)を指します。
$ okvutil list
Enter Oracle Key Vault endpoint password: password
Unique ID Type Identifier
F63E3F4A-C8FB-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Symmetric Key TDE Master Key: 062C4F5BAC53E84F2DBF95B96CE577B525
F63E3F4A-C8FC-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Symmetric Key TDE Master Key: 069A5253CF9A384F61BFDD9CC07D8A6B07
F63E3F4A-C8FD-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Opaque Object -
F63E3F4A-C8FE-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Symmetric Key TDE Master Key: 06A66967E70DB24FE6BFD75447F518525E
F63E3F4A-C8FF-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Symmetric Key TDE Master Key: 0636D18F2E3FF64F7ABF80900843F37456
F63E3F4A-C900-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Opaque Object -
F63E3F4A-C901-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Symmetric Key TDE Master Key: 0611E6ABD666954F2FBF8359DE172BA787
F63E3F4A-C902-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Symmetric Key TDE Master Key: 0657F27D64D1C04FAEBFE00B5105B3CBAD
F63E3F4A-C91B-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Opaque Object Certificate Request
F63E3F4A-C91C-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Certificate X509 DN:OU=Class 1 Public Primary Certification Authority,O=VeriSign\, Inc.,C=US
F63E3F4A-C903-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Secret Data DB Connect Password: psmith@inst01
F63E3F4A-C904-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Secret Data DB Connect Password: jdaley@inst02
F63E3F4A-C905-5560-E043-7A6BF00AA4A6 Secret Data DB Connect Password: tjones@inst03
例: Oracle Walletファイルの内容のリスト
この例は、Oracle Walletファイルの内容を示しています。
$ okvutil list -t WALLET -l /home/oracle/wallets
Enter target wallet password: Oracle_wallet_password
Dumping secret store of wallet:
ORACLE.SECURITY.DB.ENCRYPTION.MASTERKEY
ORACLE.SECURITY.DB.ENCRYPTION.Aa4JEUaCeE8qv0Dsmmwe5S4AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
ORACLE.SECURITY.ID.ENCRYPTION.
ORACLE.SECURITY.KB.ENCRYPTION.
ORACLE.SECURITY.TS.ENCRYPTION.BZuIPES7+k/tv0ZwOlDeIp4CAwAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
Dumping cert store of wallet:
There are 1 Certificate Requests in the list
Certificate request:
DN: CN=oracle
Type: NZDST_CERT_REQ
PUB key size: 2048
There are 0 Certificates in the list
There are 0 TPs in the list
B.7 okvutil uploadコマンド
okvutil upload
コマンドは、セキュリティ・オブジェクトをOracle Key Vaultにアップロードします。
これらのセキュリティ・オブジェクトには、自動ログイン・ウォレット、Javaキーストア、資格証明ファイル、ユーザー定義のキー、およびその他のタイプのキー記憶域ファイルなどのOracleウォレットを指定できます。
Oracle Databaseの現在サポートされているすべてのリリースおよびOracle Walletを使用する他のOracleソフトウェア製品から、Oracle Walletをアップロードできます。okvutil upload
コマンドは、ウォレットまたはJavaキーストアを開き、検出された各項目を個別のセキュリティ・オブジェクトとしてOracle Key Vaultにアップロードします。資格証明ファイルをアップロードする場合は、不透明オブジェクトと呼ばれるファイル全体としてアップロードされます。
構文
ショート形式:
okvutil upload [-o] -l location -t type [-g group] [-d description] [-v verbosity_level]
ロング形式:
okvutil upload [--overwrite] --location location --type type [--group group] [--description description] [--verbose verbosity_level]
パラメータ
表B-6 okvutil uploadコマンドのオプション
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
Oracle Key Vault仮想ウォレット内の既存のデータとの競合がある場合は、エンドポイントにより送信された新しいデータで既存のデータが上書きされます。競合がない場合、上書き操作は不要であり、実行されません。このオプションを指定する場合は注意してください。 |
|
Oracle Walletファイル、Javaキーストア、またはユーザー定義および16進数でエンコードされたTDEマスター暗号化識別子とキーを含むテキスト・ファイルの場所を指定します。Oracle Walletの場合、場所は |
|
Oracle Key Vaultにアップロードされるオブジェクトのデータ・タイプを指定します。次のリストにある値である必要があります。
この設定では、大文字と小文字は区別されません。 |
|
証明書ストアまたはシークレット・ストア(あるいはその両方)が追加されるKey Vault仮想ウォレットの名前です。この名前では、大文字と小文字が区別されます。仮想ウォレットがすでに存在し、ユーザーはそれにアクセスすることが認可されている必要があります。この設定を省略する場合、デフォルトのグループがあれば、それが使用されます。デフォルトのグループがないのに |
|
最大2000バイトの説明を追加できます。 この説明は二重引用符で囲みます。この説明にスペースがある場合は、引用符にエスケープ文字を含めます。たとえば: |
|
冗長性レベルを示します。0 (なし)、1 (デバッグ)、2 (詳細デバッグ)のいずれかです。 |
例: -v 2オプションを使用したJavaキーストアのアップロード
次の例では、okvutil upload
コマンドを使用してJavaキーストアをアップロードする方法を示します。-v 2
オプションを使用すると、アップロードされる項目をコマンドがリストできます。okvutil
コマンドは、Oracle Key Vaultに接続するため、およびOracle Walletファイルを開くために必要な場合、パスワードを求めてきます。
$ okvutil upload -l ./fin_jceks.jck -t JCEKS -g fin_wal -v 2 okvutil version 21.5.0.0.0 Configuration file: /tmp/fin_okv/conf/okvclient.ora Server: 192.0.2.254:5696 Standby Server: 127.0.0.1:5696 Uploading from /tmp/fin_okv/keystores/jks/keystore.jks Enter source Java keystore password: Uploading private key Uploading trust point Uploading trust point Uploading private key Uploading private key Uploaded 3 private keys Uploaded 0 secret keys Uploaded 2 trust points Upload succeeded
例: パスワード保護されたウォレット・ファイルのアップロード
次の例は、エンドポイントがOracle Key Vaultに接続するためのパスワードがない場合に、okvutil upload
コマンドを使用してパスワードで保護されたウォレット・ファイルをアップロードする方法を示します。
$ okvutil upload -l . -t WALLET -g FinanceWallet
Enter source wallet password: password
Upload succeeded
例: TDEマスター暗号化キーとして使用するためのユーザー定義のキーのアップロード
次の例では、ユーザー定義のキーをアップロードする方法を示します。
$ okvutil upload -l /tmp/tde_key_bytes.txt -t TDE_KEY_BYTES -g "FIN_DATABASE_VIRTUAL_WALLET" -d \"This key was created for Financial database use on 1st April 2020\"
B.8 okvutil signコマンド
okvutil sign
コマンドは、Oracle Key Vaultサーバーに格納されている秘密キーを使用して、メッセージまたはメッセージ・ダイジェストのデジタル署名を生成します。
okvutil
ユーティリティは、CLIで指定されている場合、最大32768の長さのメッセージに署名できます。okvutil
は、ファイルの形式で提供される場合、任意のサイズのデータに署名することもできます。メッセージまたはRAW形式のファイルの署名に加えて、メッセージ・ダイジェストにも署名できます。
構文
ショート形式:
okvutil sign [-l | -m] [-M ] [-D ] [-i | -n ]
ロング形式:
okvutil sign [-l <location> | -m <message>] [-M <message-type>] [-D <digital-signature-algorithm>] [-i <object-id> | -n <name>]
パラメータ
表B-7 okvutil signコマンドのオプション
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
データを含むファイルの場所を指定します。 |
|
署名するメッセージを指定します。 |
|
-mオプションで指定されたメッセージがRAWかダイジェスト(すでにハッシュ化されている)かを指定します。デフォルト値は
RAW です。使用可能な値は次のとおりです。
|
|
デジタル署名アルゴリズムを指定します。デフォルト値は
|
|
署名に使用される秘密キーのKMIP ID (UUID)を指定します。このKMIP ID (UUID)は、オプション |
|
署名に使用される秘密キーを特定するためのユーザー指定の名前を指定します。これは、オプション |
例2
次の例は、okvutil sign
コマンドの使用方法を示しています。
okvutil sign -l ./lib/liborapkcs.so -i 78916DFB-CC03-4FDB-BFF8-F25C1D846EF6 Enter Oracle Key Vault endpoint password: 79A013DE36E7DBDCD718C37A5510C760429FDE782224F4A7D1442D5C34 64A03C04C6A75676985510D05F225C3E3C2D1484F9ADFE4D59AE8D984F 6C059491FE9D856DC7018C77128EF5EBDE54A0F678C10B33C2C6357BF7 E67895FE235D90F2343AEA5A925DA0D266E27BC5F261C94F2AA3A180C5 26D730BB3540D88967695047070CEB41D325F9E618BF628698710586BC5 C7D1C635E35E5B1B28DA10CD3D1575FA66E2C4BBD5B6DAC0B7AAD83D 69C390491BA4F7763BC6880FD214B07394970322A115C368CB0901FA36B 4131ACF53B635661DED63018BECB18E28BE3D33B7217092DEFA54437DD 46E6FA72891B3B157183CD51920BEF9D154243AACEC9379B
例3
次の例は、okvutil sign
コマンドの使用方法を示しています。
okvutil sign -m \"a152b1752be70662511cd615d4a2e8a9503f7a19ce6f8415ddee8024e56001ec\" -M DIGEST -D RSASSA_PKCS1_v1_5_SHA256 -n private_key Enter Oracle Key Vault endpoint password: 79A013DE36E7DBDCD718C37A5510C760429FDE782224F4A7D1442D5C34 64A03C04C6A75676985510D05F225C3E3C2D1484F9ADFE4D59AE8D984F 6C059491FE9D856DC7018C77128EF5EBDE54A0F678C10B33C2C6357BF7 E67895FE235D90F2343AEA5A925DA0D266E27BC5F261C94F2AA3A180C5 26D730BB3540D88967695047070CEB41D325F9E618BF628698710586BC5 C7D1C635E35E5B1B28DA10CD3D1575FA66E2C4BBD5B6DAC0B7AAD83D 69C390491BA4F7763BC6880FD214B07394970322A115C368CB0901FA36B 4131ACF53B635661DED63018BECB18E28BE3D33B7217092DEFA54437DD 46E6FA72891B3B157183CD51920BEF9D154243AACEC9379B
ノート:
パスワードで保護されたエンドポイントでは、okvutil sign
コマンドは、出力がファイルにリダイレクトされる場合にはエンドポイント・パスワードのパスワード・プロンプトを表示しません。エンドポイント・パスワードを入力する必要があるため、出力をリダイレクトしないでください。
B.9 okvutil sign-verifyコマンド
okvutil sign-verify
コマンドは、Oracle Key Vaultサーバーに格納されている公開キーまたは証明書を使用して、メッセージまたはメッセージ・ダイジェストのデジタル署名を検証します。
okvutil utility
は、CLIで提供されている場合は長さが最大32768のメッセージのデジタル署名を検証でき、ファイルの形式で提供されている場合は任意のサイズのデータを検証できます。RAW形式のメッセージまたはデータのデジタル署名の検証に加えて、okvutil utility
でメッセージ・ダイジェストのデジタル署名を検証することもできます。
構文
ショート形式:
okvutil sign-verify [-l | -m ] [-M ] [-D ] -S [-i | -n ]
ロング形式:
okvutil sign-verify [-l <location> | -m <message>] [-M <message-type>] [-D <digital-signature-algorithm>] -S <signature> [-i <object-id> | -n <name>]
パラメータ
表B-8 okvutil sign-verifyコマンドのオプション
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
データを含むファイルの場所を指定します。 |
|
署名を検証するメッセージを指定します。 |
|
-mオプションで指定されたメッセージがRAWかダイジェスト(すでにハッシュ化されている)かを指定します。デフォルト値は
RAW です。使用可能な値は次のとおりです。
|
|
デジタル署名アルゴリズムを指定します。デフォルト値は
|
|
署名または署名自体を含むファイルを指定します。値が有効なファイルへのパスである場合、署名はファイルから読み取られます。そうでない場合、値は署名自体として扱われます。 |
|
ファイルの署名に使用される秘密キーのKMIP ID (UUID)を指定します。このKMIP ID (UUID)は、オプション |
|
ファイルの署名に使用される秘密キーを特定するためのユーザー指定の名前を指定します。これは、オプション |
例1
次の例は、okvutil sign-verify
コマンドの使用方法を示しています。
okvutil sign-verify -l ./lib/liborapkcs.so -n public_key -S 79A013DE36E7DBDCD718C37A5510C760429FDE782224F4A7D1442D5C34 64A03C04C6A75676985510D05F225C3E3C2D1484F9ADFE4D59AE8D984F 6C059491FE9D856DC7018C77128EF5EBDE54A0F678C10B33C2C6357BF7 E67895FE235D90F2343AEA5A925DA0D266E27BC5F261C94F2AA3A180C5 26D730BB3540D88967695047070CEB41D325F9E618BF628698710586BC5 C7D1C635E35E5B1B28DA10CD3D1575FA66E2C4BBD5B6DAC0B7AAD83D 69C390491BA4F7763BC6880FD214B07394970322A115C368CB0901FA36B 4131ACF53B635661DED63018BECB18E28BE3D33B7217092DEFA54437DD 46E6FA72891B3B157183CD51920BEF9D154243AACEC9379B Enter Oracle Key Vault endpoint password: Signature Validity:Valid
例2
次の例は、okvutil sign-verify
コマンドの使用方法を示しています。
okvutil sign-verify -m \"a152b1752be70662511cd615d4a2e8a9503f7a19ce6f8415ddee8024e56001ec\" -M DIGEST -D RSASSA_PKCS1_v1_5_SHA256 -i 5AFBC939-73D2-4F57-BF9E-8D253AEDCD8B -S ./digital_signature_file Enter Oracle Key Vault endpoint password: Signature Validity:Valid
例3
ノート:
メッセージにスペースが含まれている場合は、エスケープ文字を使用して引用符でメッセージを囲むようにしてください。たとえば、./bin/okvutilsign -i 3FF9E715-7648-4F4A-BF80-E3EC6543F0A0 -m \"Oracle key Vault\"
のようにします。
okvutil sign
コマンドによって生成された署名を検証する方法を示しています。
- opensslは、HEX形式の署名の検証をサポートしていません。
okvutil sign
コマンドで生成される署名はHEX形式であるため、xxdまたは他のユーティリティを使用して署名をバイナリ形式に変換できます。xxd -r -p ./digital_signature_file > ./digital_signature_file.bin
- ファイル
key.pub
に格納されているopensslおよび公開キーを使用して、バイナリ形式の署名を検証します。openssl dgst -sha256 -verify key.pub -signature ./digital_signature_file.bin ./lib/liborapkcs.so Verified OK