平均残高処理の重要な側面

平均残高処理を使用するには、特定の元帳に対して有効にする必要があります。

この機能により、必要とする元帳に対してのみ平均残高処理を有効にできます。これにより、平均残高処理を必要としない場合に、追加のオーバーヘッドは発生しなくなります。

平均残高処理のその他の重要な側面を次に示します。

残高取得

年の任意の日における平均残高の計算に必要な残高総計情報が計算されます。

有効日トランザクション処理

トランザクションの有効日によって、更新される日末残高および残高総計が決まります。これらの残高によって、平均残高の計算値が決まります。

トランザクション・カレンダ管理

金融機関など、平均残高処理を必要とする一部の組織は、営業日にのみトランザクションを転記する必要があります。週末または休日の転記は許可されませんが、一部の組織では非営業日に期末経過勘定を転記します。トランザクション・カレンダを使用してトランザクション転記を制御できます。トランザクション・カレンダを定義する際には、どの曜日が営業日であるかを選択し、休日も指定します。

平均残高処理が使用可能な各元帳には、トランザクション・カレンダが割り当てられます。トランザクションが転記されると、有効日がトランザクション・カレンダに対してチェックされます。日付が有効な場合、トランザクションは転記されます。無効な日付については、トランザクションの処理方法をアプリケーションで指定できます。

トランザクション・カレンダ管理に関する他のいくつかの点について次に説明します。

  • 複数の元帳でトランザクション・カレンダを共有できます。

  • 元帳セット内の複数の元帳を組み合せて、複数の元帳における期間のオープンやクローズなど、処理の効率を高めることができます。元帳セット内のすべての元帳は同じ勘定体系および会計カレンダを共有している必要がありますが、異なるトランザクション・カレンダを使用できます。

  • 特定のユーザーに非営業日のトランザクション転記を許可できます。

  • 管理はインポート済仕訳および手動仕訳に適用されます。

有効日管理によるトランザクション貸借一致

通常、アプリケーションでは期間全体の合計トランザクション残高が必要です。平均残高処理を有効にすると、有効日ごとに合計トランザクションがチェックされ、借方と貸方の一致が確認されます。そうなっていない場合、トランザクションは拒否されます。または、仮勘定転記が使用可能な場合は、仮勘定への貸借一致エントリが作成されます。

手動仕訳の場合、有効日は個々の仕訳明細ではなく仕訳レベルで入力されるため、直接貸借一致されます。インポートされた仕訳はソートされ、各ソース内において有効日で貸借一致している必要があります。

前日付トランザクション

前日付トランザクションは当期間に限定されません。有効日がオープン期間に転記されているかぎり、前期または前年度の期間であってもかまいません。前日付トランザクションを転記すると、次のようになります。

  • 平均残高の変更は、現在の会計日ではなく有効日を使用して計算されます。

  • アプリケーションでは、有効日および後続のすべての日付の時点で期末残高および残高総計が調整されます。

  • また、標準残高と平均残高の両方が同じ有効日に基づいて調整されます。

レポート

「平均残高の照会および分析」ページ、Smart Viewおよび財務レポートを使用して、元帳または元帳セットの貸借対照表勘定の平均残高または日末残高に関するオンライン情報をレビューできます。要約残高や詳細残高を表示できます。

次の事前定義済レポートを実行することもできます。

  • 平均残高残高試算表レポート: 選択した元帳および勘定科目の標準残高と平均残高、および指定した会計日の日次期間平均、日次四半期平均および日次年度平均の残高が表示されます。

  • 平均残高監査会計分析レポート: 残高総計と関連平均残高を作成するのに使用された詳細勘定活動が表示されます。

複数通貨会計

元帳通貨に加えて、すべてのトランザクション通貨の平均残高および日末残高が保持されます。換算金額と再評価残高、および未実現収益または損失は、平均残高計算にファクタリングされます。