作業オーダーの概要

作業オーダーとは、特定の製品の生産に対する権限を伝達する文書を指します。このドキュメントには、製造する製品、方法、数量、期間に関する情報が記載されます。製品項目、作業定義詳細、工程、リソース、コンポーネント、数量、日付も作業指示に指定されます。生産監督者は、「作業オーダーの管理」ページを使って、作業オーダーの検索、作成、更新などの作業実行タスクを行うことができます。さらに、作業オーダーのユーザー定義ステータスを作成できます。「作業オーダーの管理」ページは、タブレット対応のユーザー・インタフェースで設計され、高解像度用に最適化されています。

ショップ型作業オーダーの主な機能のいくつかを次に示します。

作業オーダーは、サプライ・チェーン・オーケストレーションによって、次のものの供給源として作成されます。
- プランニング・セントラルからの計画オーダー
- バック・トゥ・バック・オーダーされた製造品目の販売オーダー
- 構成品目の販売オーダー
- 契約製造品目
利害関係者とのコミュニケーションによって作業オーダー供給の履行を効率化するために、Oracle Social Networkを使用してコラボレーションできます。
シリアルを事前に割り当てることで、製造のシリアル管理をサポートします。
作業オーダーの販売オーダー予約の詳細をレビューして、作業オーダーに優先度を付ける作業に役立ちます。
作業オーダーと各作業オーダーの生産トランザクション履歴が保持され、いつでも表示できます。
作業オーダーは、.xlsmテンプレートを使用して、クラウド・インポート・フレームワークを経由して作成および更新できます。
利害関係者とのコミュニケーションによって作業オーダー供給の履行を効率化するために、Oracle Social Networkを使用してコラボレーションできます。

プロセス作業オーダーの主要な機能には、次のようなものがあります。

副製品および副産物の形で複数の出力品目を作業オーダーでサポートします。
バッチ数量、入力品目数量または出力品目数量の変更に基づいた、作業オーダーの作業定義バッチのスケーリングをサポートします。
作業オーダーと各作業オーダーの生産トランザクション履歴が保持され、いつでも表示できます。
作業オーダーは、.xlsmテンプレートを使用して、クラウド・インポート・フレームワークを経由して作成および更新できます。
利害関係者とのコミュニケーションによって作業オーダー供給の履行を効率化するために、Oracle Social Networkを使用してコラボレーションできます。

作業オーダーの検索

「作業オーダーの管理」ページを使用して、レビューまたは更新する作業オーダーを検索できます。「作業オーダー」、「品目」、「ステータス」、「開始日」および「完了日」などの重要な属性を使用して、基本検索を実行できます。作業オーダーの「タイプ」、「サブタイプ」、「作業定義」、「優先度」、「顧客」、「シリアル番号」、「ワーク・センター」などの追加の条件を使用して、拡張検索を実行することもできます。プロセス作業オーダーの検索をさらに効果的にするために、「作業方法」、「プロセス名」、「出力品目」、「出力品目摘要」などの追加属性が追加されました。

デフォルトでは、検索により、「未リリース」、「リリース済」、「保留中」、使用可能なユーザー定義ステータスなどの事前定義ステータスの、本日開始する、および次の7日間に開始するすべての作業オーダーを取得できます。必要に応じて、保存済の検索機能を使用して検索条件をパーソナライズし、それをデフォルト検索に設定できます。作業オーダー・レコードは、期日超過作業オーダーを強調表示し、作業オーダーの進捗を示すビジュアル・インジケータとともに表形式で表示されます。プロセス作業オーダーでは、作業オーダーの複数の出力を検索結果で表示できます。

ソース・システム・タイプ(内部または外部などの値)やソース・システム・コードなどのソース・システム・フィールドを使用して、検索基準をパーソナライズすることもできます。

「作業オーダーの管理」ページの「IoTインサイト」アイコンをクリックして、IoT Production Monitoringの作業オーダー・ビューにドリルダウンし、作業オーダー詳細、ファクトリレベル・メトリックおよびマシンレベル詳細を表示します。「作業オーダーの管理」の「検索結果」ページと「作業オーダーの編集」ページの「履歴」タブでは、IoT Production Monitoringの作業オーダー・ビューにドリルダウンして、作業オーダーの実際の生産進捗を把握できます。

ノート: 作業オーダーでは、「作業オーダーの管理」ページからコンポーネント・リスト、ラベルまたは作業オーダー伝票を印刷できます。

ノート: 「作業オーダーの管理」ページでは、作業オーダーなしトランザクションを問い合せたり検索することはできません。

作業オーダーの作成

作業オーダーの作成ページでは、作業オーダーをすばやく作成するために最小限必要な情報が取得されます。ショップ型作業オーダーは、「品目」、「作業オーダー・ステータス」、「作業オーダー数量」、「開始日」または「完了日」、「作業定義」などの属性に基づいて作成できます。作業オーダーを作成するためにユーザー定義ステータスを選択することもできます。プロセス名またはプライマリ出力品目に基づく標準プロセス作業オーダーのみを作成できます。

作業オーダーの更新

次の作業オーダーの詳細を更新できます。

作業オーダー・ヘッダー属性(数量、優先度など)
開始日または完了日の更新による作業オーダーの再スケジュール
作業オーダー・ステータスを事前定義済またはユーザー定義ステータスに更新します
工程、資材およびリソース所要量の管理
添付の追加または削除
一括処理の実行による、作業オーダー・ステータスまたは優先度の更新
付加フレックスフィールドの値の取得

プロセス製造作業オーダーの新しい属性が「プロセスおよびプライマリ出力」リージョンに表示されます。オプションで、バッチ数量またはプライマリ出力品目数量を更新できます。一方の属性の更新に基づいて、もう一方が再計算されます。

作業オーダーの資材のピック

「作業オーダーの管理」ページで、1つまたは複数の作業オーダーを選択して「リリース」をクリックし、それを生産の製造現場にリリースすることもできます。また、「資材のリリースおよびピック」をクリックして「作業オーダーの資材のピック」予定済プロセスを直接開始することもできます。次のピッキング・パラメータがあるダイアログ・ボックスが表示されます。これらのパラメータのデフォルトは工場パラメータに基づきます。

ピック・スリップ・グループ化ルール(必須パラメータ)
ピック・スリップの印刷
将来の時間数
過去の時間数
工程連番: 自
工程連番: 至
すべての適格資材が使用可能な場合のみ作業オーダーをピック

Oracle ManufacturingをWarehouse Management Systemと統合して、作業オーダーの資材をピックし、WMSで移動リクエストを実行できます。作業オーダーの資材のピッキングの詳細は、『Inventory Managementの使用』ガイドを参照してください。

ノート: Oracle ManufacturingがWarehouse Managementシステムと統合されている場合、ピック・スリップ・グループ化ルールおよび印刷ピック・スリップ・パラメータは適用できません。

このダイアログ・ボックスは、資材有効数量割当の管理ページの「資材のリリースおよびピック」処理をクリックして予定済プロセスを開始したときにも表示されます。これらのパラメータを必要に応じてレビューおよび更新し、「OK」をクリックしてプロセスを開始します。

これにより、資材の移動要求が作成され、在庫から作業オーダーに直接出庫されるかまたはそれが使用可能な搬送先保管場所に転送されます。生産の際に資材を製造現場で使用できるように、リリース済ステータスの作業オーダーに対してこの処理を実行できます。

在庫の「在庫文書出力プリファレンスの管理」タスクで定義した工場パラメータに基づいて、FAX、プリンタ、Eメールなどの出力デバイスにピック・スリップ・レポートをルーティングすることもできます。これらの出力デバイスは、「作業オーダーの資材のピック」スケジュール済プロセスの「在庫文書出力プリファレンスの管理」在庫タスクを使用して構成できます。

作業オーダーの資材のピッキングの詳細は、このガイドの「作業オーダーの資材のピック方法」のトピックを参照してください。

ノート: REST APIを使用して作業オーダーを管理できます。ただし、REST APIを使用して、作業オーダー、工程、資材およびリソースの添付を追加、更新または削除することはできません。

添付

作業オーダー・エンティティの添付を使用すると、作業指示、図、チェックリスト、標準操作手順などのファイルにすぐにアクセスできます。作業オーダーでは、次のレベルで添付がサポートされます。

作業オーダー・ヘッダー
工程
工程品目
工程リソース
工程出力(プロセス作業オーダーにのみ適用可能)

作業定義が指定されている場合、作業オーダーの作成中に、前述のレベルに対応する作業定義からのすべての添付が作業オーダーにコピーされます。標準工程が作業オーダーに追加されると、工程および工程リソース・レベルの添付が作業オーダーにコピーされます。コピーされた添付は、作業オーダー内に個別に存在します。必要に応じて、添付を追加したり、既存の添付を削除できます。

「その他」カテゴリに属する添付は、デフォルトで常に表示されます。ただし、他のユーザー定義添付カテゴリを構成して、セキュリティ設定に基づいて表示できます。セキュリティを有効にするには、「設定および保守」作業領域およびセキュリティ・コンソールで提供されている標準添付セキュリティ・フレームワークを使用します。

付加フレックスフィールド

追加情報を取得するように、付加フレックスフィールドを使用して作業オーダー・エンティティを構成できます。作業オーダーでは、次のレベルのユーザー定義データを取得するための付加フレックスフィールドがサポートされます。

作業オーダー・ヘッダー
工程
工程品目
工程リソース
工程出力(プロセス作業オーダーにのみ適用可能)

付加フレックスフィールドは、有効になっている場合、ユーザー・インタフェースで追加情報として使用できます。作業オーダー・インポートを介して、付加フレックスフィールドを管理することもできます。

ソーシャル・コラボレーション

Oracle Social Networkを使用することで、作業オーダーに関するソーシャル・コラボレーションが可能になっています。生産監督者は、このフレームワークを使用して利害関係者とコラボレーションできます。作業オーダー・オブジェクトの次の属性を有効にして、属性がOSNオブジェクト・ウォールおよび後続のストリーミング更新で共有されるようにできます。

作業オーダー番号
開始日
完了日
品目
品目摘要
数量
単位 (UOM)
ステータス
実績完了日
顧客

作業オーダー・レベルでのIoT Production Monitoring統合

Internet of Things (IoT) Production Monitoringを製造環境にデプロイして、生産フローおよび機材の状態を監視できます。

Manufacturingの特定の作業オーダーからドリルダウンして、IoT Production Monitoringの作業オーダーまたは機材のリアル・タイムおよび予測ステータスのKPIダッシュボードとデジタル・ツイン・シミュレーションを表示できます。 ManufacturingからIoT Production Monitoringインサイトへの簡単なアクセスは、複数のページで提供されています。

「作業オーダーの管理」ページ
「作業オーダーの編集」ページの「履歴」タブ

IoT Production Monitoringの異常検出および予測分析で、ManufacturingまたはIoT Production Monitoringで実行する処理を決定できます。「作業オーダーの管理」ページで提供される「IoTインサイト」ボタンを使用して、IoT Production Monitoringの作業オーダー・ビューにドリルダウンし、作業オーダー詳細、ファクトリレベルのメトリックおよびマシンレベルの詳細を表示します。